CHARITY FOR

3月21日「世界ダウン症の日」に向けて。今年のメッセージは「自分で選択し、明るく楽しく生きていく」〜公益財団法人日本ダウン症協会

3月21日は、「世界ダウン症の日」。
この日に向けて、今年も日本ダウン症協会さんとコラボします!

毎年のデザインは、ダウン症が23ある染色体のうち21番目が通常の2本より一本多い3本あることから発症することにちなみ、「ひとつだけ3つあるシリーズ」を描いています。

今回も、日本ダウン症協会さんのご協力のもと、会員の皆さんからたくさんのアイデアを公募いただきました。

そして選ばれたのは…「音符」!

様々な音符は多様性を表現すると同時に、「とらわれず自由に、あなただけのメロディーを奏でてほしい」という願いが込められています。

ダウン症があってもなくても、自分の意思で人生を選択し、楽しく明るく生きていく。そんな思いは、現役医師ミュージシャン「Insheart(インスハート)」が制作したダウン症のある方たちのための応援歌「どっこいしょ~一歩ずつ あなたの一歩を~」にも込められています。

(こちらから歌を聴くことができます)

今回は、Insheartのメンバー、精神科医のJyunさんと、形成外科医のToshiさんお二人にお話を聞かせていただきました!

(お話を聞かせていただいた、InsheartのJyunさん(右)とToshiさん(左))

今週のチャリティー

公益財団法人日本ダウン症協会

1995年に発足した、ダウン症のある人たちとその家族、支援者で作る会員組織。ダウン症の啓発や情報提供を行い、ダウン症のある人たちとその家族のより良い暮らしを目指して活動しています。

INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2020/2/10

ダウン症のある人への応援歌
「どっこいしょ~一歩ずつ あなたの一歩を~」

(2019年3月21日に開催された「世界ダウン症の日イベント in FUKUOKA」にて。Insheartのお二人はスペシャルゲストとして参加、ダウン症のダンサーの皆さんと一緒にステージで応援歌を披露した)

<お話をお伺いしたInsheart(インスハート)さんについて>
現役医師による二人組の音楽ユニット。福岡を中心に活動している。「身体は医療で、心は音楽で癒したい」というメッセージを掲げ、精力的に楽曲を制作、仕事の合間に各地でのライブ活動も行っている。

──今日はよろしくお願いします。2019年に、ダウン症のある方たちの応援歌「どっこいしょ~一歩ずつ あなたの一歩を~」を制作されましたが、どういった経緯でこの曲を作ることになったのですか?

Jyun:
日本ダウン症協会福岡支部さんが開催する「世界ダウン症の日」のイベントでコンサートをしてほしいというご依頼をいただいたのがきっかけです。その際に「ダンスでコラボしたい」とリクエストをいただき、一緒に踊れる曲を制作することになりました。

制作にあたっては、日本ダウン症協会さんにもご協力いただき、全国のダウン症のある方やそのご家族から、社会に伝えたい思いやご家族への思いを聞かせてほしいとメッセージを募りました。そこでたくさんの方にいただいたメッセージを参考にしながら楽曲を作りました。

(メッセージ募集の案内)

──どんなメッセージが寄せられましたか?

Jyun:
様々なメッセージをいただいたのですが、「生まれた時に不安はいろいろあったけど、今はこの子がいることで家族全員が笑顔になれるし、とても幸せ」というメッセージが多く寄せられました。

また、実際にダウン症のある方やそのご家族と会ってお話も聞かせていただきました。
「この子が本当の幸せや人を笑顔にすることを教えてくれる」という声をもとに、「他人の価値観で自分が幸せかどうか考えてしまう時があるけれど、本当の幸せはその時その時その人が決めるもの。そしてその幸せに向かって生きればいい」「あなた自身が決めるあなたの幸せに向かって、歩幅は違っても一歩一歩進んでいったらいい」というメッセージを、この楽曲に込めました。

(Toshiさん(左)はボーカルとヴァイオリンを、Jyunさん(右)が作詞・作曲、ギターとMCを担当する)

──「踊れる曲」という点も意識されたのではないかと思うのですが、歌詞と曲と、どのように作っていかれたのですか?

Jyun:
この歌は、歌詞がある程度先にできて、そこにメロディーを乗せていった感じです。みんなで楽しく踊れるイメージ、ロックンロールをイメージして作りました。

──こだわった点はありますか?

Jyun:
「今すごく幸せなんだ」ということが、当事者やご家族だけでなく世間にもちゃんと伝わるよう、明るくて楽しくて、それでいてちゃんとメッセージ性を持たせるというところにこだわりましたね。

──歌の「どっこいしょ」に込められた意味は?

Jyun:
「どっこいしょ」は立ち上がる時の掛け声で、年配の方が口にするイメージがあると思うんですが、明るく一歩ずつ前へ進む時のかけ声という感じで、合うんじゃないかと思いました。「あなたの一歩一歩」という言葉を思ったときに、ふと浮かんだんです。

──降りてきたんですね!

Jyun:
ダウン症協会福岡支部の皆さんに初めてできた楽曲を披露した時に、とても喜んでくださって、涙を流していらっしゃる親御さんもいらっしゃいました。僕たちは当事者の方の声を聞いて、その声を代弁するかたちで歌を歌わせてもらっていますが、当事者の方たちの思いが歌に乗っからないことには本当に伝えたいことは表現できないと思っているので、当事者の方たちに喜んでもらえたのはとても嬉しかったです。

(「世界ダウン症の日イベント in FUKUOKA」にて、Insheartの二人と一緒に踊りを披露するダウン症のある若者たち)

──制作の過程や完成してから、印象に残っていることはありますか?

Toshi:
この歌の振り付けは手話をもとに作られていて、「どっこいしょ」の掛け声の部分は会場のみんなで一緒に手を前後に振ります。

福岡支部さんのイベント当日にこの歌を披露した時、ステージも客席も関係なくみんなが一つになって、見に来たお客さんから「手話に初めて触れたけれど、歌詞とマッチしていてよかった!」という感想をいただいたのが嬉しかったです。

Jyun:
「どっこいしょ」の手の振りは、皆本当に楽しそうに掛け声をしながら踊ってくれて、それがなんというか、踊っている彼らの姿はもちろん、客席で涙されているご家族の姿も見えて、胸が熱くなりました。

ダンスをしたり歌ったり、一生懸命なところだったり、また力強い一歩だったり、ダウン症のある方の魅力が舞台から客席に発信されていて、すごく幸せな空間でした。

──この楽曲があったからこそ生まれた瞬間だったんですね。

(「世界ダウン症の日イベント in FUKUOKA」のステージ裏での一枚)

「どっこいしょ」の部分に感じた、ダウン症のある人たちの「力強さ」

この楽曲の制作を依頼した日本ダウン症協会福岡支部のメンバーであり、日本ダウン症協会の相談員でもある中島晴美(なかしま・はるみ)さんにもお話をお伺いしました。
中島さんの娘の裕香(ゆか)さん(25)は現在、週5〜6日、1日8時間、福岡市内にあるカフェで働き、接客や厨房作業などを担当しています。

(中島さんと娘の裕香さん。ご自宅にて)

──インスハートさんの「どっこいしょ~一歩ずつ あなたの一歩を~」を最初に聴かれた時の印象を聞かせてください。

中島:
「どっこいしょ」の響きがすごくいいなと思いました。
私たちも、何かを始める時に「どっこいしょ」と立ち上がることがありますよね。ゆっくりだけれど今から前に進もうという力強い、ダウン症のある人たちのペースが表現されているなと思いました。全体としてはアップテンポで明るくて、音楽が好きな彼らにもぴったりだと思いました。

──音楽が好きなんですね。

中島:
そうだと思います。歌を聴いたりカラオケで歌ったりすることは皆さん好きですね。
ダウン症のある人たちは、素直できれいな心を持っていて平和主義者で、揉め事を嫌うように思います。娘もそうですが、私が家族と議論になって少し強い口調で言い合いになった時、一人部屋に戻って「ケンカしないで」と泣いているということがありました。

ダウン症のある方が集まっている場所で、喧嘩や言い合いをしているのは見たことがないですね。ノリはいいけれど、その場で、自分たちの世界でゆっくり楽しんでいることも好きだと感じます。かといってマイペースというだけではなくて、状況を見る力、場を読む力は持っているんじゃないかなと思いますね。

(勤務中の裕香さん。就労先のカフェ「オリジナルスマイる」にて)

──インスハートさんの楽曲を聞いて、彼らの持っている「力強さ」も感じられたということですが、どんな力強さなのでしょうか?

中島:
ゆっくりしていて、一つのことを学ぶのにも時間がかかりますが、諦めない力があります。
たとえば時計の読み方だったり、ボタンがけだったり、こちらもできないから何度も何度も繰り返し教えるのですが、それは相手からすると「何度も何度も習う」ことになりますよね。教える側だけでなく、習う側もついてこないことにはできません。
簡単に諦めないというか、辛抱強くやっていける力を持っていると思います。Insheartさんとの舞台のために「どっこいしょ」のダンスの練習をしていた時も、教える方も熱が入って何度も練習を繰り返したのですが、年齢関係なく全員が一生懸命を続けてくれて、嬉しい驚きでした。

──「もうやりたくない」という風になったりはしないですか?

中島:
そういう時は一回休んで、また時を待って始めるとできるようになります。
働きかけ次第で、意思を持って物事に取り組んでいけるようになると思います。もし本人が「嫌だ」ということがあっても、一概に否定はせず、その言葉の意味をきちんと汲んで、本人が納得してできる環境を整えてあげることも大切だと思います。

そう思えるようになったのも時間が経ってからで、彼女が幼い頃は「できれば健常者に近づきたい」という思いがあったので、彼女が小さいうちは一生懸命いろんなことを覚えさせようとしました。同じ年頃の子どもと比べてため息をつくこともあったし、他の子と比べて時間や手間がかかることをしんどく思ったこともありました。

でも、彼女のまっすぐな心のまま成長する姿を見て、私自身価値観が大きく変わりましたし、どこか違う良さで生きていくんだということも感じました。また、彼女といることでいい出会いにもたくさん恵まれて、「この子がダウン症を持ってうちに生まれてきてくれて良かった」と今では心から思っています。

(インスハートのお二人と)

「もしかしたら、音楽でできることがあるかもしれない」。
医療の現場で感じたこと

さて、インスハートのお二人へのインタビューへと戻しましょう。

(ダウン症のダンサーの方たちと一緒に披露するコンサート「どっこいしょツアー」。2019年10月に開催された福岡公演にて)

──話は変わりますが、お二人は現役のお医者さんでいらっしゃいますよね。なぜ歌おうと思われたのでしょうか。

Toshi:
僕たちはもともと大学の同級生で、同じ軽音楽部に入っていました。
医者になってからは音楽をやるつもりは全くなくて、お互い音楽から離れていました。

お互い別々の病院で働いていましたが、たまに会って二人で話すと、同じような経験をしていることに気づきました。命の危険があって救急外来に運ばれ、命は助かってからだは治っているはずのなに元気にならない患者さんや笑顔にならない患者さんを目の前にして、何かできないかと互いに思っていたんです。

──医療としてできることに限界を感じられていたのですか?

Toshi:
医療の限界は日々感じています。僕は外科医として救急外来で働いていますが、治療しても亡くなる方も少なくありませんし、できることは限られているなと感じます。医療者として自分は、患者さんが治るのを手伝うぐらいしかできないと思っています。

──というのは?

Toshi:
たとえば傷口を縫うことがよくありますが、それは糸を寄せてかけるだけで、治るのは体です。医師ができることは、その人の症状や傷が治りやすい環境を整えるための手助けだと思っています。

本当に辛い時は、音楽さえも聴けないですよね。だから「音楽があれば」とは思わないです。ただ、僕たちの音楽が、何かちょっとでも立ち直るきっかけや人生を支える一曲になることができたら、すごくうれしいなと思います。

(「どっこいしょツアー」東京公演に向けての練習での一枚。Insheartのお二人とダンサーの皆さん。残念ながら東京公演は台風のため中止になってしまい、この日のためにInsheartのお二人とも練習し、張り切っていた「どっこいしょ東京隊」のメンバーたちは、今年のキックオフイベントで初めて一緒に舞台に立てることを楽しみにしているそう!)

「命の大切さ」をテーマに
歌い続ける

──歌を通じて伝えたいことはどんなことでしょうか。

Toshi:
人が亡くなった時、死亡宣告するのも医師の仕事です。
ご家族が集まって、亡くなった方の名前を呼びながら涙を流して悲しんでいる姿を見た時に、亡くなった方がご家族にとってすごく大切な方だったんだなと改めて感じます。

僕たちの歌のテーマとして、一貫して「命の大切さ」があります。
言葉で明確に表現できるものではないかもしれませんが、一つひとつの歌詞を見た時に、じんわりとその大切さを感じてもらえるのではないかと思っています。

──なぜ、「命の大切さ」にテーマにされているのでしょうか?

Jyun:
ここにあるけれど、いつか消えていくものだし、力強いものだけど、いつか消えていくものだからです。そしてまた、自分の命は自分だけのものではなくて、家族や友人、大切に思ってくれている人たちに支えられて続いていくものだからです。

(2019年11月の「どっこいしょツアー」大阪公演にて)

──音楽で伝えていきたいことはどのようなことですか?

Toshi:
言葉で伝えようとしても伝わらないこと、それが音楽だと、心の壁を超えてすんなりと伝れられる、受け入れてもらえるように思います。

聞いていただいた方が少しでも心が楽になって、ハッピー度が高くなってくれたらうれしいですね。僕たちの歌を通じてお客さんたちが幸せな気持ちになったり、心が楽になったりしたということがわかった時、そこにパワーをもらっているし、それがモチベーションにもなっています。

Jyun:
二人とも仕事をしているので、活動できる時間はそうたくさんはないのですが、必要としていただいている方たちに僕たちの音楽を届けられたらと思っています。

日本ダウン症協会さんのイベントにも呼んでいただき、「どっこいしょ」を披露する予定です。一緒に楽しく踊れたら嬉しいし、この歌の歌詞のように、障害があってもなくても、「あなたの幸せのかたちに向かって一歩一歩を」という大切なテーマを皆さんと共有できたらと思っています!

──貴重なお話をありがとうございました!

チャリティーは、今年のイベント開催とダウン症啓発ポスターを各地に発送するための資金となります!

今回のコラボアイテム購入ごとの700円のチャリティーは、2020年のイベントの開催のための資金、そしてまた、ダウン症啓発ポスターを日本各地に発送するための資金となります。

3月21日の「世界ダウン症の日」に向けてのキックオフイベントは、2月24日(月・祝日)に東京で開催!このイベントを皮切りに、全国各地でイベントが開催されます。ダウン症のこと、ダウン症のある方やそのご家族のことを、もっとたくさんの方に知ってもらえるように、チャリティーアイテムで応援いただけたら幸いです。

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜山本の編集後記〜

今年もダウン症協会さんとコラボキャンペーンがやってきました!
ちょうどInsheartさんへのインタビューの翌日は、JAMMINのアイテムの縫製をお願いしている堀川さんの長女の想(こころ)ちゃんの成人式でした。
(2016年のコラボ時には、インタビューさせていただきました!その時の記事はこちら→【INTERVIEW 】「ダウン症の子を特別扱いや、将来を悲観したことはない」ダウン症のある子どもを持つ父親は、どうダウン症と向き合ってきたか

素敵な袴姿のお写真がとっても綺麗で、私もうれしい気持ちでいっぱいになりました。今回のコラボデザインのメッセージに”We decide”とあるように、障がいがあってもなくても、一人ひとり自分らしく、楽しく豊かに生きていける社会がもっともっと広がっていくことを願って。

・日本ダウン症協会 ホームページはこちら

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23の対の音符や記号を描きました。その中に一つだけ、3つ並んだ音符が。

楽しく、明るく、前向きに♪
時には休みながら、時には歌いながら、自分のペースで自分だけのメロディ(人生)を奏でてほしいという応援メッセージをデザインに落とし込みました。

Design by DLOP

チャリティーアイテム一覧はこちら!

▼Insheart(インスハート) / どっこいしょ~一歩ずつ あなたの一歩を~

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60年の歴史と1,600人を超えるプロフェッショナルが、地域や社会の未来に貢献しています。
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