2015.8.7 | CATEGORY : PAST CHARITY
毎週チャリティー・キャンペーンを展開するJAMMIN。過去に販売したアイテムのチャリティー入金にあわせて、入金先のNGO/NPOの担当者さまからのメッセージを一緒にご紹介しています。アイテムを購入した皆さんや活動をもっと知りたい方は、団体のホームページやfacebookなど、是非チェックしてみてください。
ご氏名:冨田直樹
ご役職:公益財団法人民際センター・事務局長
ご略歴:会社員時代にパレスチナの難民キャンプ支援をする団体と関わったことがきっかけで、国際協力NGOに転職。2001年から民際センターに勤務し、アジア5ヶ国の経済的に貧しい子どもたちの教育支援活動に従事。2015年5月から同センター事務局長に。
民際センターは1987年にタイ東北地方の経済的に恵まれない子どもたちへの教育支援を開始しました。1995年からはラオス、2007年からはカンボジア、そして、2012年からはベトナムとミャンマーにも支援を広げ、現在メコン河流域5ヶ国の子どもたちに「将来を開くための一対一の顔が見える」奨学金を提供しています。
現地の状況は、各国の現地スタッフからレポートを英語で定期的に送ってもらい、それらを和訳して、日本の方がたに発信していますが、時には、民際センターのスタッフが、自らの五感で、現地の子どもたちの教育を取り巻く厳しい現状や教育支援の効果などを調査するため、現地出張を行います。
今回、JAMMINチャリティTシャツ売上の寄付の使い道とさせて頂いたのがカンボジア奨学金なので、2014年12月にカンボジアに出張し、現地の奨学生たちにインタビューしてきた私、冨田直樹の【カンボジア報告①~④】を最後にご紹介します。この報告を通して、同国地方農村部に生きる子どもたちの現状や将来の夢などを知り、教育支援の可能性を信じ、今後も様ざまな形でサポートして頂ければ幸いです。
チャリティTシャツをご購入してくださった皆さまから預かった寄付金(1枚につき700円)は、カンボジアの子どもの教育支援のために大切に使わせて頂きます。22,400円のチャリティということなので、内訳は、カンボジア中学生1名の1年間分の奨学金(14,400円)と、残額(8,000円)は「民際力」(教育支援に関わるサポート)となります。
(奨学生たちのTime of Your Life ~ 教育で将来を開く)
最新情報は、当センターの以下SNSで発信しています。現地からの活動報告や国内での参加イベントや支援者紹介など、さまざまな情報が満載です。またメルマガ登録して頂ければ、イベントやキャンペーンなどの情報を受け取ることができます!
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この度は、民際センターを支援するチャリティTシャツをご購入頂き、有難うございました。Tシャツデザインが示すように、途上国の経済的に恵まれない子どもたちが1人でも多く、基礎教育を受けることができるように、私たちはこれからも活動を続けていきます。ご購入頂いたTシャツを末永く着用して頂き、周りの方がたに、当センターの教育支援活動を伝えて頂ければ嬉しいです。
2014年12月カンボジアの首都プノンペン西南のカンポート県→プレアシアヌーク県→コンポンチュナン県の3県を訪問し、たくさんのダルニー奨学生(中学生)たちに会って話を聞き、彼らの家にも訪問して生活を垣間見ました。また、職業訓練校にも訪問し、その仕組みと問題点、支援の可能性などを調べました。
カンポート県の中学校で2人の奨学生を取材。女子奨学生スレイモムは、意志の強さを感じさせる眼差しと声の持ち主でした。家から学校まで10キロの悪路を勉強したい一心で毎日通う少女は、成績も学年でトップ。でも、お父さんは病気で寝たきりで、家計を母親1人が担っているため、奨学金の受給なしでは中学に通うことができません。
科学や生物が得意なスレイモムの将来の夢は、医者。中学卒業後も、高校と大学に行かなければ医者になれませんが、現在の民際センターの奨学金システムでは彼女を中学までしか支援できません。道々、どうすれば彼女を大学まで支援できるか私(冨田)は考えていました。
(奨学生スレイモムの将来の夢は医者になること。でも1日1食の貧しい家庭で夢の実現は可能なのか・・・)
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時間が限られていたので、最初の1校を除く4つの学校では6~25名以上の奨学生を集めて、一度に彼らの話を聞きました。興味深かったのは、「自由時間に何をすることが一番好き?」という質問に対する答えでした。
2番目の学校で6名の奨学生が集まった際、その答えは「英語の補習授業」4名、「読書」1名、「取ってきたワカメを仕分ける仕事」1名でした。一番好きなことが英語の補修授業! 勿論、家事や田植えなどをした上で、勉強や読書をします。休日や夏休みは朝から晩まで田植えなどをして、お金を稼ぐ子はひと夏で25ドル稼ぎ、「全額、お母さんにあげる」そうです。
最後に「何か質問がありますか?」と尋ねると、1人の少女がすっと手を上げて「奨学金がなければ高校に行けません。高校でも奨学金をください」と真剣な眼差しで質問しました。残念ながら、「カンボジアでは現在、まだ高校の奨学金はありません。ごめんなさい」と答えざるを得ませんでした。
(「高校の奨学金もください」と真剣な眼差しで訴える少女)
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カンボジア奨学金支援校の1つ八王子市立遣水中学校(東京)から、支援奨学生リカについて2学期の終業式で、全校生徒に話してほしいとの依頼を受けたので、今回の出張中、彼女に会いに行きました。
中2のリカは5人きょうだいの末っ子ですが、小さい時お母さんを亡くし、その後、お父さんは再婚。そのため、祖母やお母さんのきょうだいがリカやきょうだいを別々に引き取りました。
自由時間に一番したいこと何かを尋ねた際、「取れたワカメの仕分け」と答えたのはリカです。週末や夏休みに朝から晩まで働いて日給約180円。おばさん宅に居候しているため、食い扶持を稼ぐために自分も必死に働かなくちゃ、と思っていて、その恩返しができるので「ワカメの仕分けが一番したいこと」なのかもしれません。
(自由時間に一番したいことを尋ねられ、「取れたワカメの仕分け」と答えた奨学生リカ(写真中央の制服着用の女子学生))
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カンボジアの2008~2011年の中学純就学率は男子36%、女子39%(ユニセフ統計)。中学就学しても留年・ドロップアウトする生徒が少なくなく、中学校を卒業できる生徒はさらに減少(卒業できるのは、学齢期の生徒10人に3人程度)。
では、ようやく中学を卒業したとして、その後、どのような進路を歩むのでしょうか? 残念ながら、その統計は手元にありませんが、生徒の皆さんに質問した限り、ほとんどの生徒は「希望としては大学に行きたい」と言っていたので、普通課の高校への就学を希望しているようです。しかし、大学まで進む生徒はさらにほんの一握り。
シアヌークビルの職業訓練校には、4ヶ月の短期コース(コンピューター、電気、自動車整備、縫製、動物の世話など)も設置されています。このコースを卒業しても高卒の資格を得ることはできないので、コース終了後は自営業か家族経営の家内工業で仕事を得ることになります。私が会った生徒3人はそれぞれ家庭の事情で学校を中退してしまいましたが、民際センターが試験的に奨学金を提供して、学校の寮で生活しながら裁縫を勉強していました。
再び学校で勉強できる喜びに目を輝かせていたチェンは「私が学ぶ裁縫コースはとても有益です。ただ期間が4ヶ月では勉強する量は限られています。また支援を受けて次のステップに進んで続けて勉強したいです」と希望を述べていました。
(民際は試験的に14歳のチェン(小5で中退)の職業訓練コースを支援。)
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