4万人に1人の割合で発症すると言われる難治性てんかん「ドラべ症候群」をご存知ですか。
「願いをカタチに」をスローガンに、ドラべ症候群のある方とその家族の毎日を変えていくために活動する「ドラべ症候群患者家族会」が今週のチャリティー先。
ドラべ症候群の特徴のひとつは、てんかん発作を繰り返すこと。しかし希少難病であるため、医療や教育の現場でもまだまだ知られておらず、発作が起きたときに的確な対処がなされていない現実があるといいます。
「子どもたちと家族のために、状況を変えていきたい」
そう話すのは、代表の黒岩(くろいわ)ルビーさん(46)と、スタッフの佐々木千恵さん(ささき・ちえ)さん(49)。「ただただ必死だった」と話す、ドラべ症候群のある子の子育て。母として人として、つながりを励みに、今日まで活動を続けてきたといいます。
活動について、お話を聞きました。
(お話をお伺いした黒岩さん(左)、佐々木さん(右))
ドラべ症候群患者家族会
難治性てんかん「ドラべ症候群」の人、またその家族や医療関係者のための集まり。
ドラべ症候群に関する調査・研究を通じた啓発活動や国へのはたらきかけ、また患者家族の交流を行っています。
INTERVIEW & TEXT BY MINA TANAKA
RELEASE DATE:2022/6/6
(2018年、京都にて開催された第5回ドラベ症候群家族交流会にて。「交流会では、お互いの子どもたちの成長や悩みを喋って一緒に考えたり、共感して笑ったり、楽しい時間を過ごしていただけます。1を言って10も20も分かってくれるのは、同じドラベ症候群の子を持つ家族だからこそ」)
──今日はよろしくお願いします。最初に、団体のご活動について教えてください。
黒岩:
ドラべ症候群と診断された方やその疑いのある方、その家族、医療関係者からなる患者家族会です。2015年7月に設立し、現在は約300名の会員さんがいます。
活動の柱はふたつあり、1つがドラべ症候群や難治性てんかんについての情報発信です。
パンフレットやSNSでドラべ症候群について知ってもらう活動はもちろんのこと、現状を変えていくためにエビデンスのある情報発信を大切にしていて、患者や患者家族を取り巻く実態について調査・研究を行い、学会での発表や国への働きかけを行っています。
佐々木:
2つめが、同じ立場の家族同士が交流できる場の運営です。定期的に家族交流会を開催し、全国の家族が、互いの悩みを話したりアドバイスをし合ったりしています。4万人に1人の病気で、なかなか身近なところで同じ病気と闘う仲間を見つけるのは難しいので、仲間がいることを感じられる場になればと思っています。
(2018年2月、新潟で行われた「全国てんかんセンター協議会(JEPICA)」にて、家族会の紹介と全国てんかんセンターやJEPICAへの期待について登壇する黒岩さん)
(「子どもたちは自分が大変な病気だと理解できないので、子どもらしく夢中になって遊びます。家族は背中を触って体温を確かめたり、水を飲ませたり、無理やり休憩させたり、早めに切り上げたりしますが、本当は思いっきり遊ばせてあげたいと願っています」)
──ドラべ症候群について、詳しく教えてください。
黒岩:
ドラべ症候群は、「乳児重症ミオクロニーてんかん」とも呼ばれる4万人に一人の発症率の希少難治てんかんで、生後3〜8ヶ月ではじめてのけいれん発作が起きます。その後、さまざまな原因から発作を繰り返す病気です。
乳幼児期の発作は、なかなか止まらず、救急搬送して病院での処置が必要になることが多いです。ドラべ症候群と診断された8割の人に遺伝子の変異があることがわかっていますが、遺伝子検査は長い場合、結果が出るまでに1年2年と時間も費用もかかるため、症状から診断されることが多いです。
──どうして発作が起きるのですか。
佐々木:
しましま模様やドット柄、バーコードなどの規則的な模様を見ただけで発作が起きることがあります。壁紙や絵本、着ている服の模様、網戸などを見ても発作が起こります。また、木漏れ日や点滅する光など、光が発作の原因になることもあります。
──ええ。それは大変ですね。
(しまうまのしま模様、メロンの網目が発作の原因になることも。絵本は塗りつぶし、模様が目に入らないようにする)
黒岩:
そうですね。まちで出会う人の服装や見える景色の情報を制限することは難しいので、外出のハードルは高いです。
さらに、体温の変化も発作を誘発する原因になります。「暖かい場所から寒い場所に行く」という他の人にとっては何ともない温度差が、発作を誘発してしまうケースがあるんですね。暑さ・熱さに弱いので、特に入浴には細心の注意が必要です。海外の先生からは、「日本のお風呂はドラべ発見機」と言われるほど、入浴での発作誘発が多いので、基本的にシャワーまたは清拭だけで済ませることが多いです。ドラべの子はなぜか水遊びやお風呂に入るのが大好き子が多いので、楽しませてあげられないのが悲しいです。
(家の中でも熱がこもる時があるので、濡らすと冷たくなるポンチョを着せたりすることも。「春になるとクールグッズの新作をチェックして、患者家族同士で情報共有しています」)
黒岩:
夏場はクールグッズで背中や首もとを冷やしたり、ハンディファン(携帯扇風機)などで暑さ対策が必須です。
楽しいことで興奮しても、発作が起きてしまう場合があるので、楽しい遊びも、途中でやめさせないといけない事もあります。その時の親御さんの気持ちはとても苦しいものです。
風邪などの感染症が原因となる発作も起こります。発熱すると長時間にわたって何度も強い発作が起こることがあるので、家族は一年中感染症にかからないように気を張り続けています。特に小さい時には、普通の風邪でも救急搬送と入院が必要になってしまうことが多いです。
(「ドラべ症候群は体温の上昇で発作になる病気なのに汗をかけない子が多くいますので、保冷剤の入ったクールベストを着ています。クールベストは真夏でなくても、外で遊ぶ時や運動する時には必須なアイテムです。遊びに行くと水道が近くにあるかを必ず確認する家族もいますし、続けて遊ぶと熱がこもったり疲れて発作になるので、強制的に休憩をさせています。知らない方が見ると過保護に見えることかもしれませんが、発作を起こさないようにするために、ドラベ症候群の子どもにとっては必要な医療的配慮です」)
──原因はさまざまで、日常生活の中のいろいろなことに気を配る必要があるんですね。
黒岩:
子どもは楽しく遊びたくても、家族が「発作が起こってしまうのでは」とハラハラしてしまうことも少なくありません。
(海で水遊び。「暑い日でも、海水は冷たい時があるので、海で遊ぶ時は海水の温度に特に気をつけています。急激な温度差が発作の原因になるので、気温と海水の温度差がある日は足だけ浸かって遊び、早めに切り上げます。気温が暑い日は、午前中か夕方に行くことにしています。あとは当たり前のことですが、絶対に目を離さず、手の届く範囲にいます。救急セットはビーチまで持って行き、お昼寝をしていない日は海の中へは入らないなど、いろいろと制限や配慮をしながら、それでも楽しく遊べるように考えています」)
(「ドラベ症候群の子どもは感染症に弱いため、ご家族は新型コロナウイルスが流行する前から感染症対策については意識が高いです。マスクやアルコール消毒を使用しながら、気候の良い日は外で遊ぶようにしている家族が多いです。コロナ禍を経験して当たり前となった感染対策ですが、ドラべの子の家族はずっと前から感染対策をしていたのもあって、自分たちの日常が世界的に広まったのはありがたいことでした。コロナ禍が終わっても、感染対策の習慣は残ってほしいなと思っています」)
黒岩:
こういったことから起こるてんかん発作を繰り返すことが、ドラべ症候群の主な症状です。発作の程度や時間もまちまちで、数分で止まることもあれば、1時間以上発作が止まらないこともあります。
家族の方たちは、常にあらゆることに気を配り、発作が起きないように最大限の努力や工夫をしていますが、発作は起こる時には起こります。たくさんの薬を飲んでいても、発作を完全にコントロールすることは難しいんです。
(ドラベ症候群の患者家族が常に持ち歩いているもの。ブコラム、酸素、パルスオキシメーター、ミスト。「いつ発作が起きても対応できるように、財布は忘れてもこれだけは持っています」)
黒岩:
発作が起きた時に出てくるのが、後遺症のリスクです。
程度の差がありますが、発作が長く続くことによって脳症になり、それまで歩いていたのに歩けなくなってしまったり、ご飯が自分で食べられていたのに食べられなくなったり、首がすわらないような状態になってしまったり、最悪の場合、亡くなってしまうこともあります。
──ええっ、大変ですね。
佐々木:
そのため、発作が起きた時には「なるべく早く止めること」が、非常に重要になります。それには薬を投与するしか方法がありません。経口薬の「ブコラム」というお薬が、効果が期待できるものとして2020年に国に承認されました。
(佐々木さんの娘・ことぶきちゃんは2歳の時、インフルエンザになり発作が群発して病院に搬送された。「どんなに薬を入れても、発作が止まりませんでした。当直の先生ではもう治療の選択がないと言われ、夜中に主治医の先生が家から病院に駆けつけてくださり、発作を止めてくださいました。医療ドラマに出てくるような機械やチューブに繋がれた娘。脳症になっていないか、先生がすぐに脳波を撮ってくれましたが、『これがドラベ症候群の怖さなんです』と言われました」)
(てんかん重積状態治療薬 口腔用液「ブコラム®︎」。「針はありません。シリンジタイプのもので、頬の粘膜に液体を投与することで、痙攣を止める作用があります」)
黒岩:
「ブコラム」は、意識が戻らないまま短い発作を繰り返す場合や、発作が5分以上続く「てんかん発作重積」状態の発作をいち早く止める効果が期待できる液体の薬で、口の中に直接投与します。
海外では10年以上前から使われていましたが、お伝えした通り、日本での承認は2020年です。私たち患者家族会は、この薬の承認を求めて団体として立ち上がった会でもあります。
地道な活動の成果と国への働きかけで承認までこぎつけたものの、実は国から、2021年3月全国の教育委員会に「ブコラムの投与は医療行為であるから、現場の先生たちが投与してはならない」という通達が出されているんです。
(夏場の遊びは家でプールをする家族も多いと思います。プールは身体にこもった熱を発散させますが、日差しに気をつけるためシェードを付けて影を作ったり、疲れに気をつけたり、楽しくて興奮しすぎると発作になるので、こまめに休憩しながらになります)
──えっ、そうなんですか?
黒岩:
発作が起きている状態で、容態が安定していないのに薬を投与することは医療行為と判断されるようです。保育園や学校で発作が起こると、「医療行為」であるブコラムを投与できる家族が現場に行くか、救急車を呼ぶかになります。
家族がいつも駆けつけられる場所にいるとは限らないし、救急車を呼んだとしても、病院に到着して処置を受けられるまでに1時間近く、すごく時間がかかります。
(運営スタッフの家族。「長女のあまなちゃんがドラベ症候群です」)
──そうなんですね。
佐々木:
救急車を呼ぶにしても、ブコラムを投与するかしないかでは状況が大きく変わります。ブコラムによって発作による後遺症や死亡のリスクを下げられるはずなのに、今はそれが許されていない状況なんです。
目の前で子どもたちが発作を起こしても、そして発作が長く続くことが大きな後遺症を生むかもしれないというリスクがわかっていても、現場ではブコラムを積極的に投与できないという現実があるんです。
現場の中には、発作が一刻を争う事態であることを理解し、ブコラムを使おうと協力的に動いてくださる学校や先生もいらっしゃいます。独自の判断で使ってくださっている学校もあります。しかしやはりトップダウンで行政から通達があると、自分ではどうすることもできず、もどかしい気持ちを抱えている先生もいらっしゃると思いますね。
(2021年9月、ブコラムを保育園や学校等で教職員が使用できるよう、文部科学大臣政務官と面会、要望を行った)
──ブコラムが使えないとなると、今現在は学校で発作が起きた時、どうされているのですか?
黒岩:
座薬を使っています。実はこれも、以前は医療行為として学校や保育園では使えなかったのですが、私たちが国に働きかけ、投与しても良いという通知を出してもらったんです。
ただ、座薬は効果が出るのに30分ほどかかってしまいますし、下着を脱がせてお尻から投与するので、たとえついたてなど目隠しがあったとしても、すぐ向こうでは他の子たちがいて、子どもたちが恥ずかしい思いをするという課題もあります。課外活動など、外出先では大人数名がバスタオルなどで目隠しをして、下着をおろして投与するのが理想ですが十分な人手が確保できない場合も多々あります。
子どもたちの人権を守るという点からも、効果の面からも、1日も早く、ブコラムという選択肢が持てるようになってほしいと活動しています。
(団体が作成した「救急カード」。「救急車を要請しても、救急隊からの車内問診や病院への搬送確認などがあって、すぐ病院に運んでくれるわけではありません。発作から治療開始までの時間は全国平均45分です。その間、横には発作で苦しむ我が子がいて、家族は毎回とてもつらい思いをしています。少しでも時間を短縮でき、スムーズに搬送されるように救急カードを作成しました。必ず主治医が処置をしてくれるわけではないので、当直医への伝達(禁忌薬や、いつも使用する薬剤など)も記入できるようになっています。ドラべ症候群のお子さん用、英語バージョン、その他のてんかんのお子さん用もあります」)
(「年に1度の交流会には、長く入会している会員さんも新しく入会した会員さんも、一緒に運営に参加していただきます。最近は集会形式での交流会ができないので、こういう機会がなく少し寂しいです」)
黒岩:
起きてしまった発作を早く抑え、脳症や死亡のリスクを減らすために、私たちはブコラムが学校でも投与できるようにしてほしいと活動を続けています。一方でまた、患者とその家族の生活の面を支えていくために、医療関係者の方々と協働しながらデータの収集や調査・研究を行いつつ、患者家族の交流にも力を入れていきたいと思っています。
以前、難治性てんかんのある子どもを育てる母親の就業状況に関する調査を行った際、ドラべ症候群の子どもを育てるお母さんの実に86パーセントが「就業に影響が出ている」と回答しました。また62%のお母さんが退職していることがわかりました。
(年に1度会員にアンケートを取り、発作の分析や治療パターン、発作の誘因などをまとめて資料にしている。「作成した資料は、患者家族会のブースを出展した際に配布しています。全国各地、いろんな病院や地域のデータを集めて集計したもので、ドラベ症候群を担当されているドクターは興味深く資料を持ち帰ってくださいます」)
佐々木:
私もそうでしたが、ただでさえ大変な子育て、発作が起きてしまうために日常生活が制限されたり、ドラべ症候群の子は偏食の子も多かったりするので、なかなか身近に日々の悩みや不安が話せる人がおらず、孤独を抱えがちな傾向にあります。
その時に「同じことで悩んでいる仲間がいる」と思えることが、安心や明日に立ち向かう大きな力になりました。
団体への入会時には、必ずお電話を差し上げるようにしています。「お子さんはどうですか」と尋ねてお話を聞くと、「近くに同じ病気の人がおらず、はじめてこんな話ができた。すごく嬉しい」と涙ぐみながら話してくださる方もいて、これだけSNSが発達している今でも、生で感じられるつながりの大切さを改めて感じています。
(2015年11月、ブコラムの早期承認を求め17万1866筆の署名を国に提出する黒岩さんたち。「この時、私は臨月で出産の1週間前でした。多くの方の思いを届けるという大役を無事に果たせてホッとした事を覚えています」)
(2014年、佐々木さんのブログをきっかけに初めて開催された、記念すべき第1回めのドラベ症候群家族交流会)
──薬の承認が団体立ち上げのきっかけということですが、どういう経緯だったのですか。
黒岩:
現在13歳になる我が子が生まれて最初の数年は、落ち込むばかりでとても前向きにはなれませんでした。少しゆとりが出てきたのは本当にここ2、3年です。小学校1〜2年までは、1週間に2回救急車を呼んだこともあったほどで、救急車に乗っては入院ばかりして、私は付き添いで病院で寝泊りし、思い描いていた普通の生活とはほど遠い日々でした。「楽しい幼少期」という印象は全くないです。暗闇の中、ただただ必死でした。
(「発作になった時、まずは時計を見て、安全を確保して、衣服を緩めて、グッズを用意して、止まらなかったら処置して、救急車を呼んで、熱を計って、止まったらそこから移動して失禁などの処置をして…と、いろいろとしなければならないことがあります。そんな時に家族への連絡や状況の共有が簡単にできるのがラインスタンプです。ドラベ症候群ならではの発作の種類の多さや、発作原因、生活などのスタンプを3種類作成しました。発作の記録としても使えます」)
黒岩:
そんな中で救われたのが、同じドラべ症候群の子を持つ佐々木がやっていたブログでした。知らなかった情報がたくさん詰まっていて、つらいはずのことも明るく書かれていて、当時の私の心の支えでした。そこをきっかけに、つながりが広がっていったんです。
ちなみに佐々木は、当時の「闘病記カテゴリー」でランキング1位の人気ブロガーでした。
──すごい!
(初めての患者家族交流会の翌年の2015年に、横浜にて開催された第2回ドラベ症候群家族交流会での一枚。「この時、ブコラムの早期承認にはしっかりした患者会が組織として必要だと佐々木と相談し、ブコラムのために患者会を立ち上げること、厚生労働省の『医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬の要望募集』に応募することなどを決めました」)
佐々木:
「うちの子は、ドラべ症候群かもしれない」と発信して、自分のイライラやモヤモヤ、不安を出すだけのブログだったんですが、次第に同じドラべ症候群の子を持つ方たちが見てくださって、コメントを残してくださるようになって。
それで「一度、リアルで集まってみいへん?」という話になって、大阪で集まったのが最初です。2014年3月のことでした。北は北海道から南は鹿児島まで、30組ほどのご家族が、飛行機や新幹線に乗って来てくれました。当時は患者家族会もなく、皆、わらにもすがる思いでした。つながりたかったんです。
黒岩:
「憧れの佐々木さんに会えた!」と思いました(笑)。ほかにもブログをされていた方たちのブログ名と顔がつながり、同じ立場の方たちと出会えて本当に嬉しかったです。つながれたことで、前向きになれました。
(「2020年12月に発売されたブコラムのおかげで、ドラベ症候群3家族でスキー場に行き、遊ぶことができました。それまでは生活圏内は常に救急搬送できることを意識してきましたが、ブコラムがあるだけで世界が広がりました。ブコラムがあることで初期治療が可能になり、救急搬送に少し時間がかかるような場所にも、初めて足を運ぶことができるようになったんです」)
佐々木:
ドラべ症候群という診断名がついたからこそ、幸いにして、私たちはこうしてつながることができました。しかし一方で、難治性てんかんがありながら、診断がつかずに苦しんでいるお子さんやそのご家族がいらっしゃいます。
ドラべ症候群の患者家族会ではありますが、この病気に限らず、難治性てんかんと闘う方たちと一緒に闘う気持ちで、これからも活動をしていきたいと思っています。
(「2021年は、ドラベ症候群の子の生活のあるあるを『あるある川柳』」というかたちで、6月23日のドラベ症候群の日までの1ヶ月間にわたり、SNSで発信しました。ドラべ症候群の子は偏食のある子が多くいます。『○○を食べない』というより『○○しか食べない』という子が多いのがわかります」)
(2018年6月23日、ドラベ症候群の日に東京タワーにて、ブースを出展して啓発活動を行った際の一枚)
──最後に、チャリティーの使途を教えてください。
佐々木:
ドラべ症候群は、医療や教育の現場でもまだまだ知られていません。そのために誤った対処を受けたり診断が遅れたりすることもあります。
またドラべ症候群と診断されても、日々の生活をどう過ごしていくか、発作とどう向き合っていくか、情報が少なく悩むご家族も少なくありません。
(団体が作成・発行する冊子『ドラべクラブ』。「ドラベ症候群の家族のアンケートやインタビューの回答を元に、教科書や育児書にはないドラベ症候群の闘病生活・育児生活を掲載した冊子です。現在第2版目を制作中です」)
佐々木:
今回のチャリティーは、ドラべ症候群や難治性てんかんのご家族、支援者の方たちに、ドラべ症候群の生活のリアルや知恵を伝える冊子「ドラべクラブ」を届けるための資金として、また、学会や勉強会への参加など、啓発のための資金として活用させていただく予定です。
ぜひ、アイテムで応援いただけたら幸いです!
──貴重なお話をありがとうございました!
(運営メンバーの皆さん。「運営メンバーとは出会ってから、もう9年になります。出会った頃は、子どもも小さくて、発作や救急搬送、入院、そしてお空への旅立ちなど、たくさんの苦しい経験を共に乗り越えてきた戦友です。今は小さい頃よりは発作や生活が落ち着いていますが、大変だった頃の事を忘れずに、ご家族に寄り添えるように、日々業務を全力で頑張っています」)
インタビューを終えて〜田中の編集後記〜
インタビューの途中、「この分野はスタッフの○○さんが得意で、こんなことまでしてくれるんです」などと笑顔で話す黒岩さんと佐々木さんの姿がとても印象的で、スタッフのみなさんがお互いを信頼している、温かい様子が伝わってきました。
日常を変えていくこと。それは私が想像できないほど、途方もない道のりであるに違いありません。これから教育現場での「日常」も変わっていくように。私もドラべ症候群のことを周りの友だちに伝えていきます。
鳥の家族を包み込むのは、さまざまな植物や花。
家族への愛情、過去の経験や記録がたくさん集まることでつながりが生まれ、温かい環境や社会を築いていくという思いを込めました。
“Creating the future together“、「未来を一緒に作っていこうよ」というメッセージを添えています。