2014.12.5 | CATEGORY : MAGAZINE
前回の記事ではプロのスタイリストでもある竹村さんから買い物のコツをお伺いしました。
【エシカル対談②】失敗しないエシカル!プロのスタイリストの買い物術を聞く | JAMMIN(ジャミン) | Social Wear Brand
今回のテーマは「チャリティーキャンペーンだけをやるブランドがなぜないの?」です。
高橋「よくファッションブランドやセレクトショップで乳がんの啓発等の単発のキャンペーンはありますよね。JAMMINのように持続的にそれを続けるブランドって今までなかったんだと思いますか?」
竹村「そうですね。1つ目は売る側が社会問題の解決のために継続的に投資をしようなんて発想がないこと。2つ目はチャリティーを販促活動として捉えている面があることがあると思います。」
高橋「1つ目で言うと、じゃあそもそも何のためにブランドって存在するんでしょうか?」
竹村「アーティストの世界観を表現する手段という面が大きいんじゃないですか。デザイナーが”これカッコいいでしょ?”と思うものを提案する。買う側はその世界観を身につけることで自分を着飾る。いいとか悪いとかじゃなくそれが一般的な関係ですね。」
竹村「イギリスで特に印象に残っているブランドがあるんだけど。キャサリン・ハムネットってブランド知ってますか?」
高橋「いや知らないです。」
竹村「ファッションデザイナーで自分のブランドを持ってて、アクティビストとしても有名。80年代に核兵器が自国に配備されることを憂いた彼女がスローガンが書かれたアイテムを身にまとって、当時のサッチャー首相のとこに行ってそのメッセージを全世界へ発信しました。
以来、そのブランドは社会性を一貫したメッセージとして配信し続けています。これも環境や作り手に配慮したエシカルブランド、チャリティーのJAMMINと同じように素敵なコンセプトだと思います。」
デザイナープロフィール | KATHARINE HAMNETT(キャサリン ハムネット)
高橋「面白いですね!コンセプトにソーシャルなメッセージがあるというのはJAMMINに近いですね。
ブランドや雰囲気で自分の好き!やカワイイ!を発信するのと同じように、自分の主義・主張をファッションで表現する。その自分らしさを表現するためにブランドがある。そんないい関係を私たちも追い求めて行きたいです。」
高橋「話を戻して、2つ目の理由で言うと、売れるんならずっとやればいいじゃん!社会の役に立つんだし。と思ってしまいます。」
竹村「ずっとチャリティーをしようにも、販促キャンペーンってとらえると”同じキャンペーンまたやるの?”ってなる。だから続かないんだと思います。」
高橋「そうなんですね。もっと仕組みとして当たり前になって欲しいですね。チャリティーファッションでの競争は大歓迎ですよ。」
竹村「キャンペーンの担当者はすごく意識が高いので、ずっとやれるもんならやってみたいと考えてると思います。
そもそもこれからは物を売ればいいという発想だけではブランドも見捨てられる。だからこれからは少しづつ変わって行くと思いますよ。」
竹村「そういえばだけど、JAMMINって普通のブランドと販売金額やチャリティーの決め方が違いますよね?
普通は在庫リスクとかを勘案して利益を多めに乗っけて販売。売れなかったらセールして売る。あと、その価格の決め方が影響してるのかもしれないけど、チャリティーは利益の何%とか価格の何%とか多いですよね。」
高橋「チャリティーは私たちは1アイテム購入ごとに700円って決めてますからね。だって面倒じゃないですか。6,000円のTシャツがあって価格の3%が寄付になるって言われても。
あと、販売価格はチャリティーを先に計算に入れた上で買いやすい価格を意識して作ってますね。計画上はある意味”原価的な取扱”をすればいいだけってシンプルに考えてます。」
竹村「利益を取り過ぎないって意味で言うとJAMMINは現代的なフェアトレードだって見てます。
買いやすい価格で利益を取り過ぎない。そして誰かの役に立つために物を売る。ブランドの持続性と買ってくれる人の負担感とNPOへの貢献のバランスを上手くとってると思います。」
高橋「また何か狙ってます?笑」
(続く)
いかがでしたでしょうか? チャリティーがそもそもの目的じゃなければキャンペーンは続かない。でも、ソーシャルをメッセージにしたブランドが80年代からイギリスであったというのがすごく興味深かったです!
次回は対談の最終回。テーマは「ファッションでどう自分を表現したらいいの?」です。お楽しみに!