CHARITY FOR

動物を愛し、共に生きる。理想の保護施設「サンクチュアリ」の完成を目指して〜NPO法人アニマルレフュージ関西

今週、JAMMINがコラボするのは、Animal Refuge Kansai(アニマルレフュージ関西、以下ARK)。
様々な事情を抱え、行き場を失ってしまった動物を保護し、新しい里親に引き渡す活動を、1995年より続けているNPO法人です。

保護活動を続ける一方で、ARKが目指す動物保護施設のあり方が、現在建設中の新施設「篠山ARK」。

兵庫・篠山の大自然に囲まれた「篠山ARK」は、JAMMINオフィスのある京田辺からは車で約2時間、京都市内からは約1時間の道のりです。
今回、篠山ARKにお伺いし、7,000坪にも及ぶ広大な敷地を、ARKの創設者であり、理事長のエリザベス・オリバーさんに案内していただきました!

英語教師として来日したというオリバーさん。通勤途中の山道に捨てられていた犬猫を自宅で保護することから始まったという活動。
27年にも及ぶご活動について、そして活動への想いについて、インタビューさせていただきました。

(お話をお伺いしたARK理事長のオリバーさん。)

今週のチャリティー

NPO法人Animal Refuge Kansai アニマルレフュージ関西(ARK(アーク))

動物を愛し、共に生き、積極的に救いの手を差し伸べようとしている人のネットワークをつくることを目的に、1990年に設立。様々な事情を抱え行き場を失った動物を保護し、心身のケア、社会化トレーニングをした後、里親を探す活動を行っている。
また、動物の権利を主張し、動物の問題を国内的にも国際的にも改善し、真に効力のある動物保護法制定のためにも活動している。

INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO

27年前、たった一人で始めた保護活動

──今日はよろしくお願いします。
オリバーさんは元々、日本語教師として来日したとお伺いしました。動物の保護を始められたきっかけを教えてください。

オリバー:
初来日したのは52年前、25歳の時です。
当時、大学で働いていましたが、その通勤途中の山道に、犬や猫が捨てられているんです。そんな子たちを引き取り、最初は自宅で保護していました。多い時では、30頭ほどを保護していたかな。
毎月の給料は、全部犬猫の飼育代や病院代に消えていきましたね(笑)。

──30…!ものすごい数ですね。

(篠山ARKにて、ゴロリと横になってリラックス中の犬。)

オリバー:
私が生まれ育った故郷のイギリスと日本とでは、ペットを取り巻く事情が異なります。

イギリスでは、たとえ事情があってペットを飼えなくなったとしても、それを引き取る施設がたくさんあるし、ペットを飼う場合、半数以上の人は保護施設から新しい家族を迎え入れます。また、飼い主が年老いて老人ホームに入ることになっても、多くの老人ホームはペットとの入居ができます。ペットや動物と過ごすことが、人間の健康に良いということが認識されているんですね。

日本では、多くの人はペットショップで買うでしょう?事情があって飼えなくなった場合も、どこかへ捨てるか、保健所に引き取ってもらうかしか選択肢がない。年老いて老人ホームや病院に入ることになったら、長年連れ添ってきたペットを一緒に連れていくことができない。
そうやってたくさんの命が失われてしまうことに、ずっと心を痛めています。

(犬一頭一頭の様子をのぞくオリバーさん。)

──保護活動を始めた当時、周囲の人たちの反応はどうでしたか?

オリバー:
ありがたいことに、たくさんのボランティアさんが手伝ってくれました。ARKでは今でも、20年以上の付き合いのあるボランティアさんがいます。
個人での活動に限界を感じ、1990年にはARKを立ち上げました。

活動から27年、これまでに4,655頭の犬と2,468頭の猫(※2017年8月末までの数)その他の動物を保護し、新しい里親さんに引き渡してきました。

(篠山ARKにて、東日本大震災の津波により飼い主と別々の生活を余儀なくされてしまったKuriちゃん。篠山ARKで生活するKuriちゃんは篠山市より長寿犬として表彰されることになった。犬舎の部屋は全室完全床暖房完備で、犬たちは冬も暖かく過ごすことができる。)

持続可能な保護施設を運営していくためには「バランス」が重要

オリバー:
1995年に起きた阪神淡路大震災は、私たちの活動の一つの転機となりました。
震災によって飼い主と一緒に住むことができなくなった動物たちを、急遽保護することになったんですね。

当時、関西でこういった動物を受け入れていた団体はARKを含めて3つ。
保護する動物の数も、スタッフの数も、ボランティアの数も3倍に膨れ上がり、活動が加速しました。

──大変だったのではないですか。

オリバー:
一時的な引き取りもあったので、どんどん増え続けて大変、ということはありませんでした。
活動の拠点である大阪ARK(大阪府豊能郡能勢町)には、いろんな動物がいましたね。犬や猫はもちろん、うさぎや鳥まで…。保護した動物の中には、その後も家に帰ることが叶わず、ARKで命を全うした子もいます。

(ARKに引き取られる犬の背景は、飼い主が亡くなってしまったり、入院や離婚などの事情で飼えなくなってしまったりと様々。親族や知人が連れてくることもあれば、地域のケースワーカーさんからの紹介を受けて飼い主が連れてくることもあるのだという。)

──動物、スタッフ、ボランティアさんの数もそれまでの3倍になったということですが、集まる寄付も増えたのではないかと思います。
しかし、やはり時間が経つと、寄付やボランティアさんの数は減ってしまったと思うのですが、その辺はどう乗り切られたのですか?

オリバー:
活動を続ける中で大切なのは「バランス」です。
居場所を失った動物を見て「かわいそう」、「なんとかしなくちゃ」と思っても、その時の感情だけで動いては、後々に活動を持続していくことが困難になってしまう。

保護した動物たちを、責任を持って面倒を見るためにも、お金のこと、保護する動物たちのスペースのこと、動物を世話してくれるスタッフのこと、ボランティアさんのこと…、常に全体を見て、ロジカルに判断し、バランスをとりながら活動を続けてきました。

(スタッフさんとボランティアさんに連れられて散歩中の犬。嬉しそう!)

理想を求める中で辿りついた兵庫・篠山の地

(篠山ARKの犬舎。7,000坪ある敷地内はもちろん、周辺にも広大な自然が広がる。)

──今日お邪魔している、ここ篠山ARKについて教えてください。

オリバー:
ARKには、現在3つの支部があります。メインの事務所である大阪ARKでは、現在320頭の動物を保護しています。
東京ARKは事務所のみで、「ホストファミリー」と呼ばれる30の家族の方たちが、保護した動物を預かり、世話をしてくれています。

そして、ここ篠山ARKは新しい施設で、現在45頭の犬がいます。

(ARKは日本で唯一、イギリス最大の犬の保護団体「Dogs Trust」の認定を受け、資金面や保護犬に関するトレーニングの面で支援を受けている。「イギリスは保護犬へのチャリティーもすごく多いため、行政に頼らずにチャリティーで運営されている団体も少なくない」とオリバーさん。)

──篠山にたどり着いたのは、なぜですか?

オリバー:
活動をはじめた当初より、大阪ARKのある能勢で動物たちを保護してきました。
そこが手狭になってきたことと、保護した動物たちをもっと広々とした場所で世話したいという思いから、10年以上前から良い場所はないかとあちこち探し回っていたんです。

すぐ近くが住宅だと、動物の鳴き声などへの苦情の心配がありますが、この場所は住宅からは少し離れていて、その心配もありません。美しい谷で気持ち良く、すぐに気に入りました。地域の人たちとも話し合いを重ね、購入へと至りました。

ゆったりとした場所で、動物たちもリラックスして過ごすことができます。

(犬舎の中の様子。犬一頭一頭に与えられる部屋は広く、ゆったりした造りだ。)

(こちらが、部屋の中。2部屋あり、真ん中にドアが。冬はこの真ん中のドアを締め切って、内側の部屋で暖かく過ごせるようにするのだという。)

(それぞれの部屋の入り口には、その部屋(ユニット)購入のための寄付者の名前が刻まれている。自分の愛犬や、亡くなった愛犬の名前を寄付者名とする人も。)

──篠山ARKには「Sanctuary(サンクチュアリ・安全な場所)」という名前を付けられていますね。どのような意図があったのでしょうか。

オリバー:
その名の通り、ARKで過ごす動物たちが、年老いてからも、安心し、ゆったりと落ち着いて過ごせる場所にしたいという思いがあります。その実現に向けて、この篠山ARKを完成させたいと思っています。

(こちらは施設内にあるドッグランの入り口。ここにも寄付者の名前が刻まれている。)

(ドッグランを見渡すオリバーさん。いろいろな場所を案内しながら「ここは、こういう風にしたい」「ここには、こういうものを建てたい」とプランを語ってくれた。)

「篠山ARK」完成はオリバーさんの「一生をかけたプロジェクト」

──確かに、大自然に囲まれ、静かでとても気持ちのいい場所ですね!

オリバー:
30年間誰も管理していなかった土地で、2008年の購入当時は荒れ放題。たくさんのゴミが捨ててある場所でした。
スタッフ皆で2年がかりででゴミを片付け、雑草を刈り、芝を植えるところまでした後、排水や電気、下水などの設備を整えました。

2014年には、1棟目となる犬舎が完成しましたが、全体の完成までにはまだまだ長い道のりです。現在は犬舎があるのみですが、今後は猫舎を建設して猫たちも保護するのはもちろん、ゆくゆくは能勢の事務所もここに移設したいと思っています。

(猫舎やその他の施設の建設予定地。)

晴れの日は、犬たちは外で遊ぶことができますが、雨の日はそうはいかない。雨の日にトレーニングするためのトレーニング施設や、セミナーを開いたりできる施設、獣医さんが常駐できる施設も作りたいですね。

この篠山ARKの完成は、私の一生をかけたプロジェクトなんです。

(篠山ARKに一歩入ると、そこは時の流れを忘れてしまうかのような静かな空間。)

保護活動だけでなく、今後は教育にも力を入れる

オリバー:
動物の殺処分の数は統計上減ってはきています。でも、なくなったわけではありません。また、私が活動を始めた当時とは異なり、保護団体も現在はたくさんあります。けれど、行き場を失った動物をどんどん保護するだけでは、問題は解決しない。だから、今後は教育にも力を入れていきたいと思っています。

──教育ですか?

オリバー:
日本は、動物福祉の歴史がまだまだ浅いです。
人間の生き方と同時に、動物たちの生き方についても一緒に考えよう、ということをここ篠山から発信し、伝えていけたらと思っています。

子どもをはじめ、ここを訪れた人たちが、動物とのより良い関係を築いていく一つのきっかけを作ることができたら嬉しいと思いますね。

(ガールスカウトの子どもたちが作ったという折り紙の蝶々が壁一面に貼られていた。「子どもたちがここで本を読んでくれたら、犬たちにとっても、人間の声に慣れるいい機会になる」とオリバーさん。)

ありのままの姿の動物を愛し、愛される環境を

──言ってしまえば、オリバーさんにとって日本は異国の地ですよね。そんな日本で、オリバーさんをそこまで駆り立てるものは何ですか?

オリバー:
最初は「目の前の子をどうしよう」ということに必死でした。
何か問題にぶち当たって、行政に聞いても「NO」と言われることがほとんど。「だったら、自分でやろう」と思ったのはあります。

でも、強い意志というよりは、本当に目の前のことを、一つひとつやってきて、今ここにいるという感じですね。

──今、ペットは飼ってらっしゃるんですか?

オリバー:
今は、5頭の老犬と2匹の猫と暮らしています。犬たちは、大阪市内のホームレスの方が飼っていて、保護された子たちです。人間と住んだら喧嘩したり、気を使ったりしますけど、動物といるのは気が楽で安心。帰ったら喜んでくれるしね(笑)。癒してくれる存在です。

「篠山ARK」完成を目指して。チャリティーは新たな施設建設のための資金になります!

──今回のチャリティーの使途を教えてください。

オリバー:
篠山ARKの完成が、今の目標です。
今回のチャリティーで、犬舎や猫舎を建設するための資金のうち、20万円を集めたいと思っています。

日本にある保護施設の中でも、篠山ARKの環境はとても良いと思っています。やがて完成したこの場所を多くの人が訪れ、今後の保護施設のモデルケースとなってくれたら嬉しい。そして、私の意志を、日本人の人たちが受け継いでいってくだされば嬉しいです。

──「サンクチュアリ」の名にふさわしく、犬や猫、その他の動物が、命を脅かされることなく、人間とゆったりと美しい空間を共有できる場所が実現し、やがてそれがこの国の人と動物との関係をよくしていくきっかけにつながれば素晴らしいですね。今日はありがとうございました!

(お忙しい中、スケジュールを調整してくださったオリバーさん。JAMMIN代表の西田と。ありがとうございました!)

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜山本の編集後記〜

篠山ARKの隣には澄んだ小川が流れ、まるで施設を囲むように、美しい緑の木々が植わっていました。いるだけで心がスーッと落ち着くような場所で、犬たちは犬舎の中のそれぞれの部屋でゆったりとした時を過ごしていました。…私が犬だったら、こんなところで過ごせたら嬉しいなあと思いました。

オリバーさんは、やさしい眼差しとフランクな雰囲気がとても魅力的な方。冷静に、そして淡々と話す姿に、強さを感じました。

篠山ARK、夢の実現に向けて。ぜひ今回のチャリティーにご協力ください!

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アークのようなシェルターから犬や猫を引き取る人が増えれば、もっと多くの生命が救われます。

“Shelter Animals Love You More”,
助けられた犬や猫は、あなたを愛し、きっと生涯の友となるだろう…、そんな思いを表現しました。

小さな傘の下で、リラックスした犬猫が嬉しそうな表情を浮かべています。

Design by DLOP

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チャリティー入金報告

【THANKS】NPO法人アニマルレフュージ関西より、御礼とメッセージをいただきました! – 2018/1/26

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「未来をつくるプロデューサー」パシフィックコンサルタンツ株式会社。
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