2016.10.28 | CATEGORY : PAST CHARITY
氏名:岡恵
役職:相談支援員
略歴:学部時代、東南アジアにおけるセックスツーリズムについて、フィールドワークを含めた調査研究を行う。児童買春の啓発活動を目的とした学生団体の代表として、カンボジアへのスタディーツアーを実行。日本国内においては、京都や九州の小中学校の教員や大学生を対象に講演を行う他、啓発活動に取り組んだ。大学院ではグローバル・スタディーズ研究科に所属し、インドネシアの性的搾取を目的とした人身取引の実態を調査。
2014年8月よりライトハウスでインターンを開始。2015年4月から相談支援事業に加わり、6月よりライトハウスの相談窓口を担当。相談者との面談、同行支援やフォローアップ等、必要に応じた継続支援を行う。
(電話で相談を受ける支援員)
活動の核となる「相談支援」については、前年度、継続的な支援に結びついた件数が87件。そのうち「アダルトビデオへの出演強要被害」が62件と群を抜いています。
しかしながら今年は半年を過ぎた7月末時点で62件となっています。これは被害に遭う方が増加していると同時に、この問題が徐々に認識され始め、メディア等でも取り上げられはじめたことが、これまで声を上げることができず、泣き寝入りを強いられていた方々の後押しとなり、相談に繋がっているものと思われると同時に、私たちの活動も認知され始めている一つの指標となるのではないかと考えています。
(ライトハウス AV被害啓発チラシ)
広報・啓発活動の一環として、渋谷区議会との協働の機会があり、区議会から国に対し「アダルトビデオ出演等の強要の防止及び被害者の救済に関する法整備を求める意見書」ならびに、「子どもを性の対象とすることを容認しない法改正を求める意見書」を提出いただきましたが、本意見書の作成にあたり、区議会議員様と複数回にわたり、意見交換、情報共有の機会を持ち、当団の意見も多数取り入れていただきました。
渋谷区役所からの協賛を受け、ライトハウスが制作したアダルトビデオ出演強要問題への注意喚起を促す啓発ビデオ『あなたへ』が、2016年10月1日より翌3月31日まで、渋谷区内の12カ所の街頭ビジョンで放映されることになりました。
厚生労働省からの補助金事業として、「平成27年度子ども・子育て支援推進調査研究事業 児童相談所における児童買春、児童ポルノ被害児童への対応状況に関する研究」を実施、全国の児童相談所の児童福祉司に対するアンケート調査と、実際に児童買春・児童ポルノ被害児童の対応を行った児童福祉司へのヒアリング調査を行い、調査から見える問題点と改善案などを報告書としてまとめ、提出しました。
昨年発刊した啓発マンガ「BLUE HEART」が好評であり、これまでに8,000冊を発行しています。
(啓発マンガ「Blue Heart」)
頂戴したご寄付は、主に「相談支援」のために使わせていただきます。
具体的には、相談者との面談場所のレンタル費用、面談や同行支援に係る交通費、相談者を保護した際の保護施設(シェルターなど)の利用費、相談者が経済的に困窮している際の当面の生活費として、大切に用いさせていただいています。
団体のWEBサイト、Facebook・Twitter、メールマガジン(登録無料)にて情報発信しています。
NPO法人ライトハウス(@lhjapan)さん | Twitter
(繁華街の早朝パトロールの様子)
このたびはライトハウスの活動へのご寄付を心より感謝いたします。性的搾取という問題は、可視化されにくい部分も多く、なおかつ性に係る問題なので、被害に遭った方も相談をしにくい問題です。
それゆえに被害に遭っても泣き寝入りを余儀なくされ、結果として、この問題がなかなか認知されず、有効な対策や解決に結びついていないという側面を持っています。
人身取引という問題は遠い外国や、昔の話ではなく、今、この日本国内で起きている犯罪です。人を騙し、脅し、弱みに付け込み、支配下に置いて、利益を搾取するという重大な人権侵害です。
ライトハウスに入ってくる相談の多くはご本人から、若しくはご家族や友人からの通報です。当事者の「相談をする」という行動により、より多くの人が問題について知り、同じ境遇にいる他の人も声をあげやすい環境がつくられていくことを、活動を通して実感しています。また、当事者にかわって、或いは当事者に寄り添い一緒に相談に来てくださる第三者の存在も大きいと感じます。
このことを覚え、どうか一人でも多くの方々に、この事実をお話しいただき、多くの方がこの問題を知り、そしてこの問題の根絶に向けた行動を起こしてくださるよう、皆さん、それぞれができることをしていただきたいと思います。これ以上、このような犯罪に巻き込まれる方が出ないよう、一緒に考え、行動していただけたら幸いです。
(相談アプリ「ne-ne」)