CHARITY FOR

「復興の次の話がしたい」。若者が「やりたいことに挑戦できる東北」を創る〜一般社団法人ワカツク


この3月11日で、東日本大震災から6年が経ちます。

東北で何が起きているのかをお伝えするために、JAMMINもこれまで、震災後東北で活動するNGO/NPO団体とコラボし、その活動をご紹介してきました。

今週のチャリティー先は、東北の若者の育成を目指し、若者と地域をつなぐインターンシップのコーディネートや、復興関連のプロジェクト支援を行っている「一般社団法人ワカツク」。

若者に「挑戦」の場を提供することで、地域との「化学反応」が起こり、東北が若者にとって「住みたい街・かっこいい街」にかわっていく。

徐々に風化しつつある復興への意識。
「東北らしさ」を取り戻し、住みたい街・かっこいい街にしていくためには、若者の「課題意識」と、地域と連携して活動していく力こそ必要だと語るワカツク代表理事の渡辺一馬さん。

震災から6年。現在の東北について、そしてご活動内容について、詳しいお話をお伺いしました。

今週のチャリティー

一般社団法人ワカツク

仙台を拠点に、東北地域で若者や大学、地域社会と共に、インターンシップの提供や若者主体のプロジェクト支援等を行い、若者の挑戦を応援する活動をしています。

▲ワカツク代表理事の渡辺さん。

「若者ならではのアイデアと情熱で、東北を元気にしたい」。若者に「挑戦の場」を提供

−−ワカツクの活動について教えてください。

東北に住む若者に挑戦の場を提供することで地域を活性化し、ゆくゆくは地域を担っていく人材を輩出することが私たちのミッションです。

具体的な内容としては、地域の企業・団体への若者のインターンのコーディネートや、復興支援や地域の課題解決などのプロジェクトを展開している学生主体の団体のサポートなどをしています。

また、WEBサイトもいくつか運営しています。

−−WEBサイトではどういった情報を発信されているのですか?

東北にある企業と若者をつなぐために、東北の経営者に学生記者がインタビューをしているのが「いぐする仙台」というWEBマガジンです。

また、「東北1000プロジェクト」というサイトは、震災の後に起きた若者や地域団体の自主的な活動を支援するプラットフォームです。

「ボランティアに参加したいけど、どうしたらいいか分からない」、「新しい活動を始めたいので、仲間を募りたい」、そんな18歳から25歳までの若者たちが出会い、プロジェクトを実施してほしいという意図を込めて立ち上げました。

「東北1000プロジェクト」という名の通り、東北に住む若者たちの挑戦と活動を支え、東北を元気にするために、様々なプロジェクトが進んでいます。

▲WEBサイト「東北1000プロジェクト」のホーム画面。(※リニューアル作業中のため、変更の可能性があります)

−−活動の焦点を「若者」に絞っていらっしゃるのには、何か意図があるのでしょうか?

震災であらわになった課題が、がれきが撤去され、街が整備されていくなかで徐々に見えにくくなっている。

でも、問題が解決しているわけではありません。

本当に苦しいのは、一見苦しさがなくなっているように見えて、みんなの課題意識が薄くなってきているここからです。

若者ならではのアイデアと情熱で、ここを突破してほしい。若者だからこそできるブレイクスルーがあると思っています。

−−若者たちのポテンシャルに期待していらっしゃるいうことですね。

▲土地のかさ上げ工事や災害公営住宅の建設など、復興事業が続く宮城県気仙沼市。

震災から6年。「なぜボランティアをするのか」、「何が課題なのか」、皆の課題意識が薄れてきている

震災後間もない頃であれば、がれきの撤去だったり、救援物資の運搬だったり、わかりやすく参加できるボランティアがありました。

目の前に広がる世界は、課題だらけだったんですね。

復興が進み、街が徐々に整備されていくなかで、今はそれが減ってきています。

以前のような「どうにかしなきゃいけない」とか「助け合わなきゃいけない」という危機感がなくなってきています。

大学の学生団体やサークルでも、「なんとなく」ボランティアに参加していたり、「こうしないといけない」という頭で参加していたり。

「なぜボランティアをするのか」、「何が課題で、どうしたいのか」、そんな「そもそもの話」をしなくなっています。

街がきれいになっていく一方で、本当の課題が見えづらくなり、課題意識が薄れてきているのが現状です。

どの街も都会になろうとしているなかで、失われつつある「東北のアイデンティティー」を取り戻したい

−−土地が整備され、新しい建物が建ち、テレビで見る限りは一見復興へと着々と進んでいるように見えますが…、そこだけで安心して「もう大丈夫だ」とか「自分がやらなくても、きっと誰かがやってくれるだろう」という意識になってしまいがちです。

そんな課題もあったんですね。

▲「災害ボランティア」をテーマに、大学の枠を超えて学生同士の意見交換会を開催。

今、東北ではどこの街も、都会になろうとしています。

そうすると、もともとその土地に住んでいた人たちは、生き方そのものを変えなければいけないわけですよね。
でも、「東北らしさ」、「東北の良さ」ってあるんです。

このままでは、それぞれの地域の「らしさ」がどんどん失われていってしまう。

−−「東北のアイデンティティー」のようなものが失われつつあるということですね。

もともとその土地にあった文化や雰囲気、生き様が失われ、表面だけの街を作るだけでいいのか。

「東京的な価値観で上から塗っちゃえばいいや」ではなくて、若者には、ここに住んでいる人たちの生き様やかっこよさを見つけ、そこに触れて欲しいと思っています。

そのためには、まず本人が動き出さなければ何も始まらない。

何かに向かって挑戦するなかで、自分で見て、体験して、感じて欲しい。そして「社会を変えたい」という意識を持つ人がでてきて欲しい。

「東北1000プロジェクト」はもちろん、他の活動でも、そんな場をたくさん作っていきたい、ということなんです。

みんな自分のフィールドを超えて活動していた震災直後。混沌と絶望のなかに「希望の光」が見えた

−−話は少し戻るのですが、「東北の復興」と「若者の挑戦」、この二つのキーワードが、どのように結びつくのでしょうか?

震災の直後は、1人の人間がいくつもの役回りをしていました。

平日は会社員だったり、学生だったり。片方で自分のことをやりながら、週末や空いた時間にはボランティアをしていました。

目の前の世界をどうにか立て直そうと、誰もが自分のフィールドを超えて、課題意識を持って必死に手を取り合って行動していたんです。

みんな互いに助け合い、勇気づけ合っていました。
心の灯火を点し合って、みんなが社会を良くするために動いていたんです。

あの当時、混沌と絶望のなかにこそありましたが、「日本はこのまま、良い方向にかわるんじゃないか」と思ったというか、希望の光が見えたんですね。

▲ワカツクでコーディネートした学生ボランティアの皆さんとパチリ!

6年が経ち、震災の傷跡はなくなりつつあります。

そして、あのときのような状況、1人がいくつもの役回りを持ち、課題意識を持って助け合うような精神も薄れてきています。

今、学生は学生に戻ってしまった。

また、あの頃の盛り上がりを、情熱や一体感を取り戻したい。

街が整備されていくなかで、そんな社会のなかに組み込まれてしまうのではなくて、狭い世界から一歩踏み出し、行動するなかで「東北らしさ」を感じとって欲しい。そして「東北らしさ」をつないで行って欲しいと思っています。

「東北1000プロジェクト」のホームページは、そんな場所にしていきたいと思っています。

▲各団体で活動する学生が、互いの活動内容や目的などを共有し合うワークショップの様子。

地域の人たちと、若者と。生き様がぶつかり合うなかで「東北の良さ」が磨かれ、新たに生まれていく

−−人と人とが繋がっていく場所ということですね。

そうですね。
「復興」という言葉の元に、「とりあえずつながりましょう」という時代は過ぎたと思うんです。

目の前には、「復興」という言葉だけでは片付けられないいろんな課題がある。
「復興」の次の話、もっと具体的な話がしたい。

そこが具体的になったときに、人が集まってきたり、チャンスがやってきたり、「繋がり」ができていくんです。

だから、カタチは何であれ、地域の人とかかわってみてほしいと思います。

自ら手を上げて挑むことって、簡単じゃないですよね。
壁にぶち当たることもあると思うんです。

そんなときに「誰か1人が困っても、周りが手助けをしてくれるから困らない」、そんな東北を作りたい。

若者が困ったら、周りの先輩や経験者が手助けしてくれる。生き様がぶつかり合って、そこから「東北の良さ」が磨かれ、新たに生まれていくと思うんです。

▲昨年の台風10号で被害を受けた岩手県宮古市へ、学生ボランティアツアーを企画。地元や全国各地からのボランティアの皆さんが集まりました。

チャリティーは、「東北1000プロジェクト」ホームページ改装費用にお使いいただきます!

−−すばらしいですね。最後に、チャリティーの使途を教えてください。

現在、「東北1000プロジェクト」のホームページをリニューアル中です。

今はスマートフォンに対応していないのですが、リニューアルでスマートフォンに最適化して、スマートフォンからでも見やすくするのがまず一つの目的です。

それと同時に、リニューアル後は、ボランティアにあまり興味がないような10代後半〜20代前半の若い子たちが見て楽しいサイトにして、ボランティアの垣根を低くしたいと思っています。

リニューアル・運営にあたり100万円ほど必要になるのですが、今回のチャリティーは、そのうちの15万円を集めたいと思っています。

−−「東北1000プロジェクト」の今後の目標を教えてください。

1000くらいたくさんのプロジェクトがインデックスされている、活気溢れるサイトにしていきたいと思っています。「東北1000プロジェクト」を通して、若者の「何かしたい」という気持ちを活かせるプロジェクトが見つかるように。

「プロジェクト」というと大げさにも聞こえますが、「こと」ですよね。

「こと」があるから、人が繋がる。
「こと」があるから、支援できる。
そんな「こと」を増やしていき、東北を盛り上げていきたいと思います。

−−なるほど。1000のプロジェクトがあれば、1000、いやそれ以上の出会いや繋がりが生まれますね…!

若者が自分を変える、そして東北を変えるきっかけを増やす今回のリニューアル。ぜひご協力ください!

一般社団法人ワカツクのホームページはこちら
東北1000プロジェクトのホームページはこちら

▲ワカツクの事務所にて。宮城県の地元企業へコーディネートしたインターンシップ生の皆さんと。

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜編集後記〜

時折テレビで見る東北の街の姿。がれきは綺麗に撤去され、整備が進んでいます。
その上には、新しいビルや商業施設が建てられ、一見、順調に復興への道を突き進んでいるように見えます。

しかし一方で、未だ10万を超える避難者の方が居たり、被災地の生徒が転校先でいじめられたりといった悲しいニュースも目にします。

「目に見える問題があった当時ではなく、これからこそ大変」。そうおっしゃる渡辺さんのお話は、とても説得力がありました。

震災から6年。ボランティアや募金の募集を見かけることも以前と比べて少なくなりました。
「復興が進んでいるから安心だよね、大丈夫だよね」で片付けるのではなく、今だからこそ私たちができることをしていきませんか。

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じょうろで水をやりながら、土に植わった植物を丁寧に丁寧に育てていく。育った植物は、やがてはその土地自体を潤すものとなる。

「植物」をモチーフに、若者の支援を行うワカツクの活動を表現しました。

“Proceed at your own pace”. 「自分のペースで進む」。
無理なく、でも歩みは止めずに前へ前へと進んで行くことで、見えてくる世界がある。

そんなメッセージを込めています。

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