児童虐待の相談対応件数は年々増加しています。令和2年度は20万5029件(速報値)で、前年度より1万1000件以上増えて過去最高となりました(厚生労働省ホームページ「自動虐待相談件数の動向」より)。
貧困、虐待などの背景により児童養護施設で暮らす子どもたち、あるいは退所した後の子どもたちを、親に頼ることができる子どもたちと同じようにサポートして、経験や教育の機会を平等に担保したい。そんな思いで活動する一般財団法人「みらいこども財団」が、今週のチャリティー先です。
団体代表理事の谷山昌栄(たにやま・まさひで)さん(56)。会社の経営者でもある谷山さんは最初、社員の経験のためにと児童養護施設の子どもたちに必要なものを届ける活動を始めました。ある時、頼まれて施設の子どもたちと一緒に過ごした日に、一人の子が一日中、握った谷山さんの手を放しませんでした。そこで心が変えられたといいます。
「子どもを支援しているようで、大人たちも学び、共に成長することができる。自分が変えられたように、誰かの心を変えるきっかけをつくりたい。そして世の中を、今よりやさしい場所にしたい」
そう話す谷山さんと、スタッフの松村明香(まつむら・はるか)さん(27)にお話を聞きました。
(お話をお伺いした谷山さん(写真左)と松村さん(写真右))
一般財団法人みらいこども財団
世界を今よりも居心地の良い場所にするために、虐待などを理由に児童養護施設で暮らす子どもたちを支援しながら、困っている人に対して誰もが手を差し伸べることができる心を育て、またそのような社会のしくみを作りたいと活動しています。
INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2021/11/8
(2015年9月、大阪市内にある施設にて。捕まえたバッタを観察)
──今日はよろしくお願いします。最初に、団体のご活動について教えてください。
松村:
貧困と、それによる機会差別をなくすためにさまざまな活動をしています。
日本では子どもの貧困が進んでおり、それによって児童虐待も非常に増えています。親元で暮らすことが難しく、児童養護施設で暮らす子どもたちの中には、施設を退所してからもトラウマや経済的な理由から苦しみを抱え続けながら生きている子が少なくありません。
(施設訪問にて、段ボールと新聞紙で作った宝探しを楽しむボランティアと子どもたち)
谷山:
このような社会課題があるのだということをまず知っていただきたいですし、知っていながら行動に移すことが難しい方たちに対して、そのきっかけや一歩を踏み出せる機会をつくりたいと活動しています。
逆説的かもしれませんが、「子どもの手を借りて、僕たち大人の目を覚ます」というか。
虐待、またその大きな一因である貧困問題は、社会の課題です。これらの課題を本当に解決するためには、「親が悪い」と親だけの責任にするのではなく、私たち大人一人ひとりが、少しだけやさしくなる必要があるのではないでしょうか。大人たちが今より少しだけやさしくなれる、そのためのしくみや場所さえあれば、困っている人に手を差し伸べ、一緒に笑顔になれる機会がもっともっと増えていきます。そうすれば、世界をよりよく変えていけると信じて活動しています。
(ボランティアクルーの毎月のミーティング。「より良い支援を届けるために、意見を出し合います」)
(アパレル企業から服の支援を受け、新しい服を手に喜ぶ子どもたち)
──具体的には、どのようなご活動をされているのでしょうか。
松村:
物品提供や教育支援など活動は多岐にわたります。物品の提供はさまざまな企業さんに協力していただき、洋服や家具、生活用品などをこれまで300以上の施設に提供してきました。
活動の基盤となっているのは、児童養護施設への訪問です。ボランティアさんたちと各地の児童養護施設を毎月訪問し、子どもたちとの時間を大切にしています。コロナ前は最大で300名を超えるボランティアさんが在籍し、関西と関東の28の児童養護施設を、各施設毎月1回以上、全ての施設の訪問回数を合わせると毎月のべ4〜50回訪問していました。
(「コロナ禍で全国から約3万枚のマスクの寄付をいただき、約200の施設にお送りしました。仕分けや梱包などボランティアクルーが頑張ってくれました。たくさんの方からのご寄付は非常に心強く、嬉しいものでした」)
──訪問してどのようなことをされているのですか?
谷山:
施設によって、また子どもたちの年齢によってもまちまちなので、基本的にはノープランです。子どもたちがやりたいことを聞いて、一緒に鬼ごっこをしたり、ドッジボールをしたり、工作をしたりおしゃべりをしたり…。「何をするか」より「子どもに寄り添い、信頼関係を築く」ことが何より大切だと思っています。そのために、ずっと休まず訪問を続けてきました。
──目的は訪問ではなく、信頼関係を築くことなんですね。
谷山:
はい。目的は無理に訪問することでも、物品だけを提供することでもありません。
子どもたちが施設を出た後も、自分の足でしっかりと生きられる支援をしたい。なので「物に頼らない支援」ということも心がけています。あまりに物ばかり提供していると、子どもたちはどうしても、「次は何を持ってきてくれるやろう?」と物に期待します。それは本意ではありません。子どもたちが本当に必要としているのは、自分の存在を認めて受け入れ、寄り添ってくれる大人の存在なのではないでしょうか。人とつながり、関わることで生まれる感覚や感情を何よりも大切にしたいと思っています。
(施設訪問にて。子どもたちはボランティアクルーと走り回ったり、肩車をしたり、自由に思い切り楽しむ)
(「コロナ禍の約1年半に1000万円以上の寄付をいただき、生活が困窮している児童養護施設出身者に一時金を給付。約200名に700万円ほどを支給しました」。写真は支給にあたり、児童養護施設職員の方の推薦状(左)と本人の申請書)
谷山:
というのも、僕たちが知っている限り、施設を出た子どもたちはとても苦労しているからです。幼少期の経験から、ほとんどの子どもたちは人を、大人を信じていません。
施設を訪問すると、「来月、お母ちゃんが迎えにきてくれるねん!」と笑顔で話してくれる子がいます。家に帰りたくて仕方ない、そんな気持ちが、親でも施設の先生でもない僕たちにだからこそ出せる。でも、そんなふうに話してくれる子ほど、その願いがかなえられることはありません。
──さみしいですね‥
(施設訪問にて、マッチ棒を使ったゲームをする子どもを見守るボランティアさん)
谷山:
人としての根本的な部分、もう一度、人と関わり、信頼することの大切さというのかな、「人ってすばらしいんや!」ということ、施設にいる間に少しでも感じてもらいたいと思っています。そうでないと、社会に出た後、どれだけお金があったとしても、解決できない壁にぶち当たってしまうでしょう。
じゃあ、子どもたちにどうやって信頼してもらうのか?毎月訪問を続けることしか思いつきませんでした。信頼してくれないかもしれないけれど、それでも「こんな大人もおったんや」と思ってもらえる可能性が少しでもあるのであれば、やり続ける意味があると思っています。
(施設訪問後の集合写真。「子どもたちと会うことで、ボランティアも元気をもらっています」)
──最近は、施設を退所した子どもたちを対象にした「オンライン里親」プロジェクトにも取り組まれているそうですね。
谷山:
退所後に進学する子は多くありません。たとえ進学しても、頼れる大人が周りにおらず、生活費や学費を稼ぐためにアルバイトをして学業についていけなくなったり、体調を崩してアルバイトを休んだら家賃さえ払えなくなって生活できなくなってしまったり、ギリギリの状況で頑張っている子たちがたくさんいます。
──すべて一人で背追い込まなければならないのはつらいですね。
谷山:
みらいこども財団は「機会差別をなくす」という理念を持って活動しています。親に頼ることが難しい子どもたちにも、親に頼ることができる子どもたちと同じようにサポートして、機会を平等に担保したい。そこでスタートしたのが「オンライン里親」プロジェクトです。
子どもが進学した後、卒業までを何人かの大人たちが一緒になって経済的にサポートする取り組みです。オンライン里親になってくださった方たちには、子どもたちの日々の学校生活や成長の報告レポート(日記のようなもの)を配信しているほか、直接オンラインで顔を見て話す場を設けています。
(「オンライン里親」プロジェクトで支援を受ける一樹さん(仮名)。「まだあまりお話はできていませんが、里親の方は皆さん優しくてとても話しやすかったです。大学に通うのに、実習の材料や文具を買わなきゃ行けないことが多々あります。支援をしていただけることでそういう面ですごく助かっています。将来は工業高校の教員になりたいと思っており、現在は資格取得のために頑張っています。これからも目標達成の為に頑張っていくつもりです!」。オンライン里親は全国各地から、中には海外在住の人も。チームとなって学生とその夢を応援する)
──自分の一歩を応援してくれる方がいるというのは心強いですね。
谷山:
そうですね。見ず知らずの人が応援してくれるということは、とても大きな力になるようです。また里親になられる皆さんにも、「こんな支援がしたかった」とすごく喜んでいただいています。支援する・されるという壁を超え、共に成長できるのがこのプロジェクトのポイントです。
プライバシーを守るために、子どもたちは仮名での支援ですが、卒業したら本名を名乗って、オンライン里親さんと遠くの親戚のような、温かい交流が生まれてくれたら嬉しいですね。
(「オンライン里親」プロジェクトで支援を受ける里咲さん(仮名)。
「私は高校を卒業してからの2年間、病院で看護助手として働いていました。近くで働く看護師さんを見ていたり、小さい頃に父から看護師を勧められたのもあり、看護の道を選び進学を決めました。ですが現実はうまくいかず、入学前にかかる費用や入学してからの生活費などは1人で払いきれる金額ではなく、園した施設の園長先生に相談しにいったところ、みらいこども財団さんのお話を聞き、里親さんに支援していただくことになりました。
最初は顔を見せるのも怖いなと思っていましたし、毎月の報告なども自分にはできるかなと不安もありましたが、毎月の報告書を書くようになってから、友達とどこかへ行ったりご飯へ行ったりするたびに『今月はこれを里親さんに見せよう』と写真を撮ることが増えました。オンライン交流では今もまだ少し緊張しますが、里親さんの話を聞くのもすごく面白くて楽しく、楽しませてもらっています。私が今、周りの人と変わらず学校に行って勉強できているのは園長先生やみらいこども財団の方々、里親さんの周りの支えや支援があるからです。これからも日々感謝して体調を崩さず看護師に向けて勉強を頑張りたいと思います」)
(施設の子どもたちを遊園地にした後、子どもたちから届いたお礼のメッセージ。手にしているのは谷山さんの息子さん)
谷山:
児童養護施設で暮らしている子どもたちは、何か悪いことをしたとか、悪いからそこに入っているわけではありません。望んで入っているわけでもありません。しかし社会の理解が進んでおらず、地域で差別があったり、忌み嫌われていたりすることがあります。
「親が悪い」とか「本人が悪い」という自己責任論や「自分の子さえ良ければいい、人の子は関係ない」という意識から抜け出して、「地域の子どもはみんなの子ども」という意識、周りの大人たちが手をつないで皆で子どもを見守り、共に育ち合っていくような社会を作っていきたいと思っています。一昔前はそうだったんですよね。いつの間にか、それがなくなってしまった。失われてしまったコミュニティ、地域で皆が等しく共に学んだり遊んだりできるような環境のために、そのきっかけづくりができたらと思っています。
──それぞれが孤立している感じがしますよね。
(活動に賛同するスポーツジムのスタッフの皆さんと。「一緒に施設訪問をしたり、チャリティー企画のご寄付をいただいたりしています」)
谷山:
日本は個人主義がいきすぎたと感じます。子どもの虐待の問題もありますが、一方で孤独死の問題もあります。大人も子どももそれぞれに孤独を抱えながら、誰ともつながりを持つことができないまま、殻にこもっている。でも本当は皆、誰かの役に立ちたい、何か自分ができることをしたい、誰かに必要とされたいという気持ちを胸に秘めているのではないでしょうか。
「まずは自分の5パーセントの時間やスキルを、誰かにシェアしませんか」、僕たちはそうお伝えしています。そこからすべてが始まる気がしています。日本中の皆さんが、自分の5パーセントの時間やお金、スキルをシェアしたら、貧困や虐待はなくなります。
その時に、子どもたちの持つ力は、彼らが取り巻く問題を超えて、さまざまな社会課題の解決のために大人たちが今より少しだけやさしくなれて、アクションを起こす大きな力になると考えています。
一人ひとりが少しやさしくなれば、この世界はもっと幸せな場所になる。困難な状況にある子どもたちと面と向き合って、その手を握り、「彼らも一生懸命生きてるんや」ということを心の底から実感した時、自然と助け合う心が芽生えると思うんです。
(コロナ緊急支援金のアンケートでは「学びたいが、経済的にそれが厳しい」という声が多く見られた。「親や親戚からの後ろ盾がない子どもたちに対する補償制度を求める声が多くあります。彼らの多くは決して努力していないわけではなく、経済的にも精神的にも安定が得られづらい中でも必死で働いてギリギリの生活を送っています」)
(児童養護施設の子どもたちを遊園地に招待した際の一枚。「数人ずつのグループに分かれて園内を回ります。ボランティアクルーから説明を聞いているところです」)
──谷山さんは経営者でもあられますが、なぜこの活動を始められたのでしょうか。
谷山:
最初は社員の皆に成長してほしいなあと思って、地域の清掃を始めました。
そうすると近隣の方から感謝の言葉をかけてもらい、社員の皆も嬉しそうで。仕事をしていることだけが人間的な成長ではないんやな、ダイレクトに「ありがとう」と言われる経験を社員の皆に体験してもらうことも経営者として自分の役割なんやなと感じました。
そんな流れで、会社の利益を何か社会のために使おうと思った時に、ちょうど児童虐待の問題を目にすることが増えていた頃で、児童養護施設に連絡を取り、欲しいものを聞いてお送りするようになりましたが、直接的な交流はありませんでした。欲しいものを送る。ただ単に、「ええこと」をして終わってたんです。
──それがなぜ、今のご活動に?
谷山:
ある時、お付き合いがあった施設さんから、「子どもたちが遊園地に行きたいというてるから、遊園地に連れていってほしい」と言われました。当日までは怖かったです。ほとんどの子が虐待を受けていると聞いていたので、懐いてくれるんやろうかと。楽しく過ごすのは無理やろう、と思っていました。
当日、子どもたちに会うと、体にアザがあったり、髪の毛が抜けていたり、顔が腫れていたり…本当に虐待を受けてきた子どもたちなんですね。でもそんな子たちが、すごく一生懸命に生きている姿を見たんです。一緒に遊園地を回った一人の子は、帰るまでずっと僕の手を握って放してくれませんでした。
そんな姿を見て、僕は自分を恥じました。こんな子どもたちがいるというのは知っていたけど、見て見ぬフリをしていました。そして、ほんまにできることを何もやっていなかったと思いました。
──そうだったんですね。
(施設の子どもたちを遊園地に招待した際の一枚。皆で集合写真!)
谷山:
その時にもう一つ、僕は自分が生きる意味を、やっと教えてもらったと思いました。
人間は誰も皆、役目を持って生まれてくると思うんです。僕の役目は何なんやろう、僕は何を成しとげなあかんのかなとずっと探していました。でも遊園地で子どもたちと過ごしたこの時、僕自身が子どもたちに心を変えられて、その時に初めて「ああ、これが自分の役目なんや」と思いました。
僕みたいな者でも、子どもによって気持ちを変えてもらいました。僕でもこんなに変わったんやから、他の方たちは、その機会さえあれば、僕なんかよりもっともっと変わると思うんです。
僕でさえ心を変えられたんやから、社会は必ず変えられる。僕はそのためのきっかけをつくっていけるんじゃないか。その思いと信念だけは、まったく変わらずに活動を続けてきました。うまくいかないこともたくさんあるし、失敗の方が多いですが…、それでも熱心な仲間や施設の方たち、子どもたちと共に成長を感じられることに幸せを感じています。
(松村さんがみらいこども財団のボランティアに仮登録をして初めて参加したミーティング。「活気と熱い想いを持った人がたくさんいることに感激して、社会は本当に変わるかもしれないと感じたのを覚えています。その約1年後に務めていた会社を辞めてみらいこども財団に入社し現在に至ります」)
(施設訪問にて行う「ペットボトルボーリング大会」のメダルを一つ一つ手作り。「子どもたちの喜ぶ顔を想像すると、楽しく作業できます」)
谷山:
児童養護施設で暮らす子どもたちが置かれている状況は、厳しいところも、報われないところもあるかもしれません。到底考えられないような逆境かもしれないけれど、そこに縮こまるのではなく、逆境をバネに、大きく羽ばたいてほしい。そのために、もう一度人を信じる力さえ取り戻すことができたら、僕たちをはるかに超えて、大きく成長する可能性を秘めた子どもたちなのではないでしょうか。逆境かもしれないけれど、それを成長のチャンスと捉えてもらうために、寄り添い、愛情をかけること。
子どもたちに「本気」は伝わります。大人の僕たちがごまかさず本気で関わり続けたら、それは必ず子どもたちに伝わり、人はきっと変わることができると信じています。
(大人たちが自分の仕事を紹介する「ドリームキャッチプロジェクト」にて、建築に携わる方の話を熱心に聞く子どもたち)
──読者の方に、メッセージをお願いできますか。
谷山:
もし近くに困っている様子のお子さんがいたら、自分の子どもやと思って関心をはらってもらえたらと思います。子どもの貧困や虐待の問題は、ニュースの中の出来事ではありません。ひょっとしたら隣の家で起こっているかもしれません。勇気を持って一歩を踏み出して行動に移してもらえたら、その行動によって救われる子が、もしかしたらいるかもしれません。
僕たちは、子どもたちがもう一度、大人への信頼を取り戻し、笑顔で生きていけるしくみやきっかけを、これからも作っていきたいと思います。
(「オンライン里親」プロジェクトで支援を受ける涼花さん(仮名)。「将来、自分と同じように児童養護施設で育った子どもたちを支えたいと思い子どもを中心とした心理学を学ぶために学校に通っています。オンライン里親制度で多くの方に支援していただき、とても感謝しています。学費や生活費など自分で払っていく中で、正直『なんでこんなことばかり』とつらく感じることが多かったです。しかしオンライン里親という形で多くの方に支援していただき、現在では気持ちに少しゆとりを感じられるようになりました。今後も感謝の気持ちを忘れず、支援してくださっている皆さんと仲良く楽しく関われたらいいなと感じています」)
(月に1度、みらいこども財団の大阪事務所の周りを清掃するボランティアクルーの皆さん。「ゴミを拾いながら自然と会話も生まれ、貴重な交流の場にもなっています。ボランティア同士が仲を深めて助け合うことで子どもたちにより良い支援ができると考えているので、ボランティア同士の交流も大切にしています」)
──最後に、チャリティーの使い道を教えてください。
松村:
住んでいる場所に関わらず、施設の子どもたちと彼らを応援したい大人の方たちがつながれるオンラインでの支援に可能性を見出しています。今後、オンラインによる学習や遊びの支援なども広げていきたいと考えていますが、多くの児童養護施設ではそのための環境が整っていません。今回のチャリティーは、児童養護施設にPCやタブレットをプレゼントするための資金として活用させていただきたいと思います。
──PCやタブレットが心の窓口となって、たくさんの方たちとつながりを感じながら、希望を胸に社会へと羽ばたいていく方が一人でも増えていくといいですね!貴重なお話をありがとうございました。
(京都、大阪、兵庫…各地の施設へ訪問した際のボランティアクルーの皆さん)
インタビューを終えて〜山本の編集後記〜
一人ひとりがいかに「自分ごと」として捉えられるかが、世にあるさまざまな課題解決のカギになるのではないでしょうか。一人ひとりが問題意識を持ちアクションを起こすこと、コミットしていくことで、必ず変化が出てきます。
まずはそのきっかけや機会をつくる。子どもたちを支援しつつ、一方で「子どもはただ支援される存在ではない、子どもの力を借りて大人たちも成長することができる」とさまざまな取り組みをされているみらいこども財団さん。やさしさが循環する未来が、ご活動を通してもっともっと広がっていくといいなと思いました。
谷山さん、松村さん、ありがとうございました!
ベンチに腰かけた子どもと大人。大空に向かってシャボン玉を一緒に飛ばしています。シャボン玉をよく見ると、その中に広がっているのは無限の宇宙。
一人ひとりが夢を抱き、時に儚く脆く感じることがあっても支えを感じながら、力強く精一杯生きる様子を表現しました。
“Brighter future for us all”、「私たち皆にとって、より明るい未来」というメッセージを添えました。