「悩むこと」を知らない方が、きっと人間は幸福かもしれない〜「金澤翔子×いかわあきこ 共に生きる展」で感じたこと

2017.1.17 | CATEGORY : TODAY

昨年大好評だった公益財団法人日本ダウン症協会とのコラボ
昨年に引き続き、今年もコラボアイテムを販売します!(お楽しみに!)

協会理事のお二人が京都大丸で開催されている「金澤翔子×いかわあきこ 共に生きる展」へいらしているとのことで、私たちも展覧会へ行ってきました(1月16日で展覧会は終了しています)。

ともにダウン症である書家の金澤翔子さん、画家のいかわあきこさん、二人の合同展覧会。

まず、作品のパワーに圧倒されました。
翔子さんの書も、あきこさんの画も、二次元の枠を超え、紙面から飛び出してきそうな、ほとばしる躍動感に溢れています。

170117-blog02

躍動感溢れる翔子さんの書と、あきこさんの絵。

しかし、そのパワーが強くてギラギラしていてついていけない、というわけでなく、なぜかどこか優しいのです。

作品から出る生き生きとしたエネルギーが私を包み込んで、心に生命力の灯がぽっと小さくともる。そんな感じなのです。
作品から生きる力をわけてもらう、そんな感じなのです。

ひとつひとつの作品を観ながら、心にともった温かな灯火が、心に積もった冷たい氷やつららを溶かしてくれるような、そんな心地良さを感じました。
その心地良さに身を委ねながら「ハァー、もしかしたら自分は結構疲れているのかも」と思いました。

帰り際、ちょうど会場にいらした画家のあきこさんとお話をする機会がありました。
写真の中央があきこさん。にこにこと笑顔で愛らしく、明るくて人懐こい、チャーミングな方です。

170117-blog01

画家のいかわあきこさんを挟んで、日本ダウン症協会理事の水戸川さん(左)と別府さん。とっても仲良し!

「絵、すごく良かったです。パワーもらいました」。純粋に思った感想を述べると、「ほんとォー?」と屈託のない笑顔。でも、次の瞬間、あきこさんは「バレンタインにはさァ、ハート型のさァ…」と、別の話題。

「あっ、褒め方間違えたかな」、「違う言い方が良かったかな」、そんなことを気遣う間もない。
素で、楽で、心地良い。

私には4歳になる姪っ子がいるのですが、何か姪っ子といる時間を彷彿とさせました。
嘘がなく、遠慮がなく、素で居られる。

自分もそうだったはずなのですが。

対人関係を気遣ったり、世間体で悩んだり、人生が長くなるにつれ、社会に揉まれるにつれ、いつの間にか頭でっかちになり、きっと本当は悩まなくていいことに悩んでいる自分が居ます。

それは頭を堅くし、動作を鈍くし、日常のなかで感じる純粋な喜びや、生きることへの情熱が少しずつ遠のき、
いつの間にか、頭がカチコチの、なりたくなかったはずの面白くないカタブツな大人になりつつあるかもしれません。

厚生労働省の調査によると、ダウン症の人の9割が「毎日幸せ」と感じているのだそう。

「幸せ」って、誰が決めることだろうか?
--他の誰でもない、自分しかいない。

「悩むこと」を知らないほうが、人間はきっと幸福なのかもしれない。
そして、もっと本音で、自分を自由に表現できた方が。

Be free. Be myself.

お二人の作品に触れて、そんなことを思った1日でした。