CHARITY FOR

あなたの「もったいない」が必要とする誰かに届けられ、ものだけでなく人の心やいのちも大事にされる社会を〜NPO法人もったいないジャパン

神奈川県茅ヶ崎市にて、「もったいない」を活動の軸に、企業や個人が使わなくなったものを引き取り、国内外の必要としている人のもとへと届ける活動をしているNPO法人「もったいないジャパン」が、今週のチャリティー先。

大量生産・大量消費、使い捨てが当たり前の今、「『もったいない』という思いを、ものだけでなく人や人の心も大切にされる社会につなげていきたい」と話すのは、代表の福田朗久(ふくだ・あきひさ)さん(51)。

「たとえそこでは使い道がなかったとしても、ものが大事にされて次の場所で活躍できる社会は、人もまた、たとえ一つのところでは輝けなくても、別の場所で輝ける社会です。必要なものを必要な場所や人に届けながら、『もったいない』の精神も届けていきたい」。

昨年、団体を立ち上げた前代表・山本高大さんの遺志を引き継ぐかたちで活動を続けている福田さん。
活動について、お話を聞きました。

(お話をお伺いした福田さん)

今週のチャリティー

NPO法人もったいないジャパン

企業や家庭から廃棄される新品同様の食料や日用品を「もったいない精神」のもと必要な団体へと届け、社会に還元するために活動しています。

INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2022/2/21

「もったいない」物資を集め、
必要な場所へ届ける

(全国各地から届くさまざまな物資。「文房具や日用品、食料など数多くの品物が届いております」)

──今日はよろしくお願いします。最初に、団体のご活動について教えてください。

福田:
「みんなが良くなる」をモットーに、食料品や日用品、「もったいない」物資を集め、必要な場所に届ける活動をしています。

──具体的にどのようなものでしょうか。

福田:
未使用の石けんや洗剤、歯ブラシ、トイレットペーパー、おむつといった日用品、毛布やタオル、おもちゃやスポーツ用品、楽器、文房具、装飾品、工具…何でもです。ご寄付は企業さんが6〜7割、個人が3割ほどでしょうか。1日で1トントラック1台分ほどの物資が届きます。

(「届いた物資は食器や日用品、雑貨などまずは大まかにざっくりと分類をし、そこからさらに細かく仕分けしていきます」)

──すごい数ですね!

福田:
自分は使わないけどまだ使えるもの、会社で廃棄されるはずだったものなどいろいろです。
たとえば過去に、一箱50枚入りのバスタオルを150箱送っていただいたことがありました。つまり7500枚です。すべて乳児院さんなどタオルが必要な施設にお送りしました。「タオルを買うための予算を他の必要なものに回すことができた」という喜びの声をいただきました。

(千葉県にある社会福祉法人「鳳友会」の乳児院「エンジェルホーム」と、児童養護施設「ほうゆう・キッズホーム」にランドセルを届けた時の一枚。「もったいないジャパンは、個人の方に直接ものを届けることはしていません。支援のために間に入られている団体さんに届けることを基本的な理念としています」)

ものと一緒に人の思いも届け、つなげる

(2021年2月、熊本豪雨の際には他団体と連携して物資を届けた。「熊本学園大学社福災害学生ボランティアグループのお力をお借りし、熊本県人吉市の仮設住宅の方々へ羽毛布団を寄贈させていただきました」)

福田:
「(物資を受け取って)生活が改善した」という声をたくさんいただきますが、ものを届けながら、人の気持ちをつないでいると本当に感じます。嬉しいですね。現場の声を聞いた上で必要な物資を届けるのですが、自分たちの活動だけではサポートしきれない時には別の団体さんともつながり、手を取り合ってサポートします。ものだけでなく人もつなげるのが僕たちの仕事です。

──「もったいない」「誰かに使ってほしい」…、そんな思いやりが派生していくご活動なんですね。

(ウガンダの教会兼孤児院「エグゾダス養護施設」に、筆記用具などのほか、児童用シューズやボール、ラケットなどの運動用具を寄贈した時の一枚)

福田:
僕は「社会に、本当はごみなんてないんじゃないか」と思うんです。ただ単に行き先がないか、あるいは行き先を知らないだけなのではないかと。

この活動をしていると「もったいないけど捨てるしかない。なんとかできないか」という声をたくさん聞きます。「もったいないけど、なんとかできないか」というその人の思いを生かすつながりさえあれば、その「もったいない」はごみにならず、再び生かされ、活躍できる道が開かれていくのではないでしょうか。

──確かに。

福田:
いろんなものが安く手に入り、特に思い入れもなく大量に消費される今の時代だからこそ、ものを大切にしてほしい。ものを大切にする一人ひとりの思いやりややさしさも、大事にされてほしい。ものも思いも、無駄なものは一つもないから、生かされてほしい。そう思って活動しています。

(「社会福祉法人鳳友会の児童養護施設『ほうゆう・キッズホーム』の女の子が『一度でいいから高い歯磨き粉を使ってみたいな』と言っていたので、もったいないジャパンに届いていた歯磨き粉を渡しました。その女の子は大変喜んでいました」)

福田:
僕はもともと古本や古道具が好きでこの世界に入ったのですが、古本や古道具も、捨てらて埃まみれのごみの山の中から、時折すばらしい文化財が見つかるんです。
「捨てたい」と思う人からしたら、「寄付する」「再活用する」という発想にはなかなか辿りつかないかもしれません。でも、だからこそ知ってもらいたいんです。「捨てればごみだけど、それを必要としている人が必ずいるし、活躍できる場所がかならずあるんだよ」って。

本当に引き取れないものはお断りしますが、「捨てるしかないけど、もったいないな」と思ったら、まずは問い合わせてみてください。その人の心に宿った「もったいない」という思いも、切り捨てられずに生かされてほしいのです。

(コロナの世界的な流行によりマスクの不足に困っていたシリア難民を支援するために、日本で活動する「富山ムスリムセンター(TMC)」にマスクを寄贈)

団体を立ち上げ、37歳で亡くなった
山本さんの遺志を継いで

──福田さんは、どういうきっかけでこの活動を始められたのですか?

福田:
「もったいないジャパン」を2016年に立ち上げた山本高大さん(享年37)は、2021年9月に肺炎で亡くなりました。彼を継ぐかたちで代表をしています。

山本さんは明るくて前向きな人でしたが、不器用なところがあり、自分は組織で働くことには向かないと思っていたそうです。
本が好きだった山本さんは、特に小さな子どもが、良書を手にすることで豊かな心の育成にもつなげてほしい、ただ読んで終わりではない本の価値を生かしていきたいと願い、大学卒業後の2007年に古本を役立てるNPO法人「セカンドブックアーチ」を始めました。大手の古本屋チェーンでは引き取らないような本も引き取り、その販売で得た収益を地域に還元する活動をしていたんです。

(生前の山本さん(写真右端)。「人の良いお兄ちゃんというイメージが伝わってくるタイプの人で、『自分らしくいきましょう!』という感じの人でした」)

──そうだったんですね。

福田:
僕自身は前職で介護福祉の職に携わりながら、趣味で古道具や古資料集めをしていました。いらないと捨てられた紙くずの中から、未発見の歴史の資料が見つかったりするのが楽しくて。古本に関する仕事に携わりたいと思うようなったんです。

もう一つ、古本は「回収・クリーニング・値段付け・販売」という流れですが、福祉の仕事に携わる中で、「この作業は分業すれば、障がいのある方や子育てしながら働きたいお母さんも、子どもをおんぶしながらでもできるんじゃないか」と思って。好きだった古本を通して福祉の世界で感じた課題の解決につながればとNPOの運営を考えたのです。

でも、NPOのことなんて何もわかりません。最初は誰かに教えてもらおうと思って、「古本 NPO」でネット検索した時に、セカンドブックアーチのホームページがヒットしたんです。そこで山本さんに「NPOのノウハウを教えてください」と連絡を取ったのが、最初の出会いでした。

(「もったいないジャパンを立ち上げた当時、フードバンク神奈川にあったかおそうめんを取りに行った際にもらってきたものを仕分けをしている写真です」)

福田:
僕のお願いに、彼は「やれるものならやってみろ」と思ったらしくて(笑)。最初は2年間だけの約束でしたが、その後「理事にならないと見えないこともあるから」と団体の理事をやらせてもらいながら、彼の「サポートするから、自分でもやってごらんよ」という後押しもあって、僕自身も2021年に「気持ちを届ける会」というNPO法人を立ち上げました。

3年間という短い期間でしたが彼とは大親友で、週に3回、一緒に飯を食う仲でした。いろんなことを教えてもらい、僕もちょっとずつわかるようになって、いよいよこれからという時に亡くなりました。実は亡くなった日も、亡くなる3時間前まで一緒にいたんです。連絡がとれないと思った時には、彼はすでに亡くなっていました。

(「鎌倉高校さまより、たくさんの古本を寄付していただきました。もったいないジャパン、セカンドブックアーチ、気持ちを届ける会とで連携し、生徒さんたちが集めてくださった本を回収し、国内外の福祉支援のために活用させていただきました」)

福田:
彼は37年間の人生を、フルスイングで駆け抜けたんですよね。彼の死が惜しいとか悲しいというより何より、彼に会えないことが本当に寂しい。
「福田さん、がんばってんじゃん!」とか、回収したもの中から「こんなものがあったよ!いいだろ」と自慢することもあってね。今まで当たり前にあった彼と過ごす時間が無くなって、見守ってくれる人がいなくなったことを本当に寂しく感じています。

だけど僕が今、こうしてインタビューしてもらってきちんと答えられるのも、本当に彼のおかげなんです。僕を先導してくれて頼ってくれて、とても頼もしい人でした。

(「『俺、本物の春画を見たことがない』という山本さんと一緒に春画を見たことも、今ではとても良い思い出です」)

「もったいない」は愛情

(送られてきたものと一緒に入っていた手紙。「もったいない」「必要な場所で大切にされてほしい」という気持ちも切り捨てず、大切にしたいと福田さんは話す)

福田:
ものを届けた先の人が笑顔になる。それはなんとなくイメージしやすいかもしれません。でもそれと同時に、ものを引き取りに伺う時も、皆さん本当にいい顔なんです。純粋な子どものような笑顔。「引き取ってくれてありがとう」と言ってくださいます。
善意でつながって、ものを受け取る人も手放す人も、そしてそれを届ける人も、皆笑顔になる。こんな素晴らしい活動はありません。

──本当ですね。

福田:
「もったいない」という言葉には、ものへの思いや善意、あらゆる思いが集約されていると思います。僕たちの活動は、それをエネルギーに回っています。

(静岡市にある耳鼻咽喉科に、児童書を届けた際の一枚。児童書を手にしたスタッフの皆さん)

福田:
コロナ禍で日本の各家庭に配布された「アベノマスク」は話題になりましたよね。批判も大きかったですが、僕たちは全国から集まった4〜5000枚のマスクを、シリアの難民キャンプで活動する団体に届けました。難民キャンプの人たちは、貧困のためマスクを買うことすら難しく、またマスクもなかなか手に入らなかったそうです。

「うちはこんなマスクはいらない」だとそのままゴミ箱にポイですが、「もったいないな。どこかで活用できるかもしれないな。必要な場所に届けてね」と僕たちのもとに届いたマスクが、難民キャンプの人たちの暮らしの支援につながりました。愛ですよね。「もったいない」は愛情なんです。

(「ご主人がお仕事でインドネシアに滞在していらっしゃった際に趣味で作られていたという、蝶の標本を寄付していただきました。この活動を通じて、いろんなものやそこに込められた思い出、気持ちと出会うことができます」)

「活動を通じて、自殺する人を一人でも減らしたい。
あるだけで価値。必ず要する人がいる」

(「『子どもたちに本を読んでほしい』という個人の方からの本のご寄付を、ある団体さんから譲ってもらったことがありました。『これで再度、絵本や本を活用できるぞ』と嬉しい気持ちになりました」)

福田:
合理性を突き詰めるあまり、「いらなくなったら捨てて、必要になったらまた買う」ことがあたりまえの時代になりつつあります。でも、一見必要ないように思えるものも必要なんです。それはいのちも同じです。必要のない人、必要のないいのちなんていうものはこの世にはありません。僕は活動を通じて、自殺する人を一人でも減らしたいと思っています。

僕自身、何回も落ちこぼれたし、ジェットコースターのような人生でした。山本さんに生前、「なんで今、福田さんが生きているのか不思議なぐらい」と言われたほどです(笑)。
つらくてしんどい時、「自分なんて」とか「死んでしまいたい」と思っていました。でも結局最後に、自分自身を大事にできるかどうか。「死んだ方が楽」と思った時に、「もったいない」と自分の価値を感じられるかどうかだと思うのです。

(福田さんの私物、中国の発注書資料。「本来はごみになるものですが、は当時の研究資料として活用できます」)

福田:
僕は、つらい時の心の状況とごみを捨てる時の心境は似通っていると感じています。
つらい時はつらいことにしか意識がいかないし、ごみを捨てる時も「これはごみだ」という決めつけの意識になっている。でも「本当にごみなのかな、必要な人もいるんじゃないかな」って、一度立ち止まってみてもいいんじゃないかな。

「自分なんてしょうもない」「大したことない」と思うかもしれません。でも環境が変われば、ほかの誰かや未来の誰かが、その人のことを必要とするかもしれないのです。「もったいない」のはものばかりではありません。人の心もいのちも、大切にして守ってほしい。自分のいのちを粗末にすることはもったいないし、悩んでいる時間ももったいない。

生きていれば必ず未来は変わります。だから今がすべてと思わず、ごみだと決めつけて捨てずに、再び生きる道を信じてほしいと思うのです。

(「箱がつぶれてしまい商品としては販売できないフライパンを、茨城の子ども食堂に届けました」)

福田:
僕は本当にしんどい時、「もったいないからつらい時こそ笑おう、どんなにつまらなくてもおもしろさを見つけてみよう」と向き合ってみたら、「客観的に見たらおもしろいのかもしれない」と思えるようになりました。

見方をちょっと変えるだけで考え方は広がります。ごみだと決めつけなくていいんです。ものも人も、あるだけで価値なんです。必要だからあるんです。この活動を通じて、そのことが伝わってくれたら嬉しいです。「あなたには、あなたのいのちには、ただそれだけで大きな価値があるんだよ」って。

(「家族の写真はどうしても捨てられないものですよね。おじいさんとかひいおじいさんの写真には、知らない人やもの、当時の景色も写っているため、歴史を知る資料として活かすことができます」)

チャリティーは、ものと思いを届ける送料として活用されます!

(「上海にあるとある企業さんが、社会福祉法人鳳友会に運動靴を届けてくれました」)

──今回のチャリティーの使途を教えてください。

福田:
全国から届いたものを、必要な場所へ届けるための送料として活用させていただく予定です。もの確実に必要な場所へと届けることが僕たちの大切な活動ですが、海外への送付や、車で届ける際のガソリン代など、送料がかさんでいます。

──送料はどうやって捻出されているのですか?

福田:
全国から届いたもののうち、入れ歯などを含む貴金属や衣類など、換金できるものを換金したり、書き損じハガキの切手などを換金して何とか捻出しています。今回のチャリティーで、必要な場所へ、思いとともにものをお届けするためのお手伝いをしていただけたら嬉しいです。

──貴重なお話をありがとうございました!

(「2021年4月24日、もったいないジャパンの倉庫にて撮影した写真です。僕が手にしているのは、三陸沖地震の時に震災で流されたブイです。『俺もこれを持って頑張ってこられたのだから、福田さんもがんばれ』と生前の山本さんが言ってくれました」)

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜山本の編集後記〜

「将来の夢は、自殺する人を一人でも減らすこと」。
福田さんの言葉がとても気になり、この言葉こそ福田さんのご活動のコアなのではと思いながらお話を聞かせていただきました。

一つの場所で役に立たなくなったからといって、それは終わりを意味しない。もしかしたらもっともっと輝くための、新たなスタートなのかもしれない!便利を享受する一方で、心が疲弊しているように感じる今の時代、「もったいない」が、社会を元気にする一役を担ってくれるのではないでしょうか。

・もったいないジャパン ホームページはこちらから

09design

ものに宿る、人のやさしい気持ちをキャラクターにして描きました。
マグカップを住まいにするヤドカリ風、空き瓶のフタを帽子にする生き物、トイレットペーパーの芯で暮らす生き物…。一つの場所では不要になったものでも、新しい場所で、誰かの日々を豊かにする様子を、クスッと笑えるタッチで描いています。
“There is something in you that the world needs“、「あなたの中に、世界が必要としているものがある!」というメッセージを添えました。

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