【FACTORY#01】糸を編みひとつの生地に

2015.6.21 | CATEGORY : THE FACTORY

毎日のように目にするモノ。それにも関わらず、なんとなく見過ごしてしまって、魅力的なストーリーがあることに気がつかない。私たちの身の周りには、そういうもので溢れているのではないでしょうか。わたしたちは今顔が見えるモノづくり、MADE IN JAPANを進めています。モノづくりの現場を見に行くことで、裏側にある職人のこだわりや想いをこのFACTORYでは伝えていきます。

糸を編みひとつの生地にする、ということ

「編み」は、紡いだ糸をひとつの生地にしていくための工程です。私たちが採用しているのは綿100%という天然素材。だからこそ、糸からホコリが出たり、切れてしまったり。そんな素材と丹念に向き合いながら生地を作る工場が愛知県にあります。

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(機械の説明をしてくれるM社の方。本当に丁寧に教えて頂きました。)

糸の種類

そもそも、Tシャツの生地を構成する糸の太さ・種類はさまざま。番手と呼ばれる糸の太さや、糸の紡績方法によって、その仕上がりの表情は大きく異なります。現在、採用しているTシャツは綿100%の30番手の糸。糸は細いほうが肌触りも柔らかく仕上がります。また、コーミング(くしがけ)し未熟部分を除去。なめらかで上質な肌触りを実現しています。

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(編まれる前の糸。これらの糸が編まれることによってひとつの生地になっていく。)

この工場では紡績までしていませんが、いつか紡績の工程も見に行きたいものです。

編み方

先ほどのロール上になった糸を編んでいくことでTシャツの生地は作られていきます。編むことで生地に伸縮性が出て着心地の良さにつながります。この編みこそが着心地を大きく左右します。

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(天竺編みをするための機械。張り巡らせた糸が編まれ生地になっていく)

現在、採用している生地の編み方は、最もシンプルな「天竺編み」と呼ばれる組織。天竺編みはサラッとした肌触りで通気性がよいのが魅力。さらに横方向に伸縮性があり、カットソーで現在も一般的な方法として使われています。

編み機

生地を織るのは80~90年代に作られた国内メーカーの編み機。編み機にセットされた針を上下運動させることによって連続したループか作られ、筒状に編まれた生地は巻き取られていきます。

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(360度張り巡らせれた糸。約2千本の針が上下することによって一つの生地が編まれていく)

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(編み機から出てくる生地。筒状になっており染色の工程の後、裁断・縫製を経て1つのTシャツとなっていく。)

現在では、工作機械の進化によって更に高速で編める機械もあるそうですが、この工場では今もこの編み機を使って生産。糸の素材等によって仕上がり時間は異なるものの、大体1反約30~40m(大体Tシャツ換算で50枚程度)を編むのに1~2時間程度を要します。JAMMINのTシャツの生地はこの編み機で丁寧に、じっくりじっくり作られています。

時代を経て受け継がられる編みの技術

そもそも、繊維産業は戦後、作れば作るほど売れるというガチャマンと呼ばれる時代があったそうです。ガチャっと機械を動かせば1万円が入る(儲かる)ことを例えています。そんな時代を経て現在も受け継がれる編みの技術がそこにありました。これからも変わらず技術が受け継がれていくことを願ってやみません。