CHARITY FOR

教育が、次世代への「希望」の種に。フィリピン・先住民族の若者たちへ高等教育を提供〜ホープ・インターナショナル開発機構

今週のテーマは「フィリピンの先住民族」。テレビで見たことはあるけれど、生活の実態や抱えている問題について知らない人も多いのではないでしょうか?

今週JAMMINがコラボするNPO法人ホープ・インターナショナル開発機構(以下ホープ)とは、2015年3月にも一緒にコラボさせていただき、貧困地域の人の生活を「水」を通して改善するためのチャリティーを集めました。

今回、コラボ第2弾として私たちが伝えたい課題は、ホープの活動軸の一つである「教育」の分野で、フィリピンに住む先住民族たちの抱える問題について。

前回もお世話になったホープのファンドレイザー・松浦史典さんと、フィリピンの教育事業担当の大村絵玲奈さんに、お話をお伺いしました。

▲お話をお伺いした松浦さん(左)と、大村さん。

今週のチャリティー

NPO法人ホープ・インターナショナル開発機構

1975年にカナダで設立された世界の極貧層への自立支援を行う団体。
日本では2001年より活動を開始。事務所のある名古屋を拠点に、アジア・アフリカ地域における安全な水の供給、学校教育やマイクロクレジット(※1)を通して、持続可能なプロジェクトを実施している。

(※1「マイクロクレジット」…貧困状態の人々を対象に、無担保で小額の融資を行うサービス)

INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO

フィリピンの先住民族を取り巻く現状

──ホープ・インターナショナル開発機構(以下ホープ)さんの活動のひとつに、フィリピン先住民族の若者たちに高等教育を届けるという活動があります。

これは、彼らがなかなか教育を受けられないという現状があるということだと思うのですが、先住民族の方たちが抱える課題について教えていただけますか?

大村:
フィリピンには、約110の先住民族があります。
それぞれに独自の文化や言語を持っていますが、長い間、先住民族の人たちは差別され、国からも十分な支援を受けられない立場にありました。

彼らの暮らす地域は、国の開発からも取り残され、水道やガス、電気や医療、交通や教育など公的なサービスが整備されないままに、ずっと放置されてきたのです。

▲勉強部屋はもちろんなく、子どもたちは軒先や木陰で本を読んだり宿題をしたりしている。

▲子どもの日課、水汲みの様子。

大村:
今でこそ少しずつ先住民族に対する偏見は減ってきていますが、それでも、先住民族出身の若者たちは「差別されたくない」と、先住民族の出身であることを隠して生活するような状況があります。

自分たちの部族に誇りが持てず、そうして、言語や文化を忘れていく。

また、先住民族の多くは農業で生計を立てています。季節や天候に収入が左右され、貧困が蔓延しています。
貧困と差別と、失われていく文化。この3つの問題を、解決するためにどうするか。そんな課題がありました。

──なるほど…。先住民族が自分たちの文化やアイデンティティーを生かしながら、現代社会と共存していくしくみや基盤が整っていないということですね…。

大村:
課題を解決するためにどうしたらいいか、先住民族のリーダーたちに聞いたところ「とにかく若者に良い教育を受けさせることだ。教育こそが、貧困撲滅のカギだ」と。

自分たちのルーツを守りつつ継続して安定した収入を得ていくために、教育を受けた若者が「社会との橋渡し」の役割をしてくれると語ったんです。

先住民族の若者が、過去に大学に行けなかったわけではありません。村からの支援を受け、大学に通った若者もいましたが、やはり差別があったようです。

「差別を受ける場所ではなく、自分たちの文化にプライドが持てる場所で、勉強をさせてあげたい」、これがリーダーたちの思いでした。

▲限られた水の為、洗濯も毎日はできない。

アジア初・先住民族のための学校「パムラーンセンター」

大村:
ミンダナオ島ダバオ市にあるサウスイースタン・フィリピン大学に併設されている「パムラーンセンター」は、アジア初の先住民族のための高等教育機関です。

先住民族の人たちが現代社会と共存できるように、自分たちの文化の大切さや良さ、それを生かしていくためのスキルを学ぶことができます。

特徴は、先住民族のコミュニティーに合わせコースが組まれている点。
現在は、①小学校の教員になるコース、②社会起業家ついて学ぶコース、③持続可能な農業について学ぶコース、④自分たちの民族だけでなく他の民族の歴史や文化についても学ぶ人類学のコースの4つがあります。

▲パムラーンセンターの正門。左奥に見える建物が、サウスイースタン・フィリピン大学の校舎。

大村:
1学年の生徒は45人と多くないので、毎年全コースを開講しているわけではありませんが、生徒たちはここで有意義な時間を過ごします。

生徒たちは大学の一般教養の授業も選択でき、卒業時にはこの大学の卒業証書が発行されます。

──すばらしいですね。併設の大学とは、他にどのような連携があるのでしょうか。

大村:
大学の敷地内のカフェでは、生徒たちが開発した商品などを実際に販売することができます。

同じく敷地内にあるハーブガーデンでは、自分たちの土地に伝わる薬草を育てることができます。
自分たちの部族に伝わる文化をどんな風に生かしていくか、実践的に学ぶことができる場所です。

▲アドボカフェで接客する生徒。このコーヒー豆はミンドロ州の先住民農家によってオーガニック製法で栽培されている。

松浦:
私たちホープでは、毎年15人の生徒の学費を支援しています。
また、「男性寮が古くなってきたので新しくしたい」、「ハーブガーデンを作りたい」といったセンターからの声にも応え支援をしてきました。

▲ホープ・ジャパンの代表ロウェル・シェパード(右)とホープ・シンガポール理事のエリザベスがパムラーンセンターへ訪問した際、生徒達からスポンサーの方へお手紙をいただきました。生徒数も少ないことから、生徒とスポンサーの距離が近く、成績や近況の報告もしています。

卒業後は、まず村に戻って奉仕。
パムラーンセンターは「希望」が飛び火する場所

──卒業生からはどんな声がありますか?

大村:
パムラーンで学ぶ生徒たちには、4年間の在学の後、卒業後2年間は、自分の村に戻ってのボランティア活動が義務付けられています。

その間に、これからの人生をどうしていくか、いろいろと計画を練るみたいですね。希望だけでなく、不安な気持ちもあるみたいですが(笑)。

松浦:
ホープの奨学金でパムラーンを卒業生した生徒の一人、ジョン・ケビン君を紹介します。

8人兄弟のジョンは、豊かな文化と伝統が伝わるディババワン族という部族の出身です。極度の貧困で1日3食にありつくことすら困難な状態で、彼らの言語と文化も消えつつありました。

そんな状況を変えるために、パムラーンセンターで学ぶことに希望の光を見出したジョンは、初等教育の学位を取得してパムラーンセンターを卒業。

▲パムラーンセンターで学び、夢をつかんだジョン・ケビン君。2014年にパムラーンセンターを卒業した後、自分の部族の文化を残すため、一歩ずつ着実に道を歩んでいる。

松浦:
今は「部族に伝わるダンスを伝えたい」と、小学校でダンスをボランティアで教えながら、教員免許を取るために努力しています。

いつか自分の部族に戻って教育に携わるという夢を、まさにかなえようとしているのです。

──センターで学ぶことが、ジョンさん本人だけでなく、部族の人たちや周りの人たちにとっても、明るい希望になりますね。

大村:
ほかにも、自分の村に戻ってそれまでの農業のやり方を変え、安定した収入を得られるようにがんばっている卒業生や、部族の文化を生かしたビジネスで起業した卒業生、先住民族を守るNPOに就職したりする生徒もいます。

──「学ぶ」ことが、本人の希望だけでなく、周囲の人たちにとっても希望をもたらす結果につながっていく。また、パムラーンセンターが親火となって、知識や精神を生かして新たな希望が、いろんな場所に飛び火していくんですね…!

▲授業の時はいつも真剣な生徒達。卒業後のプランも在学中に考えながら勉強をしている。

松浦:
そうですね。本人たちが先住民族の誇りを取り戻し、希望がどんどん生まれていく。それが、パムラーンセンターのビジョンですし、私たちもそれを願っています。

大村:
これまでに182人の生徒がパムラーンを卒業しました。皆それぞれの場所で、それぞれの希望の火を燃やし、奮闘しながらがんばっています。

▲卒業生たちのサポートもあり、高校も完成しました。寮が完備され、生徒たちは生活しながら学ぶことができます。小学校も現在建設中とのこと。パムラーンセンターを通じて、希望がどんどん広がっていきます。

今回のチャリティーで、
一人の生徒の夢と希望を繋げるお手伝いをしてください!

──今回のチャリティーの使途を教えてください。

松浦:
私たちホープは、年間15人の生徒たちの学費を支援しています。

今回のJAMMINさんとのコラボで、生徒の一人、エヴェリン・タイワン・パサドさんの1年分の学費・18万円を集めたいと思っています。

エヴェリンさんは、1997年生まれ。マニラから150kmほど南に行ったところにある「ミンドロ島」という島に住むマンギヤン・アランガン族の出身で、4人姉妹の3番目です。

▲パムラーンセンターで学ぶエヴェリンさん。

松浦:
マンギヤン族も、ほかの先住民族と同様、差別を受けてきました。
エヴェリンさんの家族は父親の営む農業で生計を立てていますが、近年の物価上昇に伴って家計が苦しくなっている上に、少ない収入は医療費などに消えてしまい、食べ物がないときは農作物の根っこを食事として食べることもあります。

彼女は、社会起業家として自分の家族やコミュニティーのために働きたいという夢を持っています。

「パムラーンで社会起業について学び、そこで得る知識やアイディアを生かして、自分の村の人たちを助け、貢献することが私の夢です。
マンギヤン族の文化や生き方を取り入れたビジネスプランを作り、村の人たちが住みやすくなるような新たなビジネスのアイディアを構築できればと考えています。」

今回のチャリティーで、エヴェリンさんがパムラーンセンターで学ぶために、彼女の希望を一緒に応援してください!

──今回のコラボを通じてお手伝いできればと思います。ありがとうございました!

▲パムラーンの生徒はみんな元気であとにかく明るい! 生徒たちは寮生活なので、絆が深く、卒業後もお互い助け合う良い仲間です。

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜山本の編集後記〜

パムラーンセンターは、学びを通じ、失われつつある先住民族の誇りを取り戻す場所。ここで学んだ生徒たちが、受け継がれた土地と伝統を守りながら、それぞれの場所で、また新たな歴史を生み出していく。

ものすごく素晴らしい場所&ご活動だと感じました。

エヴェリンさんのように、先住民族出身の若者がパムラーンセンターで学ぶことは、本人だけではなく、彼らの育った村の貧困からの脱出、そして受け継がれてきた伝統文化の繁栄に繋がると同時に、フィリピンの先住民族が抱える課題解決の糸口になります。

エヴェリンさんの希望の種が大きく育ち、いつか彼女だけでなく、周囲にも大輪の花が咲き誇るように、今回のチャリティーを皆さんで応援して欲しいと思います!

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それぞれの種が息吹いています。

かたちの異なる様々な種は人間の多様性を、芽や花は、教育を受け、それぞれのペースで若者たちが夢や可能性をかたちにしていく場・「パムラーンセンター」を表現しています。

“Planting seeds of change”.
「”変化”をもたらすための、種を植える」。やがてはそれぞれの種が大輪の花を咲かせ、新たな希望を呼ぶ社会になることを願って。

Design by DLOP

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【THANKS】NPO法人ホープインターナショナル開発機構より、御礼とメッセージをいただきました! – 2017/11/17

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