CHARITY FOR

障がいある人も心から楽しめる「やさしいプール」を広げたい〜NPO法人プール・ボランティア


2017年8月にコラボしたNPO法人「プール・ボランティア」さん。水の中の楽しさ、プールの楽しさを健常者だけでなく、よりたくさんの人と共有したいと大阪の市民プールで障がいのある子どもたちや高齢者と共にプールに入る活動をしています。

2017年のコラボでは、皆さまから集まったチャリティーで重度身体障がい者用浮具「うきうきくん」を製作。現在、大阪だけでなく東京、神奈川、愛知、滋賀、広島でも活躍しています。

今回、プール・ボランティアさんと二度目のコラボをさせていただくことになりました。
大阪・東成区にある市民プールで開催された水泳教室にお伺いし、お話を聞いてきました!

(黄緑の浮き輪が「うきうきくん」。19年間教室に通うタイガ君(左)と、ボランティアの宮野さん)

今週のチャリティー

NPO法人プール・ボランティア

障がいのある人や高齢者もプールを楽しめる社会の実現のために活動するNPO法人。障がい者や高齢者も健常者と同じように楽しく安全に水と触れ合って欲しいと、大阪の市営プールでボランティアさんたちとマンツーマンで活動しています。

INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2020/8/10

総勢42名が参加!圧巻の水泳教室

ある日曜日の朝、大阪市東成区にある「大阪市立東成屋内プール」にお伺いしました。このプールでは、週に3回、プール・ボランティアさんの水泳教室が開催されています。

新型コロナウイルス対策のため、検温や問診票の記入を終えて待機していると、徐々にボランティアさんや生徒さんが集まりはじめました。

(皆さん、お揃いで前回のコラボTシャツを着て来てくださいました!うれしい!)

プール・ボランティア事務局長の織田智子(おだ・ともこ)さんによると、今日はなんと、20名の参加者さんと22名のボランティアさん、総勢42名とのこと!一人の生徒に一人のボランティアさんがつくかたちで、マンツーマンでプールに入ります。生徒さんは一人でくる方もいれば、親御さんやヘルパーさんと一緒に来られる方も。どことなく皆さん、うれしそうな感じがします。

午前10時前。理事長の岡崎さんによる「今日も楽しく泳ぎましょう!ご安全に!」という簡単な挨拶の後、ロッカー室で着替えをして、いざ!プールへ。生徒さんにどのボランティアさんがつくかは、その日の参加者をリストアップした上で、事前に会員専用サイトに掲載して決めておくのだそうです。

織田:
毎回参加してくださるボランティアさんも多いですが、ペアはあえて毎回変えています。生徒さんとボランティアさんの泳力、性格やレッスンのバランス、たとえば前回はかなり頑張ってたから、今回は水遊びっぽく緩やかに楽しむ回にしようとか、そういった点も意識しながら、その日のベストなマッチングを考えています。

ずっと同じ相手だと、お互いに距離感が近くなりすぎてしまってしんどくなってしまうこともあるし、生徒さんにとっては毎回異なる人と泳ぐことで、初めての人への苦手意識も緩和されコミュニケーション能力もつくからです。

いざ、プールへ!

午前10時。皆さん水着に着替えてプールサイドへ。館内放送で流れるラジオ体操に合わせて準備運動。その後、プールに吸い込まれるように入っていきます。

(プールの放送に合わせて、まずは体操から)

(スロープを使って、特別なプール専用車イスで入水。重度の障がいのあるササミちゃん。付き添っているのは理事長の岡崎寛さん(右)と、看護師でもある山下香さん(左))

織田:
みんな、水着もカッコいいでしょう?お揃いのスイムキャップをかぶって、ゴーグルをつけて、そうやって見た目をカッコよくすることも大切なんです。

(開発中のベッド型プール用車イスで、ボランティアの吉山さん(右)と織田さんの誘導で入水するアヤカちゃん)

「水の中には、生活のすべてがある」

(脳性マヒのため両足に障がいがあるミキヤ君とボランティアの島津さん。「島津さんは幻のオリンピックのオリンピア。やさしく泳ぎに誘っています」(織田さん))

プールサイドから見学させていただきながら、活動について、お話をお伺いしました。

織田:
私は、プールには生活のすべてがあると思っているんです。
生徒さんは、ここに来ることで日常の着替えができるようになるし、シャワーを浴びることも、体や頭を洗えるようにもなる。はじめましての相手と1時間半一緒に泳ぐので、初めて会う人への苦手意識も緩和されるし、コミュニケーション能力もつきます。親御さんが心配されるよりも、子どもたちは逞しいですよ。あっと言う間にプールで打ち解けて仲良くなるんです。

(ビート板で泳ぐカズマ君。「今から前を通るから、通った時に写真を撮って!」とリクエストしてくれました。水と戯れながらも、ボランティアの佐藤さんとお話するのがとっても楽しそうでした!見つめ合って笑顔を見せるシーンに何度か遭遇しました。信頼関係が築かれているからこそ、プールの中でも身を委ね、自由に泳ぐことができます)

織田:
生徒さんの約8割は、知的障がいや発達障がいのある人たちで、残りの2割ほどが身体障がいのある方や認知症の方、脳卒中後のリハビリなどで利用してくださっている方です。
陸の上だとどうしても体に力が入って筋肉が硬くなったり、体の使わない部分が出てきて凝り固まったりすることがありますが、水の中は浮力があるので、陸の上では使わない部分を使ったり伸ばしたりすることができます。水圧で刺激されて血流が良くなる効果もあります。

(カズユキ君とボランティアの森田さん。この日、初めてペアを組んだのだそう。最初は一緒に水で遊ぶところから始まり、気づけば緊張がほぐれて、一緒に水の中で楽しそうに泳いでいました)

コロナ禍で気づいた、活動の大切さ

織田:
新型コロナウイルスの流行によって、2月の末から5月末まで、3ヶ月に渡って水泳教室を開催することができませんでした。長く通ってくださっている生徒さんが多いのですが、20年通ってくださっている重度の心身障害で寝たきりのアヤカちゃんは、笑顔も少なくなり、それまでは焼肉やラーメン、餃子も大好きだったのが、教室がなくなってしまったことで嚥下(ものを食べたり飲んだりする力)の力も弱くなり、桃の缶詰と豆腐しか食べることができなくなったと聞きました。

(20年一緒にプールに入っているアヤカちゃんと織田さん)

織田:
彼女にとって、この20年間の生活の中で「プールがない生活」というのはありませんでした。プールの中で体を自由に動かすことが、いかに健康状態に良い影響を与えていたのか、当たり前だった「プールに入れる」ということがいかに幸せなことだったか、私たちも改めて感じさせられた3ヶ月でした。

私たちの活動が、生徒さんの日常生活の中に大きな影響を持っているということを感じさせられた出来事でしたね。

──そうだったんですね。

(リクライニング付きのプール用車イスで入水するタイガ君(写真中央)とボランティアの伊藤さん(右)。「タイガ君は、9歳から通い始め19年目の大ベテラン。今では『うきうきくん』を使って自由にプールの中を歩いたり泳いだりできるようになりました」(織田さん))

「もっと水と親しくなる」を目標に

(平泳ぎの足を指導する武田さんとトモキ君。「武田さんは元水泳インストラクター。13年通っているトモキ君は今ではクロール、背泳、平泳ぎ、バタフライを泳ぐ水の達人に成長しました」(織田さん))

──たくさんのボランティアさんが参加されていますが、マンツーマンでの指導の際に、意識されている点などはありますか。

織田:
皆それぞれに個性や特性があります。私たちがサポートすることで、プールを楽しんでほしいと思っています。
ボランティアさんたちは「プールに入れる喜び」で活動に参加してくださっていて、「私を待ってくれている子たちがいる」ことが、「よし、行こう!」とプールに来る後押しになっていると聞きます。参加している皆「プールが好き」というところは同じですね。

(クロールの泳ぎ方の指導をするボランティアの三浦さんと生徒のユウキ君。「5年通っているユウキ君は、少しずつ泳げるようになって今ではグループ練習にも参加しています」(織田さん))

織田:
ボランティアさんそれぞれにコミュニケーションの取り方、水泳との関わり方があって、それぞれの教え方があります。でも行き着く先は皆同じ、「楽しく泳ぐ」「もっと水と親しくなる」ということ。だから、どの教え方も間違っていません。リスペクトし合って、危険な行為ではない限り、水泳指導について職員が口を出したりということはしません。

子どもたちにとっても、いろんな大人の人たちと接することで、プールの中から社会性を身につけていくことができます。プールで家族以外の人とのかかわり方の免疫をつくっておくことで、普段の生活でも行動しやすくなる部分がたくさんあるのです。

(生徒さん一人ひとりの毎回の教室での様子を記録したノート。その日泳いだメニューやプールでの様子を記録している。「記録の最後には保護者からのコメントが書かれてあることもあり、ボランティアの励みになっています」(織田さん))

心ない言葉をかけたられたことも

(「泳いでるか〜?!」「今日は調子がよさそうやね!」。すれ違いざまに、生徒さんやボランティアさんの間で会話に花が咲きます)

楽しくなごやかなムードの教室ですが、プール・ボランティアさんの特徴は、活動場所が「市民プール」であること。すぐ隣のレーンでは、一般の方たちも水泳を楽しんでいます。

しかし、地域の方たちに受け入れられるには時間が必要だったといいます。
活動を始めた頃の話を、理事長の岡崎寛(おかざき・ひろし)さんにも尋ねてみました。

岡崎:
活動を始めたばっかりの頃は冷たい対応をとられたり、ひどい注意をされたりすることもあったなあ。「目ざわりや」と直接いわれたこともあります。せやけど、活動を初めて10年を過ぎたころから、少しずつ地域のプールも地域の方たちも、僕たちのことをあたたかく迎えてくださるようになってきたと感じます。

(リョウタ君とボランティアの西尾さん。「8年通っているリョウタ君は、通い始めて間のないころは顔に水がかかるたびに『いや~!いや~!』と叫び、その声がプールに響き渡って観覧席の保護者さんにも聞こえるくらいでしたが、今ではカッコよくスピードのあるクロールを泳げるようになりました」(織田さん))

──障がいのある方への理解も今より少なかったと思いますが、いろいろと大変だったのではないですか。

岡崎:
最初の頃は、特に運営のことで苦労しましたね。お金もないし、活動が知られていないから生徒さんもボランティアさんも来ないし、出口が見えないと感じたこともありました。当時はこういった活動がまったく存在しなかったので、親御さんも身構えられていたし、「障がい者が相手なんだから、お金とらんと無料でやって」という意識がまだまだあった時代でもありました。

織田:
20年前に、車イスの方と一緒にプールに行ったら、プールの受付で「障がい者専用のプールに行かれたらどうですか。」とよく言われました。その当時から大阪の市民プールには、車イスのまま入れるスロープも、障がい者用の更衣室も完備されていたのです。それでも、そういう事を言われました。誰もが障がいのあるなしにかかわらず気軽に市民プールを楽しめるようになればいいなぁ~。行きたいと思ったら近所の市民プールに行ったらいいやん、それが当たり前のことやん!と私は思っていたし、そういう風になれば障害があっても健常者にとってもやさしいプールになるのにっと思っていました。

(ユウキ君とボランティアの狩野さん。「狩野さんは、学生時代は水泳部、14年目のベテランボランティアです。定年前にボランティアを始められ現在71歳。もうすぐ2000回ボランティア入水を達成されます」(織田さん))

岡崎:
この活動をスタートする前、プールの職員として勤めていた時に、リハビリで泳ぎに来ている方がいらっしゃって、その方が困っていた時に助けようと思う人がいなかったのを見ていたし、障がいのあるお子さんとお母さんが、ほんまにプールの隅で小さくなって入っていらっしゃって、水をバシャバシャ!とやる子どもに「あかんやろ!」と怒鳴りながら、周囲の人たちに「すみません」と謝っていたり、ハンディキャップのある人が肩身の狭い思いで泳いではるのをたくさん見たんです。

(ヨウヘイ君とボランティアの欧陽さん。「欧陽さんは、活動を始められ20年目。はじめは10mをやっと泳げるくらいで入会されましたが、マスターズ水泳大会でメダルを獲得されるほどです。ボランティア入水回数も1000回を超えハツラツ80歳ベテランボランティアさんです。ヨウヘイ君は、欧陽さんと一緒なら安心して楽しくプールに入れています」(織田さん))

──20年前に、なぜそんなふうに思われたのですか。

織田:
障がいのあるお子さんと親御さんは、ストレス発散のために本当は楽しみたくてプールに来て、自由に水遊びしたり泳いだりしたいのに、周りに気を遣い、親御さんもお子さんも怒って怒られて、大好きなプールのはずが、ストレス発散どころか逆にストレスを溜めていたたまれなくなってプールから帰ることになるのです。

あるお母さんから、プールに入ったあとに「ボランティアさんと一緒に思いっきりプールを楽しむ息子(ダウン症)の姿がとても嬉しくて、こういう時間が持ててよかった」とお便りをいただきました。ボランティアが一緒に入るからこそ、本人だけでなくご家族や親御さんにとっても楽しめるのだと感じました。

岡崎:
障がいがある方たちにとっては、プールに来ること、入ることが、いかにハードルが高いかというのが見えました。やっぱり、僕らはプールが大好きやからね。大好きなものやからこそ、健常者だけではなく誰にとってもやさしい場所であって欲しいと思ったし、きっとそんなニーズもあるのではないかと思いました。それで、この活動を始めたんです。

この20年で、ほんまにプールの風景は変わりました。僕たちが地域のプールをずっと利用させてもらってきたことで、僕たち以外でも障がいのある方が利用されるということがごく当たり前になってきました。誰にでもひらかれた、やさしいプールになっているんだと感じ、これも活動の一つの成果だと嬉しく感じています。

(上級者コースでもくもくと泳いでいたユウキ君(右)、イチヤ君(中央)、アヤさん(左)とボランティアの酒井さん。「私たちの出場するマスターズ水泳大会は、高校生以上であれば誰でも出場できます。彼らだけでリレーチームをつくって出場することがボランティアの夢であり彼らの目標で、今後もプール・ボランティアをあげて応援していきたいと思っています」(織田さん))

この日、1500mを達成した生徒さんも!
挑戦を応援し、刺激しあえる場所

12歳のハルキ君。この日は取材のためにいつもより少し早く来てくれたという彼はこの日、カメラを下げていた私の前で、こう宣言してくれました。

「今日は、1500mに挑戦します。1500mは泳げなかったとしても、できるだけたくさん泳げるようにがんばります!」

(「がんばりいや〜!」と見送られプールに向かうハルキ君)

この日の教室の間、ボランティアの末光さんに付き添われながら、休むことなくもくもくと泳ぎ続けたカズマ君。最後にプールから出てきた彼は、なんと!1500mを完泳したのです!!!

(「ようやったな!すごい!」「ナイスファイト!」と周りから声をかけられ、嬉しそうな表情を浮かべるハルキ君)

この日はじめて1500mという長距離を泳ぎ切ったのだそう。「ようやったな!すごい!」「かっこいい!」「さすがやで!」と拍手で迎えられて、達成感で満たされた晴れやかな笑顔がありました。

(1500mを泳ぎ切ったハルキ君(中央)。ボランティアの末光さん(左)、岡崎さん(右)とこの笑顔!)

プールから上がり着替えを終えたハルキ君に、この日どんな気持ちで泳いでいたのか、話を聞いてみました。もう8年教室に通っているというハルキ君は、最初は歩行の訓練から始まり、徐々に水に慣れ、クロールが泳げるようになったのだそうです。

(「ようやった!」。プールから上がって声をかけあうハルキ君と末光さん)

ハルキ君:
今日は1500m泳ぐと決めたから、がんばりたかった。陸だったらつかれてしまうけど、水の中はあんまりつかれない。次は、バタフライをがんばりたいです。

一時間半、ハルキ君に付き添って完泳をサポートしたボランティアの末光さんにも、プールボランティアの良いところを聞いてみました。

末光さん:
気楽に来られるところですね。いろんなボランティアさんが関わることで、一人ひとり泳ぎが上達します。一緒に大会に出られるようになったり、練習パートナーになってくれたりする子もいて、こっちも負けていられない!と実はスイミングスクールで練習しています(笑)。切磋琢磨できる関係が嬉しいですね。でも、何よりも一番嬉しいのは、本人が喜んでくれること!パワーをもらっています。

(10時にスタートしたプール。11時15分ごろから皆さん徐々に退水し、その日の様子をノートに記入して親御さんに伝えた後は自由解散となります。残っていらっしゃった皆さんと写真を撮らせていただきました!)

全国のプールを「やさしいプール」に

(あちこちで、楽しい声が行き交います)

今後、目指す未来を岡崎さんと織田さんに尋ねてみました。

岡崎:
大阪だけやなくて、全国にこの活動を広げていきたいですね。各都道府県に一つは僕たちのような団体さんがあって、障がいがあってもプールに入りたいという人をサポートできたらと思っています。

地域のプールから共生社会をつくっていきたいという思いもあるし、もう一つは、やっぱり利用してくれる子どもたちにとっても、障がいがあると褒められてばっかりやったり、全部やってもらったりばっかりする中で、障がいあるからといって特別扱いせず、時に厳しく時にやさしく、そこは関西なので時にイジりながら(笑)接する機会があることも大事やと思っています。子どもにとっても、ここをきっかけに豊かなコミュニケーション力を身につけてほしいと思っています。

(「サボらんと泳いでるかー?!」と岡崎さんの喝(?!)が)

織田:
水泳は水着ひとつでできるスポーツで、やってみたいと思ってらっしゃる方も多いと思います。新型コロナウイルスの影響で延期になってしまいましたが、東京でオリンピック・パラリンピックも開催されます。水泳が注目される機会も増えると思うので、「やりたい!」と思った方が、地域のプールにどんどん入っていけるような環境を作っていけたらと思いますね。

──お二人が「やっててよかった」と思われる時やモチベーションを教えてください。

岡崎:
月並みやけど、生徒さんや親御さんが喜んでくれはった時、生徒さんが頑張っている姿を見た時は嬉しいですね。

織田:
プールの水の中に潜っている時は本当に最高で、外の光が水の中に入ってきてとてもきれいで癒されて、そんな空間を生徒さんたちにも見せてあげたいし、体験してほしいと思っています。障がいがあったとしても、水の中やからこそできることがある、かなえられることがあると思っています。

(「うきうきくん」を使ってプールを自由に泳ぐヒロキ君と織田さん。ヒロキ君はもう10年、教室に通っている)

チャリティー使途

最後に、今回のチャリティーの使途をお伺いしました。

織田:
外見からは障がいや病気があるということがわからない人が、支援や配慮を必要としていることを知らせる「ヘルプマーク」をご存知だと思います。バッグなどにつけるストラップ型のヘルプマークが主流ですが、プールでこれを携帯することは困難なので、東京都に相談をし、許可を得て「ヘルプマーク」をプリントしたスイムキャップを制作しました。

(ヘルプマーク付きのスイムキャップ)

織田:
私たちが行けるプールであれば、障がいのある方の目となり足となり手となってサポートできますが、私たちが行くことができないプールでも、このスイムキャップさえあればもし何かがあった時、誰かが支援の手を差し伸べてくれます。当事者の方の「配慮してほしい」を素直に出せるものだし、周りの人たちも「何か手伝いましょうか」と声がけしやすくなるものです。私たちが行くことができないプールで、これがプール・ボランティアの代わりになってくれると期待しています。

今回のチャリティーは、このスイムキャップを必要としている方に無償で配布するための資金として使わせていただきたいと考えています。
価格は1枚あたり1800円で、これを全国の100名の方に届けたいと思っています。そしてプール施設のかたにもぜひこの「ヘルプマーク・スイムキャップ」を知ってもらいたく啓発活動(ポスター掲示)も合わせて、今回のチャリティーで20万円を集めたいと思っています。ぜひ、アイテムで応援いただけたら幸いです。

(この日参加した皆さんの集合写真! 取材を楽しみに集まってくださった皆さん!楽しい時間を、本当にありがとうございました!)

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜山本の編集後記〜

今回初めて、プール・ボランティアさんの活動の現場へと足を運ばせていただきました。
プールで皆さんが泳ぎ出してすぐ、老若男女、大人も子どもも障がいのある人もない人も、皆遠慮なく水と戯れている姿を見て、わーっと感動して涙が溢れてきました。
「水」「プール」という共通の楽しみを通じて、ここでは誰もが平等で、たとえ表情や言葉には表れなくても、皆がその場を楽しんでいる空気が伝わりました。生徒の皆さん、本当に自由に水を楽しんでいて、改めて「障がいって何だろう?」と考えさせられました。これが水中だけでなく陸にも広がっていけば、障がいの有無にかかわらず人同士「好きなもの」でつながっていくことができれば、きっと社会は、もっともっと暮らしやすい場所になるのではないでしょうか。

・NPO法人プール・ボランティア ホームページはこちらから

(デザイナーのDLOP(写真一列目の左から二人目)も、私とは別日程で教室へ足を運ばせていただきました!その時の1枚)

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水の中では誰もが自由になれて、心の底から楽しめる。そんなメッセージを表現したくて、水の中を自由に泳ぐいろんな生き物を描きました。…なかには、宇宙飛行士も?!
よーく見ると、タコさんのスイムキャップにヘルプマークが!見ているだけで楽しくなる一枚です。

“Dive into yourself”、「自分自身にダイブせよ!」という言葉には、「自らの可能性を超えていけ!」という熱いメッセージが込められています。

Design by DLOP

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