「がん」は「自分らしく生きる」糧にできる。CAN netの活動に参加した方にインタビュー

2017.3.23 | CATEGORY : THIS WEEK COLUMN MAGAZINE

今週のチャリティー先はがん・病気になって自分らしい生き方ができる世の中を目指すCAN net(紹介記事はこちら)。

実際の闘病生活で、どんなことを感じるんだろうか?そして、CAN netの活動に参加してどんなことを感じられたのだろうかーー。今回は、これまでにCAN netの活動に参加した方にアンケートをさせていただきました。

そこから見えてきた「がん経験者」の方たちの声とはーー。

『「がん」=「かわいそう」と思われるのはつらい。病気になっても、私は私』

T.Mさん(48歳)は、がんの治療で悩んだり、生活面で困ったことがあったりした時にCAN netの運営する相談窓口「がんコンシェルジュ」でその都度専門家に相談にのってもらった1人です。

当時は社会からの疎外感を感じていました。
同じがんの方と出会う機会もなく、情報も少ないので、今後自分がどうなるのか、不安でした。

そんななか、CAN netの勉強会にも参加し、前を向くことができたのだといいます。

CAN netの活動に参加することで多くの人と出会い、多職種の方たちとの交流で世界観が広がり、社会との接点ができたことが嬉しく、学びも多く、楽しい時間を過ごせるようになりました。

今の自分だから役にたてることがあるのだと知り、「仲間」と「居場所」ができました。

今では楽しいことを見つけ、笑顔と感謝の心を忘れずに日々過ごしているというT.Mさん。

「かわいそう」と言われることがありますが、決してかわいそうだとは思っていなくて、逆に傷つきます。

病気になっても、その人自身は変わっていません。
少しの気遣いと、今までと変わりなく接して欲しいと思います。

▲いつもメンバーや参加者への気遣いをしているT.M.さん(右)。旭川では、「コミュニティる〜む ぽっけ」という地域サロン運営のリーダーも担ってくれています。

『「がん」を受け止め、胸を張って前向きに生きられるようになった』

ミホさん(36歳)は、若年性乳がんを発症し、「病気と向き合って生きる」と決めたはずが、心の中にはどこか後ろ向きな自分がいたのだといいます。

「若くして病気になってかわいそう」とか、「がん=死」と思われるのがとてもつらかった。
周囲の捉え方もそうだし、自分自身「病気になってしまった」と心がどんどんつらくなっていました。

そんな時、同じ病気を経験している友人がCAN netのことを教えてくれたのだといいます。

病気にまつわるいろんなことを知りたいと思い、社会人向けセミナー「CAN path(キャンパス)」に参加しました。
セミナーを通じて、胸を張って前を向いて生きられるようになりました。

「病気」という経験をプラスに変えられる場所に出会えて、本当に感謝しています。

▲病気と付き合いながら、念願のお子さんを授かったミホさん。ご自身でもピアサポートグループを作りながら、いつもみんなに笑顔と力を与えてくれています。

『不安を共有・相談できる人たちがいるだけで、気持ちが安定した』

Y.Kさん(51歳)は、一昨年前に乳がんを発症。
以前から痙攣性発声障害発症とサルコイドーシスを患っており、乳がんの治療にあたって、影響が懸念されていました。

乳がんの手術の際に、痙攣性発声障害の喉頭で通常の挿管が可能か否か、放射線治療の際に、肺サルコイドーシスへの影響が懸念されるなど、3つの病気とそれに対する治療が予想外に関連していました。

今後、治療法を変更する時に何を手掛かりにしたらよいのか、少しだけ悩んでいました。

そんななか、新聞に掲載されていた記事でCAN netを知り、昨年末より勉強会に参加しているY.Kさん。

共有した楽しい感情を伝えるのもそうですし、同じ病気の人と今の気持ちで話をしたいので、自分の気持ちを言葉で表現するようになりました。

「再発して抗がん剤治療で脱毛したら相談しよう」、
「痙攣性発声障害でボツリヌス治療を本格的に検討する時は、意見を聞いてみよう」、
「乳房エピテーゼ(乳房切除に対応した人工乳房)が必要になっても、心強い人がいる」…。

そんなふうに、不安を共有できる人たちがウエルカム状態でいてくれるだけで、気持ちが安定します。本当に感謝しています。

▲毎月開催している勉強会「CAN path(キャンパス)」札幌の様子。このような場で、Y.Kさんも自身の経験を活かしながら学んでいます。

『「仲間の暖かさ」が、パートナーの闘病・死別の孤独から救ってくれた』

M.Hさん(56歳)は、パートナーががんと宣告され、闘病と死別を経験しました。

パートナーががんと告知され、今まで、あたりまえにできていたことができなくなり、生活が一変しました。

闘病を見守る間、死や将来への不安を抱え込み苦しかったし、不安をどこにぶつけていいかもわからず、孤独でした。
死別体験をした直後は、生きる支えを失った様に思い、どう生きていいのかわからなくなりました。

そんな時、知人の紹介でCAN pathに参加しました。

活動の輪に徐々に参加し、自分の役割を与えられることで、生きる意味を見い出せるようになりました。

仲間の暖かさ出会ってなければ、こんなに早く立ち直ってなかったと思う。
感謝しかありません。

▲M.Hさん(右)は、札幌メンバーの中でも取りまとめを担っている中心的な人物。お茶目さもあり、いつもコミュニティの中で良い雰囲気をつくってくれています。

「がん」という経験は、「自分らしく生きる」糧にできる

がんのつらさ、病気のつらさは、本人でなければわからないと思います。
「大丈夫だよ」、「心配しないで」と軽々しく言えない…、自分は元気だからそう言えるんだーーそんなふうに気遣ってしまいます。

でも、病気になった人がかけて欲しい言葉は「大丈夫だよ」とか「心配しないで」ではないのかもしれません。

「病気になっても、その人自身は変わらない。少しの気遣いと、今までと変わりなく接して欲しい」という声がとても胸に響きました。

「がん」自体は決して良い経験ではないかもしれません。

でも、その経験を前向きにするかしないかは、本人次第なのかもしれない。
その時に、語り合い、不安を共有し、サポートし、励まし合える仲間がいるということは、何より心強いんだと感じました。

日本人の2人に1人が発症すると言われている「がん」。

CAN netのような活動を通じて「がん」という経験が、もっと前向きに共有されていけば、可能性や選択肢を知り、孤独や不安を抱える人が減っていくのではないでしょうか。

CAN netの活動をサポートする今回のチャリティー。販売は、26日(日)23:59までとなっております‼︎
ぜひ多くの方にご協力いただければ幸いです!

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“To be yourself is the greatest accomplishment”.
「自分らしくいることこそ、最も素晴らしい偉業である」。

どんな状況でも、1人ひとりが自分らしく生きられることこそが何よりも大切であり、そんな選択ができる社会を作っていくというCAN netの想いを表現しました。

モチーフのフサスグリの花の花言葉は「幸せの訪れ」。自分らしく生きることで、幸せの実が育っていきます。

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