突然ですが、「うさぎ」にどんなイメージを持っていますか?
「かわいい」「フワフワしていて愛らしい」、真っ先にそんなイメージが湧いてくるのではないかと思います。家の中で飼えるので「飼いやすいのでは」というイメージを持っていらっしゃる方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、そんなイメージの裏で「かわいいと思っていたのに、イメージと違った」「もう飼えない」と手放される「捨てうさぎ」がいることをご存知でしょうか。また、幼稚園や小学校など学校教育の現場でうさぎが飼育されていることがよくありますが、適正でない飼育環境の下で重い病気になったり命を落としたりするうさぎがいるといいます。
今週、JAMMINがコラボするのは、うさぎの正しい飼育知識と終生飼養の啓発を行いながら、うさぎを保護し、新たな里親探しをする、一般社団法人「LIBERTY(リバティ)」。
「小さな命が、命として扱われていない現実がある」。そう話すのは、LIBERTY代表の藤田敦子(ふじた・あつこ)さん(51)。
現在13匹のうさぎを保護している大阪のご自宅にお邪魔し、お話をお伺いしました。
(お話をお伺いした藤田さん。大阪にあるLIBERTYの事務所にて)
一般社団法人LIBERTY(リバティ)
2007年、捨てられるうさぎをなくすためのイベント「第1回うさぎSUMMIT」を開催。その後毎年、うさぎを主にペットに関するパネル展や写真展、弁護士や獣医師を招いた勉強会等を開催。2010年にNPO法人「ディブル」を設立、2017年に一般社団法人「リバティ」として新たなスタートを切り、粗末に扱われる命がなくなるよう啓発活動とうさぎの保護・里親探しを行っている。
INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
(ご自宅の一部を改装し、保護したうさぎの飼育スペースに。保護された経緯や生まれた背景の異なるうさぎがそれぞれのケージでゆったりと過ごしていました)
──今日はよろしくお願いします。まずは、貴団体のご活動について教えてください。
藤田:
私たちは、専門家を招いたイベントやセミナー、パネル展などを通じてうさぎの適正飼育や終生飼養の啓発活動を行いながら、捨てうさぎや劣悪な環境下のうさぎを保護し、新たな里親さん探しを行っています。
──「捨てうさぎ」とは聞きなれない言葉ですね。
藤田:
犬や猫に比べて表にはあまり出て来ませんが、うさぎはここ10年ほどでメジャーなペットになりました。飼い主さんからの飼育に関する相談もそうですが、捨てうさぎも残念ながら出てきています。ブームに乗ってうさぎを飼ったはいいけれど、「思ったより大きくなりすぎた」「懐かない」「飼い方がわからない」といった理由で、いとも簡単に手放す人たちが、残念ながらいます。
うさぎは死んだ状態で収容されることも多く、犬猫のように殺処分や保護の問題にそもそも出てこないという特徴があります。私は犬猫の保護活動にも携わってきましたが、うさぎの保護活動はとても難しいと感じています。うさぎの生態や飼育の知識がまだまだ追いついていないし、動物病院でも、うさぎを診察してくれる病院はまだまだ少ないんです。
(スナッフルという風邪に似た症状を放置したことにより、症状が悪化したうさぎ。鼻水が止まらず鼻涙管が詰まり、涙で顔の毛が剥げてしまった)
──なぜ、診察する病院が少ないのですか?
藤田:
獣医になるための獣医学部では、家畜や犬猫の授業はありますが、うさぎの授業はほぼありません。獣医師の先生がよっぽどうさぎなどの小動物が好きで、個人的に学ぶことがないと専門的な知識も身につかないという現実があります。私たちも病院探しには過去に苦労し、現在はうさぎを専門に診てくださる病院で診察してもらっています。
(パネル展で紹介している写真の一部。飼い主の勝手な行動で無残な姿になってしまったうさぎの姿)
(学校飼育崩壊の現場。兵庫県内の小学校のうさぎ小屋ではオスとメスを分けずに飼育していたため、あっという間にうさぎの数が増えてしまった)
藤田:
うさぎを取り巻く課題として、もう一つあるのが学校飼育の崩壊です。
──学校飼育崩壊とは?
藤田:
幼稚園や小学校で、命の尊さや心の教育を目的としてうさぎなどの小動物が飼育されることがありますが、ずさんな管理と飼育により大量繁殖して飼育しきれずに死んでしまったり、骨折や病気が放置されて亡くなってしまったりといったケースが後を絶ちません。
うさぎは特に、繁殖力がとても強い生き物です。メスは生まれて3〜4ヵ月で子どもを産める状態になり、また決まった発情期がなく、いつでも妊娠することができます。さらに妊娠期間はたった1ヵ月で、年間で8回は出産が可能と言われています。種類にもよりますが、一回で6〜7匹出産するうさぎもいるのであっという間に数が増えてしまいます。
オスとメスを同じ小屋に入れておくと、短期間でものすごい数になります。過去にあったケースでは、一つの小屋で200匹ほどになった例もあります。
──ええっ、そんなに…!
(学校飼育崩壊の現場。愛知県内の小学校のうさぎ小屋では、エサや水もなく、寒さのあまりうさぎたちが固まっていた)
藤田:
オスとメスを分けて小屋に入れることはもちろん、避妊去勢手術も必要になります。屋外でほぼ放置のような状態で、いとも簡単に飼うことができるようなイメージがあるかもしれませんが、うさぎは本来寒さや暑さにも弱い生き物です。学校の先生たちにも知識がなく、適切な餌や水も与えられず、不幸なうさぎが生まれてしまう現実があります。
個人の捨てうさぎにしても、学校飼育の崩壊にしても、表にはなかなか出ませんが、正しい飼い方や飼い主さんのモラルが発展途上の段階であると感じています。まずは正しい知識を広げる段階だと思っていますが、なかなか時間がかかる作業でもあります。
(ある学校のうさぎの飼育現場では、給食の残りである野菜の餌が、土と混ざってどろどろの状態だったという)
(汚れたゲージごと捨てられていたうさぎ。発見された時、爪は伸び、体は汚れていた)
──どういった理由でうさぎは捨てられるのでしょうか。
藤田:
うさぎはいろんなものを噛む生き物なんですね。家の中で飼っていると、電気コードや壁紙、カーテンなどを噛むことがあります。あとは、温度調整も重要です。暑さに弱く、熱中症で亡くなるケースもあり、エアコンは年中必須です。
先ほども言ったように、どこの動物病院でも診てもらえるわけではなかったり、決して簡単に飼うことができる生き物ではありません。
うさぎは弱っていることを隠すので、飼い主が病気や体調の変化に気づきにくい生き物でもあります。「様子を見ていたら死んでしまった」ということも多々あり、そこが犬猫とは大きくことなる部分です。
一方で、噛むことが本能として備わっているので意思表示のひとつとして噛んでしまうことがあり、どの仔でも簡単に触れ合えるというわけではありません。
「かわいい」というイメージで飼ったのはいいけれど、実際に飼ってみるとイメージとのギャップに驚いて「こういう生き物とは思わなかった」と相談を受けることも少なくありません。
(ダンボール箱に入れて蓋をされた状態でゴミ置き場に捨てられていたうさぎ。「画像は手術をした後ですが、乳腺炎と子宮水腫を患っていました」(藤田さん))
藤田:
実際に飼いだして飼育が難しかったということは、この活動をする中でよく耳にします。捨てることはなくても3年間ゲージから出していないとか、ご飯を食べないと思ったらすぐ死んでしまったとか、やはり正しい飼育方法がきちんと伝わっていないと感じます。
その証拠に、1歳ぐらいまでに捨てられる仔がとても多いんですね。たとえば生まれて2ヵ月の仔を飼ったら、半年ぐらいであっという間に大きくなるんです。「言うことをきかないから」「懐かないから」「噛むから」と捨てられてしまうんです。
「ネザーランドドワーフ」という種類のうさぎが人気なのですが、これは小さくて大きくならない種類なんですね。そんなイメージで飼う方もいらっしゃるようです。実際にペットショップに情報収集に行くと「うさぎって大きくなるんですか?」と店員さんに聞いている方を見かけます。
(不衛生な環境で飼育されていたため、ソアホック(足裏の毛が抜け皮膚が炎症を起こし潰瘍になる状態)になっていたうさぎ。治療により改善した)
──そして、イメージと違ったからと捨てられてしまうんですね‥。
藤田:
山に30匹ものうさぎが捨てられていたり、河川敷にも数十匹のうさぎがまとめて捨てられていたこともあります。
捨てた人は「河川敷ならなんとか食べていけるだろう」と思ったのかもしれませんが、野犬やいたちに捕食されたり、収容された時点で死んでいるか、譲渡できるような状態ではない場合もあります。
──つらいですね‥。
藤田:
干支の卯(うさぎ)年には毎回うさぎブームが起こり、たくさんの方うさぎを飼って、翌年には捨てられます。前回は私のところにも50匹を超える保護依頼がありました。次の卯年までに、一人でも多くの人に理解を深めて欲しいと思っています。
(「かわいい」「飼いやすそう」…そんなイメージの裏で、苦しむうさぎたちがいる)
(ケージを一つひとつ覗きながら、それぞれのうさぎについて語る藤田さん。うさぎへの深い愛情を感じました)
──学校飼育の現場はいかがですか。
藤田:
正直、大きな壁を感じています。文部科学省の学習指導要領にも、動物の継続飼育というのが推進されていて、小学1・2年生の教科書にうさぎについて書かれていたり、手っ取り早く手に入り、飼育も簡単だろうという間違った知識の下うさぎが飼われているのではないかと。学校側の安易な選択でもあると感じているのですが‥。
学校飼育が文部科学省の分野である一方で、動物愛護の問題は環境省の分野になります。分野が違うことで生じる学校飼育と動物愛護の矛盾を無くしていくために、現在活動しているところです。
教育現場では、先生や保護者の方、ボランティアさん、皆さん板挟みのような状態だと感じることもあります。うさぎをきちんと飼育したいと思っても学校の予算がつけられなかったり、指摘した保護者の方や先生が学校側と揉めたりといったケースが各地で起きています。
(単独の譲渡会以外にもよりたくさんの人にうさぎを取り巻く問題を知ってもらいたいと、犬猫の保護活動の譲渡会会場での出展も。2018年11月に開催した「ねことうさぎの譲渡会」での1枚)
藤田:
ある県では、行政の獣医師が年に一度、学校飼育をしている学校を回り、飼育環境をチェックする取り組みを行なっています。学校飼育を続けるならば、せめてこういった取り組みを増やし、劣悪な環境を減らしていくような努力が必要だと思います。
残念ながら、私たちの活動拠点である関西ではこういった取り組みは聞いていません。捨てうさぎの問題、学校飼育崩壊の問題は、犬猫問題とはまた違った課題を抱えています。
(2019年3月、大阪駅すぐの「うめきた UMEDAIガーデン」にて開催された犬猫うさぎの啓発イベント「~知ろう繋ごう~ 役立つ・学べる 犬猫うさぎLove Charity Festa」に参加)
(幼稚園の飼育崩壊現場から保護されたうさぎの「ふわり」。お母さんに片耳を噛みちぎられてしまった)
──自宅を改装してうさぎを保護していらっしゃいますが、ここにいるうさぎについて教えてください。
藤田:
現在は、警察などの行政機関に収容されていた仔や、学校飼育崩壊の現場から保護した仔、計13匹を保護しています。一般の飼い主さんから飼えなくなったうさぎの引き受けはしていません。
──たくさんいると、お世話が大変ではないですか。
藤田:
そうですね。一匹ずつそうじや餌やり、運動などをさせると、6〜7時間はかかります。通院が必要な子もいるので、ボランティアさんの助けを借りながらお世話しています。病気などが原因で難しい仔もいますが、譲渡会で新しい里親さんが見つかるよう努力しています。
(うさぎはこんなに大きくなる!特別に膝に乗せてもらいました。「この仔で1.8kgぐらいですね。種類にもよりますが、耳の垂れたロップやミックスで3kg近い仔はいますし、大きな種類では10kgになる仔もいます。大きさや毛色などで人気に違いがありますが、皆同じ尊い命であることに変わりはありません」(藤田さん))
──何匹か紹介していただけませんか。
藤田:
ここで一番長いのは「あずき」で、3年います。寒い冬の日に、捨てられていた彼女の母親を犬の保護団体さんから「うさぎがいるんだけど」と連絡をもらって引き取り、2日後にここで生まれた仔です。ほかのきょうだいたちは里親さんが見つかりましたが、あずきはツンデレなところがあって(笑)、まだ里親さんは見つかっていません。
「かりん」は慢性的な鼻炎を抱えています。学校の飼育崩壊現場から引き取ってきた仔ですが、スナッフルという風邪のような症状で、最初にくしゃみや鼻水が出ることがあって、その段階で適切な治療を受ければ症状も治まることがほとんどなのですが、治療せずに放置されて悪化してしまいました。放置すると、最悪は死に至ることもあります。
「まめた」と「もなか」はきょうだいかもしれません。河川敷に10匹ほど捨てられていたところを保護されました。「まめた」は持病があり、他の仔と比べて体が小さめで頻繁に通院していましたが、今はとっても元気な仔です。
(乾燥させたりんごを食べる「まめた」)
(動物管理センターから引き受けた捨てうさぎ。「里親さんが決まらないまま、腎臓と腰が悪くなり昨年12月に亡くなりました。余命わずかと言われてから10か月、自力で水も飲めず完全介護でお世話は大変でしたが、寝起きを共にし頑張ってくれたと同時に、命と暮らすということは覚悟が必要だということを改めて教えてもらえました。自分だけのお家を見つけてあげられませんでしたが、多くの方に応援していただき幸せだったと思います」(藤田さん))
藤田:
犬や猫のように積極的にじゃれて来たり、簡単に抱っこをすることはできませんが、撫でたり、おやつをあげたりコミュニケーションをとることはできます。名前を呼んだら、寄ってきますしね!うさぎは聴覚が優れていて、声にとても敏感です。慣れてくると、飼い主さんの声には他の人が呼ぶよりも敏感に反応してくれるようになります。
毎日ケージを掃除する際に一匹ずつ外に出して、サークルの中で遊ばせて運動させています。暑さや寒さに弱いので、年中エアコンは欠かせません。
(うさぎの玩具。サークルで遊ぶ際に使用するのだそう)
──ケージの中に干し草がたくさんありますが、干し草を食べるんですね。
藤田:
そうですね。「チモシー」「ティモシー」と呼ばれる干し草を主食とします。
新しい里親さんの元で慣れない餌に困らないように、硬かったり柔らかかったり、いろんな種類の草をやって慣れさせていますが、小さな衣装ケース1箱分の干し草は、13匹もいると1日であっという間になくなってしまいます。エアコンの電気代とあわせて経費がかさんでしまう部分です。持病を抱えていたりする仔もいるので、医療費も必要になってきます。
(いろんな種類の干し草。冷蔵庫には生の牧草も。うさぎたちはおいしそうに食べていました!)
──ペットとして迎え入れる際も、それだけのことは覚悟して飼わないといけないということですね。譲渡はどのように行われているのですか?
藤田:
暑さや寒さに敏感な生き物なので、屋外で譲渡会は行っていません。屋内の譲渡会や、ここに直接見に来ていただいたりした後、アンケートや話し合いをしますが、その場で譲渡することはありません。必ず後日話し合いの場を設け、そこでご家族の意向や飼育環境などを再度確認させていただいています。
うさぎは10年ほど生きます。本当に最期までうさぎのお世話をしてくださるのか、安易に渡すことはしたくないと思っていて、譲渡の際の条件も多数設けております。それまで犬猫の保護・譲渡活動にも携わらせてもらってきたので、そこでの経験を参考に、うさぎでも同様に里親さんに対して飼う際の健康管理や飼育について、譲渡条件というかたちでお願いしています。
飼うとなったら、実際にうさぎを飼育する環境を確認させていただき、1〜2ヵ月のトライアル期間を経て、正式譲渡となります。
──段階を踏んで正式な譲渡となるのですね。
(保護したうさぎたちは、毎日のケアを欠かさない。「部屋で遊ばせる際は時間の許す限りサークルの中に入り、一緒に遊ぶようにしています」(藤田さん))
(1年ほど前に里親さんに譲渡した「こゆき」。「こゆきちゃんは河原に居るところを散歩中の方に運よく見つけてもらい、警察に収容されていました。今は新しい里親さんの元、快適なお部屋で安心して暮らしています」(藤田さん))
──うさぎの保護や譲渡にあたっては、犬猫と比較していかがですか?
藤田:
保護犬猫の問題と比較して、保護うさぎの問題はまだまだ市民権を得ておらず、そこが大きな課題だと思っています。最近は保護された犬猫を迎え入れる里親さんも増えていますが、うさぎはここの部分もまだまだと感じています。
犬猫の場合はたとえば法律上もどういう風にしましょうとか、捨てられた場合にもこういう流れでとルールがありますが、うさぎはまだこういった部分も確立していません。
犬猫の保護活動に関心がある方たちにもうさぎの問題はあまり知られていませんし、うさぎ好きな方たちにとっても、イベントにはたくさん人が集まってくださるのですが、やはり保護うさぎを迎え入れるとなると少しハードルが高い部分があるようです。
この度改正動物愛護法が成立し、これまでより罰則が厳しくなりますが、柱となる改正は主に犬猫だけにとどまり、うさぎの小さな命が守られていないままです。まずは犬猫のことが進まないとうさぎのことも進んでいきませんが、犬猫の法整備もまだまだの中、目の前でいとも簡単に売買される、そして捨てられる命に向き合っていかなければ、不幸なうさぎは増える一方だと感じています。一般の方にはもちろん、うさぎを飼っている方、これから飼おうとしている方にも、引き続き正しい飼育とうさぎの問題を知ってもらえるよう啓発活動をしていきたいと思っています。
(LIBERTYでは弁護士や獣医師など専門家を招き、動物愛護管理法についてやうさぎの病気についての専門的なセミナーも開催している)
──決して楽ではないご活動だと思うのですが、藤田さんのご活動へのモチベーションを教えてください。
藤田:
動物を守るための法律こそ存在しますが、小さな命が守られていない現実に対して、「何かおかしくない?」という気持ちがあります。その中でもうさぎに関しては、本当にまだまだこの問題が一般に広く知られていなくて、私自身最初は「えっ?うさぎ?」という思いがありました。啓発活動を通じ、まずはたくさんの人にこの問題を知っていただくこと、また飼い主さんにも正しい飼育方法を知っていただくことで、底上げを図っていきたいと思っています。
うさぎに限らずですが「自分には何もできない」と思うのではなく、自分にできる範囲で一人ひとりがアクションを起こしていけば、やがてすごく大きな力につながります。何か一つでも、できることをやってくださったらうれしいです。それが直接保護活動に結びつかなくても、誰かに捨てうさぎのことを伝えていただくことも一つのアクションです。ぜひ一歩踏み出していただけたら幸いです。
(うさぎ好きの人はもちろん、そうでない人も気軽に集まり、うさぎを取り巻く課題について知ってもらえる場を作りたいとLIBERTYがオープンした店舗型事務局「SPEAR(スピア)」。ここでは飼い主同士がつながれたり、うさぎに関する資料や本を無料で閲覧できるほか、ワークショップやセミナーも開催されている。壁には、藤田さんのうさぎのコレクションがずらり。購入できるアイテムも)
──最後に、チャリティーの使途を教えてください。
藤田:
保護うさぎが新たな里親さんの元で幸せを見つけるまで、私たちのところで飼育するための資金として使わせていただきたいと思っています。
先ほどもお伝えした通り、光熱費や食費、通院代、去勢避妊手術費などが必要で、赤字で運営している状況です。今回のチャリティーは、保護うさぎが引き続き安心して快適に過ごせるよう日々の飼育に必要な資金とさせていただければと思います。ぜひチャリティーにご協力いただけたらうれしいです。
──貴重なお話、ありがとうございました!
(「SPEAR」にて、取材後に記念撮影!藤田さん、ありがとうございました!)
インタビューを終えて〜山本の編集後記〜
ペットショップでも見かけるし、通っていた幼稚園にもうさぎがいました。でも藤田さんに今回いろんなお話をお伺いするまで、人間の身勝手な行動や知識のなさから不幸なうさぎがたくさんいるということを知りませんでした。
「かわいらしい」とか「飼いやすそう」というイメージの裏で翻弄される小さな命。うさぎに限らず、ペットを飼う際はその動物のことをよく知ること。知った上で、覚悟と責任と愛情を持って最後まで飼うということを徹底することの大切さを改めて感じる取材でした。
力強く大地を駆けるうさぎの姿を描きました。
うさぎが幸せに生きる命を全うしてほしいという願いが込められています。
“What can we do for innocent lives”、「小さな命のために、私たちは何ができるだろう」というメッセージを添えています。
Design by DLOP