2023.1.18 | CATEGORY : BRAND NEWS TODAY
「ハチドリのひとしずく」をテーマにした、繊細なデザイン缶の製造をお願いしたのは、愛知県にある側島製罐(そばじませいかん)さんです。
養蚕の機械の部品を作る会社として明治39(1906)年に創業、そこから缶をメインに製造するようになった、老舗の会社さんです。
丈夫で中のものをしっかり守ってくれる上に、リサイクルが可能かつ地に還る、地球にやさしい循環素材である点が今、再び注目を浴びている缶。側島製罐さんは、缶を通じ「世界にcanを」というミッションを掲げてクリエイティブな発信をされています。
名古屋駅から車で20分ほど、愛知県海部郡にあるオフィスを訪問し、お話をお伺いしてきました!
(いざ!側島製罐さんへ!)
出迎えてくださったのは、can推進課の中島進さんと広報の木原綾さん。
(写真左から、側島製罐6代目の石川貴也さん、木原さん、中島さん。木原さんが手にしてくださっているのが、JAMMINオリジナル缶)
最近では、サスティナブルな缶の魅力と可能性が見直されており、異業種とのコラボも進んでいるそうです。
中島さん:
弊社は缶を製造している会社です。缶といえば「お菓子を入れるサブ」みたいなイメージが強かったと思いますが、最近では「大切な物を守ってくれる」という価値が見直されています。
缶は鉄素材ですが、実は意外と繊細で、ひっかき傷ができたり凹んだり、水分にも弱かったりする。でも、これは缶の最大の特徴であり魅力なのですが、自分はどんなに傷ついても、中のものは守り抜いてくれる。
思い出の写真や手紙、物…入れるものの可能性も無限大だし、缶に守られることで、大事なものが劣化しない。缶とは偉大で、素晴らしいと思っています。
(自社の製品を前に、缶の魅力を語ってくださったお二人)
木原さん:
「缶に入れる」という体験も、情緒的で良いですよね。
大事にしまっておきたいもの、残しておきたいものをそっとそこに入れる体験を経ることで、何か、それがさらに特別な宝物になる感覚がある。
缶に入れることで、「ああ、自分にはこれが大事なんだな。長く、大事に保管しよう」という意識が芽生えるきっかけにもなると思うんです。そういうのは、すごくいいなと思います。
(「何を入れよう?」。考える時間もまた楽しい)
では、缶はどのように作られているのでしょう。
缶の製造工程も見学させていただきました!
(こちらが工場!広くてたくさんの機械があります。テンションが上がります)
材料であるブリキの板を、「スリッター」と呼ばれる機械にかけて、製造する缶の大きさにあわせて、蓋とボディをそれぞれカット。カットする大きさは、職人さんが手作業で調整します。
(「スリッター」。設置した丸いカッターにあわせて、1枚のブリキ板が切断されていきます。見ていて気持ちの良い光景!)
カットされたブリキの板は、「プレス」の工程へ。機械にセットされた金型で「ガッチャン!」と抜くと、マルやシカクなどのかたちができます。
(丸い金型で丸い缶が作られているところ。一枚の板が、瞬時に立体に!見飽きません)
(プレス後、レーンで流れて一箇所に集められた缶たち)
側面(胴体)と底が一枚板でできた缶の場合は、この時点できれいなかたちになります。
側面(胴体)と底が別々の板できた缶の場合は、ライン作業で側面と底を組み合わせて、巻きつけるかたちで装着していきます。
側面だけでは強度が薄いのですが、底をはめ込むことで、しっかりと強度のある缶が完成!
(デザインに合わせ、プレス機で丁寧に抜き作業を行う職人さん)
(細かいキズやヘコミのあるものは、生産の過程でチェック。素人目にはわかりにくいキズやヘコミもチェックして省きます)
(大切な誰かへ。過去から未来へ)
全く意識していなかったのですが、改めて日常を見回してみると、小物入れ、アクセサリー入れ、思い出の手紙や写真入れ…、私の生活の中にも実は缶がたくさんあって、そっとやさしく、大切なものを守ってくれていました。
中島さん:
缶は、中身がなくなった後、二次利用がしやすいですよね。かたちとして残って、入れ物として使ってもらえる。そうやって「生活の一部」になれるのは、缶の大きな強みかなと思います。
缶といってもさまざまなかたちがあるし、うちの社内でも、スタッフの用途はまちまちです。収納ボックスみたいな位置づけだったり、アクセサリーや釣りのルアーを入れたり、調味料を入れて冷蔵庫にしまったり…。かたちによって制限こそありますが、きれいに収まるように、何か入れるのかを考えるのもまた楽しいですよね。
(今回のオリジナル缶。ジュエリーブルー・ナイトブルー・ミルクの3色)
お二人のお話をお伺いして、また工場を見学させていただいて感じたのは、缶は手にしたその時だけでなく、過去の思い出と、それを大事にしたいと思える未来も、同時に楽しめるものではないかということ。
「何を入れよう」と思いを馳せる時、現在を起点に過去と未来が交錯し、これまでの思い出、これからの思い出が、「確かに生きてきた」という自信や希望、感謝を与えてくれるのではないでしょうか。
生きてきた道のりを改めて見返し、これからの道に思いを馳せる。
「あなたは、がんばってきたよ。がんばって生きているよ」。
缶と一緒に、きっとそんなメッセージも届けることができると思うのです。
・【商品ページ】JAMMINキャラメル缶(10粒)ミルク、コーヒー、塩
(取材後、中島さん、木原さんと。会社の皆さまに温かく迎えていただき、とても嬉しかったです。ありがとうございました!)