CHARITY FOR

発展途上国の子どもたちへの教育支援を通じて、関わった人たちが成長できる場を作る〜国際学校建設支援協会(ISSC)

私たちは義務教育を受けた後、進学したり就職したり…、当たり前のようにその先の人生を選択して生きています。しかし、発展途上国の貧しい地域の中には、小学校にさえろくにも通えず、読み書きができない子どもたちがいるのが現状です。

読み書きができないと、一体どうなるか?
村を出たくても出られず、ずっと自分の村で生きていくか、仮に村を出たとしても、読み書きができないという理由で安い賃金で雇われ、何かあったらすぐに解雇されてしまい、貧困から抜け出せない。女性の場合は、人身売買に遭うケースもあるといいます。

今週、私たちがコラボするのは国際学校建設支援協会(以下ISSC)。
ネパールとラオスを中心に、主に学校を作り子どもたちへの教育支援を行っています。また、プロジェクトに積極的に日本の学生たちを受け入れ、日本の若者の人材育成にも力を入れているNPO法人です。

「国の力が弱いと、教育や医療をなかなか自分たちの力で整備しきれない。そんな時に、誰が一番影響を受けやすいかといえば、そこに住む子どもたち。
その国が独り立ちするまでの間、弱い立場の人たちを支援したい」。

そう話すのはISSC代表理事の石原ゆり奈さん。活動について、詳しいお話をお伺いしました。

(お話をお伺いした、ISSC代表理事の石原さん。)

今週のチャリティー

国際学校建設支援協会(ISSC)

発展途上国の子どもたちが教育を受ける環境作りのために、金銭的な支援だけでなく、地域住民が自立できる支援、村との「共存・共栄」を心がけて学校建設の支援を行うNPO法人。子どもたちへの教育を通じ、将来的にその地域の発展・向上を目指して活動している。

「読み書き」が意味すること

──本日はよろしくお願いします。まず、ISSCさんのご活動について詳しく教えてください。

石原:
はい。私たちは、主にネパールとラオスを中心に、学校の建設を通じて教育支援を行っています。

発展途上国の地域の中には、まだまだ学校が足りないだとか、学校はあるけれどもボロボロで勉強することもままならない、という状況があります。また、学校に通いたくても、家計を助けるための労働力とみなされて通えなかったり、途中でやめてしまったりする子どもも多いです。
学校建設を中心に、教育支援をしながら「学ぶことの大切さ」を知ってもらい、子どもが子どもらしく暮らせるように活動しています。

(教室が不足していたり、竹で編んだ校舎しかない村にコンクリート造りの校舎の建設をサポートしている。)

2004年に任意団体として活動をスタートし、これまでラオスとネパールに32の校舎を作ってきました。また、奨学金支援も行っており、現在年間400人の子どもたちを支援しています。

──現地の課題を教えてください。

石原:
私たちの活動の拠点であるラオスとネパール、それぞれ事情は異なります。
ネパールでは、法律で禁止こそされていますが、現在も人身売買があるのが現状です。

読み書きができないと、最悪の場合、例えば「いい仕事がある」と持ちかけられたうまい話にのって読めない契約書にサインしたら、実は自分が売られてしまうことに同意する契約書だった、ということがあります。女性の場合、そのまま娼婦として働くことを余儀なくされてしまうというケースがあるんです。

教育を受けて読み書きができ、きちんとした情報があれば、こういった災難を未然に防ぐことができます。

(ラオス・タケーク郡の学校にて、黒板の文字の音読練習をする子ども達。)

──ネットで情報を収集したり、本を読んで知識を身につけるのはもちろん、レストランでメニューを見て注文したり、メールを打ったりメモ書きしたり…。自分の日々の行動を振り返ってみても「読み書き」というのは、何をするにもベースになる基本であり、必要なことですよね。

石原:
そうですよね。子どもたちには皆、夢や希望を持ち、自分たちの人生を自由に選択する権利があります。そのために必要なのが、教育なんです。
逆に言えば、教育を受けないと、未来への希望が絶たれてしまうんです。

──学校に行くことには、彼らの未来や夢が懸かっている、ということですね。

(途上国では、図工や音楽の授業がなかったり充実していなかったりという事も。新しいことにチャレンジするときの子どもたちの表情からワクワクが伝わってくる。)

10代の挫折経験から、活動の中で日本の学生を受け入れ人材の育成も

──活動の中で、積極的に学生さんを受け入れていらっしゃいますね。

石原:
より現場に近いところで活動しているほかに、学生を受け入れているというのもISSCの特徴です。

学生を受け入れているのは、私自身、学生時代に国際支援の現場に飛び込み、いろんな人に助けてもらいながら、人間的に成長することができたからです。

日本は素晴らしい国ですが、ルールからは逸脱できない。
10代の頃、国内で子どもの支援に携わりたいといろんなところへ出向いたんですが、行く先々で相手にされず「自分のような若い人間が何か新しいことを始めるのは無理なのか?」と、挫折しかけたんです。

そんな時、偶然ネパールに学校建設をしている団体と出会い、それがきっかけで国際支援に関わるようになりました。
やり始めると、すごく楽しくて。ゼロスタートで経験値がなくても、自分で責任を取りながら物事を進められる楽しさが、そこにはあったんです。

(現地の子どもたちと遊ぶボランティアの学生。学生には学生らしい交流を実施してもらっているのだという。)

──同じように「やりたいのに、受け入れてもらえない」とフラストレーションを抱えている学生をサポートしたいという思いがあるのですね。

石原:
そうですね。「レールから外れちゃダメ」「失敗したらダメ」と教えられて育ち、現代の若者たちは「やってみたい」とか「変えたい」といった気持ちはあるのに、のびのび自分らしく自分の人生を歩めていないというか、閉塞感のようなものがあると思うんです。

活動に関わった学生ボランティアの子たちは、発展途上国では村人と直接話し合い、失敗も経験しながら、挑戦し、生きる上での価値観を深めていける。日本ではできない体験が、できると考えています。

途上国で教育支援をしながら、一方で日本の学生の人材育成をする。2本の「教育の柱」があるんですね。素晴らしい活動ですね。

(時には村のお母さんや先生たちと一緒に給食を作ることも。)

教育を通じ、その人の人生に寄り添う。
哀れみではなく、解決に向けての前向きな姿勢を

──学校建設のほかに、現地の女性支援にも力を入れられていますね。

石原:
はい。現在は学校建設のほかに、女性の教育支援にも力を入れています。専門の講師を呼んで、ミシンや刺繍のほか、美容師、パンやお菓子を焼くベイカーなどの職業訓練を行っています。
職業訓練を受けた上で、町へ出るか村に残るかは一人ひとりの自由な選択。いずれにしても自活できるよう、事情に寄り添いながらサポートしています。

(カム族の女性たちにミシントレーニング。リーダーのワンサーンさんがチームを引っ張ってくれる。)

──教育を受け、そこを足がかりに、それぞれの人生に新たな可能性が拓けていくというのは、素晴らしいですね。私たちとしては、どんな意識でこの問題と向き合ったら良いでしょうか。

石原:
発展途上国の人が置かれている状況に対して、また貧困や障がいに関してもそうですが「かわいそう」というのは、違うと思うんです。私たちだって、いつ何があるかわからない。
もし将来、オムツを着けなければいけなくなった時、あなたはそれを哀れに思われたいか?考えてみてほしいと思います。
「かわいそう」というのは言葉の暴力だと思っていて、哀れむのではなく、一人一人の状況を知り、受け入れ、どう前向きに解決していくかを考えていくべきだと思っています。

「学ぶこと=人間の本質」

──石原さんにお伺いしたいのですが、途上国の現場で多くの人たちと接する中で「学ぶこと」とはどういうことだと思われますか?

石原:
「学ぶ=人間の本質」だと思います。
人間から、向上心を奪い去ることはできない。新しいことを知って、ワクワクしたり、おもしろい!と感じることは、どうやったって人間から切り離せないと思うんですね。

新しい知識を得、向上心が刺激されて、自分自身で「こうしたい」「こうありたい」と夢を持って行動している人って、強いと思うんです。ポジティブなモチベーションが動いている時、必ず物事は動くし、本人も成長できる。

そこに行き着くためには、やはり「教育」が必要だと思っています。

(新しい校舎の前で。子どもたちも笑顔いっぱい!)

「今、そこにいる人とどう生きるか」。
小さな団体だからこそ、できること

──活動についてお伺いしていると、日本からの支援でなく、実際に現地へ行って現地の人たち一人ひとりと膝を突き合わせて一緒に課題解決に向けて作業する、人との「触れ合い」というか、現地でのご活動をすごく大切にしていらっしゃるように感じます。

石原:
「今、そこにいる人とどう生きるか」が、ISSCの活動のポリシーとしてあります。「支援」という大きな枠の先の先には、一人ひとりの人と、その人生がある。大きな団体が支援している分野でも、細かく小さなジャンルに分かれていて、どうしても大きな団体の支援の枠からこぼれ落ちてしまう地域や、人たちがいるんですよね。

それぞれの団体に役割分担があって、私たちは小さな団体でフットワークも軽いので、より現場に近いところで、一人ひとりの人生がどんな風に変わったかを見届けたいと思っています。自分が関わることで、今まで解決しなかったことが解決したり改善して、誰かの人生が少しで良くなるなら、意味のあることだと考えています。

(ラオス・カムアンのターカボン村に住むニャイさん(14)は、木から落ちて腰から下に障がいが残った。本人は学校に通いたいが、様々な事情からそれはおそらく難しく、読み書き・計算を学んだうえで職業訓練を受けることが彼女の未来を作る。)

チャリティーは、ラオスの子どもたちに学校に行くための「制服」を届けるための資金になります!

──今回のチャリティーの使途を教えてください。

石原:
現在ラオスにて進行中の「制服プロジェクト」のための資金にしたいと思っています。

(こちらが制服。女の子はブラウスとシン(巻きスカート)、男の子はブラウスとパンツを着用する。)

──どのようなプロジェクトですか?

石原:
学校に通いたくても通えない子どもたちの中には「学校に着ていく制服がないから」という理由で通えない子どもたちも居ます。

そういった子どもたちに、制服の上下のセットを届けるプロジェクトなのですが、それだけではないんです。
この制服の生産を、ラオスに住む「カム族」という少数民族の女性たちにお願いすることで、子どもたちには制服を届け、女性たちには仕事を届けるというプロジェクトなんです。

(家では労働力として家計を支える子どもたちにとっては、学校は唯一「子どもらしく」過ごすことができる場所。)

──すばらしいですね!

石原:
カム族の女性たちは、私たちのプログラムでミシンの職業訓練を終えた状態で、あとはたくさん作って、どんどん上達するだけ。
村で独立して仕事できるように、縫製だけでなく、パターンからしっかりと学んだ女性たちです。

(制服をミシンで縫製中。特に男児用のパンツの縫製が難しいのだそう。)

──制服を受け取る子どもたちも、仕事を受け取る女性たちも、どちらもハッピーになるし、未来への希望が広がるプロジェクトですね!

石原:
そうですね。
この制服1セットの生地代・人件費・子どもに届くまでの郵送費を含めて、1セットあたりおよそ2,000円が必要で、今回のコラボで、70セット分の費用・14万円を集めたいと思っています!

──コラボを通じて、ぜひお手伝いできれば幸いです!
ありがとうございました。

(カム族女性たちで構成されたミシンチームの皆さんと!写真前列右が石原さん、前列左は学生スタッフの福永さん。)

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜山本の編集後記〜

まるで自分の家族や親しい友人の話をするように、現地の子どもやお母さんたち、学生ボランティアの人たちのことを語ってくださった石原さん。中学・高校時代に身近だったというボランティア活動を通じて、世にあふれる様々な問題を「自分ごと」として感じる機会が多かったと言います。

「ご飯は出てくるし、学校にも行ける。日本は豊かな国で、日本に生まれたのはラッキーなこと。このラッキーカードを使わなければならない」。インタビュー中、石原さんの語ったその一言が、私にはとても胸に響きました。

毎週様々な社会問題の解決のために活動するNGO/NPOさんを紹介させてもらっていますが、それぞれ立場で、自分なりの「使命感」を持って、たとえ少しだけでもできることをやっていけば、この世界全体にある不安や悲しみが、少しだけ軽くなる。改めてそんなことを感じたインタビューでした。

国際学校建設支援協会 ホームページはこちら

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”There is always hope”、
「そこにはいつも希望がある」というメッセージと共に、壮大な景色を描きました。

教育を受けることで、その先にたくさんの可能性が広がっていく。
まるで気球に乗って見る景色のように、同じ場所にいても、目の前にはこれまでに体験したことのない新たな視界が広がり、新たな発見をして、気球に乗ったまま、壮大な夢へと向かって旅をする…。

「教育」をそんな風に表現した1枚です。

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