学生中心で大丈夫?無礼を承知でe-Education牧浦土雅さんに聞いてみた

2014.9.12 | CATEGORY : MAGAZINE

今週のチャリティーは、国際教育支援NGO「 e-Education Project(イー・エデュケーション プロジェクト)」。

「途上国で教育革命を起こす」というビジョンのもと、開発途上国で貧しい家庭が貧困から抜け出せるよう有名予備校や有名学校の授業ををDVD化。今までに2,000人の子どもたちに映像授業を提供しています。
JAMMIN(ジャミン) | Social Wear Brand

彼らの活動の特徴は、現地パートナーとともに、日本の学生コーディネーター(インターン)が主体となって現地プロジェクトを進めていること。

「学生コーディネーターが主体でちゃんと運営できているの?」
「学生が主体で進めることのメリットってあるの?」
「人の入れ替わりが激しそうだけど大丈夫なの?」

ぶっちゃけたところ、みなさんも気になりませんか?私たちもぶっちゃけ聞いてみたかったところでもあります。

そこで、今回はあえて代表の三輪さんでなく、現場の学生コーディネーターに色々お聞きしたい!と彼ら伝えたところ、団体の設立当初から関わるe-Educationのルワンダプロジェクト代表の牧浦さん(20歳)に話をお伺いすることが出来ました。

インタビューからは、「学生だからこそ出来ることがある」という彼らの信念や、成果を支える仕組みなど、彼らの面白い戦略が見えてきました。

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<牧浦氏プロフィール>

e-Education Projectルワンダ代表 / トジョウエンジン副編集長 。

1993年、東京都生まれ。英国ボーディングスクール出身、ブリストル大学在学中。アフリカ、主にルワンダで国際協力機関と農民とを繋げるプロジェクトを牽引。日本企業の東アフリカ進出へのコーディネートや、国際教育支援NGO活動などにも携わっている。国内約30ヶ所の農業組合から国連への橋 渡しは100トンを超え、その活動が国際的に評価され2014年1月、 本場TEDからインタビューを受ける。”真の国際協力”をテーマに活動中。著書に『アフリカ・奇跡の国ルワンダの『今』からの新たな可能性』(DBS社)がある。 オフィシャルサイト/ブログ:http://www.dogamakiura.net

思うがままに’’運命’’を開拓していく! ルワンダでイノベーションを起こすチャンスが巡って来た(牧浦土雅) | トジョウエンジン

e-Educationの理念のもとに集まる学生たち。現地コーディネーターである学生に求められる役割とは。

なぜ、学生コーディネーターたちはe-Educationに参加するのか?

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JAMMIN「私たちは現場で問題を見て起業したのですが、e-Educationに参加する学生コーディネーターのマインド・動機はどんな感じですか?」

牧浦氏「初期は途上国で教育問題を解決したいというメンバーが多かったです。最近はe-Educationの仕組みや創業者の税所の著書を見て参加してくるメンバーも増えてきました。」
「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう(e-Education創業者 税所さんの著書)

JAMMIN「団体や活動が認知されているにつれて、集まる人材の裾野が広がっている感じですね。」

牧浦氏「特にプロジェクトメンバー選びは、理念に共感してくれるかを重視します。特に、現地パートナーは農村部で苦労しながら勉強して都会へ出てきたという経験をしていればベストですね。」

現地コーディネーターである学生のミッションは何か?

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JAMMIN「現地コーディネーターの学生は、そもそも現地に行って何をするのでしょうか?」

牧浦氏「これからプロジェクトを始める地域でのミッションを説明します。まず現地に行くと受験教育やDVDコンテンツに関するニーズ調査を行います。現地に人脈がない場合は、飛び込みに近いイメージで学生に聞き取り調査をすることもありますね。」

JAMMIN「タフなタスクですね、それは。」

牧浦氏「ここからはケース・バイ・ケースですが、十分ニーズや成果が出る可能性が確認出来たら、まず教育用のDVDコンテンツを1本だけ先に作ります。」

JAMMIN「先に1本だけ?それはどうしてですか?」

牧浦氏「更なるコンテンツ制作のための売り込み資料として使います。先生を探したり、受ける子どもたちにも現物を見せるのが一番早いですから。協力してくれる仲間や見てくれる子どもが一定程度見込めたら、そこから一気にフルラインナップを作り上げていきます。ここまでを現地パートナーと一緒に実現することが現地コーディネーターである学生に求められます。」

JAMMIN「超がつくほどハードですね。団体のビジョンや意義に深く共感しているからこそ乗り越えられるんでしょうね。」

インタビューの核心。固定概念という大きな壁を乗り越える

e-Educationに寄せられる声① 「学生が中心でPJって大丈夫なの?」

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JAMMIN「そろそろ本題に。正直な話、学生がプロジェクトを主体となって進めることについて、一般の人から何か不安だとか、大丈夫か、とか言われることはありませんか?

牧浦氏「言われることもありますね。ただ、学生でじゃないと出来ないことをしている、という認識なのであまり気にしていません。」

JAMMIN「学生でないと出来ないこと、どういうことですか?」

牧浦氏「知識や経験が先にあると”こうすべきだ”という固定観念に囚われます。一方で”こうすべき”と思うことは経験やノウハウ言える面があり、一概にはそれが悪いとは言いません。ただ、私たちのプロジェクトは誰もやったことがないほど難しいものが多く、学生が持つ固定観念に囚われない自由な発想を活かすことが重要、という考えに基づき活動しています。」

JAMMIN「言ってしまえば”学生では不安だ”というのも固定観念ですもんね。e-educationを見ていると、学生を未開拓で活用されていない資源として捉えて活動されているように見えます。」

牧浦氏「また、現地パートナーが優秀であることをPJの実施条件に入れています。それほど実施体制作りは慎重に行っています。大きなお金を動かす時はもちろんしっかりと内部で議論を重ねますが、基本的なプロジェクトの意思決定は現地コーディネーターと現地パートナーに権限を与えています。」

JAMMIN「なるほど。学生コーディネーター・日本や他地域にいるメンバー・現地の優秀なパートナーが三位一体となって進めているという感じですね。」

牧浦氏「ちなみに、学生コーディネーターは教育大学や教育学部の学生でなく経済学部や法学部の学生が多いのも特徴です。これも先ほどの話と同じで、教育とはこうあるべきだという固定観念に囚われず、現地ニーズを見極めながらプロジェクトは進めています。」

e-Educationに寄せられる声② 「1地域に集中したら?」

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JAMMIN「その他にも、活動内容について一般の人から言われることはありますか?」

牧浦氏「なぜ1地域に人的・資金的資源を集中させないのか?ともよく言われます。バングラディシュで始めたのだったら、そこでなぜ大きく拡大させないのか、と。」

JAMMIN「そうしようと思えば出来そうですしね。集中させない理由は何ですか?」

牧浦氏「そもそも、ニーズに裏打ちされた教育DVDというコンテンツを作るまではものすごく大変な作業です。一旦完成してしまえば、その教育DVDをどう拡散させるのかというフェーズになるのですが、ここからは現地パートナーに大きく権限を委譲していきます。
現地に普及させるには、現地の人間が動くのが一番効率的

です。」

JAMMIN「e-Educationはゼロからイチにするところ、本当にしんどいところにリソースを割くというイメージなんですね。今回デザイン等いろいろメインで動いて頂いたカンボジアプロジェクト担当の立石さんも”他の人に出来ないことに特化するのが自分たちらしさ”ともおっしゃってました。」

子供たちの未来を変える。カンボジアが私を変えてくれたから、次は私が挑戦します(立石美帆) | トジョウエンジン

学生が中心だと人の入れ替わりが激しそう。メンバー間で情報を共有する仕組みは?

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JAMMIN「学生が主体となると、人の入れ替わりが激しそうで大変かと思いますが、その辺りはどうですか?」

牧浦氏「学生だからということも無いと思いますが、入れ替わり時のノウハウ共有は課題です。そのため、私たちは「トジョウエンジン」というブログメディアを運営しています。各プロジェクト代表から少なくとも2週間に一度”ドラゴン桜”というカテゴリーへプロジェクトの進捗をコンテンツ(読み物)として投稿してもらい、本人の頭の整理とノウハウ共有を行っています。」
ドラゴン桜 | トジョウエンジン

JAMMIN「なるほど。プロジェクトの進捗報告というと、年や半年に1回支援者さんを集めて報告というのは良くありますが、その報告をメディアのコンテンツにしてしまうというのは面白いですね。」

牧浦氏「応援してくれる企業や支援者さんへのe-Educationらしいアカウンタビリティ(説明責任)の一つだと思ってます。年1回だと支援する人の記憶も薄れちゃいますし。活動報告はマメに細かくというのを意識してやっています。」

JAMMIN「話は逸れちゃいますが、トジョウエンジンはドラゴン桜だけでなく、お役立ち系のコンテンツなども出していらっしゃいますよね。こんなに楽しくアカウンタビリティを果たしている団体さんは知りません笑。」

牧浦氏「確かにそうかもしれません笑。メディアだけでなくリアルなつながりももちろんあります。メンバー同士の横のつながり、現役メンバーとOB・OGの縦のつながりも強くノウハウは自然とそこから共有出来ている部分もあると思います。」

JAMMIN「貴重なお話をありがとうございました。」

最後に

いかがでしたでしょうか?JAMMINの直球すぎる失礼な質問にも、誠意溢れる対応をしてくれた牧浦さん。それにしても彼、全く20歳には見えませんよね。自分が20歳の頃を思い出すと。。。やめときましょう。

e-Educationは学生の主体性を引き出しながらも、現地パートナーや他メンバーと協働し、さらに現地ニーズを確かめてから動き出す、という素晴らしい仕組みで動いていることがわかりました。

e-Educationが学生中心のメンバーで大丈夫なの?今週のキャンペーンでそんな思いを持った人に是非紹介したいインタビューとなりました。

(写真:牧浦氏から活動の様子をご提供頂きました。素敵な写真、ありがとうございます!)

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