CHARITY FOR

NPO法人NEXTEP(ネクステップ)

TEXT BY YAMMY

今週のチャリティー先は、NPO法人NEXTEP(ネクステップ)。

NEXTEPの活動のひとつに、障がいや重度の病気をかかえる子どもの訪問看護があります。

私自身は正直今回お話をお伺いするまで、子どもの訪問看護、訪問介護があるということを知りませんでした。

家族だから、一つ屋根の下で暮らしたい。でも、人間誰しも自分のペースがあるし、自分のやりたいことをしたり、自分らしくいることができたりする場所が必要です。

NEXTEPは、専門のスタッフがサポートしながら、障がいのある子ども自身のケアはもちろん、家族の方に息抜きする時間や、理解を示してくれる人の存在、境遇が近しい人との交流や情報交換の場所を提供し、地域を巻き込んで問題解決へと取り組んでいます。

今回は、NEXTEP創設者である島津智之さんにお話をお伺いしました。

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NEXTEP代表の島津智之さん。

お話を伺ってみると、子どもの支援だけではなく、地域、そして世の中を変えていくことまでを見据えたビジョン、熱意、野望、本当に「すごい」の一言でした。

自ら新しい道を切り拓いて解決していくことを、とても楽しそうに、まるで当たり前のことのようにすらすらと、いきいきとお話される姿がとても印象的だった島津さんのインタビューをご紹介します。

今週のチャリティー

NPO法人NEXTEP(ネクステップ)

熊本県を拠点に構え、障がいや病気を持ちながら在宅生活を送っている子どもたちへの訪問看護や、
不登校児のサポート、異業種交流会等の企画運営等を実施している団体です。

NEXTEP立ち上げの経緯

島津さんは、学生時代の2000年に活動をスタート。

現在は障がいのある子ども達の支援や不登校児のサポートを行うNEXTEPの理事長を務める傍ら、普段は小児科医として子どもと接しています。

【島津】NEXTEP自体は、もともと異業種交流会や講演会などの場を提供する活動がベースで立ち上がりました。

たとえば、医療関係の問題を解決するときに、医療関係者だけが集まってもそれは解決しない。環境問題を解決するときに、環境問題に興味がある人たちだけが集まってもそれは解決しないんじゃないか。

二十歳ぐらいのときに漠然とそういう思いがあり、とりあえずいろんな人たちが集まれる場所を作ろうと思ったのが、活動のきっかけです。

小児科医として、そしてNPOの一員として。どちらも自分にとっては大事な手段

【島津】いろんな場に参加するなかで、どうも日本の子どもたちに元気がないなと感じるようになりました。

また、小児科医として病院で子どもと接していると、虐待や不登校、学校に通いたくでも障がいなどの事情があって通えないといった子どもが直面している問題が見えてきます。

病院で問題解決へ向けて取り組むというのもやり方としてはあります。

けど、どうしても規制が出てきてしまう。たとえば、病院で入院している子どもたちを集めて流しそうめんをしよう、と提案したとしますよね。そうすると「感染症のリスクが増える」といわれてしまい、実現はほぼ不可能ですよね。

けど、かたやNPOではふつうにそれができる。流しそうめんに来る人たちは、感染症のリスクは考えていないわけです。

子どもたちの目のまえにある問題を解決したい。それが僕のライフワークだとしたときに、平日は小児科医として目の前にある問題に取り組みながら、仕事以外の場ではNPO事業者として子どもと関わることができる。

そういう意味では、自分がやりたいことに対する手段やアプローチの仕方が増えるので、良かったと思っています。

子どもを取り巻く環境のなかには、医療関係者だけでは解決できない問題がたくさんあります。そこを変えていくには、やはり地域に暮らす人たちとコミュニケーションをとり、理解し合っていくことが大切だと感じています。

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北海道への家族旅行の実現をサポートしました。重い障がいがあっても、大切な家族の思い出作りができるように(左から二人目が島津医師)。

【島津】実際医療の中だけでは解決できないなと思ったときに、NEXTEPの活動を通じて、これまで15年間、熊本でやってきたネットワークを駆使しながら、当事者たちだけではなく地域のいろんな人が集まれる場所を作るなどして、問題解決を目指しています。

例えば不登校サポート事業では、「農作業体験活動」を月1回のペースで行っています。

この活動の中で、農家の方に野菜を育てる指導をお願いしたり、時にはピザ釜づくりのような体験プログラムを、専門の方を呼んで教えてもらったりすることもあります。

ネットワークに様々な方がいるからこそ、活動の幅を広げることができ、子どもたちにとっても良い環境を作ることができているのではないかと思います。

地域自体がよくなれば、やがて自分たちにも還元される

島津さん自身、3人のお子さんを持つお父さんです。
でも、「自分の子どもだけまともに育つ」、そんな地域は想像できないといいます。

【島津】地域を良くしていく、ということを考えたときに、次にここを担っていく子どもたちの存在はとても大きいです。

僕自身、3人の子どもを持つ父親ですが、「自分の子どもだけがまともに育てばいい」という考えで、実際に自分の子どもたちだけまともに育つ地域などというのは、正直まったくイメージが湧きません。

自分の子どもが育っていく環境に対してアプローチしていくことが、結果として自分の子どものためにもなっていくんだと思う。

そうやって一人ひとりが自分のこと、自分の子どものことだけでなく、世の中の問題に対して意識をもっていくことが問題解決への糸口だと思います。

NEXTEPの活動では、問題の深部を探り、根本的な解決を目指す土台を、地域の人たちと共に作っていきたいと思っています。

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先日行ったハロウィン仮装の様子。手作りの仮装に身を包み、地域の皆さんのお宅をまわりました。

熊本が変われば、ほかの地域も変わる。モデルとなれる地方都市を目指して

島津さんにとって、「地域」という言葉がひとつキーワードとしてあるかと思うのですが、
「熊本」にこだわられる理由があるのかお伺いしました。

【島津】僕自身が強く熊本にこだわっているというわけではありません。生まれは福岡ですし、熊本へは大学時代になってやってきたので、地元というわけでもないんです。

でも、熊本で新しい試みをして、それがうまくいけば別の地域で、自分たちの地域にも取り入れてみよう、やってみようと思ってくれる人たちが出てくると思っています。

お金にならないことって、実際のところなかなか行動に移すのは難しいところがあります。「世の中をよくするためにこんなことをやりたい」と思っていても、「うまくいかない」と周りからアドバイスをもらうこともあるでしょう。

実際、子ども専門の訪問看護事業も、僕自身ぎりぎりのところでやっていけるだろうと思ってはいましたが、立ち上げ前には「うまくいかない」と多くのアドバイスをもらいましたし、実際に事業を始めて半年間は赤字で、借金を増やしながらの運営でした。

でも、学生時代から10年以上活動を続けてきたなかで築き上げてきたネットワークを使えば、なんとかなるんじゃないかという思いはありました。

想いだけで叶えるのは難しいですが、10年のネットワークがあったからこそできたこともたくさんあります。

今は、自分たちが率先してここ熊本で子どもの訪問看護や地産地消を目指した取り組みなど、新しいことをやってみて、それがうまくいけば他の地方都市で同じように考えている人に勇気を与えることができると思っています。

「熊本でうまくいくなら、自分たちもできるはずだ」と思ってもらうきっかけになってくれればと思うし、熊本から成功モデルを発信できればと思っています。

より多くの人たちを巻き込み、笑顔を増やすコミュニティーが理想

最後に、今回のJAMMINコラボでのNEXTEPのチャリティーの使途をお伺いしました。

【島津】現在は熊本県北でメインに活動していますが、南に事務所を増やしたいと思っていて、その建設費に今回のチャリティー金を使わせていただきます。

対応できる子どもの数が増えるのはもちろん、新しい事務所では地域の方も参加できるコミュニティーを作りたいと思っています。

月曜日から金曜日はみんな事務所で仕事をしているんだけれども、週末はマルシェを開催して障がい者が作るお菓子を販売したり、不登校児たちとNEXTEPの畑で育てたブルーベリーをジャムなんかに加工して販売したり…、そんなコミュニティーを作ることができたらいいなと思います。

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月に1回の農作業体験活動。作物を収穫したり、土に触れたり。自然を感じるとともに、学校や年齢を超えた自由なコミュニケーションの場です。

【島津】医療・福祉・教育…いずれにせよ、子どもたちを取り巻く環境は課題もたくさんありますし、逆にいえばもっとよくしていけると思っています。

地域の方たちと話し合いながら、ひとつひとつ壁を突破していけたらと思っています。

「誰もが住みやすい地域」を考えたときに、障がいや問題のあるなしに関わらず、みんなが互いを理解し合い、笑顔でいられる場所だと思うんです。そんな場所やきっかけ作りを今後もやっていきたい。

まずは自分たちが新しいことにチャレンジして、後に続く人たちの道しるべとなれたらいいですね。

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ローカル局「くまもと県民テレビ」のアナウンサーによる絵本の読み聞かせ企画。利用ご家族様やスタッフみんなで楽しみました!

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インタビューを終えて〜YAMMYの編集後記〜

「○○問題」、「××問題」…、様々な「問題」と呼ばれる問題が世の中にはありますが、でも実は「問題」という言葉を勝手につけて、「これは問題なんだ」、「難しい、なかなか解決しないことなんだ」と自分からあえて遠ざけて、解決のきっかけもチャンスも見ないようにしているようなところが自分のなかで無意識にあったかもしれない…、島津さんのお話をお伺いしながら、そんなことを感じました。

地域の人たちを、しかも楽しく巻き込みながら、「これは難題かも」、「自分には関係ないことだ」なんて考えるスキを与える前にその渦へ皆を巻き込んでいく島津さんの発想、バイタリティーにただただ関心しきりのインタビューでした。

すごい私事なんですが、今回、初めてNPOさんにインタビューさせていただいたのもあり、結構ドキドキしていたんです。

「NPOの人ってどんな感じなんだろう?」、「ついていけなかったらどうしよう?」、「業界では当たり前すぎることを聞いて失礼になったらどうしよう」等々…。

でも、島津さんはどんな質問にもひとつひとつ言葉を選びながら丁寧に答えてくださり、かといって押し付けたり無理矢理な感じが一切なく、とても腰の低い方で、そんなお人柄がきっと多くの方を味方にして巻き込んでいける秘訣なのかもしれないと感じました。

島津さん、ご協力いただいたスタッフの皆様、ありがとうございました!

今後のご活躍にも注目です!
NEXTEPのホームページはこちら

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空飛ぶ風船がアクセントのタイポグラフィーデザインは、NEXTEPの事業の一つ、障がいのある子どもへの訪問看護、介護からヒントを得ました。

NEXTEPが子どもに、そして介護を伴いながら子育てをするご家族に笑顔を運んできてくれる。そして、皆が笑顔になることで明るい未来がやってくる。

そんな想いを詰め込んだデザインです。
(Designed by DLOP)

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