
「動物虐待が起きている」という通報を受け、弁護士・獣医師を中心としたメンバーが主体となって告発を行うNPO法人「どうぶつ弁護団」が今週のチャリティー先。
人間とは違って自分では声を上げることができない動物たちに代わり、声を上げ続けています。
「もの言えない動物たちのために活動するという思いは、僕の中でハッキリしています」。
そう話すのは、「どうぶつ弁護団」理事長で弁護士の細川敦史(ほそかわ・あつし)さん(50)。
細川さんは弁護士として、20年以上にわたり動物虐待の問題に関わってきました。
活動について、お話をお伺いしました。

お話をお伺いした細川さん
NPO法人どうぶつ弁護団
愛護動物への動物愛護管理法に違反する殺傷・虐待・遺棄事件に関し、弁護士や獣医師が連携し、主体となって捜査機関への告発を行うほか、動物関係法令、制度への提言、動物虐待防止のための啓発活動を行っています。
INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2026/07/06

同一の猫に、複数回にわたり釣り針による受傷被害があった事案。「被疑者不詳のままですが、告発により一定の抑止力、再発防止にはなったと思われます」
──今日はよろしくお願いします。最初に、団体のご活動について教えてください。
細川:
「動物虐待の疑いがある」という通報を受け、正式な法律上の手続きで「犯人を見つけて処罰してください」という申し出を書面で行うというのが、いちばんの業務内容です。
2022年末からホームページ上に情報提供窓口を設置し、今年で4年目になりますが、年間300件ほど、トータルで1,000件ほどの通報がありました。
──どのような内容ですか。
細川:
ペットの虐待、ネグレクト、動物取扱業者や保護団体に関する通報や虐待動画に関する通報などさまざまです。
残念ながらすべてを告発できるわけではありません。弁護士と獣医師のメンバーで1件1件、すべて目を通し、告発のための十分な証拠を集められそうなものをピックアップし、担当弁護士をつけ、通報者から事情を聞くなどの調査に入ります。
1,000件ある情報提供のうち、調査に至るのは一部で、そこからさらに告発まで持っていけるケースは少なくなります。残念ながら、調査の結果手続きを見送ったこともあります。

遺棄された猫たち。ある地域で動物遺棄が頻発し、どうぶつ弁護団が告発に至った事案

ある住宅地でトラばさみ被害が相次ぎ、どうぶつ弁護団が告発した事案
──ご活動のきっかけを教えてください。
細川:
どうぶつ弁護団は4年ほど前に立ち上げた団体ですが、私は弁護士としてかれこれ20年ほど、動物虐待に関する案件を弁護士業務の一環として扱っていました。
動物愛護管理法の改正により動物虐待が厳罰化され、最近は警察の対応も変わってきましたが、一昔前は、動物ボランティアさんが警察に行って相談しても、まともに相手にしてもらえないような時代がありました。
「どこそこで動物虐待が疑われる」という話を聞いてくれても、「じゃあ、ちょっとパトロールを強化します」という程度で、それ以上、犯人捜しや捜査をしてはくれません。
「たかが犬猫」のような思いが、警察官の頭にあるのかないのかはわからないですが、十分な証拠がなければ、虐待を止めるために動いてもらえない。であれば、ボランティアの代理人弁護士として、かたちを整えた「告発状」を提出すれば、警察としては仕方なくであっても捜査せざるを得ない。そのようなことを細々とやっていました。

「メンバーは皆、本業の傍ら事案検討に向き合っています。日中にリアルで集まることは困難であり、ほぼリモートで、夕方から夜にかけて調査を行っています。写真は、貴重なリアル会議時の一枚です」
──警察が告発状を受け取ってくれない、ということはないんですね。
細川:
法律上、警察が「(告発の)受理を拒んではいけない」とは書かれていませんが、「受理を拒むことができる」とも書かれていません。
警察としては、一度告発状を受理すると、捜査義務が生じるので、どんな告発でも受理するのではなく、一定のふるいにはかけたいだろうと推測します。
告発が受理された場合でも、捜査状況は教えてもらえませんが、最終処分がどうなったかということは、検事から告発人に対し、書面で通知がされます。また「不起訴処分で終わりました」という通知が届いた場合、告発人は不服申し立てもできますから、捜査機関にとっては、それなりに嫌な存在だと思います。
でも我々として「告発して終わり」ではなく、そうやって最後まで捜査の行く末を監視し、緊張感を持った捜査や処分をお願いしています。

くくり罠の被害に遭った、地域猫のまるちゃん。「腹部にワイヤーが巻き付き拘縮してしまっていました。長期に渡る治療入院をしていた動物病院にて、処置中の様子です」
──弁護団の皆さんが「これは明らかな犯罪だ」という証拠を集めて告発されても、不起訴処分ということもあるのですね。
細川:
虐待動画などの類は、証拠として警察も、同じ動画を見ているんだと思いますが、我々と検察では、事件に関する情報や証拠の量が圧倒的に違うので、最終的な判断が変わってくるということがあります。
告発人は犯罪捜査の部外者であり、ごく限られた一部の証拠しか見ることができません。
「どこそこの現場で虐待がある」という場合、我々は現地に入れるわけでもないので、切り取られた一部の情報をもとに、集められるだけの証拠を集めて「犯罪の疑いがある」と告発状を出します。
一方で警察は、告発状を受け、裁判所の令状をとって強制捜査に入り、動物の状態を獣医に見せたり、現場を検証したりして詳しい状況を調査します。その詳しい捜査情報は、告発人に知らされることはありません。我々の持っている情報で「犯罪成立、有罪であろう」と判断しても、捜査状況次第で、検察が「犯罪の証明は難しい」と判断することもあるでしょう。
──そうなんですね。
細川:
告発する側が、有罪にするための100パーセントの証拠を提出しなければいけないというわけではないですが、噂レベルの情報でもだめで、最低限の証拠は必要です。
いずれにしても告発は、捜査の入り口にすぎません。
告発状は、「犯罪が成立していると思われるので、捜査してください」と捜査機関に情報を提供し、捜査を促す意味合いがあります。

「多くの動物が犠牲になっていると情報提供が寄せられました事案で、虐待に当たると言える証拠が弱く、法的手続きに進むにはどうするべきか、頭を悩ませて皆で話し合いました」
細川:
動物は、人間のように自分で声を発して被害を訴えることができません。
動物虐待に関して、普通だったら被害者や遺族しか訴えられないことを、本来は部外者にすぎない我々が告発人という立場で訴えられるという点も「どうぶつ弁護団」の活動の意義です。
──確かに。
細川:
虐待動画の場合、犯人が動画をインターネット上にアップすることで「許さない」という人たちが大勢集まり、炎上が起きて、再生回数が伸びます。それが犯人の収益につながることもあり、「許さない」という人たちも利用されるかたちになってしまいます。
さらによくないことは、炎上がさらに広がると、その動画のアカウント自体が凍結され、犯人を特定することが難しくなることです。
──確かに…。犯人はアカウントをまた新たに作り、同じことを繰り返すかもしれません。
細川:
炎上しているからこちらが虐待を認識できるというメリットもある一方で、騒がれすぎると、捜査が難しくなってしまう。…正解がなく、難しいです。

啓発活動にも力を入れている。写真は2024年9月に開催されたどうぶつ弁護団主催のシンポジウム(神戸のStage Felissimoにて)。「『動物虐待問題について真剣に考える』と題し、法人の活動紹介や、杉本彩さんにご登壇いただくなどし、動物虐待問題の現状を伝える機会を設けました。多くの方が参加してくださいました。写真は同シンポジウムで、正会員の佐々井浩志先生(獣医師)による基調講演の様子です。普段より当法人に寄せられる虐待情報提供について、獣医学の視点から協力してくださっています」
──過去に扱った事例で、ネット動画から告発まで至ったケースはありますか。
細川:
2024年8月、SNS上に鳩の虐待動画や写真をあげているアカウントがありました。一連の虐待動画を見て我々が告発し、捜査機関によって被疑者が特定・逮捕され、有罪判決が出た事例があります。
ケージに入れて無抵抗の状態の鳩を鞭のようなもので叩きまくる、わしづかみにしてケージの内網に叩きつける、はさみで首を切るといった内容で、健康な鳩が死に至るまでの悪質極まりない虐待動画をアップしていました。
──ええ…。
細川:
犯人は2025年3月、動物の愛護及び管理に関する法律違反で略式起訴(被疑者の同意のもと、公開の裁判を開かずに書類審査のみで100万円以下の罰金または科料が科されること。今回の件では、罰金50万円を支払った)となりました。
留置所から1,2か月程度で釈放されて、罰金50万円というのは決して重くはないかもしれませんが、「被害動物が鳩1羽であっても、意味もなく殺せば、立派な犯罪として処罰される」ということを社会的に示せたという点で、意味のある事件だと思います。
──どうぶつ弁護団さんの介入がなければ、犯人を捕まえることは難しかったかもしれませんね。
細川:
この鳩のケースでは、警察に多くの市民からの通報が寄せられていたようです。弁護団の告発があったから逮捕・処罰されたわけではありませんが、多くの市民とともに動いた結果であると考えています。
話すことができない動物を代弁して「みだりに動物を虐待することは立派な犯罪になる」ということを発信すること。そのことが世間に広く知られていくのは良いことで、我々としては今後、告発をより一層しっかりやっていかなければならないと思っています。

2026年5月、姫路の「イーグレひめじ」にて、猫の友社主催の地域の動物愛護イベントにブース出展&登壇。「地域で開かれるイベントでのブース出展は、貴重な活動を伝える場となっています」

奈良で吹き矢被害に遭った猫。「金属製のものが被害猫の左前肢に、2㎝ほど深く刺さっていました。先端は流線形で尖っており、反対側は筒状になっているもので、後にこれは犯人が自作した銃で放たれたもので、猫の左足に命中したのだと判明しました」
細川:
鳩の事件の半年ほど前には、被疑者が正式起訴され、公判が開かれたケースがありました。
2023年12月、奈良県王寺町で外猫の餌やりをしていた方たちが、猫の足に矢か釘のようなものが刺さっていることに気づきました。明らかに人為的なものであることが疑われたため、捕獲して動物病院で診てもらったところ、やはり虐待と見て間違いない物証が揃ったため、告発に至りました。

(写真左)「被害に遭った猫の保護には、捕獲等のお手伝い業者『ねこから目線』さんに協力していただきました。写真は早朝に捕獲した時の一枚です」。(写真右)病院での処置風景

「お世話をされていた餌やりさんが、被害に遭った猫から抜き取ることができていた矢の部分です。おそらくこれを、脚に刺さっていた金属製のものの空洞部分に差し込んで、1本の吹き矢のようになっていたのではないかと推測されます」
細川:
刺さっていた物を抜いた後の写真や動画しかなければ、「本当にこの金属が猫の足に刺さっていたのか」を証明することが難しくなります。
このケースでは、捕獲業者、獣医さん、皆さんが動物虐待に対して強く意識のある方たちで、犯人を捕まえるために、証拠保全を意識して動いてくださり、現場の動画や、刺さっていた釘の寸法、猫の足から釘を抜く瞬間の動画、被害に遭った猫の状態を記載した診断書などをしっかり準備していただき、告発までは非常にスムーズに進みました。
──そうだったんですね。
細川:
捜査の結果、猫の足に刺さっていた釘のようなものは、犯人が自作した空気銃から発射されたものであることがわかりました。犯人には懲役1年6ヶ月(執行猶予3年)の有罪判決が言い渡されました。
1匹の猫に対する傷害事件でこれだけの刑罰が下るのは、非常に大きなことです。
「執行猶予で、刑務所には行かないじゃないの」という意見もあるとは思いますが、動物愛護管理法の改正によって動物虐待が厳罰化され、その結果、量刑が重たくなるケースも出てきていることは事実です。

2024年4月11日、奈良地方裁判所葛城支部による判決言い渡しの日。「後に確定判決となりますが、判決主文は、1)懲役1年6月(執行猶予3年)、2)空気銃の構成部品を没収する、というものでした」

どうぶつ弁護団副理事長・獣医師の中島克元さん:「動物の価値が上がっていると同時に、不届きな飼い方をしている、そして自己の利益の為に開き直っている人達に対して、大きな憤りを感じておりました。私達の活動が、動物に対する虐待行動が無くなる事を期待して活動しています」
──「もの言えぬ動物たちを代弁し、私たちが護ります」というのが、どうぶつ弁護団さんの掲げるメッセージですが、「もの言えぬ」というところで、動物虐待に関しては、かなりその特殊性があると思います。そのあたりについて教えてください。
細川:
人間の殺人や傷害などで犯罪捜査をする場合、被害者の「人間関係」から被疑者を割り出し、特定していくことが多いと思います。しかしその手法は、動物の場合、一切使えません。「動物関係」なんてわからないし、どこの誰と交流していたかなんて、全くわからないわけですよね。
動物虐待は密室で行われることが多く、犯人に「知りません」「わかりません」「やってません」と否認されてしまうと、犯罪の証明をするのは容易ではありません。
捜査する警察としても、虐待したことを証拠づける事実や証拠があって初めてガサ入れができるわけなので、そこが難しいと感じます。
──なるほど。
細川:
特殊性としてもうひとつ、小動物についてです。
犬ぐらいの大きさがあれば、殺害した場合、処分に困りますが、ハムスターなどの小さな動物は、死体の処分が比較的簡単です。
極端な話、トイレに流したりということもできてしまう。人知れず失われている命が、たくさんあるのではないかと思います。

どうぶつ弁護団正会員、弁護士の谷村巴菜さん:「幼い頃から動物(特に犬)が大好きで、虐待や多頭飼育のニュースを見る度に心が痛みました。そんな中、私が弁護士として動物たちを救うためにできることがあると知り、是非ともお手伝いさせていただきたいと、活動に参加させていただきました。微力ながら、これからも一頭でも多くの動物を救えるよう積極的に活動していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」

うぶつ弁護団正会員・弁護士の川井あかねさん:「幼少の頃から、犬猫をはじめ牛や馬、金魚など、動物が好きでした。徐々にペットビジネスのありかたに疑問を抱くようになり、また自然環境破壊により住処を奪われる野生動物についても考えるようになりました。弁護士としての通常業務の中では動物の問題に関わる機会は少ないですが、問題意識を持ち続けたいと思い、当弁護団での活動に関わらせていただいております」
──細川さんは、通報を受けたり事件を扱う中で、動物虐待の現実を日々目の当たりにされるわけですよね。動物のためとはいえ、心が病んだり、しんどくなったりしませんか。
細川:
…感受性の強い人は、日常的にこういう情報や資料に接していると心が壊れてしまうと思います。
弁護士という仕事柄、刑事事件の記録などで事件現場や被害状況の写真を見ることがあって、比較的耐性はある方だと思いますが、弁護士の中でも「人間の死体やケガの写真は見れるけれど、動物は無理」という方もいます。
役割分担で、できる人ができることをやればいいと思っています。
…ある程度は淡々とやりますが、中には僕でも直視できないようなものもあります。
──細川さんのモチベーションを教えてください。
細川:
…僕としては、巻き込まれてここまで来たと思っています(笑)。
ただ、弁護士になって比較的早い段階から、動物のボランティア活動をしている方たちと関わることがあり、「この人たちはなぜ、こんなことをやっているのかな」と思っていました。
どうぶつ弁護団は、動物のために一生懸命活動する人たちのための組織ではありません。
ただ、特に虐待に関しては、動物のことを思う人たちが、費用をすべて負担して僕らのような弁護士に告発を依頼したり、警察に虐待被害を訴えても軽くあしらわれてしまったりするような姿を長年見ていましたので、「我々のような専門家が、直接問題に関わることで、こうした方たちの負担が軽減されるだろうな」という思いはあるかもしれないです。

どうぶつ弁護団正会員・弁護士の森崇志さん:「人・動物にとって彩りのある社会を目指して頑張ります」
──細川さんの弁護士としての正義感なんですね。
細川:
いや、どうでしょうね(笑)。弁護士になるという強い決意があったわけでもありませんし、ここまで来たのは成り行き任せの面があります。
2003年に「大阪でペット法の研究会が立ち上がる」という情報を聞き、まったく伝手や知り合いもないまま、参加しました。お金になるとは思わなかったけど、弁護士として、誰でもやっているわけではない専門分野を持っておくのは良いことだと思い、そこから少しずつ関わるようになっていったという感じです。
──細川さんは、動物は飼っておられたんですか。
細川:
子どもの時は、猫を飼っていました。大変な司法試験の勉強時代を一緒に過ごしてくれて、励ましてくれた…というのが、今の活動の原点にあるのかもしれませんね。

一緒に暮らす猫の「ゴヤール」と。「一緒に居る時間は大切で、ちゅーるをあげたり、猫吸いしたりしてます」

「2025年度に、大阪の活動者さんたちが集まる場所で勉強会を行いました。参加された動物ボランティアさんたちが、いかに動物のために使える法の知識を深めようとされているのかを実感したイベントでした。この経験が、この後全国を対象に『地域主催型勉強会』として、勉強会を主催してくださる先へ当法人より無償(実費交通費のみ負担)で、講師派遣をする取り組みを始めるきっかけとなりました」
──弁護士として個人で動物虐待に関わっておられたとのことですが、どういう経緯で、どうぶつ弁護団の設立に至られたのですか。
細川:
こういった活動は、一人でやるのは無理です。全国から情報を集めたり動いたりするためには、関わる方が一人でも多いほどよいと思います。最初は、私の所属する弁護士会の活動としてやれないかとも考えましたが、弁護士会内にも多様な意見があるため、NPO法人として立ち上げることにしました。
「適格消費者団体」ってご存知ですか。
弁護士などの専門家が所属して、不当な契約をさせられた消費者や被害を受けた消費者に代わって、不当な契約をやめるよう請求したり、消費者の利益を守るために活動している団体で、消費者契約法に基づき、内閣総理大臣の認定を受けています。

正会員で弁護士の岸本さんの愛犬「ペコちゃん」。「野犬の子として保護されていたセンターより譲渡を受けたことから、岸本先生の「保護犬って?」「動物虐待はけしからん!」という想いが走り始めました。2025年10月に神戸のしあわせの村にて、神戸市獣医師会(メンバーの中島副理事長が会長を務める)主催の神戸どうぶつ共生フェスティバルで広報お手伝い中のペコちゃん」
細川:
「どうぶつ弁護団」の活動は、それが近いなあと思っています。法律はまだありませんが、適格消費者団体の動物バージョンという感じでしょうか。あれこれと口出しをして、社会的弱者である彼らのために、今後も動くことができたらと思っています。
ただ、こんな団体は過去にもないし、きっとこれからも出てこないでしょう。同じ時間を使うなら、弁護士業だけをやっている方がずっとお金になります。
でも今、こうして我々が「どうぶつ弁護団」として旗をあげて活動できているのは、動物の問題に取り組みたいというもの好きな弁護士が各地にいて、その人たちを、僕が引き入れてしまっているからなんです(笑)。
全国各地で、声なき動物たちのために、一生懸命活動する無名のボランティアさんが大勢います。
きっとこの活動は、何か役に立つのかなと思って団体を設立しました。
「もの言えない動物のために、もの言えない人たちのために活動する」という思いは、僕の中でハッキリしています。

2024年に開催したシンポジウム終了後の一枚。「当法人の賛助会員様のご参加も多く見られ、『私たちにできないこと、代わりによろしくね』と募金をしてくださる方も多く、リモートでの活動が多い当法人にとって、大変貴重で励みになる一日でした」

「小学館『マンガワン』連載中、常喜寝太郎さんの話題の動物保護漫画『全部救ってやる』にどうぶつ弁護団を取材していただき、エピソードが掲載されました」。写真はとあるイベントにて、常喜寝太郎さんのサインを手に、ご満悦の表情の細川さんと岸本さん
──今後の展望を教えてください。
細川:
今後、動物虐待動画の規制については、力を入れてやっていきたいと思っています。
犯罪と断定できないけれど、けしからんという動画が、ネット上にたくさん上がっています。動物をおもちゃのように扱い、虐待まがいのことをして視聴者の反応を楽しんだり、お金を稼ぐという事実があまりにあふれています。
今の法律では、動画を公開すること自体は犯罪にはならないので「そもそも虐待動画を規制したい」ということを、どうぶつ弁護団のメンバーたちは強く思っています。
YouTubeやXなど、プラットフォーム側も、動画掲載にあたり一定のルールを設けてはいます。ただ、投稿者とプラットフォーム側で経済的な利害が一致しているからなのか、なかなか思うように運用されてはいない印象です。
そのような事実もふまえて、国の方に訴えかけようとしているところです。
あとは、団体をスタートして5年目、関西だけでなく、東京、名古屋、福岡など各地の仲間も増えているので、全国各地にメンバーを増やせていけたらと思っています。
「どうぶつ弁護団」は、主に弁護士と獣医師で構成されていますが、今は弁護士に比べると獣医師が少ないので、獣医師、またそれ以外の専門職の方もメンバーとして増やしていきたいです。
もう一つ、私たちは告発などの手続きが主な事業であり、得意なのですが、弁護士は普段は裏方として前に出てこないので、活動の周知や広報活動は得意ではありません。
今回のJAMMINさんとの企画もそうですが、別分野で広報が得意な人たちに協力していただきながら、多くの人たちに我々の活動を知っていただくことにも力を入れていきたいと思っています。
──もし虐待を目の当たりにした時、「どうぶつ弁護団がある」と知っていたら選択肢が増えるし、虐待の抑止にもつながりますね。最後に、読者の方に向けてメッセージをお願いします。
細川:
動物虐待だと思うことを見つけたら、情報提供で協力していただくのもそうだし、「こんな団体があるよ」と周りの方たちに伝えていただくのもそうだし、賛助会員になってご支援いただくのもそうだし、「皆さんの力で、一人ひとりができることで、一緒に動物虐待をなくしていきましょう」とお伝えしたいです。
──最後に、チャリティーの使途を教えてください。
細川:
チャリティーは、動物虐待の告発を行うための資金として活用させていただく予定です。ぜひ、応援よろしくお願いします。
──貴重な話をありがとうございました!

2025年12月、どうぶつ弁護団主催の第2回シンポジウムにて、メンバーの皆さんの集合写真。「応援よろしくお願いします!」
インタビューを終えて〜山本の編集後記〜
動物たちは自分で声を出して被害を訴えられないし、飼い主(所有者)がいない動物の場合、虐待を受けても、守ってくれたり助けてくれたりする特定の人間がいません。…だからと言って、虐待が見過ごされて良いのか。
どうぶつ弁護団さんのようなご活動があることで、私たち一人ひとりがもっと注意深くなることで、救える命、助かる命があると思いました。ぜひこの機会に、活動を知り、応援いただけたら嬉しいです!

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馴染みのある動物たちが、いきいきと前進する様子を描きました。
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“Speak for the voiceless(声なき者のために、声をあげよう)”というメッセージを添えています。
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