【エシカル対談④】ファッションと日本の若者の関係を紐解く2つのキーワード

2014.12.19 | CATEGORY : MAGAZINE

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好評のこの対談企画。前回の記事ではなぜファッション業界でチャリティーが定着しないのかを議論させて頂きました。

【エシカル対談③】ファッションでチャリティーが根付かない2つの理由 | JAMMIN(ジャミン) | Social Wear Brand

今回は対談記事の最終回。前回の議論から少し飛躍して、今回はファッションの受け取り側である私たち日本人の意識について議論していきました。

「主張しない方が得?」

高橋「チャリティーとファッションで言うと前回話しした業界の課題もそうなんですが、それを受け取る側、消費者にも課題があるんじゃないかと思っています。

例えば、よく見かけるNEW YORKと書いたデザイン。それどういう主張なの?と思ってしまいます。そもそもこうしたところへ気を使うマインドが薄いように感じますがどうですか?」

竹村「ファッションはコミュニケーションツールっていう面だけではないので、相手に不快に思われなければ私はいいと思いますよ。

逆に外国の方が胸にOSAKAと書かれたものを来ているのと一緒、何か憧れみたいなこのが個々にあって、それを選択しているのでは?と思います。

あと、ちょっと話はズレるかもしれませんが、日本には”自分の意見や主張を言わない方が得をするって考える文化”がファッションに影響してると思います。日本人て奥ゆかしくて、自分の意見やオリジナリティを消そう消そうとして生きてるというか。」

高橋「だからあまりメッセージ感が強いと敬遠されるのかもしれませんね。極端な例というか対局にあるのがリクルートスーツとかそうですよね。

ちなみに、私は新卒の企業説明会で”あなたらしい服装”でって書いてあったので、Gパンにパーカーで行ったら、みんなスーツ。よく見るとネクタイや鞄、靴をオシャレにしてたってことがありました。そういう意味か!みたいな。」

竹村「私も基本的にはリクルートスーツは面白みが出ないので好きではないです。しかし、Gパンは、、、作業着ですからね。面接相手に失礼にあたるのかと思います。」

「日本の若者はみんな賢い」

高橋「消費者に関連したところをもう少し探っていきたいんですが、最近の日本の傾向や”あるあるネタ”ってありますか?」

竹村「まず、みんな頭がいいと感じています。色々情報も知ってるので。あと本当に多様化というか、情報があるからか好みは細分化もしてきていますね。

ここに1つ問題提起があるとすれば、情報を見ただけで知ったつもりにならないで欲しいと思ってます。やっぱり本物の価値や雰囲気は直接見て・触れて感じ取るものだし、自分で体験しないのはあまりに勿体無いですよ。」

高橋「知ったつもり。自分も見に覚えがありますね。ネットで見た意見を自分の意見のように言ってしまうとか。あと、変な賢さだと何か思い切った主張を言いづらくもなりますよね。リアルな体験になってなければその主張も薄っぺらく感じてしまうでしょうし。」

イギリスの教育の基本はプロセス重視

高橋「こういう話をし出すと根っこの部分は、小さい頃からの教育によるところが大きいんじゃないかと考えています。イギリスでの生活・仕事の経験から日本との教育の違いを感じたことはありませんか?」

竹村「イギリスはプロセスを重視します。例えば数学でいうと答えが合っていれば終わりじゃなくて、どう解いていくのか?とかどう考えるのか?に重きを置きます。

イギリスの写真家で有名な方がいるのですが、その方は写真を見せるだけでなく、撮影現場はどんな感じなのか、どういうやって出来ていくのかという視点で情報発信をしています。
nick knight (ニック・ナイト)show studio

結局、こうやって出来ていくプロセスを見せることで、自分で考える力っていうのが少しづつ身に付いていくんだと思います。」

高橋「素敵な取り組みですね! こうやって自分で考えるから自分らしさが見つかるし、自分って何が好きなの?という自分への問いに繋がって行くのかもしれませんね。」

対談のまとめ

高橋「最後のまとめをしていきたいのですが、改めて皆さんに伝えたいことはありますか?」

竹村「エシカルファッションはまだまだこれから具体化されていく、新しいファッションコンセプトです。私も先生ではない。
だからこそ、これを読んでくれた人は私やブランドから勉強するんではなくて、自分だったらこうしてみたいとか、こういうのはどうとか、受け身じゃなく参加していって欲しいですね! 
これからもスタイリストとして、エシカル推進団体の代表として頑張っていきます。」

高橋「長時間に渡る対談、ありがとうございました!」

(終わり)

最後に

いかがでしたでしょうか? エシカルファッションというカテゴリーに留まらず様々な話題に触れていきました。エシカルファッションの定義から、買い物術、ファッションとチャリティーの関係、そして今回の私たち日本人の社会性に関する議論まで。

私たち自身学び直す点も多く、改めてファッション業界の面白さと奥の深さを知れました。これからもエシカルファッションが更に深化し、広まっていくことを願って止みません!

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