CHARITY FOR

「入院中の子どもに付き添うお母さんに寄り添いたい」。亡くなった娘と共に、付き添う家族に笑顔を届け続ける〜NPO法人キープ・ママ・スマイリング

子どもが長期入院した時、そこに24時間付き添う家族の生活を考えたことがあるでしょうか。

病院から「戦力」として期待され、入院中の子どもにミルクをあげたりおむつをかえたりとつきっきりで看病するお母さんたち。自分のことは後回しで付き添っているうちに、次第に疲弊し、体調を崩すことも少なくありません。さらに昨年からの新型コロナウイルス感染症の流行によって面会や外出の制限が強くなったことで、お母さんたちの負担はより一層大きくなっているといいます。

今週JAMMINがコラボするのはNPO法人「キープ・ママ・スマイリング」。

理事長の光原(みつはら)ゆきさん(47)は、先天性の病気を持って生まれた二人の娘の入院をきっかけに、入院に付き添うお母さんたちの過酷な現実を知りました。

次女が生後11ヶ月でこの世を去った時、「彼女が生まれてきた意味をかなえるために。彼女が私に託してくれた役目を果たすために」と活動を決意します。

「とにかくお母さんたちに笑顔になってもらいたい。それが子どもの回復を助けることにも、子どもの命を救うために奮闘してくださっている医療者の方たちとのよりよい関係をつくることにもつながるからです。お母さんたちの喜びの声を聞くたび、亡くなった娘も喜んでくれていると感じます」と話す光原さん。

活動について、お話を聞きました。

(お話をお伺いした光原さん)

今週のチャリティー

NPO法人キープ・ママ・スマイリング

病気の子どもを育てるお母さんたちの笑顔を守るために、小児病棟で付き添う家族を「食」で支援する「ミールdeスマイリング」プロジェクトをはじめとして、付き添い家族の実態調査などにも取り組み、入院している子どもに付き添うお母さんと家族を支援しています。

INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2021/4/26

子どもの付き添い入院、
緊張状態の中で生活するお母さんたち

(聖路加国際病院の小児病棟へ、手作りのお弁当を届けた際の一枚。「味だけでなく目で見ても楽しんでもらえるようラッピングにも趣向を凝らしたり、入院中も旅行気分を味わっていただけるように毎月テーマを決めて郷土料理のお弁当にしたりなど工夫しました」(光原さん)(※2020年2月よりボランティアによる調理は自粛中))

──今日はよろしくお願いします。団体さんのご活動について教えてください。

光原:
小児がんをはじめ、さまざまな病気で入院している子どもに付き添うお母さんと家族を支援する団体です。サポートの対象は主にお母さんですが、お母さんが笑顔になることによって、子どもやご家族、医療者の方たちへの支援にもつながると考えています。

多くの小児病棟では24時間の付き添い、つまり泊まり込みが可能です。病院にもよりますが、お母さんたちは子どもの入院中「戦力」として期待されているところがあり、中には病院側から「子どもが入院するには、付き添うことが前提」と最初に付き添いを要求されるケースもあります。

──ええっ、そうなんですね。

(我が子の入院に付き添う光原さん。「日中はずっと小さなベッドの柵の中で過ごし、服装や髪型を気にする余裕もなく、いつもすっぴんで自分のことを考える余裕はありませんでした。産後すぐの付き添いで腰痛を悪化させ、痛くて眠ることもできなかった時はつらかったです」(光原さん))

光原:
子どものおむつを変える、ミルクを温めて飲ませる、沐浴させる…。子どもの身の回りの世話をはじめ多くのケアを任され、自分の時間が取れずに厳しい環境で生活をしているお母さんが少なくありません。食事を食べそびれることは日常茶飯事ですし、シャワーどころかトイレすらままなりません。夜は寝返りも打てないような硬くてせまい簡易ベッドで、看護師さんの巡回のたびに目を覚ますような、ずっと緊張しっ放しの状態で生活するお母さんたちがいるのです。

私自身、二人の娘に生まれつきの疾患があり6つの大病院を転々としました。特につらかったのは「食」の問題でした。子どもが寝た隙にコンビニへ走って慌てて何か食べるような生活が続くと、栄養が偏って体にもよくありません。私も半年間の入院中に熱を出して倒れ、付き添いができなくなったことがありました。

──そうだったんですね。

光原:
今はコンビニ食もバラエティ豊かでいろんな食べ物がありますが、毎食コンビニとなるとまた話は変わってきます。野菜ジュースやおでんの大根、ゆで卵を買い占めたりしてなんとか栄養を補おうと頑張っていましたが、付き添っている間、何度も「温かいものが食べたい!」「新鮮な野菜や刺身が食べたい!」と思ったし、もしあの時、温かい味噌汁とおにぎりがあればどれだけありがたかかっただろう、どれだけ嬉しかっただろうと思います。

(「病室の狭いエリアで暮らすため、洗濯物を干したりしてベッド周りは散らかり放題。日中バタバタして気も休まらない中、消灯後に友人が差し入れしてくれた高級クッキーをこっそり食べる時間が唯一ホッとできる時間でした」(光原さん))

経済的な負担から
食費を削るお母さんも

(「付き添うお母さんたちに、野菜たっぷりのおいしい料理と笑顔を届けたい!」と、シェフの米澤文雄さんの監修のもとオリジナル缶詰「ミールdeスマイリング」(大豆ミートのキーマカレー、にんじんとオレンジの食べるスープ)を開発。「シェフの味で、缶詰とは思えないおいしさです。野菜がとれるだけでなく、アレンジの幅が広いので様々なメニューを楽しめます」(光原さん))

光原:
子どもが入院し、つきっきりで看病するとなるとお母さんは働くことができません。経済的に困窮する家庭も少なくない中、毎食コンビニとなると割高になるので、一袋に5つ6つ入ったパンを毎朝一袋だけ買って朝・昼・夜とそれだけを食べたり、毎食カップ麺を食べたりと食費を削って経済的な負担を少しでも減らそうと頑張っているお母さんもいました。

どんな事情を抱えている人であれ、子どもに付き添うお母さんたちにおいしくて野菜たっぷりの料理と笑顔を届けたい。
親交のあったシェフの米澤文雄(よねざわ・ふみお)さん(東京・青山「The Burn」料理長)の力を借り、2015年より入院中の子どもに付き添うご家族が滞在する施設「ドナルド・マクドナルド・ハウスせたがや」での温かい夕食の提供や、2018年からは聖路加国際病院小児病棟にて付き添いの家族に手作りのお弁当を配布する「ミールサポート」を開始しました。

さらに「手作りで届けられる範囲だけでなく、全国のお母さんに『食』で寄り添いたい」と、野菜たっぷりでおいしい料理のレトルト化を目指し、米澤シェフの監修のもと、オリジナル缶詰「ミールdeスマイリング」を開発。全国の小児病棟で子どもに付き添うお母さんに届ける活動もスタートしました。

(無添加調理でおなじみの石井食品株式会社と、シェフの米澤文雄さんの監修のもと開発した、無添加調理・国産玄米使用でおいしさにこだわったお粥「potayu chef(ぽたーゆシェフ)」3種類(コーン、トマト、パンプキン)。動物性タンパク質を一切使わないヴィーガン仕様で、売り上げの一部はキープ・ママ・スマイリングの活動に寄付されるチャリティー商品となっている)

コロナにより付き添い者の負担が増加。
「付き添い生活応援パック」の配布を開始

(オリジナルで開発した「ミールdeスマイリング」缶詰、「potayu chef」などレトルト食品をはじめ、光原さん自身が「付き添い生活中にあったら便利、あったら嬉しい!」と思う商品がギュッと詰まった「付き添い生活応援パック」一例。「20種類ほどのアイテムの多くは企業からのご寄付です。『思ったよりたくさん入っていて玉手箱みたいだった!』というご感想も」(光原さん))

──ちなみに付き添いの間、入浴はどうされていたのですか?

光原:
病院によってはシャワールームがあります。しかし、子どもからなかなか目が離せなかったり担当の先生に急に呼び出されたりして、ゆっくり時間をとってということはなかなか難しいです。

シャワールームがない場合は近所の銭湯などに行きます。私も経験がありますが、案内された銭湯が病院から徒歩10分の場所だったりすると…、行き帰りだけで20分かかるというのは気軽に行ける距離ではないので、なかなか利用のハードルが高くなります。子どもが寝た後に濡らしたタオルや市販のシートなどで体を拭いて「入浴完了!」とか「もう何日もお風呂に入っていないな…」ということも少なくありませんでした。

──大変ですね…。

光原:
重い病気の子どもにとって病院は死と隣り合わせの世界です。医師や看護師の方たちは命を救うために本当に一生懸命やってくださっています。しかし、ある種「子どもためにお母さんががんばるのは当然」というふうに見なされているようなところがあり、病院側が生活環境面などでお母さんに寄り添う余裕があまりないというのが現実です。

またお母さんの側も、「とにかく我が子のために」となりふり構わず看病する中で自分のことは疎かになりがちで、疲れがどんどん積み重なってしまうところがあります。

(「ドナルド・マクドナルド・ハウス せたがや」にて、米澤文雄シェフと調理ボランティアによる「ミールプログラム」での一枚。季節の野菜をたっぷり使い、病棟から夜遅くに帰って来て食べられる優しい味付けのオリジナルメニューを米澤さんが考案し、毎回40名分ほどを調理。キッチンには笑顔が溢れ、リピート参加者も多いという(※現在ボランティアによる調理は自粛中))

──知らず知らずの間に、お母さんにしわ寄せが来るのですね。

光原:
さらに昨年からのコロナの流行によって、多くの小児病棟では院内感染を防止するために付き添い者の交代の制限、また外出時間・回数の制限をするようになり、付き添うお母さんたちの負担に拍車をかけるかたちになりました。

──もっと大変な状況になりますね。

光原:
そこで私たちは、緊急コロナ禍支援として、2週間以上入院するお子さんに付き添うご家族を対象に、缶詰やレトルト食、お菓子などの食料品だけでなく、食事を簡単に温められる器、マスクや消毒液、お風呂に入れない時に体を拭ける大判のシートなどの衛生用品、下着、衣類など付き添い生活に役立つ品物を詰め合わせた「付き添い生活応援パック」の配布をスタートしました。

中に入れるものは企業さんに声をかけて協力していただいていますが、ただノベルティグッズをお届けしているわけではありません。付き添い中の経験を生かして、本当に必要なもの、あると便利なものをセレクトしてお届けしています。

食もそうですが、「食べられたら良い」のではなくおいしいものを、グッズも「もらったからこれどうぞ」ではなくもらった相手が嬉しくなるようなもの、自分ではちょっと高くて買わないような化粧水なども一緒にしてお送りしています。受け取ったお母さんたちにもとても喜んでいただいています。

先が見えず、不安や孤独に押し潰されそうな付き添い生活の中で、「応援しているよ」「あなたは一人じゃないよ」ということを、言葉ではないかたちで伝える。それも私たちが目指す支援のひとつです。

──もらったら力になりますね。元気が出ます。

(缶詰製造の様子。「『ミールdeスマイリング』缶詰は完成まで1年以上を費やしました。缶詰は京都府与謝野町にある、障がいのある人たちの豊かな地域生活を支援する社会福祉法人『よさのうみ福祉会』で製造されています。1日あたりの製造数が少ないためどうしても単価は高めですが、とても丁寧に1つずつ手詰めで製造してくださっています」(光原さん))

実態を独自に調査、
課題を見える化して今後に生かす活動も

(2019年には独自に、2020年には聖路加国際大学大学院小児看護学と協働し、付き添い家族の実態調査を実施。「独自調査(回答者222名)では、付き添い家族の過酷な状況が数字からも見えました。聖路加国際大学大学院小児看護学との調査では1000名を超える方からの回答を頂き、現在追加ヒアリングと分析を実施中です」(光原さん))

光原:
付き添い家族の負担をどう解決していくかということについては、実態を把握した上で制度や支援のあり方を根本的に見直していく必要があると思っています。

お母さんたちが24時間付き添ってやっている医療以外のケアについても、実は国の制度では「看護料」として入院基本料の中に含まれています。つまり、子どもの身の回りの世話の費用もきちんと病院に支払われているわけで、本来は看護師さんが対応しなければならないことなのです。

この制度に正しくのっとり、「面会は夜10時まで」というかたちで付き添い者の泊まり込みを禁止している病院もあります。しかし実際のところ多くの小児病棟では人手が足りておらず、お母さんの手も借りながらなんとか回っているということが少なくありません。事実上、制度が破綻してしまっているんです。

──現実と制度の間に歪みが起きているのですね。

光原:
そういうことですね。
これまではグレーだった部分で、暗黙の了解で行われてきたことですが、一度この状況にメスを入れ、お母さんたちが置かれている状況や課題を見える化する必要があると感じ、団体として独自に調査も実施してきました。調査結果を通じて付き添い家族の実態を幅広くたくさんの方に知ってもらうことと同時に、状況改善のための提言にも役立ていきたいと考えています。

(2019年11月、「ミールdeスマイリング」缶詰の初の配布となった佐賀大学医学部附属病院小児医療センターにて、贈呈式を行った際の一枚。「小児科の松尾宗明教授(写真左)、そして付き添い中のお母さんを代表して2名の方にもお越しいただき、たくさんのメディアに取材していただきました。全国の小児病棟で泊り込むご家族へと支援を広げた第一歩となる出来事でした」(光原さん))

「子どもたちはあなたを選んで
生まれてきた」という言葉に救われて

(「多くの方たちのたくさんの応援の気持ちが詰まった『付き添い生活応援パック』は毎週オフィスから、最大で30箱発送しています。応募いただいてから早くて数日〜1週間ほどでお手元に届きます。楽しみにお待ちください!」(光原さん))

──光原さんご自身の経験が活動につながっているということですが、もう少し詳しく聞かせてください。

光原:
長女も次女も、先天性の病気を持って生まれました。私は自分の意思で子どもにずっと付き添っていたかったので、一人目の時はもちろん、二人目の時は上の子をお父さんに任せ、ずっと入院に付き添っていました。

次女は、症状もよくなってもうすぐ退院できるという時に、まさに目の前で急変し突然亡くなりました。生後11ヶ月でした。本当につらくて、もし上の子がいなければ…、次女の亡骸と一緒に私も燃やして欲しいと思いました。

娘たち二人と一緒に旅行へ行ったり、買い物に出かけたり…。当たり前のように思い描いていた未来がある日突然に失われ、この先果たして自分がどう生きていったら良いのか、わからなくなりました。

──そうだったんですね。

(「付き添い生活応援パック」の箱詰め作業の様子。「毎週ボランティアの力で行われ、全国の付き添い中の家族へと発送されます。たくさんの企業からのご寄付で同梱する商品数は20を超えるため、綺麗に詰めるのもコツが必要です」(光原さん))

光原:
その時3歳だった長女は、まだ「死」という概念がわからず、無邪気な彼女がいてくれたおかげで何とか生きられました。もし長女がいなかったら、何のために生きるのか、その意味や目的を見出せなかったと思います。

すごくつらかったけれど、そんな時に読んだ本にあった「子どもたちはあなたを選んで生まれてきた」という言葉に救われました。証拠も何もないけれど、私はこの言葉で前を向くことができました。「私を選んで生まれてきてくれたなら、彼女たちの思いに応えないと」と思えたのです。

次女は私のもとに来て、果たすべき役目を終えたからこそ11ヶ月という生涯を終えたのだ。そう思わないと立ち上がれませんでした。きっとやるべきことを私に託して天国へと帰って行った。彼女は私に新しい役目を与えてくれた。だから残りの人生、彼女が託してくれたことを実践していくことが私の生きる道だと思っています。

(「次女と一緒に長期間泊まり込んでいた東京医科歯科大学医学部附属病院とご縁をいただき、缶詰や食事を届けることができました。次女の付き添い時代にとてもお世話になった副師長さんが師長さんとなられていて久しぶりの再会!とても嬉しかったです」(光原さん))

「何が起きても成功の途中」。
次女のサポートを感じながら歩む日々

光原:
私は大学を卒業してから、リクルートという会社で20年以上働いていました。出産後も復職してバリバリ働くと思っていましたし、2014年に団体を立ち上げた当初は仕事をしながら二足のわらじで活動していました。

「一人でも多くのお母さんを笑顔にしたい」という気持ちがありましたが、働きながらとなると、なかなか時間がとれずにやりたいことを実現するのが難しいところがありました。
しかしちょうどそんな時、缶詰を作ってくださる会社さんと出会ったり、活動を後押ししてくれる助成金が通ったりして、一気に流れが来たんです。「とりあえず活動に専念しよう。もしダメだった時は、違う稼ぎ方も何とかなるだろう」。そう思い、2018年に退職し活動に専念しました。

(プロボノの力を結集して「potayu chef」販売記念のYouTubeライブを配信。「現在、活動はほぼプロボノ・ボランティアで活動しています。会社員時代に一緒人仕事をした同僚や先輩・後輩だけでなく、取引先・パートナーの人がスタッフとなったり活動を支援くださったりと輪が広がっています」(光原さん))

──仕事を辞めるのは勇気が要ったのではないですか。

光原:
正直あまり不安はなかったですね。むしろ周りの人たちの方が心配してくれました。今は毎月のわずかな理事長報酬と貯金を切り崩しながらの生活ですが、それでも不思議と不安はありません。困ったりピンチになったりする度に不思議な出会いや縁があって、助けられてきました。次女がいつも見守って応援してくれているんだなと感じます。

ただ、事業が回らなくなってお母さんたちに必要なものを届けられなくなることは困るので、持続可能なしくみを確立させたいと思っています。

働いていた時代よりも今の方がずっと忙しい日々ですが、リクルート時代に培ったものでしょうか、「何が起きても成功の途中、勝ちの途中」という意識があって、「お母さんたちを笑顔にしたい」という軸がブレない限り、必ず良きように物事は進んでいくと信じています。

──光原さんの原動力を教えてください。

光原:
活動を通じてお母さんたちが喜んでくれる時、次女も喜んでくれていると感じます。それは私にとって何よりの成果であり、また原動力でもあります。

根拠は何もないのですが、振り返ってみると実は全て決まっていたことなのではないかとさえ思います。私は二人の娘にいろんなことに気づかせてもらい、育ててもらいました。私ができることをやりきって役目を終えた時、娘とまた、天国で再会できると思っています。

(「私たちが対峙している『付き添い者の置かれている過酷な環境』という課題は、実は医療者にも知られていないことがあります。医師の皆さんは子どもの命を救うために全力で向き合ってくださっていますが、そこに付き添う家族については空気のように感じていて、現状をお伝えすると『知らなかった』ということも。写真は2019年5月、名古屋で開催された小児神経学会学術総会に団体として初めてブースを出展、全国から参加されたドクターに、付き添い者の課題や私たちの活動をお伝えできた嬉しい一枚です」(光原さん))

チャリティーの使い道

(ミールdeスマイリング缶詰完成の際は、シェフの米澤文雄さんと共に全国5カ所を周り、アレンジメニューのライブキッチンイベントを開催。「多くの病児ママにご参加いただき、『缶詰とは思えない!おいしい!』という声をいただきました。写真はイベント最終日、病児とその家族のためのサポートハウス『福島パンダハウス』さん(福島県福島市)での集合写真です」(光原さん))

──読者の方にメッセージがあればお願いします。

光原:
小児病棟で病気と闘っている子どもやお母さんの存在、そして置かれている状況を知ってくださったら、それだけできっと一人ひとりの行動が変わり、社会が変わっていくと思っています。なので、まずは知ってくださったら嬉しいです。

この記事を読んでくださった時点で、すでに一歩踏み出してくださっています。「私には関係のないこと」で済まさず、もし周りの大切な人が当事者になった時に自分だったらどうしよう、病院でも手軽に食べられるおいしいレトルト食を贈ろうかな、などと考えてくださったら嬉しいですし、機会があればぜひ周りの人に伝えていただけたらと思います。

──最後に、チャリティーの使途を教えてください。

光原:
今回のチャリティーは、子どもの入院に付き添うお母さんに、食料品や衛生用品、下着や衣類などもらって嬉しい必要なアイテムをギュッと詰めた「付き添い生活応援パック」を届けるための資金として使わせていただきます。

付き添いの間、お母さんたちは不安を打ち明けたり、泣き言が言えたりする相手もおらず、ひとり孤独に耐えています。そんな時にお母さんのためを思い、お母さんのために作られたおいしい食料品や生活用品が届いたら、それはきっとどんな言葉よりも身近に「自分のことを応援してくれる人がいるんだ」と伝わり、お母さんを支える力になると思っています。
ぜひ応援していただけたら嬉しいです。

──貴重なお話をありがとうございました!

(2019年、団体設立5周年パーティーにてスタッフの皆さん、活動を支援するパートナーの皆さんと。「設立パーティーを開催した会場にて、立食パーティー形式で完成したばかりの『ミールdeスマイリング』のお披露目と試食もあり、大盛り上がりのイベントとなりました」(光原さん))

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜山本の編集後記〜

打ち合わせやインタビュー中、笑顔を絶やさずこちらのどんな質問にも次々とキレのある答えを返してくださって、オンラインでさえもエネルギッシュなパワーが伝わってきた光原さん。すごくカッコよくて、自分もこんなふうになりたい…と密かに思いました。
きっと身が引きちぎられるような苦しみを乗り超えて、以前の自分と同じような状況に置かれている付き添いママたちの笑顔のために日々忙しく活動されている姿を知り、私も自分の役目のために、誰かや自分の笑顔のためにがんばらないと、がんばりたい!と心から思いました。光原さん、ありがとうございました。

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たくさんのハートが詰まった巣を描きました。
ハートを外から集めて持ってくる動物もいれば、これから届けにいく動物も。一人ひとりの優しさを集めて届け、お母さんを笑顔にする「キープ・ママ・スマイリング」さんの活動を表現しています。

“Your smile makes me happy”、「あなたの笑顔が、私を幸せにする」というメッセージを添えました。

Design by DLOP

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