CHARITY FOR

生まれた地域や家庭環境に関わらず、すべての子どもが自分の将来を選択できる社会を目指して〜Learning for All

先日、「伊達直人」を名乗り群馬県前橋市の児童相談所にランドセルをプレゼントし、その後同様の運動が全国的に広がった「タイガーマスク運動」の先駆者の男性・川村正剛さんが素顔を公開し、話題になりました。

「子どもたちは抱きしめられるため、周りの人を笑顔にするために生まれてきた」––そう語った川村さん。貧困のためランドセルを買うことができなかったご自身の幼い頃のつらい経験を、子どもたちにさせたくないとランドセルを贈ったのだそうです。

「子どもの貧困」という言葉を、皆さんもテレビや新聞等で耳にした・目にしたことがあるのではないでしょうか。

日本では今、17歳以下の子どもたちの約6人に1人が貧困状態であることをご存知ですか?
子どもの貧困率は、実に16.3%といわれています(平成24年度)。

子どもの貧困は、生活の困窮やいじめの要因となるだけでなく、子どもが十分な学習機会に恵まれないために「教育格差」を引き起こす原因となります。

教育格差は、子どもたちが大人になってから所得格差を生むことにもつながり「貧困から抜け出せない」という負のスパイラルに陥ってしまいます。

ここに待ったをかける活動に取り組んでいるのが、今週のチャリティー先・Learning for All(ラーニング・フォー・オール、通称LFA)。

広報を担当している石神さんに、活動内容について詳しくお話をお伺いしました。

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LFA広報担当の石神さん。

今週のチャリティー

NPO法人 Learning for all(ラーニング・フォー・オール)

東京を拠点に、日本国内の教育課題解決に取り組んでいる団体です。困難を抱える子どもに対して質の高い学習機会を提供すると共に、社会課題を解決する大学生を育成・輩出しています。

「すべての子どもたちに、教育の機会を与えることが目的です」By石神さん

私たちの活動では、生活保護受給世帯に暮らす子どもなど、学習の機会に十分に恵まれない子どもたちを対象に、しっかりとした研修を受けた大学生ボランティアの教師が学習指導を行なっています。

活動の拠点は、行政と連携して、学校の教室を借りて学習支援を行う「学校連携」と、地域のケースワーカーさんやNPOなどと連携し、公民館などを借りてLFAの教室として利用する「地域連携」の二つのモデルがあります。

2017年1月から始まるプログラムでは、「学校連携」6拠点、「地域連携」2拠点で実施します。

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学校連携拠点は、学校の教室をお借りして学習支援を行います。

教師は研修を受けた学生ボランティア。厳しさのなかにも、社会課題に立ち向かう姿勢を養う

LFAの教師たちは、大学生ボランティアです。
教員を志望している学生のほか、原体験として「自分も貧困のなかで育った」という学生たちも多く参加してくれています。

ボランティアといっても、その内容はかなりハードです。困難に直面している子どもたちと真剣に向き合うことは容易なことではありません。

希望すれば誰でもなれるわけではなく、一定の採用基準を設けています。

採用されたあと、生徒に教えるまでには20時間の研修がある上、プロジェクト期間である3ヶ月の間にも50時間の研修があります。

決して気軽に参加できる内容ではないと思います。

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研修は、課題や成功体験をチームで共有し、「質の高い」学習支援が出来るよう設計されています。

授業自体は週に1回でも、その1日に向けてみんな準備をしますから、その間はみんな一心不乱にがんばっています。

参加する大学生は、今まで何の不自由もなく学習の機会に恵まれてきた人たちも多いです。

そういった学生は、LFAの学習支援プログラムに参加して、中学3年生で少数や分数の計算でつまずく子どもや、家庭の事情から自分が弟や妹の面倒を見なければならず、まったく学習する時間がない子どもに出会い、現実にショックを受けることもあります。

また、今まで勉強する機会に恵まれなかった子どもたちに勉強を教えるのも、簡単ではありません。

分数が理解できない子どもに、丸いホットケーキを焼いてきて教えるだとか、「どうやったら理解してくれるのか」、「どうすればもっとわかりやすいか」、日々葛藤しながら教えています。

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教師1人に対して、子どもは1〜3人程度。子どもとのコミュニケーションを大切にして授業を行います。

貧困状態にある子ども達に質の高い教育を提供し、成長・学力の向上を目指しながら、一方で大学生たち自身が社会の課題に気づき、それを解決する視点や、解決にあたってリーダーシップを発揮できるような人材を育成し輩出することが、私たちLFAのもう一つの取り組みです。

研修では学習支援を通して学生のリーダーとしての成長を支援しています。プログラム後や社会人になってからもLFAでの経験が活かせるように研修をデザインしています。

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研修の様子。社会課題を解決するリーダーを育成・輩出するのもLFAの大きなミッションです。

最終的な目標は、生まれた地域や家庭環境に関わらず、すべての子どもが自分の将来を選択をできる社会の実現を目指して

2016年度末までに5,000人の子どもたちの学習支援を行ってきましたが、2025年までには今の10倍の50,000人にまで増やしたいと思っています。

そのために、LFAの学生ボランティアの数を増やしていくこと、活動拠点を増やすことももちろんそうですが、同じような取り組みをしている団体さんに、LFAが培ってきたノウハウを共有していくというかたちで、この課題に対してより広くコミットしていけると考えています。

実際に、いくつかの事例も出てきており、広がりの可能性を感じています。

1人でも多くの子どもが、育った家庭環境にとらわれず、可能性や夢、希望を胸に抱き、そこに向かって道を選んでいける世界を作りたい。

最終的な目標は、私たちのような組織がなくても、誰しもが可能性を信じ、それを広げられるような世の中、自分の将来の選択肢を持つことができる社会になることです。

まずは、私たちが最前線に立ってアクションを起こしていくと同時に、多くの方に課題の切実さや難しさを伝えていきたいと思っています。

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LFAスタッフの皆さん。多様なキャリアを有する職員が、教育格差という課題に向き合っています。

チャリティーは、LFAの教室運営のための活動資金になります

今回のチャリティーは、LFAの活動資金にさせていただきます。

具体的には、学習支援事業の研修会場費、スタッフ・教師の交通費、教材印刷費等として使わせていただきます。

LFAで学び、学生ボランティアたちと接した子どもたちが、夢を抱き、いずれ大人になって、困っている人に手を差し伸べてくれる人になってくれたら嬉しいですね。

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研修最終日、学生ボランティアの皆さんと記念撮影。

JAMMIN

インタビューを終えて〜編集後記〜

「子どもの貧困」というと、発展途上国に目が行きがちでしたが、ここ最近日本における子どもの貧困が取り上げられています。

子どもの貧困は子ども自身というよりは、その子が生まれた家庭の背景—−親の離婚や育児放棄、非正規雇用の増加など—が色濃く影響し、そう簡単に根本解決できる課題ではないかもしれません。

しかし、育った環境がどうであれ、自分が描いた未来に向けて、いや、まずはしっかり夢を描けるように、必要な教育の機会を提供するLFAの活動。

子どもたちにとっては単に学力の向上だけでなく、自分の居場所を見つけ、学生ボランティアとの触れ合いを通じて「自分もこんなお兄さん・お姉さんみたいになりたい」という希望を持てる場であると同時に、学生ボランティアの方たちにとっては、子どもたちと共に成長するなかで、課題を見据え、自らの力で打開し解決するための将来への試練かつ大きなチャンスの場なのだと感じました。

今後のご活躍も楽しみにしています!

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海でしか生きられないはずの魚が、雄大な自然のなかを自由に飛び回っています。

子どもたちが、誰かに決められた道ではなく、自分の好きなように自らの道を選択できるように。そんな想いが込められています。

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