1964(昭和39)年より続く、毎日新聞の一角にあるコーナー「あなたの愛の手を」。
乳児院や児童養護施設で暮らす子どもを紹介し、親子の養子縁組を促進する活動をしているのが、今週JAMMINがコラボする「家庭養護促進協会 大阪事務所」。
「行政と連携をとりながら、乳児院や児童養護施設にいる0歳から小学3年生ぐらいまでの子どもを新聞に掲載し、養子縁組前提の里親探し、その啓発などを行っています。里親希望者の研修やアフターフォローにも力を入れています」
大阪事務所がこれまでに取り持った親子の数は1456組(2020年3月時点)。
「たとえ血のつながりはなくても、親子になれます。『養子縁組』は人為的といえば人為的なものではありますが、たくさんの親子を見てきた中で、ただの偶然ではない、何か大きな力が働いてそれぞれ家族になっていると感じます。この親に会うために、この子に会うために、それぞれの人生があったし、お互いを引き寄せたと感じます」
そう話すのは、スタッフの山上有紀(やまがみ・ゆき)さん(48)。活動について、山上さんと和田靜(わだ・しずか)さん(49)にお話を聞きました。
(お話をお伺いした山上さん(右)と和田さん(左))
公益社団法人家庭養護促進協会 大阪事務所
日本に20数団体ある民間の養子縁組あっせん機関のうち、児童相談所と連携し里親探しをする唯一の団体。
子どもたちに里親を求める「愛の手運動」は、新聞社と児童相談所の協力を得て、神戸事務所では1962(昭和37)年、大阪事務所では1964(昭和39)年からスタート。実親に育てられず乳児院や児童養護施設で暮らす子どもたちが、愛情を受け、ごく当たり前の家庭生活の経験ができるように活動しています。
INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2020/8/3
(これまでの「あなたの愛の手を」は、すべてスクラップされていました。1976年11月21日のこのコーナー。子どもの背景が書かれていた時代もありましたが、今はプライバシー保護の観点から書かれなくなりました)
──今日はよろしくお願いします。まずは、貴団体のご活動について教えてください。
山上:
乳児院や児童養護施設で生活していて、実親に育てられない子どもたちに新しい親を探し、家族になるためのサポートをする活動をしています。
新しい親を探す方法が特徴的で、毎日新聞の「あなたの愛の手を」欄で毎週一人ずつ子どもを紹介していただいています。1964年5月5日に初掲載し、以来56年にわたり、大阪版では毎週日曜の朝刊に掲載し、これまで2806回にわたって子どもたちを紹介してきました。今は、兵庫県を除く近畿圏の地方版にも掲載されています。
──すごい数ですね。どのようなコーナーですか。
和田:
子どもの顔写真と下の名前を掲載しますが、実親さんの了承が得られなかった場合は似顔絵のイラストや仮名での掲載になることもあります。その子の性格や好きなものなど、今の様子をわかりやすく紹介しています。
──そこから養子縁組へつながるのですね。
山上:
新聞記事を見て、「この子の親になりたい」と申し出てくださった方と面接をしたり、事前研修を行います。また、親子になってからも綿密なフォローを行っています。
子どもを迎えた当初は子育てへのフォローがメインですが、だんだん慣れて子どもの成長と共に家族のかたちができてくると、日々の生活は少し落ち着いて穏やかになってくるので、その時は遠くからご家族を見守り、子どもが思春期になっていろいろと理解できる年代になったり、成長して自身のルーツを探したいとなった時に、親だけでなく本人の相談に乗ることもあります。子どもの成長を見守る気持ちは、いうなれば「遠い親戚のオバチャン」みたいな感じでしょうか。
──なるほど。大阪の施設にいるお子さんを対象にしているのですか。
和田:
大阪府内には50箇所ほどの乳児院、児童養護施設があります。それらを管轄する大阪府6箇所、大阪市2箇所、堺市1箇所の合計9箇所の児童相談所と連携しながら活動しています。大阪市だと大阪市でしか、堺市だと堺市でしか里親を探すことが難しい中で、私たちが間に入って新聞掲載をすることで、地域を限定せず全国から里親を募ることができ、出会いのチャンスが広がります。
(大阪事務所にて、ご活動についてご紹介してくださったお二人)
──応募があった場合、どのような流れで里親に至るのでしょうか。
山上:
里親希望の方と、面接や家庭訪問調査を行います。その子どものことをしっかりと引き受けてもらえるかどうか、面接や調査、研修を通じてご夫婦とのやりとりを深め、里親として適当であると私たちの方で判断できれば、児童相談所に推薦します。その後、子どもの暮らす施設で実習を重ね、子どもを家庭に迎えます。法的に養子縁組が成立するまでには、さらに1年近くかかります。児童相談所がこういったマッチング自体を民間に委ねているのは、日本では私たちの団体だけです。
和田:
児童相談所も子どもと養子縁組前提の里親のマッチングは行っていますが、2〜3年で担当の方が変わってしまうことも多いです。その点、私たちは民間の団体なので、同じソーシャルワーカーがずっと担当というかたちで家族に付き添い、20年も30年もサポートできたり、担当者が退職してしまったとしても、他の長く勤めるワーカーが家族の歴史を知った上でサポートできることは大きなメリットだと思います。
──まさに「親戚のオバチャン」なのですね!
(スタッフの皆さんのいろんなお写真が貼られた壁。団体さんのほんわかと温かい雰囲気が伝わる一角でした!)
(「養子を育てたい夫婦のための連続講座(養親講座)」にて、先輩里親さんの体験談を聞く。「『我が子』と出会うまでにどんなプロセスを経てきたか、担当ワーカーのインタビュー形式で話してもらいます」(山上さん))
山上:
里親には、一時的に子どもを預かる「養育里親」と、法律上も親子となる「養子縁組里親」などがあります。特別養子縁組前提の里親の場合、正式婚姻した夫婦であることが必要ですが、養育里親は単身でも可能です。
養育里親は子どもが実親の元に暮らせるようになるまで、一時的に養育するものですが、実際にはその期間が長期に渡り、結局その子どもが実親の元に帰ることができないまま、自立せざるを得ないケースも多くあります。そういった子どもには、法的に親になってくれる養子縁組里親が必要ではないかと考えて、活動してきました。昔から「(普通)養子縁組」という制度はありましたが、「子どもの福祉のための養子縁組」という観点で、1988年に「特別養子縁組」制度ができました。
──わりと最近なのですね!知りませんでした。
山上:
特別養子縁組をすると実親との法的な関係は一切なくなり、新しい親が唯一の親となります。つまり、法律上は血縁関係のある親子と何ら変わらないかたちになります。
活動を始めた当初は、「愛の手」欄に掲載される子どもは、養育里親を必要とする子どもが大半でした。戦後、戦火を生き抜いてきた世代の方たちは、助かった命を社会のために生かしたいと、養育里親を希望される方が沢山いましたが、1960年代頃からは、養子縁組ができる子どもを求める里親希望者が増え、子どもの方も、養子縁組を必要とする事情を抱えた子どもが増えてきました。
(なっちゃんは2歳4カ月のときに、乳児院から養親さんのもとに迎えられた。「一緒に暮らし始めて1年、特別養子縁組が無事に成立し、晴れて戸籍上も親子になることができました。その記念にご家族3人で写真館で撮られた写真です」(山上さん))
(大阪市、大阪府の里親会と共催で行っていた運動会の様子。こちらは1978年の運動会の様子。1998年からは協会単独で「おやこDEうんどう会」として開催するようになった)
山上:
今では、私たちが紙面で紹介する子どもたちは、ほとんどが生まれた家庭には戻れない背景を持つ子どもたちです。
──具体的には?
山上:
乳児院とか児童養護施設には今でも「孤児院」のようなイメージがあって、養子になる子どもは両親ともに亡くなってしまったとか、経済的な事情で育てられないというイメージを持っている方も多いのではないかと思いますが、現場はもっと壮絶です。
ネットカフェのトイレで出産、置き去りにされていた子。レイプ被害に遭った母が誰にも相談できないまま、自宅出産した子。母が覚せい剤を使用した状況で、胎児期を過ごした子。壮絶なケースが多くあります。
──そうなんですね…。
和田:
他には、実親の病気や障害によって子育てが難しいケースも多いです。特に最近は、うつや統合失調症、人格障害などの精神疾患でしんどさを抱え、養育が難しいという母親が増えています。父親が不明だったり、協力を得ることができずに、母親一人で困難な状況を抱えているというケースがとても多いです。
里親を希望される方には、事前の研修や面接の中で、なぜ養子を迎えたいのか、こういった背景も含め、我が子としてその子のすべてを受け入れることができるか、といったことをよく考えてもらっています。
(子どもを迎えて間もない家庭を対象に、月に1回「JBクラブ」という親子サロンを開催。「集まった子どもたちを自由に遊ばせながら、職員と里親さん、里親さん同士で話をしたりしています。子どもとの毎日で困っていること、悩んでいること、そしてうちの子自慢等々、近所のママ友さんには話しにくいことも、同じ立場だからこそ分かち合える場となっています」(山上さん))
(団体を通じて養子縁組したたかのり君。「25歳になって、養子として育ってきた子どもの立場で、里親を希望する方向けの研修で思いを話してくれました。3歳で養親さんのもとに迎えられたたかのり君は、毎年親子そろって事務所に遊びに来てくれていました。高校3年生のときには『産んだ親のことが知りたい』と、初めて一人で事務所にやってきました」(山上さん))
──お二人はこれまでたくさんの子どもさんを見てこられたと思うのですが、新しいお父さんお母さんができると、子どもは変化しますか。
和田:
変わりますね。表情が変わります。肌がつやつやして、子どもらしくなります。愛情をいっぱいに受け、居場所ができて根っこが生えて、安心と自信が持てるようになります。
施設はそれがどんなに小さいグループであっても、どうがんばっても「集団」です。子どもたちの生活は毎日24時間ありますが、職員さんは勤務の8時間という枠で入れ替わらざるを得ません。ずっと同じ人から愛情をかけてもらったりお世話をしてもらったりすることが難しいんですね。
一方で、家庭は常に同じ人が一対一で関わり、愛情を受けられる。抱かれ心地、肌触りや話しかけられる声のトーン…、そういったことを子どもは全身で感じていきます。言葉にはできない信頼関係が築かれていくし、一人でも多くの子どもが、絶対的な愛情をベースに育って欲しいと思っています。
山上:
乳児院では、できるだけ同じ職員が担当を続けるよう配慮している所も増えていますが、それでも産休をとったり、退職したり、子どもの月齢によってのクラス替えで担当を変わらざるを得ないこともあります。また、子どもが2~3歳になると、児童養護施設に入るので、また環境が変わります。
実親の元に戻る見込みがないのであれば、できるだけ早いうちに、あたたかい愛情をかけてもらえる家庭を用意できたらと思っています。
──なるほど。
(養子縁組した子どもから届いた手紙「子どもたちから職員宛に届くお手紙は、私たちの元気のもとです。右の手紙は今から21年前、たかのり君から届いた幼稚園の生活発表会の招待状です」(山上さん))
(JBクラブでは毎年12月にクリスマス会を開催。「クリスマス会では、和田による紙芝居の読み聞かせが定番です」(山上さん))
和田:
家庭に迎えられた子どもの中で、「施設ではおとなしかったのに、家では親の言うことを聞かない」ということがあります。そこで里親さんを拒否していると誤解してはいけません。施設でその子が見せていたのは、その子の一面でしかなかった。その子は、里親さんに対して施設の先生と同じ対応を求めているわけではないし、「親としてどんな自分も受け入れてほしい、認めてほしい」という思いを抱いているのです。
山上:
子どもを迎えたばかりの里親さんが「思ってたんと違う」とか「こんな子やったらうちには無理や」とつまずいてしまうこともあります。でも、新しく出会う大人を無条件で受け入れられるほど楽な生き方をしてきた子どもたちではありません。
(養親講座では参加者同士でグループディスカッションをし、「養子を迎えるにあたって、楽しみにしていること、不安に思っていること」を出し合う。こちらは「楽しみにしていること」)
山上:
心の傷の深さは子どもによって異なりますが、それまで生きてきた中で、納得できない別れもたくさんあったと思います。「今度新しく来たこの人は、自分のことを絶対に見捨てへんのやろうな」ということを見極めきれないと、全身で甘えられるようにはならないのです。
過食や偏食、わざと牛乳をこぼしたりお漏らしをしたり、時には暴力をふるったり…、「こんな嫌なことをしたら、自分のことを拒否するんやろう」と、大人を試すような行動を「試し行動」と呼んでいます。でもその裏には、「こういうことをしても、自分のすべてを受け入れてほしい」という子どもの切実な思いがあるのです。
和田:
研修では、なぜ試し行動をするのか、どんな対応をすれば良いのかなどもしっかり学んでもらいます。「なんでそんなことするの!」と怒ってしまうと、子どもは「良い子でないと受け入れてもらえない」と感じます。自分のすべてを受け入れられていると感じられないと、心の底からの信頼関係を築くことはできません。里親さんには、命に関わること以外は叱らず、まず半年は子どもをまるごと受け止めてほしい、「何歳で迎えたとしても、0歳からの育てなおしをしてほしい」とお願いしています。0歳の赤ちゃんに「しつけ」をしようとする親はいませんよね。
(養親講座のグループディスカッションにて。『不安に思っていること』では、子どもに養子であることをどのように伝えるか(真実告知)や、近所の人にどう話すかといったテーマが出ます。そのテーマについて、実際にロールプレイをし、子どもの気持ち、養親の気持ちを体験しながら、不安の解消につなげていきます」(和田さん))
(試し行動のひとつが「過食」。かごいっぱいのお菓子、並べられたペットボトル、ふりかけは何袋も開けてお皿に山盛りに…。「研修では、養親さんから提供いただいたこういった試し行動の実例の写真も見ながら、子どもを迎えてからの生活のイメージをふくらませてもらいます」(山上さん))
──家族になって、そこから次にくるのが「真実告知」ですね。
山上:
子どもに養子であることを伝えることを、「真実告知」といいます。時代も変化し、告知について、今はひた隠しにしたいという人は少なくなっています。私たちも「子どもたちには自分の生い立ちや事実を知る権利があって、小さい頃からの真実告知が必要」と里親さんには話をしていますが、いつ、どのように伝えるかはご夫婦で考えてもらいたいと思っています。
和田:
里親さんが「研修で教えられたから伝える」のではなくて、ご自身が大切なことだと感じて、告知してほしいと思っています。大切なのは血のつながりがあるかどうかではありません。告知の際には「実の親子じゃない」というところに焦点を当ててほしいわけではないんです。
(JBクラブのクリスマス会には、毎年サンタが登場)
和田:
「あなたと出会えて、家にきてくれて、家族になれて本当によかった。パパとママは幸せだよ」と。大切なのはそこなんですよね。親として心からそう思える時に、子どもがわかる言葉で「血はつながってへんけど、親子やねんで」って伝えてほしいと思っています。そのタイミングは家族によってそれぞれなのですが、より良い物語になるように、私たちも全力でサポートします。
山上:
家庭の中でこの話をタブーにしてほしくないという思いがあります。
子どもがひょんな時に事実を知ることもあります。近所のおばちゃんが「あんたがここに来た時には…」とふと言ったりすると、「えっ?!」となる。そして屈託なく親に「私ってもらいっ子なん?」と尋ねるんですよね。その時に「そんなことないで。誰に聞いたん?」って、隠そうとしていた親がピリッとしてしまうと「あ、このことは聞いたらあかんのや」とタブーになってしまう。それは子どものためにも、家族のためにもならないと思います。
(活動資金の獲得と広報活動を目的として、毎年1月9日~11日の3日間、大阪の今宮戎神社の「十日えびす」で、福飴などを売る店を出している。「毎年80名ほどのボランティアさんが売り子として協力してくださっています。朝から夜まで、まるで『テキヤ』のようです」(山上さん))
(年に2回、大阪曽根崎ライオンズクラブの協力を得て大阪駅近辺で「愛の手街頭キャンペーン」を実施。里親制度の広報のチラシをつけた小さなおもちゃを通行人に配布している)
──読者の方や社会に向けて、メッセージがあればお願いします。
和田:
今はまだ、不妊治療の末に養子縁組という方法をとられるご夫婦がほとんどです。なので、養子縁組を考え、私たちの所にたどり着く頃にはすでに年齢が高くなり、心身ともに疲れ切っていることも少なくありません。「自分の子どもが産めなかったから、仕方なく養子をもらう」のではなくて、「養子を迎える」という選択肢がもっと早い段階で浸透すればと思います。
山上:
「親子」とは何か。血がつながっていても問題が起こる時は起こるし、血がつながっていなくても仲の良い親子もたくさんいます。親子とは、家族とは「こうあるべき」、「こうしなければ」に縛られると、しんどくなってしまう。
養子縁組という手段があるということはもちろん、家族にもいろんなかたちがあるんだということを知ってもらえたらいいなと思いますね。
(1982年から、毎年夏休みに小学生以上の子どもを対象に「ふれあいキャンプ」を開催。「キャンプ中は特に『養子や里子のキャンプ』であることを強調するわけではありませんが、『同じ立場の子どもが他にもたくさんいるよ』ということを知ってもらう機会になればいいなと思っています」(和田さん))
山上:
面白いエピソードがあって、1982年から毎年夏休みに開催している、養子や里子を対象にした「ふれあいキャンプ」の宿舎で、4人の小学生が二段ベッドの上に座り、何やら話をしていたんです。
一人が「俺、養子やねん」と。そうするともう一人が「俺もやで」。さらにもう一人が「養子って何なん?」そして最後のひとりが「俺は養子ちゃうわ」と(笑)。「俺は養子ちゃうわ」と言った子も、いずれ自分が養子だと知った時、この光景を思い出して、「俺だけじゃないねんな」と孤独に感じずに済むと思うんですね。そんな意図もあって、キャンプを開催しています。
養子というと「かわいそうな子」というイメージがまだまだ付きまとうのかもしれません。確かにそれまで苦労もたくさんあったけれど、新しい親と出会って家族ができた。それって結構ラッキーなことだと思うんです。里親さんも、「かわいそうだから」ではなくて「育てたいから」育てているし、子どもの成長を通じて、たくさん幸せをもらっているんですよね。そういう親子のあり方を理解してもらえるといいなと思います。
(毎年秋に開催している「おやこDEうんどう会」。「親子で楽しめるオリジナル競技をたくさん用意しています。職員にとっても、子どもたちの成長やより家族らしくなっていく姿を目にできる、やりがいのある行事です。高校生や大学生になった養子たちがボランティアとして協力してくれています」(山上さん))
(里親制度の広報のためのボランティア団体「里親いろいろ応援団」の事務局も担っており、毎年12月には「里親いろいろ応援団」として百貨店で広報イベントを行う。和田さんと山上さんはリコーダーアンサンブルのグループに所属しており、そのメンバーにも協力してもらってミニコンサートを開催)
──最後に、チャリティーの使途を教えてください。
山上:
私たちはこれまで関わったご家族を対象に、夏のキャンプや秋の運動会などのイベントを開催しています。まだまだ養子縁組の親子というのは少数派である中で、他の人たちには言えないような悩みを相談できたり、子どもにとっては、養子は自分だけじゃないと思えたりする場をつくりたいという思いからです。
今回のチャリティーは、こういった家族向けのイベント開催のための資金として使わせていただきたいと思っています。ぜひ、アイテムで応援いただけたら幸いです。
──貴重なお話をありがとうございました!
(2018年7月、阪急百貨店で開催されたH2Oサンタ主催「NPOフェスティバル」にて)
インタビューを終えて〜山本の編集後記〜
とっても明るく、楽しいインタビューでした。
家族って、「存在する」と同時に「築いていく」ものでもあるのではないでしょうか。家族それぞれに歴史があって文化があって、そこに愛情があるかぎり、どんなかたちも試行錯誤も、リスペクトされるものだと思うのです。
「血はつながっていないけど、養子縁組する親と子どもは、どこか似ている」とお二人がおっしゃっていたのが印象的でした。愛情を礎に家族を築いていくという経験とチャンスを、どんな子どもたちも得られるように。ぜひ、コラボアイテムで応援いただけたら幸いです!
・公益社団法人家庭養護促進協会 大阪事務所 ホームページはこちらから
“Family(家族)” と形どられたリボンの周りに、ロバやウサギ、ネコなどの動物、カメや昆虫などいろんな生き物を描きました。 家族のかたちは皆それぞれ。血縁やかたちにとらわれず、それぞれの距離感で、一人ひとりが心地よく感じられたら、 それこそが「かけがえのない家族」なのだという思いを表現しています。
“Having someone to love is family”、「誰か愛すべき人を持つこと、それが家族」というメッセージを添えました。
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