1年間に出るごみの量は、4,272万トン(一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成30年度)、環境省)。東京ドーム約115杯分にもなるといいます。その中には、意識すれば減らせるものや、一回使ったら終わりではなく再利用できたり、他の繰り返し使えるものに代用できたりするものも含まれているのではないでしょうか。
今週JAMMINがコラボするのは、山梨を拠点に活動するNPO法人「スペースふう」。
野外フェスやイベント、お祭り、学園祭やスポーツスタジアム…、多くの人が集まる場所で、ごみを減らすために、使い捨てではなく、何度でも繰り返し利用が可能なリユース食器の貸し出しを2003年より行ってきました。
「店頭で『おいしそう』と購入して、10分後には食べ終わった後の使い捨ての器はごみになる。このたった10分のためにごみが出てしまうのは残念なこと。リユース食器の普及を通じて、モノだけでなく人も大切にされる社会を広げていきたい」
そう話すのは、スペースふうの理事であり事務局長の長池伸子(ながいけ・のぶこ)さん。
活動について、お話を聞きました。
(お話をお伺いした長池さん。コラボデザインTシャツを着てくださっています!)
NPO法人スペースふう
1999年に山梨で活動を開始。地域活性化と女性の経済的な自立を目指してリサイクルショップ「スペースふう」を立ち上げ、2003年からはリユース食器の普及に努め、リユース食器を通して循環型社会の実現を目指しています。
INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2021/9/13
(とあるイベント会場にて、リユース食器にのった料理。「店頭でリユース食器に盛り付けて販売していることをわかりやすく案内すると、お客様も返却しやすくなります」)
──今日はよろしくお願いします。最初に、団体のご活動について教えてください。
長池:
私たちスペースふうは、イベントやお祭りでのごみを減らすために、リユース食器(洗って何度でも使える食器)のレンタルをしています。リユース食器といってもプラスチックのしっかりした作りのものです。2003年から開始し、コロナになる前は年間500件(70~100万個)ほど全国各地に貸し出していました。
──2003年からというと、時代がまだまだリユースやリサイクルといった意識が薄かった時代ではないでしょうか。
(団体を立ち上げた、理事長の永井寛子さん。写真は2019年、「リユース食器ふうネットサミット」にて、活動を紹介しているところ)
長池:
そうですね。理事長の永井寛子が環境ジャーナリストの今泉みね子さんの講演で、ドイツにはリユース食器を使うしくみがあり、使い捨てごみを出さない工夫をしていることを知って、「ドイツでできるなら日本でもできる!」と、この事業がスタートしました。活動を始めて20年近くになりますが、少しずつ時代の変化もある中で、やはりまだまだ世のメインは使い捨て容器でリユース食器のことが知られていないと感じます。
時代的な変化を考えると、「ストップ環境破壊!」「ごみを減らそう!」いう強い思想の部分から入っていくよりは、リユース食器が少しずつ普及することでごくごく当たり前のこととして人々の生活に馴染み、社会がちょっとずつでも良い方へ変わっていくと良いなと思っています。
それこそ「マイボトル」は今や当たり前ですよね。同じようなかたちで、最終的には個人がマイ箸やマイ食器を小さく準備できて、それが特別ではなくごく当たり前のこととしてできるような社会になるといいなと思いますね。そうすると地球にも優しいし、お店さんの負担も減ります。
(リユース食器に盛られたやきそばとイベント会場)
(スペースふうのリユース食器たち。イベントやニーズにあわせて、さまざまなかたち・色を用意している)
長池:
「使い捨ての方が便利で衛生的」という意見もあるし、ニーズもあります。新型コロナウイルスが流行している現在においては、特にそのように思われている人たちがいるかもしれません。
ただ「使い捨てが絶対ダメ」ということではなくて、私たちとしては「選択肢が増えたら良いよね」と思っていて。リユース食器という選択肢があることで、構えすぎず、ライトに環境に配慮していくことができたらいいなと思います。
使い捨てが当たり前の世の中ですが、果たして社会の”当たり前”がすべてなのか。これは人にも言えることだと感じています。
(「環境保護や自然エネルギーの促進、省エネルギーなどを唱え活動する一般社団法人『ap bank(エーピー・バンク)』が主催する野外フェス『ap bank fes』にも、スペースふうのリユース食器がたくさん使われました。来場者が楽しく当たり前のようにリユース食器を自然に使って返却していく様子を目の当たりにしてリユース食器の可能性を感じるとともに、環境に配慮し、ごみの落ちていない温かくきれいな会場で自分たちのリユース食器が活躍している姿に大変感激しました」)
長池:
社会のレールからこぼれ落ちたら、まるで使い捨てるかのように目が向けられず、しかもそれは自己責任といった風潮があります。でも、本当にそうでしょうか。
社会にはいろんな人がいて、それぞれに個性があります。いろんな人がいていいはずだし、モノも人も大事にされて、それぞれの個性やニーズに柔軟に対応できるような社会が、本当の意味で「持続可能な社会」なのではないでしょうか。
リユース食器を通じて「大事にする」ということを発信したいと私は思っています。
(イベント会場に設営されたエコステーション(食器回収のためのブース)にて、参加者から食べ終わったリユース食器を受け取る。「食器を貸し出した後、どのように回収されるかなど、その運営や管理は各イベントを主催する方にお任せしています。写真のイベント『地ビールフェスト甲府』では、リユース食器の回収やごみの分別回収などを行いました。リユース食器を通して様々な交流が生まれ、楽しい思い出が積み重なっています」)
──確かに。
長池:
モノをぞんざいに扱うと、モノだけでなく人との関係も厳しくなってしまうところがあると感じています。大事なモノだから、大切な相手だから、使い捨てではなく繰り返し使えて、環境にやさしい器で気持ちを届けたい。そう思っています。
場合によっては、使い捨てでなければならないこともあります。一方で、使い捨てでなくても良い場面も多々あります。
「ごみを減らす」という視点からこの活動がスタートしましたが、結局のところは私たちの暮らしにすべて直結しています。これからの時代、モノも人の想いも、循環させていけたら。そうやって穏やかで軽やかな、風のような時代をつくっていきたい。次世代を担っていく子どもたちに届けたい未来です。
──人の想いも循環させていく…素晴らしいですね!
(リユース食器を用いた結婚式。「リユース食器の出番はイベントやお祭りだけではありません。ウェディングパーティーなど人生の大切な瞬間にリユース食器を選んでくださっている方々が毎年いらっしゃいます」)
(長池さんの息子さんと理事の市川淳子さん。「息子が小さい頃、スペースふうの事務所に連れて仕事をすることがあり、理事や仲間たちが散歩に連れ出してくれることがありました。息子はいつもそれを楽しみにしていて、こうしたささやかなひとときの中で、息子は育まれていきました」)
長池:
私には、生まれつき知的と身体の両方に障がいを抱えてる息子がいます。現在は特別支援学校に通っていますが、親として「どんな人も輝ける社会であってほしい」と願うだけでは、そのような社会はつくれないと思いました。私は私のできることをやっていく。それがスペースふうの活動に参加することでした。
大量生産・大量消費が当たり前の時代ですが、同時に今は、転機でもあると感じています。
用が済んだら捨てるのではなく、社会全体が人、モノ、ことを大事にできる世の中になったら、もう少し違う動きが生まれるのではないかと思っています。
人もモノも自然も、すべて生態系の一員で、みんながいるから暮らしが成り立っていると思うんです。「持続可能な社会」というと人間だけに括られがちですが、これからも未来が続いていくためには、人間だけではやっていけません。「じゃあどうするの?」と考えるきっかけが、リユース食器を通じて生まれてくれたら嬉しいです。
(スペースふうの活動拠点である山梨県のサッカーチーム・ヴァンフォーレ甲府のホームスタジアムでは、2004年から使い捨て容器ごみの削減のため、リユース食器の導入・ごみの分別回収など様々な環境活動を実施してきました。これは地元のサポーターの皆さん・出店売店・クラブ、そしてスペースふうが一丸となっての取り組みです」)
──本当にそうですね。
長池:
ごみでいうと、目の前からごみが消えたら、それはイコールごみがなくなったというわけではなくて。「使い捨て容器」も立派な資源なわけですよね。その資源が、たとえばイベント会場で、お客さんがたこやきを買って食べ終わるまでのものの10分のためだけに、ごみになる。その方法が果たして最善なのか、果たして幸せを生むのかということです。
もし違う選択肢があったら、資源も無駄にせずに済むし、そこに盛り付けられる食べ物も食べ物を手にした人も「大事にされた」という感覚は、必ず循環していくと思うんですね。
(イベント会場でのリユース食器回収ブースにて。「食べ残しがほとんどなく、きれいに返却してくださる食器ばかりで、イベントの関係者さんと感激しました。リユース食器を返却される方から『美味しかったよ!』と声をかけていただくことも多く、その声を出店者・主催関係者に届けていくことも、大切な循環だと思っています」)
(貸出先から戻ってきた食器たちが入ったコンテナ。「青いコンテナの中に、使われたリユース食器が梱包された状態で返却されてきます。その会場でスペースふうの食器が役割を果たしたと思うと、大変嬉しいです」)
──リユース食器の貸し出しなどオペレーションの部分を教えてください。
長池:
スペースふうでは、イベントやシーンにあわせて様々な大きさや色の平皿やどんぶり、カップ、スプーンなどをご用意しています。食器の種類によってレンタル単価は異なりますが、皿やどんぶりといった主な食器は一点につき26.6円(税込、※2021年9月現在の単価)で貸し出しています。
リユース食器のレンタルをスタートした2003年から、消費税を除いたこのレンタル代25円は据え置きのまま、ギリギリ事業が維持してきました。たくさんの方の支えがあってこれまでなんとか活動を続けてくることができています。
(返却された食器を一つひとつ手洗い。「お客様から返却されたリユース食器は、汚れがひどい場合には、予備洗浄(手洗い)で汚れを落としてから、高圧洗浄機で洗浄します」)
──貸し出した食器が返却された後はどのような流れなのですか。
長池:
安心安全にご利用いただくために、衛生面でも細心の注意を払っています。お貸しした食器は、使い終わった後はそのまま返してもらうのが原則です。借りてくださった先で、食器を洗って再使用するのは厳禁です。汚れがきちんと落ちていなかったりすると何か起きた際に防げないし、イベントを主催する側にもリスクがあります。一度使った後は、残飯・水分は取り除いてもらいますが、洗わない状態でそのまま私たちのところに送り返していただいています。
こちらが消毒乾燥庫。「洗浄を終えたリユース食器は、かごに入れた状態で消毒乾燥庫に入れ、消毒・乾燥を行います」(画像は撮影をするために扉を開けています)
──お客様が使った食器は洗わずそのまま返却するのですね。
長池:
はい。返ってきた食器は、まず数を確認し、その後洗浄室に運ばれ、給食センターなどで使われている大型の洗浄機に入れて洗浄します。汚れがひどい場合は、洗浄機に入れる前に予備洗いを行います。
洗浄機でしっかり汚れを落とすと、消毒の工程へと進みます。消毒乾燥庫という電気式の熱風消毒乾燥ができる専用の機械に入れ、80度で45分間、消毒します。
その後、食器は検品室へ運ばれ、欠けたりひび割れたりしているところはないかといったことを一つひとつスタッフが目視でチェックしながら、10個、あるいは20個単位で小袋に密閉して保管します。
(検品作業では、洗浄・消毒を終えたリユース食器1枚1枚を目視で最終確認。写真は2018年8月撮影)
(コロナの感染拡大が広がる前に1000万円の借入をして新しく高圧洗浄機を購入、その名も「しずか」ちゃん。「コロナによりイベントがゼロになってしまったことで、現在も数えるぐらいしか稼働できていません」)
長池:
このようなかたちでコロナ前は年間500件、数にして約70万個ほどを全国各地に貸し出していました。しかしコロナの流行によって、2020年の貸し出し件数は前年度の99.4パーセント減、数にして約4,000個にまで落ち込み、団体としても大打撃を受けました。
──人が集うイベントが軒並みなくなってしまいましたもんね。
長池:
そうなんです。リユース食器の貸し出しをしてきた私たちにとって、食器洗浄機はまさに「命」ともいえる存在ですが、実はコロナが流行する直前、長年使い続けてきた食器洗浄機の老朽化がいよいよ進み、いつ止まってもおかしく状況になってしまいました。
(とあるイベント会場のエコステーションにて、リユース食器を回収するペースふうのメンバーの皆さん。「夜でも笑顔!をモットーに頑張りました」)
長池:
新しく買おうにも、食器洗浄機は非常に高額です。新たに購入してまでリユース食器の普及活動を続けるべきかどうか。団体として存続するか、それとも解散するか──。皆で話し合い、「これからの時代、もっともっとリユース食器の出番を増やし、一人でも多くの人に環境のこと、使い捨てやごみのことを考えるきっかけにしてもらいたい」と覚悟を決めて金融機関から1,000万円の借入をし、洗浄機「しずかちゃん」を購入したのです。
「しずかちゃん」という名前は、洗浄音が先代の洗浄機より静かなのでスタッフが命名しました。
ピカピカの「しずかちゃん」がやって来て「よし、これからもっとがんばるぞ!」と思っていた矢先、コロナが流行したのです。
イベントがなくなって貸し出しのキャンセルが続出する一方で、毎月「しずかちゃん」の借入金の返済をしなければなりません。わたしたちは藁をもすがる想いで、クラウドファンディングに挑戦し、多くの方のご支援をいただくことができました。なんとか存続のチャンスを与えていただいたのです。
(2020年8月から9月にかけて、「リユース食器の灯を消さない!スペースふうの存続に皆様の力を!」とクラウドファンディングを実施。「全国から大変大勢の方からご支援いただきました。また、クラウドファンディングの他でも、心を寄せてくださる方々から大勢ご支援いただき、現在のスペースふうにつながっています」)
(「イベント前、スペースふうに足を運んでリユース食器を取りにきてくださったイベントの主催者さんとスペースふうのメンバーです。リユース食器をきっかけに、たくさんの方と交流が深まることもこの活動の醍醐味です」)
──現在はイベントなどでの貸し出しだけではなく、新たな取り組みも行われているそうですね。
長池:
以前のようにリアルなイベントが戻ってくるまでには、まだもう少し時間がかかるでしょう。私たちとして、今の状況にあっても「スペースふうだからできることをやろう」と新たな取り組みをスタートしています。
そのひとつが、リユースのお弁当箱です。
お弁当箱もまだまだ使い捨てがメインですが、繰り返し使えるリユースのお弁当箱に想いをのせて、地域の子育てに悩むお母さんやにつながりを届けられないかと、現在、地域の団体や行政とも協力しながら準備を進めているところです。
(リユースのお弁当箱。「現在いろいろとリサーチしており、いくつかの条件にあったお弁当箱を関係者と検討しています」)
長池:
私たちが活動する山梨県でも、年々児童虐待の相談件数が増えています。産後、相談できる相手や頼れる人がおらず、苦しい状況で孤立してしまうお母さんは少なくありません。
「おつかれさま」と温かい気持ちのこもったお弁当を届けてくれる人が地域にいたら、それを食べて元気になれます。リユースのお弁当箱なので、その回収にも伺わなければなりません。そんなちょっとした関わりの中から、お母さんの悩みを聞いたりちょっと息抜きができたり…、そんなゆるい関係づくりができたらと思っています。
リユースは「返却する」手間が最大の課題ですが、この課題を逆手に、ここを最大の強みにして、地域で孤立したお母さんたちとつながっていきたい。一方、地元で実施している高齢者への配食サービスに、期間限定ではありますが、使い捨て容器からリユースお弁当容器に切り換えて試験的に運用しています。
私たちだけでなく、お弁当の中身を作ってくださる方の想い、届けてくださる方の想いも、リユースのお弁当箱にのせてつなぎ、ほっとしたり、心温まるきっかけを提供できるのではないかと思っています。
──素敵ですね。
(「休眠預金事業の一環として、今秋よりリユースお弁当箱を使った産後ママへのお弁当宅配事業をスタートさせます。その概要について地域で活動している方々と意見交換を行いました」)
長池:
もう一つが、リユーストレーの開発です。
皆さんも日々お買い物をされると思いますが、スーパーで鮮魚や生肉が乗ったトレーは、リサイクルできるといえどもその後ごみになりますよね。ひと昔前は、お豆腐を買うのに容器を持ってお豆腐屋さんに行きました。
地域のスーパーは、お客さんが繰り返し足を運ぶ場所です。だからこそ一回きりではなく、リユースで活用できるしくみを考えていきたいと思っています。
いろいろと課題があってなかなか実現までは長期戦になりそうですが、リユース食器を通じて、「一回きりではない関係性」が地域でも広がっていけば、そしてくらしが豊かになるような流れを作っていけたらと思います。
(「数年前、リユース食器を借りた高校の文化祭へ取材に行ってきました。生徒たちがリユース食器を使って食べた後に返却している姿を見て良いなあと思いました。リユース食器を、日常の当たり前として受け入れる人が増えてくれたらと思っています」)
(「リユース食器を使った後のお客さんが、食器をどうやって返したらいいかわかりやすく案内しているイベントがあります。来場者も負担なく動けるしくみになっていて、イベント主催者側の温かな配慮を感じます」)
長池:
コロナは私たちにとって大きな転機でした。しかし同時に、私たちが何をしていきたいか、何を目指していくべきかを改めて認識させてくれた出来事でもありました。
私たちのベースにあるのは、「みんなでワイワイやりながら、地域や国を、しいては地球を元気にしていきたい」という想いです。「スペースふう」という名前にあるとおり、地域を元気にするために風穴を開けたり、旋風を巻き起こすような活動を、楽しく風のように軽やかに、今後も続けていきたいと思っています。
──読者の方にメッセージをお願いできますか。
長池:
私たちも、そしてこの世に存在するものは皆、大きな全体の一部なのではないでしょうか。「ごみ」と表現してしまうと、私たちの日常から分断されたもののように感じますが、もとをたどれば、ごみも私たちの生活の一部であり、資源であり、大きな循環の中にあるものだと思うんです。
だから、人もモノも大切に、汚いもの、捨てるもの、隅っこに置いてできるだけ目の届かないようにするのではなく、何か楽しく、豊かに、喜びながら循環していくことができる方法を皆さんと一緒に考えていきたいし、一緒に創っていきたいと思っています。
「リユースって楽しい!」と思っていただけるような、プラスアルファの価値を生み出していくことができたら、私としてはすごく嬉しいですね。
(「コロナ以前は毎年地元の小学生が授業の一環としてスペースふうを訪れ、スペースふうのこと、お祭りのごみのこと、リユースのしくみ、リユース食器のことなどなど学んでいました。子どもたちは皆熱心な表情で話を聞いてくれて、ノートに書き込んだり、質問してくれたり。一生懸命な子どもたちとの交流は、スペースふうにとっても貴重な経験となっています」)
──最後に、チャリティーの使途を教えてください。
長池:
チャリティーは、リユース食器をこれまで以上に普及させていくために、私たちの活動資金として活用させていただきます。今はまだイベントも少ないですが、コロナが落ち着いたらまたフル稼働で活動していきますし、イベントでの貸し出しに限らず、リユーストレー開発やお弁当箱の事業など、今は今できることに精一杯チャレンジしていきます。
ぜひ、アイテムで応援いただけたら幸いです。
──貴重なお話をありがとうございました!
(「すべての瞬間を大切に」というメッセージをのせた今回のコラボデザインを着て。右から代表理事の永井さん、長池さん、市川さん)
インタビューを終えて〜山本の編集後記〜
広報の打ち合わせをお願いした際、長池さんが「皆さんにお見せしようと思って!」と、スペースふうさんのリユース食器に今回のデザインと同じようにお花やハーブを活けて、zoom越しに見せてくださいました。スペースふうさんの敷地と長池さんのご自宅に生えていたものだそうです。そのお心遣いが本当にうれしくて、ぽっと心が温まりました。
モノ、こと、気持ち、ご縁…「大事にしていく」ということは、すなわちそういうことなのではないかと思います。
安くてかわいいもの、安くて便利なものが簡単に手にできる時代です。その背景には何があるのか?なぜそんなに安いのかなとか、捨てたらどこにいくのかなとか、そんなことにも思いを馳せて、長く使えるもの、長く愛されてきたもの、自然や環境にやさしく調和したものを大事にしていきたいとも思います。
ごみや環境の話のようで、すべては巡り巡って、やがて私のことだから。
リユース食器をキャラクター風に描きました。
器から器へと手渡される花は、一度使ったらごみになるのではなく、皆が大事にする・皆から大事にされることで、未来を担う次世代へと愛をつないでいく様子を表現しています。
“Cherish every moment”、「すべての瞬間を大切に」というメッセージを添えました。