「身体障害者補助犬法」施行から20年の今年。
盲導犬・介助犬・聴導犬の3つの犬たちの引退後の暮らしを、皆さんご存知でしょうか。
「自分たちのためにこんなにも支えてくれた子たちが、現役としての役目を終えた後、愛情に包まれた第二の人生を過ごし、そして穏やかな最期を迎えられるように」。
盲導犬ユーザーだった当事者が集まり、2003年に立ち上げたNPO法人「日本サービスドッグ協会」が、今週のチャリティー先。
現役としての役目を終えた元補助犬をサポートしたいと、様々な支援を行っています。
40代の頃から徐々に視力を失った、理事長の谷口二朗(たにぐち・じろう)さん(66)。
失意の中で迎え入れた初代の盲導犬「サファイア」は、谷口さんのその後の人生を180度変えてくれたといいます。
サファイアが現役を引退した後、15歳でがんで亡くなるまでを共に過ごし、看取った谷口さん。「体力的にも経済的にも、引退犬を引き取るボランティアはすごく大変。引退犬たちのために、何か少しでも役に立てたら」。
奈良・葛城の事務所にお伺いして、お話を聞きました!
(お話をお伺いした谷口さん。二代目盲導犬「レフ」くんと)
NPO法人日本サービスドッグ協会
奈良県葛城市を拠点に、盲導犬・介助犬・聴導犬などの補助犬とその繁殖犬など働きを終えた引退犬を対象に、支援金の支給や介護用品の貸し出しなどの支援を行うNPO法人。
INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2022/10/03
(14歳になる引退犬の「イエール」くん。皆とっても穏やかで、やさしい表情をしています)
──前回のコラボでは大変お世話になりました。最初に、団体のご活動について教えてください。
谷口:
補助犬と呼ばれる、盲導犬、介助犬、聴導犬の三つのお仕事をする犬たちが現役を引退した後の余生をサポートするのが、当協会の活動です。
犬も人と同じように、年をとるとやがて体力が落ち、いずれ旅立っていきます。その過程で、人間のために頑張って活躍してくれた犬たちが、豊かに老後を過ごせるためにはどのようなサポートが必要か、その時期その時期に応じた支援をさせていただいています。
2022年3月31日までに支援した件数は、4936件になります。
(副理事長の杉田さんご夫婦と、お二人がお世話する引退犬たち。コラボは3年ぶり、変わらない笑顔で温かく迎えてくださいました)
谷口:
歩くことが難しくなった子に補助のバギーを貸し出したり、寝たきりになった子のために床ずれ予防マットやおむつを届けているほか、病気の治療費の支援や、引退犬を介護するボランティアさんが行き詰まってしまうことがないようにと、電話相談等も随時行っています。
介護の経験者によるアドバイスを受けたりしながら、私たちも同時に勉強をさせてもらっています。
亡くなった後、ご希望があれば、引退犬のために協会設立15周年記念に建立した、宝塚動物霊園奈良分院にある慰霊碑に入ることもできます。親やきょうだい、またキャリアチェンジ犬や活動協力犬の納骨も受け入れています。
補助犬として育てられると、どうしても親きょうだいと離れ離れで暮らすことになってしまいますが、お墓でまた家族に再会し、安らかに眠ることができます。
(足腰の弱ってきた子たちのために、スロープやバギーのレンタルも行っているほか、おむつ・ペットシーツ・タオル等、介護用品の支給も行っている。「スロープのおかげで、車にも乗ることができます。必要とする介護用品は、毎月お届けしています」)
(谷口さんと、初代盲導犬のサファイア君。「いつも隣には、笑顔のサファがいました。たくさんの愛情をもってパピーウォーカーさんに育てられたサファの優しくたくましい性格は、いつもほんとうに頼りになりました」)
谷口:
活躍する補助犬がいるということは当然、引退する補助犬がいるということを意味します。盲導犬の場合、1歳で訓練をスタートして、2歳ごろに盲導犬デビューします。
私の二代目のパートナーの「レフ」は1歳10ヶ月、最初のパートナーの「サファイア」はやや遅めで、2歳3ヶ月で盲導犬デビューしました。その後、大体10歳をめどに引退の声がかかります。
人間と同じように犬も年老いていくので、反射神経や判断能力の衰え、視力や聴力の低下などがあるかもしれないというリスクも踏まえて、そのあたりが引退のタイミングとなっています。
(「視力が落ちてから引きこもりがちになり、大好きだったハワイへも行かなくなりました。でもサファが来てくれてアウトドア派に。『よし!サファとハワイに行くぞ!』、サファとは5回、ハワイへ行くことができました。ハワイの風と花の香りを感じながら、共に颯爽と歩いたことを、昨日のことのように思い出します」)
谷口:
ただ、ユーザーとして感じるのは、10歳はまだまだ若い。初代パートナーのサファイアとは、13歳まで一緒に歩きました。「ちょっと反応が鈍くなったかな」「歩くのが遅くなったかな」と感じたのは11〜2歳になってからでしたね。
私たちはサファイアを引退後も引き取るつもりだったので、13歳まで現役で一緒に歩くことができましたが、10歳で引退という根拠として、まだまだ元気なうちに次の新しいお家に行って、そこで新しい飼い主さんとたくさん十分に親睦を深め、愛される家族の一員となって、自然なかたちで介護してもらえる関係を築くということもあります。
──谷口さんは引退したサファイアくんを引き取ったということでしたが、その方法以外では、引退した後はどうなるのですか。
谷口:
補助犬の育成施設は日本全国にありますが、育成している施設によって、引退後の捉え方は異なります。また盲導犬・介助犬・聴導犬それぞれ事情は異なるところもあります。
(17歳と5ヶ月を迎える「シャームス」くん。「シャームスくんは元繁殖犬で、たくさんの子孫がいます。我が家のレフもシャームスくんの孫。いつも家族の真ん中にはシャームスくんがいて、幸せいっぱいです。食欲の秋・お出かけの季節到来!いっぱい楽しもうね」)
谷口:
介助犬や聴導犬の場合は盲導犬ほど外に出る頻度が高くないので、引退後も元のユーザーさんが引き取るケースも少なくないようです。ただ盲導犬の場合、ユーザーに視覚障害があって犬の様子がわからないこともあるため介助がどうしても難しく、引退後は「引退犬ボランティア」と呼ばれるボランティアさんに委託することがほとんどです。
私の場合は家族がいたので、最期を看取ることができました。ここは本当に、ユーザーさんの事情やご家族の事情によってもかわってくるところがあります。
──協会によっての違いについてはいかがですか。
谷口:
補助犬は、補助犬ユーザーにとって、育成した施設から借りているかたちになります。
引退後についてはその施設(協会)に権限があって、ユーザーがその後の生活に関わることが難しいところもあれば、自分のパートナーだった犬が、引退後にどこで、誰のもとで過ごしてほしいか、ユーザーが権限を持って決められるところもあります。
(取材にお伺いした日は、団体が月に1度、開催している「シャンプーデー」。引退犬であればシャンプーボランティアさんよるシャンプーを無料で受けることができます(予約制)。シャワールームで、シャンプーボランティアさんにシャンプーしてもらっているのは、元盲導犬の「メリー」ちゃん。とっても気持ちよさそう。「自宅でのシャンプーは腰が痛くなってしまうので、ここがあることはとても助かっています」とメリーちゃんのママさん)
谷口:
引退犬にかかる諸々や医療費を支援しているところもあれば、していないところもあります。
あるいは、引退犬の定義も施設によってまちまちです。補助犬として5年以上のキャリアがない場合は、引退犬として認められないケースもあります。
ユーザーと合わなかったとか、ユーザーがお世話をするのが大変という理由でキャリアチェンジを求められる子もいて、人間の都合でそのようになってしまうのは正直、どこかで線引きが必要だということは頭では理解していますが、胸が痛いです。その子にも同じようにいのちがあって、その後の暮らしがあるわけですから。
──国や自治体からの支援はないのですか。
谷口:
補助犬育成に関しては支援がありますが、引退後については何の支援もありません。補助犬の引退後に特化して活動しているのも、全国で私たちだけです。最近では関東圏からの問い合わせも増えてきました。
(シャンプー後、専用のドライヤーで毛を乾かしているメリーちゃん。ママさんにも拭いてもらって、至福の表情…!)
谷口:
20年間の活動の中で、少しずつですが認知が広がってきました。
中には、私たちの団体のパンフレットを引退犬ボランティアさんに渡してくださったり、同時におむつなど介護用品を送ってくださる各補助犬施設さんもあります。あるいは個人の方から、「亡くなったうちの犬が使っていたものです」とまだまだ使える犬用のアイテムをご寄付いただくこともあります。
少しずつですがネットワークが広がり、私たちが引退ボランティアさんに貸し出しできる介護用品も増えてきました。
また、介護用品やサプリメント・フード等の寄付で活動を応援してくださる企業様も増え、本当にうれしい限りです。具体的な数字として挙げることは難しいですが、活躍する補助犬の影に隠れて引退犬がいるんだということを、少しずつですが知っていただいている実感はあります。
(啓発活動や募金活動、学校での授業などを積極的に行ってきた。写真は阪急百貨店H2Oサンタのイベントにて。「触れ合い活動には、盲導犬のパピーちゃん(小さな子ども)も参加。いつも大人気です」)
(引退犬やパピーたちと、ハロウィンの仮装。「事務所はいつも賑やかです」)
──団体立ち上げ20周年を迎えられるそうですね。立ち上げたきっかけを教えてください。
谷口:
盲導犬ユーザーだった2名の方が、「今、自分のためにこれだけがんばっているこの子たちは引退後、どうなるんだろう」と将来を案じたことが、立ち上げのきっかけでした。
がんばったこの子たちがなぜ、引退後には何のサポートもないのか。国に掛け合うこともしたようですが、「補助犬の育成は支援しても、引退後は補助犬から一般の犬に戻るだけだから、一般で見たらいい」と返されてしまいました。要は、言葉は悪いですが、使い捨てですよね。
「自分たちのために貢献して、がんばってくれたこの子たちのために」と賛同する仲間やボランティアさんと引退犬支援のために団体を立ち上げたのが20年前でした。
(谷口さんの大切な一枚。「左の写真は、サファの引退前、通勤で毎日二人で歩いた遊歩道で記念に撮影した一枚です。右の写真は、初心者マークをつけてレフと二人で共同訓練を終えた後、第2の人生へと旅立つ際に、訓練所で撮影した一枚です」)
谷口:
僕自身、40歳半ばで難病のために徐々に視力を失い、50歳を前に盲導犬を迎えました。
それまでできていた車の運転ができなくなり、自転車にも乗れなくなり、最後には歩くこともままならなくなり…。目が見えていた頃はできたことが次第にできなくなっていくショックと、とはいえ出かけたい時には、家族や友人の肩を持って外に出るんですが、人間同士は気持ちもすれ違い、肩を持つのもいやになったりしてね。
「ちょっと今、忙しいから」と言われると、もう頼むのもイヤになったり、「外に出て歩こうや」といわれたら腹が立ったりして。ひがんでしまっていたんですよね。だんだん部屋の中に引きこもるようになっていきました。
(失意の底にあった時を支えてくれた、サファイア君への思いを語る谷口さん)
──そうだったんですね。
谷口:
そんな時に、サファイアを迎えました。サファイアは、「どうでもいいや」と思っていた私の気持ちを、くるりとひっくり返してくれた。「この子ともっと出かけたい」「次はどこへ行こう」「この子のためにも元気でおりたい」…、サファイアが、生活にハリを取り戻してくれました。
視力は失いましたが、この子がきてくれて、新しい目が来た感じ。この子と二人でなら、好きな時に、どこへでも歩けると思いました。それまでは誰かの肩を持ってゆっくり歩いていたり、一人で歩いてしょっちゅうケガをしたり溝に落ちたりしていたのが、風を感じられるというのかな。障害物をよけてスッスッスッと誘導してくれて、不安がなくなりました。
もう一つは、動物ならではの癒しですよね。会話ができるわけではないのですが、僕らの言葉や感情を不思議と理解して、いつも側に寄り添ってくれました。
夫婦共にガンと闘うことになりましたが、サファイアがいつも笑顔にしてくれました。いろんな悲しみもいつも吹き飛ばしてくれた大切な存在、我が家の頼れる長男坊でした。
(大好きなハワイでの一枚。「ハワイでは、どこに行っても温かく迎えてくれます。レフにとってもバカンス休暇(笑)。お友だち犬と浜辺を走ったり、笑いあふれる時間をいつも過ごします。サファは5回、レフは3回渡航。コロナ禍で行けなかったですが来年予定しています。サファ兄ちゃんの記録をレフは超えれるかなぁ…」)
(事務所の壁には、亡くなった引退犬たちの写真が飾られていました。「一緒にいてくれてありがとう。亡くなってもずっと一緒だよ。ずっと心に覚えているよ」という思いを感じました)
谷口:
サファイアは13歳と7ヶ月で現役を引退、一緒に訓練施設へ行って、そこで1ヶ月、新しいパートナーであるレフと訓練を受けて帰りました。
引退から9ヶ月後、上顎にがんが見つかりました。最初は鼻筋がぽこっと小さく腫れ、歯茎に炎症があるかもしれないという診断で、抗生物質を処方してもらって治まったんです。しかしまたぽこっと腫れてきて、CTを受けたら腫瘍ですと。細胞診を受けて悪性腫瘍であるとわかりました。ラブラドールレトリバーには非常に多く見られる病気です。
(「サファの闘病中は、楽しいことを考えようといろんな目標を立てました。旅行へ行こう!サファの15歳の誕生日を祝おう!夫婦の結婚記念日を祝おう!クリスマス会をしよう!…。写真はサファが亡くなる1ヶ月ほど前、サファ15歳の誕生日を祝った時の一枚です」)
──そのときはどんなお気持ちでしたか。
谷口:
ちょうど私も入院している時期だったのですが、「この子のためにできることはすべてやろう」と思いました。抗がん剤治療や化学療法、最新の治療法…、できることはすべてやりました。1日でも元気におってほしい、1日でも長く自分たちのところにおってほしいという気持ちでした。
腫瘍を取り切ることは難しいと手術を断られてしまったのですが、日本で数名しかいない名医の先生を紹介していただいて、腫瘍をとっていただきました。
寛解といわれたぐらい一時期元気になりましたが、8ヶ月後にまた同じ場所が腫れてきて再発がわかりました。脳に転移して、てんかん発作などが出るようになり、最期の3週間はほぼ寝たきりの生活でした。食欲も失せて痩せ細り、活発な頃は31キロあった体重が、20キロを切るようになっていました。
(家族旅行で白浜へ。「バギーがあり、助かりました。食いしん坊だったサファイアが食べなくなった時が一番つらかったです。いろんな缶詰を買ってあれこれ試す日々、でも今日食べたものでも、次の日には食べない。最後は、病院で買ったカロリーのあるドリンクで過ごしました。治療を乗り越えて順調にガンも抑え込めていると思っていたのですが…、再発した時には『なんで!父ちゃんがかわってやりたい!サファ、ごめんな』と抱きしめながらと泣いたのを覚えています。寝る前には、サファの手足をマッサージしながら話しかけるのが日課でした」)
谷口:
私たち夫婦の結婚記念日が11月21日なのですが、それを見守るようにして…、2016年11月22日の午前3時ごろ、サファイアは静かに亡くなりました。11月22日は「良い夫婦の日」ですよね。サファイアからの、「良い夫婦になれよ」という最後のメッセージだったのかなと思っています。
彼がいてくれたことで、視力を失って真っ暗だった私の人生がどれだけ変わったか。彼がつないでくれた仲間・親友・・・彼の思い出と共に、心から「ありがとう」の言葉しかありません。宝塚の霊園での告別式には、会場に入りきらないほどたくさんの方が集まってくださいました。
──皆に愛されていたんですね。
谷口:
この子を忘れたくないということで、当時は私が個人として、慰霊のモニュメントを作りたいと思って霊園の方と話をしていました。それが霊園の方で場所をご支援いただき、団体として、引退補助犬の慰霊碑を建立することになったんです。
──サファイアの死がきっかけだったんですね。
(在りし日のサファイア君とレフ君。「サファとレフと一緒に過ごした大切な時間。まるで本当の兄弟のように、レフはいつもサファにくっつき虫していました。パピーのころから一緒に遊んでいたこともあって、レフも我が家に来て、自然に、すぐに家族としてとけこんでいました。甘えん坊の次男坊、いつもレフが寄り添ってくれ、サファの闘病生活も一緒に支えてくれました。とても心強い、大きな存在になりました」)
谷口:
サファイアの看取りを通じて、私は「引退犬ボランティアはただの犬を見るというボランティアではない。いのちのボランティアだ」ということを改めて痛感しました。引退犬ボランティアをしてくださっている方たちに、頭が下がる思いです。
長くは生きられないかもしれない、すぐに病気や寝たきりになるかもしれない。それもすべて受け入れて引退犬を迎え入れる。これは決して、きれいごとや世間体、簡単な気持ちだけでできるものではありません。
サファイアの闘病も、サポートしてくれる仲間や当協会の支援により本当に助けてもらいました。ただただ感謝しかありません。
この活動の大切さを自分の経験により改めて思い知りました。
(「お空に旅立ったサファの祭壇の前で、しばらくの間レフも寂しそうでした。『父ちゃんと母ちゃんの事、これからはレフが守るんやで!頼んだからな』。サファ兄ちゃんからレフへのバトンを受けて、今はしっかり私たち夫婦を支えてくれているレフです」)
谷口:
病気をして1年ほど寝込む子もいます。ボランティアの方は24時間、ご家族交代で介護をされています。
いくらがんばろうと思っても、心身的な負担も、経済的な負担も大きいです。周りから支えてもらわないと、自主努力だけではどうしようもできないことがあります。
私たちは団体として、なんとかボランティアさんを支えたいと、使途を限定せずにボランティアさんが必要な時に、1頭に対して2回(病気治療に限り3回目の支援あり)まで申請できる支援金と、かかった医療費に応じて最高25万円までを支援する制度も設けています。
(「今年も4月10日に、宝塚動物霊園奈良分院において慰霊祭を行いました。ご僧侶による読経を聞きながら、参列者の皆さんが在りし日の犬たちの姿を思い出しながらお参りされ、慰霊祭の後は、思い出話に花が咲きました。これも大切な時間ですね。盲導犬ヴィオラちゃんの元ユーザーさんと引退犬ボランティアさんにより、慰霊碑への納骨がされました」)
(11/11(金)、12(土)には、日本サービスドッグ協会20周年を記念して、「ポチたま」でお馴染みの松本秀樹さんと、ニュージーランド在住のブロガー・イラストレーター、マーティンゆうさんによるイベントを開催。「お近くの方、ぜひいらしてください!マーティンゆうさんのご協力によるチャリティーカレンダーの販売や、年会費3,000円で年に2回会報を送付させていただく賛助会員さまも募集中です」)
──読者の方に、メッセージをお願いします。
谷口:
「引退した後も、僕たちはまだまだ生きていくんだよ。みんなで応援してね」、そうお伝えしたいです。
補助犬としては引退しても、そこから始まるその子たちの第二の人生があります。いろんなことがありますが、その子たちの生涯が豊かになるために、応援していただけたらと思います。
(「いつも活動を支えてくださっている、ボランティアのみなさんです。事務所での作業や募金活動などをお手伝いいただき、ほんとうにありがたい存在です」)
──最後に、チャリティーの使途を教えてください。
谷口:
チャリティーは、歩行が難しくなった子を乗せることができるバギーの購入費、また引退犬の暮らしや医療を支える支援金として、活用させていただきたいと思っています。
外の空気を吸いに外に出かけても、年をとってくると、その日の体調次第では「もう歩けない」ということもあります。ただ大きいと、なかなか抱いて連れて帰ることができません。
このバギーがあれば、歩けるところまでは一緒に歩いて、もしもう歩けないとなっても、負担なく一緒に帰ってこられる。「途中で歩けなくなったらどうしよう」という不安から解放してくれて、安心して外にも出かけられます。歩くことが難しくなっても、犬たちは一緒に行った場所を覚えています。お出かけを、犬たちも喜びます。
(こちらがバギー。軽い上に簡単に折りたたむことができて、車への出し入れや階段も楽々。「多くの引退犬ボランティアさんのところで、これがあれば助かるはず」。今回のチャリティーは、このバギーを購入するための資金としても活用されます)
──バギーがあると便利ですね。
谷口:
団体としてこのタイプのバギーを5台ほど所有していますが、すべて貸し出し中で、借りたい方には順番に待っていただいている状態です。一台が5万円と高価なものなので、できるだけ貸し出しのかたちでお使いいただいて、ボランティアさんの負担を軽減したいと思っています。
ぜひ、チャリティーで応援いただけたら嬉しいです。
──貴重なお話をありがとうございました!
(シャンプーデーのこの日、事務所に集まった皆さん&犬たちと記念撮影!マイペースで愛らしさいっぱいの犬たちに囲まれて、常に笑顔と笑い声のあふれる楽しい時間でした)
インタビューを終えて〜山本の編集後記〜
3年ぶりに訪れた日本サービスドッグ協会さんの事務所。変わらず明るい犬たちとスタッフの皆さんが出迎えてくださり、こちらもとても温かな気持ちになりました。取材中、ウロウロしてはかわいいしぐさや表情で、終始場を和ませてくれた犬たち。このなんでしょう、愛情深さというか、やさしさや癒しは、他では感じることのできないものなのではないでしょうか。
それは決して「役目」として線引きされるものではなく、一つのかけがえのないいのちとして、やさしさと見返りを求めない献身が、かならず誰かによって、見守られてほしいと感じました。
【2022/10/3~9の1週間限定販売】
じゃれあって遊ぶ引退補助犬と子犬の姿。
2匹がくわえているリボンは、次世代へとつながれていく愛のバトンを表しています。
“Always together”、「いつも一緒だよ」というメッセージには、現役を引退しても、亡くなるその日まで共に明るく楽しく過ごしていこう、そしてまた亡くなった後も、その存在を心に覚え、いつも一緒にいるよという思いが込められています。
▼2019年コラボ時のデザインも再販します!チャリティーアイテム一覧から商品をご覧いただけます▼
【2019/11/25~に1週間限定販売したデザインも再販します!】
スーツケースに入り、旅に出かけることが待ちきれず、飼い主さんに「早く行こうよ!」と無邪気な笑顔を見せる犬の姿を描きました。引退後も充実した、楽しい余生を過ごして欲しい。第二の明るい人生を表現したデザインです。
“Thanks for always there for me”、「私のために、いつも側にいてくれてありがとう」。人から犬への感謝のメッセージを添えています。