2014.10.9 | CATEGORY : MAGAZINE
今週のキャンペーンテーマはLGBT(性的マイノリティ)。LGBT当事者の方は全国に5%いると言われています。
皆さんに少しだけ考えて欲しいのは、もし、あなたがLGBTの方から当事者であることを言われたら、自信を持ってこう対応出来るか?ということ。正直、私も自信がありません。きっと、言葉ひとつひとつを選びながら話すため、しどろもどろになって、何を言っているかわからなくなること間違いなしです。
そんな私のような方にぴったりなのが、今週のチャリティー先、虹色ダイバーシティさんがセミナー・講習で使っている会話例。いわば、非LGBT当事者にとって必須のエッセンスが詰まっている「逆カミングアウト・マニュアル」と言えるものです。
今回、もし自分だったらどうしたらいいのか?を考えながらさくっと読める会話例をご紹介します。見たらわかりますがどうすればいいかは結構カンタンですよ!
家庭内で子どもからカミングアウトされる会話を想定します。その時の対応として悪い例と良い例を比較しながら見ていきます。
まずは、悪い例から。
子ども 「お父さん、実は私、女の子が好きみたいなんだ」
あなた「お前、その子に騙されてるんだろう!?」
子ども「私、騙されてなんかないよ!」
あなた「女の子同士なんて、将来どうするんだ?結婚できないじゃないか!俺はそんな変態に育てた覚えはない!」
子ども「おかしいのはお父さんだよ!もう、最低!」
お父さん完全にパニックです。「変態」というのはいささかショッキングな言葉ですが、とっさに出てくる言葉にその人の本質が詰まっているもの。近い言葉がとっさに出てくる方は要注意です。
そして、こうなるともう関係修復が不可能。お父さんだけでなく、カミングアウトした方(子ども)にも後悔しか残りません。この会話をきっかけにこの家庭には不穏な空気が流れ続けることになるのでしょう。
続いて、良い例。
子ども「お父さん、実は私、女の子が好きみたいなんだ」
あなた「えっ、そうなのか?どうしてそう思ったんだ?」
子ども「実はクラスに好きな子がいて、ちょっと前から付き合ってるんだ」
あなた「それは気付かなかったな。」
あなた「…でも、女の子同士だったら、日本じゃ結婚できないし、まだ変な目で見るやつも いるだろう?俺もちょっと心配だよ」
子ども「うん、私も不安だったんだけど、ネットで調べたら、日本にも同性愛の人とかって いっぱいいて、別におかしいことじゃないんだって。」
あなた「そうなのか、俺も見てみるよ。もし何か困ることがあったら、また教えてくれるか?」
子ども「わかった、そうする。お父さん、ありがとう!」
何といういいお父さん(しみじみ)。。。こんなお父さんがいたら頼もし過ぎます。
この2つの会話で比べて大きく違う点は、LGBTに関する知識がなくても相手の気持ちを受け止めようという姿勢を見せているところ。これが唯一のポイントです。これを普段から意識しておくだけで、印象が全然変わります。この家庭は壊れるどころか、さらに結束が深まっていくことでしょう。
繰り返しになりますが、こういう何気ない会話にこそ本音が出ます。何気ない会話こそ最も慎重になるべきタイミングの一つです。
いかがでしたでしょうか?
LGBT当事者の方は差別・偏見を受けるんじゃないか?という不安・懸念とずっと向き合っています。そして、一大決心に近い決意を持って、当事者の方は周りの人に話をしています。
しかし多くの場合、カミングアウトは聞いた側にアクションを求めるものではありません。自分はこういう人間である、という事を知って欲しいという純粋な想いを伝えようとしています。
受け取る側はすべきことはとてもシンプル。「そうなんだ」相手を受け入れ、一緒に考える意思を表明すること。イメージさえ湧けばカンタンです。努力して身につけるスキルではなく心の持ちようの話ですから。
もしLGBT当事者の方との関係や会話で困ったら、この記事のこと思い出してくださいね!
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