今週のチャリティー先は、関西盲導犬協会。
京都府亀岡市にあるセンターに、西田・YAMMYでお伺いし、スタッフの岡本さんにお話をお伺いしてきました!
体験歩行もさせていただいたので、その様子もレポートします!
関西盲導犬協会のPR犬・ブライト。凛々しい佇まい!
公益財団法人 関西盲導犬協会
1980年に発足し、盲導犬の育成・普及・啓発活動を行っています。
2004年3月には、関西盲導犬協会を舞台にした映画『クイール』が公開され、話題になりました。
公益財団法人 関西盲導犬協会
京都府亀岡市曽我部町犬飼未ヶ谷18-2
関西盲導犬協会では、月に1回のペースで定例見学会を実施しています。最初に、この見学会にお邪魔しました。
盲導犬の役割や一生について学ぶほか、盲導犬の居住スペースや訓練風景を見学し、盲導犬に対する知識を深めることができます。
見学会の様子。この日はPR犬のヘーゼルも一緒でした。
見学会にて・盲導犬の訓練風景。小さいことでも達成したら「グッド、グッド」と褒めてあげて「訓練は楽しいんだ」と思ってもらうことが重要なのだそう。
新しく建てられた訓練犬たちの居住スペースも見学しました。広くて開放的!
盲導犬ユーザーの方、トレーナーさんやボランティアの方など実際に盲導犬の育成に関わっている方たちとも交流できる、とても充実した見学会でした。
居住スペースの入り口、クリスマスツリーの前でじっとおとなしく指示を待つヘーゼル。
見学会のあと、関西盲導犬協会の岡本さんに盲導犬の歩行体験をさせていただきました。JAMMINを代表して、西田が体験!
まずは、アイマスクで完全に目が見えない状態にします。
アイマスクをつけて岡本さんの説明を受ける西田。
ハーネスを握り、盲導犬について直線を歩く。何も見えないので、ドキドキ。
ああ、そもそもまっすぐ歩けてるのかかわからんし、障害を避けたという感覚がないぐらい、スムーズに誘導してくれるんですね。
(盲導犬、その後に西田もストップ)
門の少し前で停止。急に停止するのではなく、ゆっくりと歩くスピードを落とすよう訓練されているのだそう。
盲導犬は急に停止するのではなく、ゆっくりと歩くスピードを落としてから停止します。
スピードが遅くなることで「あ、前に何かあるんだな」ということがハーネスを握っているユーザーにも伝わります。
停止した位置で、前に手を伸ばすと…
あっ!こんなに門に近かったんですね!びっくりや!
前過ぎず、後ろ過ぎず、人間の手の届くところでしっかり停まれるなんて…すごい正確な誘導ですね。
ここで、西田の体験歩行が終了!感想を聞いてみました。
お話をお伺いした山﨑さん。これまでに3頭の盲導犬にお世話になったそうです。
46歳から盲導犬にお世話になって、今が3頭目です。
でも、初めて行く場所や都会の街中は、どうしていいかわからないこともたくさんある。
バスに乗るときなんかは大変です。
都会だとバスターミナルに次から次へとバスが来る。バスの番号や行き先を目で見て確認することができませんから、停まっているバスに近付いて声をかけて確認しています。
「どこに行かれるんですか」とか「信号が青になりましたよ」とか、そんな一言をかけてくれたら大変助かります。
山﨑さんと盲導犬のテリー君。「電車に乗ったりお店に入ったりするから、毛が落ちないように服を着せている」と山﨑さん。
ほかに何か、わたしたちができることはありますか。
犬は触られるとそちらに気がとられてしまいますから、できればそっとしておいてほしいかな。
どうしても触りたいときは一声かけていただけると状況が理解できるので助かります。
ところで、山﨑さんにとって盲導犬ってどんな存在ですか。
今回の取材でお世話になった関西盲導犬協会広報担当・盲導犬訓練士の岡本さんと相棒のPR犬・ブライト。
生後2ヵ月になるとパピーウォーカーと呼ばれるボランティア宅に預け、1歳まで育てていただきます。1歳になると訓練センターに戻り、約1年間訓練します。
試験を受けて盲導犬の候補犬となった犬はその後、ユーザーとなる方と共に歩き方や生活の仕方、またユーザーとなる方が盲導犬の管理方法などを学ぶ「共同訓練」を行います。
さらに試験を経て、晴れて盲導犬としてユーザーと共に巣立っていきます。
盲導犬になる頃には2才になっていますが、そこから10才までの約8年間をユーザーと過ごします。
目の不自由な方が、少しでも自分らしい人生を歩むことができるような盲導犬を育てたいと思っています。
犬によっては環境の変化に敏感だったり、ストレスを感じやすい犬もいます。
犬たちにとってより良い住まいを考えたとき、また盲導犬になった後の生活面を考えたとき、訓練中であっても普通の家に近い状態で過ごせるのが良いのではないかということで、このような空間になりました。
テーブルやソファなど、普段の人間の生活に馴染みのある家具が置かれています。明るく、とにかく開放的!
駅のホームというのは、慣れた場所であっても日や時間によって常に状況が変わりとても危険な場所です。盲導犬やユーザーは、訓練を受けているとはいえ、人の流れや雑踏などによって進むべき方向を見失ってしまい危険な状態に陥ることもありえます。
駅のホームに転落を防ぐホームドアを設置することは有効ではありますが、全部の駅でそれをするとなると、お金も時間もかかります。
「そちらへ行くと危ないですよ」など周囲の人たちが声をかけることが出来れば、こういった事故を防ぐことができるのではないでしょうか。
音声信号のない交差点などで横断のタイミングをはかるときなどは、ハイブリット車なんかは音も非常に静かですし、街の雑踏にかき消されて、車が近づいていることに気づかないこともあります。
「車が来ていないので、今渡れますよ」、「車が来ていますよ!」、「危ないですよ!」とちょっとした声かけで、危険な状況を回避できます。
しかし未だ盲導犬に対する理解不足により、飲食店や公共の施設で盲導犬の同伴を断られるといったケースもあります。
盲導犬ユーザーが安全かつ快適に外出するために、盲導犬について正しく理解してもらい協力を得ることはとても重要な課題です。
盲導犬は基本的に人が大好きです。ユーザー以外に頭を撫でられたり触られたりすると喜んでしまいます。しかし、盲導犬としての仕事がおろそかになり、ユーザーに危険が及ぶ可能性があります。
盲導犬が1日に盲導犬としての仕事をするのは主に歩いているとき。
体につけている「ハーネス」という白い胴輪は、お仕事中の目印ですから、むやみにかまわず、ぜひ温かく見守ってください。
ユーザーの障がいに合った訓練をすることで、一緒になったときにその方の生活の質を高めるような犬を育てていきたいと思っています。
そのためには、職員の専門性も必要です。
現在、関西盲導犬協会では1年間に12〜13頭の盲導犬を育てていますが、これからは頭数もさることながら1頭1頭の訓練に時間をかけていくことも大切だと感じています。
生後間もない子犬もそうですし盲導犬としての勤めを終えたリタイア犬たちもボランティアの方々の家庭で温かく見守っていただいています。
もし盲導犬の育成に興味を持っていただいたら、寄付やボランティアというかたちでぜひアクションを起こしてくだされば嬉しいです。
何よりもまずは、盲導犬を正しく理解いただき、盲導犬を連れている方を見かけたら、積極的に声をかけてみてください。
一人前の盲導犬になるために訓練中の犬たちのドッグフード代や医療費、育成費として大切に使わせていただきます。
取材を終えて〜YAMMYの編集後記〜
亀岡の豊かな自然のなかに活動拠点を構える関西盲導犬協会。訓練犬たちの広々としたおしゃれな居住スペースにはびっくり!あと、スタッフの皆さんが楽しそうにお仕事されている姿がとても印象的でした。
ストレスの少ない場所で、信頼関係を築きながらのびのびと訓練できる。そのことがいずれ盲導犬として巣立っていく一頭一頭に、とても良い影響を与えているのだと感じました。
岡本さん、取材にご協力いただいた皆様、ありがとうございました!
関西盲導犬協会のホームページはこちら
暗闇を盲導犬のシルエットが照らし、道筋を作っています。
視覚障がいのある方が、盲導犬と生きることによって、歩く道だけでなく、人生のパートナーとして生きていく道を共に見出していく。そんな思いをデザインに込めました。
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