なぜトラブルを抱える女の子はSOSを出せないのか?現役デリヘル店長へのインタビューを通じて見えてきた課題

2014.8.31 | CATEGORY : MAGAZINE

今週のチャリティー・テーマは、性的目的の人身取引の被害支援。脅しやだまし、暴力などによる強制的な売春・ポルノ出演などの被害の相談窓口を運営する「NPO法人 人身取引被害者サポートセンター ライトハウス」さんの活動を特集しています。

強制的な売春を避けるために、
「風俗店では女の子のトラブルについて聞いたりしないのか?」
「直接、風俗店働く女の子は警察とかに相談しないのか?」
など、働くお店やそこで働く女の子に関することって気になりませんか?

そこで今回、大阪市内のデリヘル店で店長をしているAさんにインタビューを実施。業界のことや、なぜ相談することが難しいのか等、インタビューを通じて色々な課題が見えてきました。なお、AさんはJAMMINのことや今週のキャンペーン内容、インタビューの趣旨に共感。

一人でも悲しい事件に巻き込まれる女の子がいなくなって欲しいとの想いから、個人名やお店の名前を出さないことを条件にインタビューに協力をしてくれています。

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インタビューに協力してくたAさん

まずは、Aさんのお店や業界についてお話を伺う

JAMMIN「まずAさんが働くお店について教えてください。」

Aくん「私は大阪市内で3店舗のデリヘル店を運営する会社に勤めて2年が経ちます。オーナーの方とも信頼関係を築けて、いい環境の中働けています。お店のサービスの価格帯は60分で1.5〜2.5万円ぐらいです。」

JAMMIN「働く女の子たちはどうやって探しているのですか?」

Aくん「うちは広告を出して求人しています。他のお店の中には”スカウト”という人たちから女の子の紹介を受けている店もあります。」

JAMMIN「スカウトって何ですか?」

Aくん「デリヘル店にとって女の子の人数を確保するのは本当に悩みの種です。求人にかかる手間を省くため、働く女の子を斡旋してくれるスカウトと呼ばれる人たちから紹介されて雇う店もあります。このスカウトというシステム、相当厄介なんです。」

JAMMIN「どういうことですか?」

Aくん「スカウトはお店から斡旋料として女の子のサービス料の10〜15%を受け取っています。スカウトは斡旋する女の子をホストクラブでお金を使い込んで借金を抱えている子、 他のお店でトラブルがあり働けなくなった子を紹介してくることがあります。うちの店ではトラブル防止のために、スカウトは一切使っていません。」

JAMMIN「じゃあこのスカウトというシステムが、犯罪の温床になったりもするんですね。」
(今週キャンペーンで紹介した事件もスカウトが絡んだ事件だったこと説明)

Aくん「確かにそうなる可能性は高いですね。彼らとしてはある意味グレーな女の子の方が一生懸命働いてくれるので、スカウト自身の収入も増えるというメリットがありますし。悪いスカウトになると抱えてる女の子に恋愛感情を持たせて、無理な条件で働かせたりする奴もいるみたいです。」

JAMMIN「そうなんですか。お店が借金をしている女の子の肩代わりをして働かせることもあると聞きました。この辺りはどういう仕組なんですか?」

Aさん「業界ではそれを”バンス”と呼んでいます。女の子がしている借金をお店が肩代わりして給料から天引をして元金と利息を返済するという仕組みです。しっかりと本人と話し合ってちゃんと現実的に返済プランを考えてくれる店もあるのですが、法外な利息をつけて給料からピンハネする店やスカウトもいます。」

働く女の子からトラブルなどの相談を聞く機会は存在しないのか

JAMMIN「少し話を変えます。安心して働くという意味で言うと、お店にとって女の子がトラブルに巻き込まれるということ自体、相当リスキーな気がしています。その辺りはどうですか?」

Aさん「仰るとおりです。なのでうちはスカウトを使いません。また、うちでは独自の取組を2つやっています。まず1つ目は、働く女の子たちと必ず月に1回はマンツーマンの面談を実施しています。最近どう?とか困っていることはない?とかプライベートのことも含め情報収集をしています。2つ目は、女の子の出勤時間や、当日欠勤の日数、同じお客さんへのリピート回数など、本人がトラブルに巻き込まれていないか、複数の指標を使って客観的にチェック出来るようにしています。」

JAMMIN「なるほど。ちなみに面談の時にちゃんと本音の部分を聞けているという実感はありますか?」

Aさん「なるべく突っ込んで聞くようにしていますが限界があると思います。女の子にとってプライベートのトラブルは都合が悪い情報なので、店側の自分に言うと仕事が減るんじゃないかと心配して隠すこともあり得ます。逆に利害関係が薄いドライバーさんの方が彼女たちも色々話せるみたいでドライバーから話を聞くこともあります。」

JAMMIN「確かに。お店の運営者と女の子という直接的な利害関係があるとトラブルになった時に相談しづらいというのはありそうですね。」

ライトハウスさんの活動についてどう思いますか?

JAMMIN「今週のチャリティー先ライトハウスさんの活動を聞いた率直な感想を聞かせてください。」

Aさん「今までこんな活動をしているNPOがあるなんで知りませんでしたが、素晴らしい取組だと思います。女の子だけでなくお店にとってもメリットがある活動だと思います。女の子自身としても、騙されて売春をさせられている自分が悪い、だから今の現状も仕方ないんだ。という負い目・コンプレックスを感じていて、ネガティブなベクトルが自身に向いている女の子も多いと思います。」

JAMMIN「そう考える方もいるんですね。例えば、女の子本人が警察や弁護士に直接相談に行くということは難しいものなのでしょうか?」

Aさん「難しいと思います。警察・弁護士に行って相談するには自分の顔や本名や素性、これまでの経緯を全部を明かす必要があって、自分がみじめな想いをすることになりますから。そこから抜け出したい、という強い意思があれば別だとは思いますが、普通はそんな勇気は持てないでしょう。」

JAMMIN「なるほど。ライトハウスさんの取組は匿名で相談できて、弁護士や警察からのアドバイスを聞ける仕組みがいいんですね。ライトハウスさんの活動をお店の女の子に紹介してもらえませんか?」

Aさん「もちろんOKです。お店にとっても女の子がストレスなく働いてくれることはメリットが大きいですし。もし困っていることがあったらこういうのがあるよ、と紹介しておきます。」

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ライトハウスさんの取組やTシャツのコンセプトについてもじっくりお話しました

性風俗産業で働く女の子やトラブルで悩んでいる女の子に対してメッセージを

JAMMIN「最後に、性風俗産業で働く女の子やトラブルに悩んでいる子にメッセージがあればお願いします。

Aさん「性風俗産業で働く女の子は日常ではあり得ないほどのストレスを感じていますから息抜きをする時間をすごく大切にして欲しいと思います。あと、性風俗産業だからということもないと思いますが、明確な目標を持って過ごして欲しいです。トラブルや甘い誘いは自分の弱い部分につけ込まれて始まることが多いので。例えばエステを開きたいとか自分のブランドをしたいとか、そういう目標を具体的に持っていることがトラブルを遠ざけてくれると思います。もし本当に困っていれば勇気をもってライトハウスさん等の相談機関を使って欲しいです。直接警察に行かなくても話をするだけで落ち着く部分もあると思いますし。」

JAMMIN「貴重なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。」

まとめ

いかがでしたでしょうか?性風俗産業にあるスカウトという仕組み、お店と女の子という直接の利害関係、素性を明かさないと弁護士や警察に相談できない、という課題が見えてきました。
その中でも、Aさんのようにトラブルを拾ってあげたいと考えるお店、ライトハウスさんのように相談できる環境が少しでも増え、悲しい事件が少しでも減ることを願ってやみません。

強制的な売春・ポルノ出演などの被害の相談窓口を運営する「NPO法人ライトハウス」へのチャリティー・アイテムはこちらから

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