ひとり親や貧困など、家庭が何か困難を抱えると、そのしわ寄せが一番にやってくるのは子どもたちです。
「地域で子どもを支えたい」と2007年より大阪市西淀川区で活動するNPO法人「西淀川子どもセンター」が、今週JAMMINが1週間コラボする団体です。
代表の西川奈央人(にしかわ・なおと)さん(39)は、2代目。団体立ち上げ時から代表だった母の日奈子(ひなこ、通称「ひなやん」)さん(64)から、2年前に代表を引き継ぎました。
「子どもをめぐる悲しい事件が後を絶ちません。ここ西淀川でも、過去に虐待を受けて子どもが亡くなる事件がありました。事件が起きてからではなく、もっと手前の段階で気軽に子どもが駆けこめたり、周囲の大人がSOSに気づいてあげられる場があれば、子どもたちは少しは楽になるのではないでしょうか」。
そう話す西川さん。今回は西淀川子どもセンターが週に1度開催している「いっしょにごはん!食べナイト?」にお邪魔して、お話を聞いてきました。
(西淀川子どもセンター代表の西川奈央人さん。西淀川子どもセンターが運営するコミュニティスペース「ねおほ」の前で)
NPO法人西淀川子どもセンター
子どもが自分自身を大切な存在と感じ、安心して納得した人生を送ることができるよう、地域に根ざした子ども支援を行うNPO法人。
INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
(JR御幣島駅から徒歩5分ほど。大阪・北新地から3駅という立地ながら、古き良き街並みが残る住宅街の中に「ねおほ」はありました)
西淀川子どもセンターの分室「ねおほ」にお邪魔したのは、7月最終の土曜日。ここで毎週土曜に「いっしょにごはん!食べナイト?」が開催されています。「いっしょにごはん!食べナイト?」開催のきっかけを尋ねてみました。
西川:
団体を発足して12年目になりますが、最初はその拠点もなく、子どもが集まる公園にパラソルを立てて、子どもたちに声をかけたり一緒に遊んだりすることから始めました。スタートして2年目に市営団地の空き住宅を事務所として使えるようになり、「ぽぴんず文庫」という本の貸し出しや紙芝居をしながら、子どもたちが自由に来て遊んで良いよという活動を始めたのですが、その時に、文庫を閉める時間になっても家に帰りたがらない子どもや、「この後、ゲームセンター行こうや」と誘い合わせてやはり家に帰らない子どもたちを目の当たりにしたんです。
「夕方以降、この子たちは一体どう過ごしてるんやろう?」と気がかりでした。
「家に帰っても誰もおらん」「朝から何も食べてない」という子どもたちがいて、昼間ここに来てくれたら一緒にたこ焼きを焼いたりおやつを食べたりしていたのですが、やっぱりどうしても夜の過ごし方が気になる。彼らと夜の時間を一緒に過ごしてみようと、夜間支援である「いっしょにごはん!食べナイト?」の開催へとつながりました。
(「ねおほ」でインタビューに応えてくださった西川さん。ここは元カメラ屋さんだった古民家をみんなで改修した場所なのだそう。昔ながらのショーウインドーがあり、雰囲気のある空間です。入ってすぐの土間の奥に座敷と台所、トイレ・風呂、さらに現在は物置として使っている2階があります)
(取材にお邪魔した日は、ちょうど月に1度のボランティア会議が行われていました。ボランティアは近隣だけでなく、遠方からの参加もあるのだそう。「それぞれの持ち味を生かして協力し合っています」(西川さん))
この日は夕方5時を過ぎたあたりから、少しずつ子どもが集まってきました。今日の参加者は9名、若いボランティアさんやスタッフさんが8名。
皆が集まるまでの間、子どもたちは玩具で遊んだりボランティアさんとおしゃべりしたり…、思い思いに時間を過ごします。
(奥の座敷から、土間を覗き込む子ども。入ってすぐの土間は、熟年層のスタッフたちのスペース)
みんなが集合したところで、「いっしょにごはん!食べナイト?」がスタート!
西川さんが今日の献立を紹介します。
ホワイトボードには「○ーマカレー」「ア○カ○サラダ」の文字が。
「何でしょうか?」と西川さんが問いかけると、「わからーん!」「アルパカサラダ?!」といろんな野次が(笑)。
(「今日の夜ごはんは何でしょうか〜?!」)
「多分やけど…、キーマカレーとアボカドサラダ?」と一人の子がクールに発言、「そうです!あたりです!今日はこれを作りますよ!」と早速ごはんの支度をスタート!
(ホワイトボードには、スケジュールと、今日参加する子どもたち&スタッフの方たち一人ひとりの写真が。「ここにいてもいんやで」という雰囲気を大事にしている、と西川さん)
驚いたのは、なんと買い出しから子どもたちと一緒に行っていること。
スタッフの水谷ひかりさん(25)が「スーパーに一緒に買いに行く人、手を挙げてー!」と尋ねても今回は手があがらず、水谷さんの指名制に(笑)。「○○ちゃん、一緒に行こう!」と何人かの子どもを指名し、買い出し班はスーパーへ。
買い出しから子どもたちとしているなんてびっくり。西川さんに理由を聞いてみました。
西川:
私たちにとっては当たり前かもしれませんが、子どもたちの中には「いっしょに食材の買い出しをする」という経験もほとんどない子もいます。それができたら良いな、という思いがあって、あえて買い出しから一緒にするようにしています。
(ずらりと並んだみんなの靴。子どもたちが出入りして乱れるたびに、熟年スタッフの「パンチョ」さんが、綺麗に並べ直してくれていました)
買い出し班が「ねおほ」を出た後、当然ですがここまででは何も料理はできていません。
しかし、んっ…?!ほのかに、かすかに、スープのような良い香り…これは一体…?!良いにおいの元をたどると、土間スペースで熟年スタッフさんたちがなんと料理をしているではありませんか。
(「土間部」の様子。おいしそうな香りが漂います)
西川:
ここは「土間(どま)部」という、熟年層や来客のスペースです。これ、すごい面白くて、そして私たちの団体の特徴でもあるんですけど、土間部は土間部で別メニューでごはんを作って食べながら、子どもと若者スタッフが過ごす様子を見守ってくれています。
うちの強みは「多世代が集まる」こと。子どもを中心に、彼らと年の近い20〜30代の若者ボランティアスタッフがいて、さらにその周りを土間部の熟年世代がサポートしています。さらにその周辺に「よっしゃ、やろか!」と地域で支えてくださる方たちや賛助会員さん、食料を支援してくださる方や、活動をサポートしてくださる企業さんなどがいるというイメージです。
(土間部にて。熟年スタッフと一緒に折り紙をして遊ぶ子ども。折り紙名人の「くま」さんが、手順を丁寧に子どもに教えます。この日は「はらぺこあおむし」を作っていました。お隣では「ミキ」さんが調理)
ひなやん(団体元代表、西川さんのお母さん):
一つだけのスペースだと、その場に馴染めない気持ちの子どもがいた時に、行く場を失ってしまいます。活動は若い人たちに任せていますが、隣にもう一つ私たちのような場所があることは、子どもにとっては大切だと思っています。
その場にうまく馴染めない状態のとき、こっちに来て一緒に遊んだり話したりして少し気分転換しながら、ゆっくり過ごしてくれたらと思っています。
そうこうしている間に、大きな袋を抱えた買い出し班が帰ってきました!
早速ごはんの支度にとりかかります。
(ごはんの支度にとりかかる若者スタッフの皆さん。人口密度がすごい!)
5畳ほどのキッチンに、これだけの人数!
この日は調理するのは実に17人分のごはん!キッチンの人口密度がすごいことに(笑)。
西川さん曰く、いつも料理を仕切っているスタッフの方が、この日ちょうどフジロック参戦のためお休みとのこと。それを子どもたちに告げた際には、子どもたちからも「えー!」「今日のごはんどうするん?!」という声が上がっていました(笑)。子どもたちはいつでも素直です(笑)
(「私、手伝う!」「上手に切れるかな?」。玉ねぎはみじんぎり、アボカドもくり抜いて…)
この日のメニューのキーマカレー、若者スタッフたち、手順をネットで調べたり土間部の料理が得意な熟年スタッフの方に「これってどうすれば?」「これで合ってますかね?」と確認しつつ、悪戦苦闘しながら一生懸命調理!
(土間部からキッチンに応援に来た、料理が得意なミキさん。「え〜、なんでこうなってるん?!」などと関西ならではのツッコミが入りつつ、わいわいガヤガヤ、笑顔の絶えないキッチンでした)
…ああ、このワイワイが楽しいんだ、食べることだけじゃなくて、ああでもないこうでもないとか、じゃあこうしようとか、それあかんやん!とか、このワイワイの中にいろんな楽しさが凝縮しているんだよな、そんなことを感じました。
(「たまねぎで目が痛いよ〜」「大丈夫?」)
(みじん切りカッターも登場!)
(調理の間、隣の部屋では子どもたちが遊んだり勉強したり。さらに奥の部屋が土間部です。子どもたちはどこでも、好きな場所で好きなように時間を過ごします)
スタッフさんと子どもたちのがんばりで、次第に良い香りがしてきました。ごはんができるまでの間、料理をする子どももいれば、土間部で熟年スタッフと折り紙をする子ども、お兄さんと勉強したりおしゃべりしたり、玩具で遊ぶ子どもも。
(お兄さんと勉強中の子ども。どこまで勉強したか、どこまで理解できているかわかるように、勉強については基本的に同じスタッフがついて教えるのだそう)
(レゴで遊ぶ子ども)
この風景、どこかで見たことがあるな…?と思いました。
そういえば子どもの頃、正月やお盆に親戚が集まった時、まさにこんな雰囲気でした。料理するお母さんたち、ゲームする子どもたち、小さな子どもたちは絵を描いて、赤ちゃんをあやすおじいちゃん…。みんなで同じことをしているわけではないのだけれど、「家」「家族」という同じ一つの空間で、守られているような安心感を感じながら、それぞれの時間を過ごしていたなあと思うのです。子ども時代の、良い、懐かしい記憶です。
(前代表のひなやん(左)は、「若い人に任せて、私たちは土間部でそっと見守れたら」とおっしゃいつつ、常に子どもたちの様子に気を配り、寂しそうにしている子はいないか、一人の子はいないか、土間部とキッチンの間を行ったり来たりしながら、子どもたち一人ひとりに声をかけている姿が印象的でした)
(お皿を並べて、サラダを盛る西川さん。「手伝ってぇや〜」と声を掛け合い、子どもたちも配膳を手伝います)
どうやら、ごはんが完成したようです!
遊んだり勉強したりしていた子どもたちも、配膳を手伝います。
じゃ、ジャーン!
(本日のメニュー、キーマカレーとアボカドサラダ。キーマカレーは堂々のゆで卵一個のせ!とっても美味しそう)
「いただきます」と「ごちそうさま」の時は、西淀川子どもセンターオリジナル「ねおほの歌」を歌います。
(以前、「いっしょにごはん!食べナイト?」に通っていた卒業生・のぶえさんが作詞し、西川さんが作曲した「ねおほの歌」。毎回食事の前と後にはこの歌を歌います。過去に「みんなでごはん!食べナイト?」に参加した子どもの中には、「みんなでごちそうさまが言いたいねん」と話してくれた子どももいたそう)
(ギター伴奏は西川さん。美味しそうなごはんを前に、みんなで合唱)
…さっきまでとっても騒がしかった室内が、一気にシーン(笑)
子どもたち、黙々と食べています。
(たくさんの人と囲む食卓は、また特別!)
しばらくしたら、少しお腹も落ち着いたのか、またワイワイガヤガヤと賑やかになりました(笑)
(ゆで卵一個のせ、最初にゆで卵を食べ切る子どももいれば、最後まで大切そうにとっておく子どもも。それぞれみんな食べ方にも個性があって、かわいいなあ〜と思いました)
「もうお腹いっぱーい」と言っている子もいれば、おかわりする子どもも。ボランティアのお兄さんたちもおかわりしています!炊いた10合のお米はあっという間になくなってしまい、土間部からお米をもらっていました(笑)
(「こないださあ〜」、食卓を囲みながら、話も弾みます)
この日はこの後、みんなで支援者さんからいただいたスイカでスイカ割をしたそうですよ!
「土間部」の方たちのやさしい眼差し、若いスタッフさんたちが子どもと同じ目線で一緒に遊ぶ姿、家のようにくつろぎ、リラックスして遊ぶ子どもたち…私が感じたのは、子どもを支援するとか支援されるということでなく、大きな一つの「家族」のような空間でした。
(ちょうどこの頃、土間部でも夕食が完成。熟年スタッフさんも食卓を囲んでいました。しっぽりとした時間が流れています)
(「ねおほ」の中は、ごくごく普通の家庭にあるような、幸せな風景で溢れていました)
さて、ここからは西川さんに、地域に根付いた西淀川子どもセンターの活動について話を聞きました。
──ご活動を始められたきっかけを教えてください。
西川:
前代表である母は、子どもの虐待防止の活動を地域で行っていました。日本でCAP(Child Assault Prevention、子どもへの暴力防止プログラム)が紹介された際にその一期生としてプログラムを学び、その現場で子どもの声を聞き続けてきました。
地域では、保護観察処分を受けた青年たちをフォローする保護司の活動もずっと行っていました。
たくさんの子どもや青年たちと出会う中で、「事件が起きてからではなく、その前の子ども時代に、地域で気軽に関わって悩みや相談を聞いてあげられなかったのか」という思いを抱くようになり、それがこの団体の立ち上げへとつながりました。そして10年間代表を務めた母から、2018年4月に私がその後を引き継ぎました。
ここは、どんな子どもも来ても良い場所です。が、なかには家族の関係や経済的な事情など様々な家庭の背景も見え隠れし、居場所がなかったり、不登校になったりする子どもがいます。そんな子どもたちにとっては、彼らの受け皿となっていろんなことに一緒に取り組むことで、本人の孤立や虐待の予防につなげられればと考えています。
(団体の歩みが書かれたポスターを持つ西川さん)
──活動する上で大事にしていることはありますか?
西川:
「うそをつかないようにする」ことですかね。大人の嘘で傷ついてきている子たちも多いので…。あとは「ここにいても良いんやで」という雰囲気を作るようにしています。それも子どもを支援するという立場というよりは、一緒に何か楽しいことをやろう!という感じですね。
団体のサイドバイザーであった故・川端利彦先生(児童精神科医)がよく言っていたことですが、「子どものことは子ども本人が教えてくれる」という姿勢を大事にしています。
「こうなったらええのにな」とか「こういうふうにしてあげよう」では失敗する。子どもに教えてもらうには、横の目線でいることが大事だと思っています。
(誕生日を迎える子どもにはリクエストメニューを聞き、みんなでお祝い。ある子は「ハンバーグを食べたい」と自らレシピを書き出して、皆に振舞ってくれたのだそう)
(リクエストメニューでハンバーグを焼いているところ)
(夏休みなどには、キャンプや野外活動などの余暇支援も企画しているのだそう。写真は昨年開催したキャンプにて、キャンプファイヤーで盛り上がっているところ。「キャンプはここ数年は恒例となってはいますが、毎年資金調達と場所確保に苦戦しています」(西川さん))
──子ども支援というよりも、家族や親戚に近いような距離感が魅力的だなと感じました。
西川:
そうですね。その都度出てきた問題にあわせてすぐに様々な支援をしているので…、たとえば「自宅が散らかってゴミ屋敷のようになっている」という相談があったときは掃除部隊を結成して掃除の手伝いに行ったこともありましたし、親御さんから「先生が言っていることがよく理解できないので一緒に来て欲しい」という依頼を受けて学校での面談にスタッフが同席したり、運動会を見に行って親と一緒にシートを広げてお弁当を食べて帰ってくる、なんてこともあります(笑)。
「何をやっている団体なの?」と聞かれると一言でまとめられないところはあるのですが…(笑)、近所の親戚みたいな存在になれたら、と思っています。
私自身もこの街で子育てをしていますし、やっぱり子どもたちにはこの街を好きでいてもらいたいという思いがあります。「嫌な思い出がある街」「帰りたくない場所」ではなくて、「あんな楽しいことあったなあ」とか「おもろい人居てたなあ」とか、いつかふと思い出してくれたりしたら良いなと思います。
活動が12年目に入り、以前通ってきていた子どもが社会人になったり、嬉しいことにボランティアとして活動をサポートしてくれたりしています。それがすごく面白いと思っていて。同じ時間を過ごし、共通のストーリーを知っている人がいる。これって、子どもにとってもすごく良いことじゃないかなと思いますね。
(「みんなでごはん!食べナイト?」の、地域の方によるボランティアシェフの日。毎年恒例「ヒゲメガネ」さんによる「うどん作り」は子どもたちに大好評!)
──良いですね。
西川:
ちょうど今、世間は夏休みの時期ですが、「何の予定もない」「家に帰っても誰もいないから、ドアを開けるときはいつもしんどい」と漏らす子どももいます。子どもがふっとSOSを出してくれること自体が、すごく大きな力です。「話してくれてありがとう」ということ、そして何ができるのか、親御さんと話す必要があるならばもちろん話をしますし、「逃げられるときは逃げや」、そんな話を子どもとすることもあります。直接的に解決に結びつく支援ではないかもしれません。でも「今、困ってるねん」と言える関係性があるということが、子どもにとっても少し楽になるというか、それだけで少し状況が良くなるのではないかと思います。
活動をしながら感じることですが、子どもの声に耳を傾け、親身になって一緒に考えることができる大人が近くにいれば、子どもは自分で立ち直る力を持っています。だからこそ、子どもたちのすぐ近くにある「地域」でサポートしていく必要があるのではと思っています。
(「さらば団地の木」ライブ。「いつも遊んでいる事務局前の広場の木々が工事に伴い伐採されることになって、子どもたちと企画したイベントです」(西川さん))
(若年スタッフの皆さん。学生から社会人まで、20〜30代のメンバーが集まっています)
──最後に、チャリティーの使途を教えてください。
西川:
私たちの活動は、たくさんの方たちのご支援によって成り立っています。今日開催していた「いっしょにごはん!食べナイト?」はもちろん、学習サポートやイベントも随時行っています。今回のチャリティーは、私たちの活動を続けていくために、運営資金として使わせていただきたいと思っています。是非、応援していただけたら幸いです。
──貴重なお話をありがとうございました!
(西川さん(写真左上)と土間部の皆さん。子どもを中心に、終始あたたかい雰囲気が流れていて、とても心地の良い空間でした!)
インタビューを終えて〜山本の編集後記〜
子どもと年の近い若いスタッフと子どもたちとが一緒になって物事に取り組み、そしてそれを温かく見守る土間部の熟年スタッフの方たち。これって家族のあり方そのものなんじゃないかな、ふとそんなことを感じる空間でした。
一緒にごはんを食べるだけでなく、一緒に過ごす時間、大人たちのあたたかい眼差し、一人じゃないと感じられる空間が、子どもたちが成長する上で大きな栄養になっていくのだと思います。
自転車をよく見ると、車輪がレコードになっています。レコードには”Freedom”(自由)と”Safe”(安心・安全)の文字が。
みんなでごはんを食べる、自分らしく居られる場所がある、温かく見守ってくれる大人がいる…。
特別なことではないかもしれないけれど、こういった経験が、まるで音楽のように人生を豊かにし、子どもたちが喜びと希望を持って前へと進む糧になる。そんな思いを込めました。
“Your life is now in this moment”、「あなたの人生は、今この瞬間の中に」というメッセージを添えています。
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