CHARITY FOR

「加害者から離れたら解決」ではないDV。暴力のない、一人ひとりが尊重される社会を目指して〜NPO法人いくの学園

内閣府が2019年9月に発表したデータによると、全国287箇所に設置されている「配偶者暴力相談支援センター」に寄せられた配偶者等からの暴力被害の相談件数は11万件超。

DV(家庭内暴力)に関しては「加害者から離れれば良い」「別れたら解決する」と安易にとらえられがちですが、実は被害者の心の傷は深く、社会への復帰にも多くの困難が待ち受けているといいます。また、子どもが成人している場合、親からの虐待について、加害者から離れることに関して、当事者の実情に合った制度は皆無だといいます。
さらに近年では、男性から男性へのDV、女性から女性へのDVの相談も増えており、多様なケースへの対応が求められています。

今週JAMMINが一週間限定でコラボするのは、大阪を拠点に活動する認定NPO法人「いくの学園」。様々な事情から一時保護が必要な人を受け入れる施設として、これまでにたくさんの人を受け入れてきました。

2017年の4月からはDVや虐待などの暴力による心の傷を持つ方たちに特化した回復支援の場をオープン。穏やかな生活を取り戻し、社会復帰できるようサポートしています。

「トラウマ関連障害と呼ばれますが、DVや虐待を受けた方の中には、被害体験の後遺症によって心身の不調に悩まされる方もいます。フラッシュバック、対人恐怖、うつ、感情のコントロールが難しくなるといった症状として表れることが多く、体調が安定しない方も多いです。しかし被害者への社会の理解が広がっていないため気づかれず、適切な支援を受けられないまま後遺症に苦しみ続けているということが少なくありません」。

そう話すのは、いくの学園スタッフの松本さん。

大阪の事務所にお伺いし、シェルター運営に携わる松本さんとマイクさんにお話を聞きました。

(お話をお伺いさせていただいたお二人。シェルターのプライバシーを守るため、顔の公開はNGとのこと)

今週のチャリティー

NPO法人いくの学園

暴力や差別のない、誰もが人として尊重され、安心して暮らせる社会を目指して、DV・性暴力・虐待などの社会問題に取り組み、相談支援、シェルター運営や回復支援の場を提供するNPO法人。

INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO

DV・虐待や、その後遺症のある人に向けて、
シェルターと生活回復支援事業所を運営

──今日はよろしくお願いします。まずは、貴団体のご活動について教えてください。

松本:
私たちは行政と連携しながら、一時的に保護が必要になった方を保護するシェルター(緊急一時保護施設)を運営する傍ら、シェルターを退所した方や、DV・虐待などの被害者の方に特化して回復や自立のための支援を行っています。
また、DVや虐待などを受けている方、後遺症のある方からの電話相談も受けています。

一時保護施設は、次の住居へ移るまでの短期間での支援がほとんどです。しかし、精神的にしんどさを抱えている方たちの回復のためには、中長期的な支援が必要になります。特にDVなどから避難して生活の拠点を新たにしている方にとって、新たな住処は、縁もゆかりもない場所であることがほとんどです。知り合いやサポートしてくれる人がいない中で、一人で生活を取り戻すのには大きな困難があります。

シェルターを退所した方だけでなく、暴力の後遺症で苦しむ方たちが集うことができる場所として、2017年4月に生活回復支援事業所を立ち上げました。

(事業所の中はすっきりと明るく、温かい雰囲気でした。大きなテーブルを囲んでプログラムをしたりごはんを食べたり、時にはテーブルをよけてヨガのプログラムをしたりもするのだそう)

──どのような事業所ですか?

松本:
DVなどの被害者は、命を脅かされるような恐怖体験や自己を否定される経験をしており、心身共に大きなダメージを負い、長期的に心身の健康がそこなわれてしまう人も少なくありません。私たちは「トラウマ関連障害」という言い方で呼んでいますが、意識的・無意識的に被害体験を思い出すことによって心も体も恐怖を再体験し、再体験を日常的に繰り返すことによって、対人恐怖や、うつ、感情のコントロール喪失などの症状につながっています。

一緒にご飯を作って食べたり、お互いに思いを語り合ったり、例えば好きな歌を紹介し合ったりして、「人格を否定されない」「安心できる」という経験を積んでもらい、肯定的な感覚や人間関係を増やしてもらうことが目的です。

「DVは、加害者から離れたら即解決できるほど
簡単な問題ではない」

(右は10周年記念誌、左は20周年記念誌。「20周年記念誌では、いくの学園の前身、大阪府立婦人保護施設生野学園に関する調査も紹介されています。なお、表紙の野菜のイラストは前理事長(弁護士)によるものです」(松本さん))

──DVに関しては「加害者から離れたら解決する」とか「加害者から離れられない被害者にも責任がある」といった認識もあるのではないかと思うのですが、いかがですか。

松本:
そうですね。DVや虐待そのものに関しての社会的認知は広がりましたが、問題の解決についてはまだまだ理解が広がっていないと感じています。当事者にとって「離れたら即解決できるほど簡単な問題ではない」からです。

──というのは?

マイク:
DV被害者が加害者から完全に別離するまでに、7〜8回の家出を繰り返すといわれています。「トラウマティック・ボンディング(トラウマ性の結びつき)」と呼ばれるものの影響もあります。

被害を受けた直後は恐怖感や危機感を抱いても、時間が経つにつれて加害者のことを「自分しか知らない優しい一面があるから」「本人も反省しているし、私のことを思ってくれているから暴力を振るったんだ」「私が悪かったから許してもらおう」などと感じて戻るケースや、「離れると経済的に自立できないから」「子どもがいるから」といったケースもあります。背景には本当に様々な理由がありますが、加害者の元を離れた時に「自分一人では生きていけない」という意識に陥る方が多いと感じています。

(相談室の様子。「ごはん会やプログラム等、みんなと一緒に過ごす時間とともに、相談室での個別相談の時間もとても大切です。少しでもほっとできる空間を目指しています」(マイクさん))

松本:
何十年もDVを耐え続け、子どもが自立した後、「この人はきっと私が寝たきりになっても助けてくれない。最期だけでも自由に暮らしたい」と覚悟を決めて家を出る60〜70代の被害者の方も少なくありません。

──家庭内での問題は外からは見えづらいので、難しい問題ですね。

マイク:
そうですね。さらに、意を決して家を出ても、加害者が居場所を突き止めて待ち伏せしたり、脅迫めいた連絡を送りつけられたりした時に「私が家に戻れば、何もなかったように元の鞘におさまるから」と戻るケースもあります。

被害者からすると、加害者から何とか逃れたとしても、その先の暮らしがいつ加害者に見つかるかわからない、いつ襲われるかもしれないという恐怖に脅かされ続けるのはストレスでしかありません。「こんな怖い思いをするなら、加害者と一緒にいる方がマシ」というふうに感じてしまう方もいるのです。

(生活回復支援事業所では、大事なプログラムとして「ごはん会」を日常的に実施。「栄養バランスを大事にしています。この日のメニューは、韓国祭りと称してのキンパプとチャプチェ、卵とわかめのスープです」(松本さん))

「DVと気づいても、すぐには離れられなかった」。
当事者の声

ちょうどこの日、生活回復支援事業所のワークショップに参加していた当事者の「りっちゃん」さん(仮名、40代)が、DV被害の怖さを語ってくれました。

りっちゃん:
私の場合は、元夫からDVを受けていました。
身体的な暴力はありませんでしたが、日常的に「俺がおらんかったらお前は生活できんやろ」「俺が稼いでやっている」「俺の言うことが聞けへんのか」といった言葉の暴力が絶えませんでした。ただ、亭主関白な人だったので、当時はDVだと自覚することはありませんでした。

私が生まれ育った環境も、父から母への暴力が絶えない家庭でした。そして母親は、そこで受けたストレスを発散するかのように私に暴力を振るいました。13歳でパニック障害になり、その後摂食障害やアルコール依存にも陥りました。そんな時に元夫と出会い、8年間の交際を経て結婚しました。

──いつ、DVだと自覚されたのですか?

りっちゃん:
精神疾患を抱えていたのでカウンセリングに通っていたのですが、ある時、カウンセラーさんから「旦那さんの言動はDVではないか」と指摘されたんです。
殴るのがDVだと思っていたので、驚きました。しかし専門書を読んでみるとほぼすべての項目が当てはまり、DVなのだと認識しました。

──その後、どうされたのですか?

りっちゃん:
だからと言って、「別れたい」とならないんです。
DV被害者と加害者の関係は、とても奇妙な関係です。どんどん自分の力が奪われて、一人になる自信がないし、彼から離れてしまうとこの世でひとりぼっちになってしまうという恐怖感に襲われました。

それに、DVの加害者はいつも殴ったり責めたりしてくるわけではありません。アメとムチで、優しい時もたくさんありました。いざ離れようと思うと優しい時の彼の記憶が回転して、なかなか離れることができませんでした。

──そうなんですね。

「離れてからも、地獄だった」

りっちゃん:
関係が破綻していることも理解しているし、もう無理だと理解している。なのに離れられない。遺書を書いて首を吊ろうとしましたが、死ねなかった。家を出る日までは、毎日不安に押しつぶされそうになりながら、紙に「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせるように書き連ねていました。

──大変だったんですね。

りっちゃん:
離れた後、穏やかな生活がすぐに送れるようになったかというとそうではなく、そこからが地獄でした。

暴力が日常にある家庭に育ち、いつも何かしら問題を抱えているような、ジェットコースターに乗っているような生活を送ってきたので、いざ一人になると途端にその穏やかさが怖くなりました。
怒られたり責められたりして常に人の顔色を伺い、予期せぬ問題が起きたり怖い借金の取り立てがきたりとストレスフルで嵐のような日常の方に馴染み深くなっていて、何もない平和な状態が、逆に受け入れられなかったのです。

「これからは自分に沿った生き方をして良いんだよ」と医療関係の方に声をかけてもらいましたが、いざ一人になった時、もはや自分の感情さえわからなくなっていました。対人恐怖症やアルコール依存症で苦しみ、生きる意欲も失いました。

──嵐のような生活の方が通常な状態だったんですね。

りっちゃん:
回復を目指す中で私は偶然いくの学園と出会うことができました。30歳を過ぎて高校と大学へ通い、同じように苦しんでいる人の支援がしたいと、40歳を過ぎて精神保健福祉士(PSW)の資格を取り、今やっと、少しずつ自分の足で歩み始めています。

(ある日の「ごはん会」の献立。「お吸い物には、花のかたちの人参を入れました。ちょっとひと工夫をして、目でも楽しいごはん会をこころがけています」(松本さん))

「ここは、安全基地のような場」

(2018年に開催された、女性に対する暴力をなくす運動期間での講演(主催:大阪府、共催:いくの学園、近畿ろうきん、連合大阪)の様子。「基調講演をいくの学園の理事長・雪田樹理(弁護士)が担当しました」(松本さん)

さて、松本さんとマイクさんに「いくの学園」の活動について再びお話を聞きました。

松本:
りっちゃんの話にもありましたが、日常的にDVを受けていると、一種の暴力環境への適応として、無感情になったり、思考が停止することがあります。つらさや苦しさを感じないように、暴力に対して麻痺することもあります。それは、つらい現状を乗り切るための防衛として、人間の持つ自然な心の働きでもあります。

誰かに相談したり何かあった時に駆け込める家族や友人がいれば、被害の影響を少なくすることができます。しかしSOSを出せない状況にいる方の多くは、ご家族との関係が疎遠だったり身近に相談できる知人がいなかったり、あるいは加害者によって周囲の人との関係を遮断されていたりします。「どこへ行くのも夫と一緒」という方もおられますし、行動を全部報告させられ、監視状態に置かれている方もおられます。

マイク:
私たちの施設は、心に何らかの傷を負った方たちにとって、安全基地のような場であるべきだと思っています。傷つき、一時的に自分を見失っている方に対して、どんな選択をしていけば、自分らしく生きていけるのか、一緒に考え試行錯誤しながら、行動に移していくお手伝いができればと思っています。

──自分の力を取り戻して行く場所なんですね。

マイク:
そうですね。被害者の中には、生きるために水を飲んだりものを食べたりする、それさえ揺らいでいる人たちも少なくありません。
私たちは「ごはん会」といって、皆で一緒に食事するイベントを大切にしていますが、長い暴力によって、料理の味を感じられなくなっている人も、みんなでご飯を食べたくないという人もいます。
でも、少しずつでも良いので、縁のない新たな地域で暮らすことを余儀なくされた人たちが、孤立するのではなく温かさやつながりを感じながら、感覚を取り戻してくれたらと思っています。

(クリスマスを意識しての「ごはん会」のランチメニュー。「ピザトーストと豆腐のシチュー。食べることは日々のこと。心が満たされる感覚を積み重ねてもらえたらと考えています」(松本さん))

まだまだ理解されていない回復の現実。
今後の課題とは

(クリスマス会での風景。チョコを入れたミニパイを作るために、生地を型抜き中)

──DV被害者の回復支援団体や機関は日本にどのぐらいあるのですか?

松本:
医療機関や障害福祉サービス、被害者支援の団体が受け皿となっていますが、DV・虐待などの被害者に特化して、日常的な回復のための通所施設を開設しているところは、ほとんどありません。

DV防止法(配偶者暴力防止法)ができておよそ20年、一時保護については国の制度や施設も充実してきましたが、退所後の支援に関しては公的なサービスは無く、大きな課題が残っています。

マイク:
生活回復支援事業を立ち上げる前に、アルコール依存症や薬物依存症の回復施設を見学して、参考にしました。依存症の背景に被害体験があることも指摘されていますが、回復のプロセスには共通するものがあると考えています。

医療機関のほとんどは薬による対処療法がメインで、根本的な回復支援には至っていないと感じます。社会資源として、DV・虐待被害者の回復の受け皿がもう少し整ってくれたらという思いがあります。

何かをきっかけにトラウマが蘇ることがあります。恐怖や不安感が長いこと消えない人もいます。行政の窓口などに相談に行って、「いつまで昔の話をしているのか」「いつになったら元気になるのか」と言われてしまった人の話をよく聞きます。
暴力被害の後遺症について、また回復の困難さについて、知ってほしいと思っています。

松本:
東京都目黒区で5歳の女の子が、千葉県野田市で10歳の女の子が、虐待の末に亡くなる事件が続きました。どちらの事件も、虐待に加担した母親はDV被害者であり、DVによって母親自体が強いマインドコントロール下にあったのではないかと推測されています。

虐待とDVは、しばしば並行して起きています。2つの事件では、早期にDV被害者としての母親への支援があり、母子ともに保護されていたなら、もっと違った結果になったかもしれません。それが可能な仕組みづくりが必要だと思います。「あの事件は他人事ではない、もしかしたら自分もそうなっていたかもしれない」と言う当事者の声を聞きました。

──なるほど。DVに関して、他に課題に感じていらっしゃることはありますか?

マイク:
課題として感じていることのもう一つは、DVの多様化です。「夫(男性)から妻(女性)への暴力」という認識・定義でのニーズへの対応は進んでいますが、今、ここは複雑化しています。

LGBT、特にトランスジェンダーの被害者の方に関しては、現状として一時保護を受け入れられる施設がほとんどありません。また性に関することだけでなく、外国籍の方などのニーズにも応えていく必要があります。いくの学園のシェルターは、性別や国籍を限定せず受け入れています。ここも私たちの特徴だと感じています。

(「ごはん会」にて、調理の一コマ。「一緒に作るということと、自分からしたいと思う気持ちを大事にしています。人前でごはんを作ることが評価されるような気持ちになり、苦手に感じる当事者の方もおられます。少しずつ安心できる関係の中で、やりたいと思う気持ちを安心して行動に移してもらえたらと思っています」(マイクさん))

あなたとパートナーの関係は
「泣いて、笑って、レッツゴー」であるか

(テーブルを囲んで、皆でごはんを食べる。「たわいもないおしゃべりをしながら、食事をする。暴力の環境の中であり得ないことです。安心感があるからこそできること。みなさん、ほんとによくしゃべる!よく笑う!『ここに来ている時だけ元気』という人もいますが、元気なエネルギーが少しずつ貯金されていくのだと思います」(松本さん))

──DVは外から見えづらく、自覚するのが難しかったり気づきにくかったりする部分もあるのではないかと思いました。何か指標にできることはありますか。

マイク:
いくの学園には「泣いて、笑って、レッツゴー」という合言葉があります。思い切り泣くことができたら、あとは笑うしかない。そして、人から言われなくても、自分で自由に出発できる。そんなイメージです。でも、暴力関係の中では「泣いて、笑って、レッツゴー」は許されません。自分の意志や感情を尊ばれる関係性ではないからです。

だからこそ、シェルターや回復支援の場にたどり着いた人には、思い切り泣いて、笑ってもらえる安全な場でありたいと思っています。つまり、その人と対等な関係であり、気持ちをそのまま受けとめ、その人なりのレッツゴーを応援する存在でありたいと考えているのです。

例えばパートナー関係では、あなたが笑ったり泣いたりする時に、相手が側で同じように喜んだり悲しんだりしてくれるか。あなたがやりたいことを、一緒になって「よし、レッツゴー」と応援してくれるか。あなた自身がパートナーといる時に、自由な気持ちになれているか。もしそれができていないと感じたら、どこか安心して相談できる場所に連絡して、つながってほしいと思います。

あるいは、自分自身が相手にとって「泣いて、笑って、レッツゴー」を実現できているか、相手の気持ちや意思を尊重できているか、一度立ち止まって考えてみて欲しいと思います。
パートナー関係に限らず、どんな人間関係でも、対等で安心できる関係には、その要素が含まれていると思っています。

松本:
そうですね。「泣いて、笑って、レッツゴー」が当たり前に実践できる関係、また、そういう場があることで、その人自身の幸福度も高まると思います。
何か「おかしいな」と思うことがあれば、まず相談してほしいです。

──「泣いて、笑って、レッツゴー」…!すごくわかりやすいですね。

チャリティーは、「ごはん会」のための資金となります!

(「ごはん会」にて、みんなで春巻き包み)

──最後に、チャリティーの使途を教えてください。

松本:
チャリティーは、生活回復支援事業所の大切なプログラムの一つである「ごはん会」のための備品購入の資金として使わせていただきたいと考えています。

「ごはん会」は、月7回の頻度で開催しています。「一人で食べてもおいしくない」「いつもインスタントで済ませている」といった声を聞いて始めたものですが、ここには栄養面でのサポートだけでなく、回復に向けてのヒントがあると考えています。

──どのようなヒントでしょうか?

マイク:
中には一人の方が気楽だと思う方もいるし、食べることが苦手な方もいれば、料理は不得意で食べるだけが良いという方もいる。それで良いんだと思います。ただ一緒に集まって時間を共有し、コミュニケーションをとったり同じご飯を食べたりすることで、少しずつ「ここにいてもいいんだ」「生きていてもいいんだ」と感じてもらえると信じています。

松本:
生活回復支援事業所には台所の設備がないので、カセットコンロやホットプレートを使って皆でわいわい一緒に調理して、ともに食卓を囲んでいます。調理器具など、ごはん会の備品を増やすことができたらと考えていて、今回のチャリティーはそのために使わせていただければと思います。

──貴重なお話、ありがとうございました!

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜山本の編集後記〜

「DV・虐待の被害」と聞くと、現在進行形で暴力を受けているようなイメージを思い浮かべます。つまり「離れたら問題解決」だとどこか安易に捉えているところがありました。なので今回、加害者から完全に離れるまで、そしてまた離れた後にも大きな苦しみがあるということを知り、とても驚きました。
日本にはDV・虐待の被害者の後遺症に特化した支援がまだまだ少ないということですが、より深い理解が広まれば、当事者の方たちが今よりも生きやすい社会になるのではないかと感じました。

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一本のリボンを様々な鳥が掴んでいます。
リボンには、シェルターでの経験から生まれた、いくの学園の合言葉「泣いて、笑って、レッツゴー」を元に、そういう場所を作りたいという思いを込めて“Making it safe to laugh and cry”と描きました。
何らかの傷を抱えた人たちが、共に皆で手を取り合って前に向かって進んでいく姿を表現しています。

Design by DLOP

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