「私は昔、ソーシャルゲームを作ってました」少し恥ずかしそうに語ってくれたのは、田中美咲さん。現在は、一般社団法人防災ガールの代表として、全国を駆け回る忙しい日々を送っています。
ソーシャルゲームという華やかな人気業界から、一見地味にも思える防災という業界へ。そのギャップに、初めて聞いた時は驚きました。
(防災ガール代表 田中美咲)
防災ガールは、日本の防災意識の向上を目指し、2013年に作られた新しいNGO。防災研究に携わる研究者、声優、営業、ライターなど、多様なメンバーと一緒に、日本に防災意識を広める活動に取り組んでいます。
(国内・海外含めて25名のメンバーで活動中)
田中さんは元々、大手IT企業でキャリアをスタートさせました。ソーシャルゲームを開発する中で「なかなか自身の中でやりがいを感じることが出来なかった」と言います。
そんな葛藤を感じていた頃、東日本大震災が発生します。田中さんは、すぐに復興支援のボランティアへ参加しました。
(復興ボランティアとして福島に住み込み)
「活動に参加して『死生観』について強く意識し始めた」と教えてくれました。いつ自分が死ぬかわからない。だからこそ、今自分がしたいこと、出来ることをやろう、と決意し会社を退職。福島に移住し、本格的に復興支援の現場で活動をスタート。この体験が、今の防災ガールに繋がるきっかけになっています。
そもそも、防災ガールという、少しヘンテコな名前は、なぜ付けられたのでしょうか。田中さんは、様々な支援活動に関わる中で「防災業界には、オジサンが多い」と感じるようになったと言います。そして、日本で非常食を常備している年代を調査すると、20代が最も低く、その後年齢と共に上昇していきます。
平成25年版 防災白書|図表1-0-31 非常用食糧の用意の有無 – 内閣府
しかし、防災というのは、年代や性別を超え、ある日突然やってくるもの。万が一に備える必要性は、年齢を問いません。
あなたのことを想って言ってるんだし、防災してよ!と正面から伝えるタイミングも重要です。しかし、若者たちに今の方法で防災の重要性を伝えるのは限界がある、そう考えた彼女は「若い人が楽しみ、参加したくなる防災」というコンセプトを思いつき、防災ガールを設立します。
現在では、防災ガールは全国の行政、企業、学校と連携。通常の防災活動には全く参加していなかった若者・ママ向けの防災プログラム開催など、若者向けの防災意識啓発、という新しいフィールドをどんどん進んでいます。
(鈴鹿市のママ達との防災ワークショップ)
今週、皆さんからお預かりするチャリティーは若者向けのプログラム、「次世代版避難訓練」の開催費用として使われます。
「次世代版避難訓練」とは、地域内で起きる可能性がある災害について学びながら、地域の防災・災害に関する場所を、制限時間以内に巡るイベント。位置情報サービスを活用したゲーム(通称、位置ゲー)Ingress等を活用した画期的なアイデアです。
前回の開催は渋谷区と連携し、参加者からは「今までの避難訓練は参加しなかったけど、これなら参加したくなる」「本質的でわかりやすい。防災対策をしなくちゃ」など、防災に対する認識が変わった、という声が多数寄せられています。
(Ingressという位置情報ゲームを用いた次世代版避難訓練は、リクルートグループ・渋谷で開催)
今週のチャリティーを通じて、今まで防災に関心が少なかった人が「次世代版避難訓練」に参加し、楽しく防災に取り組むことが出来ます。
そして、あなたのお手元に今週のアイテムが届いたら、是非近くの大切な人に「防災って素敵なことだよ」と伝えてみてくださいね。
(次世代版避難訓練での一枚)
TEXT BY YUHEI KAI
法人名:一般社団法人 防災ガール
活 動:東京に事務所を構え、防災をオシャレに楽しいものとするために活動する非営利法人。
H P:http://bosai-girl.com
【 THANKS MESSAGE 】一般社団法人防災ガールから御礼とメッセージ JAMMIN | Social Wear Brand