2023.1.18 | CATEGORY : THE FACTORY TODAY
1912年創業、愛知県名古屋市にある日邦製菓さんにお邪魔しました。
キャラメル一筋、キャラメルだけを製造されている日邦製菓さん。
車から降りた途端、甘〜い香りがしてきます。
出迎えてくださった社長の祖父江吉邦さんは、おじいさんの代から数えて三代目。
工場内は見学NGとのことで、応接室でお話をお伺いしました。
（駐車場の奥に見えるのが、工場です）
（ミルクキャラメル・塩キャラメル・コーヒーキャラメルの3つのキャラメルを、JAMMINオリジナル缶に入れてお届けします！）
祖父江さん：
キャラメルの主原料は、砂糖と水飴、練乳などです。
ミルクの他にコーヒーや塩味を作っていますが、最初に原料になる粉類を小さなミキサーーで攪拌した後、それぞれの味にあわせて練乳や水飴を加えていきます。
製造の工程は、キャンディーとほとんど同じ。練乳が入るか入らないかがキャラメルと飴との違いです。実際に僕のじいちゃんの代では、キャンディーも作っていました。
父親の代でキャラメルがすごく売れて忙しくなり、そこからキャラメル一本です。
全く売れない氷河期もありましたが、時折ブームがきて、一気に売れることがあります。
（おおぶりなキャラメル！）
通常、私たちが市販品で目にするキャラメルの大きさは4グラムちょっと。
一方で日邦製菓さんの大きなキャラメルは、8.4グラムほどあるといいます。
一粒口に入れると、口の中いっぱいにキャラメル。一粒で十分満足感が得られる上、しつこい甘さがなくて、何個でもパクパクいけちゃう…そんなキャラメルです。
祖父江さん：
うちの父親が営業で東北を回っていた時、「大粒のキャラメルを作ってほしい」というリクエストがあったそうなんです。父親が、当時社長だった祖父にそのことを話すと、祖父は「大きくしたら食べづらいし、売れるわけがない」と。
それをそのまま先方に伝えたら、「だったら、大きく作ったのは全部うちが買い取るから」と言われたそうなんです。それだったらと作ってみたところ、これが大ヒットしたんですね。
私が大学を卒業してここで働くようになって、キャラメルの大きさや薄さを変えようという話が出ることはありましたが、父親は「屋台骨をとるのは止めろ」と。以来、ずっと同じ大きさと味を守り続けています。
大きい分、舌いっぱいに美味しさを感じられます。「このサイズだから好き」という熱狂的なファンの方もいらっしゃいます。
戦後、キャラメルはすごく売れたのですが、一粒でカロリーや糖分が摂れるので、好んで食べられたのだと思います。この大粒キャラメルも、ちょっと疲れた時、畑仕事の後などに、栄養補給として好まれているようです。
（1缶にギュギュっと10粒ほど入れてお届けします）
日邦製菓さんのキャラメルのこだわりは、原料の練乳に北海道産のものを100パーセント使用していること。
祖父江さん：
全国にキャラメルを製造している会社さんはいくつかあって、一度、工場長である叔父に「（価格で）他社に勝てないから、原材料にこだわっとる場合じゃない」と直談判したことがありました。そしたら叔父は、「だったら廃業しろ」と。
「周囲に流されず、自分たちの売りをちゃんと持っていなければならない。妥協するなら、商売自体をやめておけ」と言われました。
原材料をケチれば安く作れるし、その分安く売れます。それでも美味しいし、実際何も感じないかもしれません。でも、食べ比べするとやっぱり「これはうまいよね」っていうのは、感じてもらえると思います。
できたてはすごくなめらかですが、時間が経ってくると、キャラメルの中の砂糖が再結晶化して、少しホロホロッとしてきます。製品として、時間が経っても美味しく食べてもらえるよう、バニラの香料を少しだけ加えています。
（「甘い香り…おいしそうニャ！」（キャラメル色のミヤより））
キャラメル工場の１日の作業を聞きました。
祖父江さん：
朝4時半から仕込みをして、時間差で生地を練り、一個一個小分けにして包装、袋詰めまでやります。1分間に600個のキャラメルができます。多くの作業を機械が行っていますが、コーヒー味のぐるぐるの渦は、手で巻いているんですよ。
最近の若い世代の方には、「キャラメルフレーバー」は人気があっても、キャラメル自体はあまり馴染みがないように思うので、こうやって紹介していただく機会は助かります。「食べたことなかったけど、キャラメルってこんなにおいしかったんだ」という声をいただくこともあります。これからも地道に、キャラメルを作っていきたいと思います。
（ギフトにもぴったり！）
日邦製菓さんの大ぶりなキャラメル、皆さまもぜひ味わってみてください！
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