DESIGNER
1989年大阪府生まれ。幼い頃から絵を描くのが好きで、高校生の頃、ヨーロッパのグラフィティやストリートアートに出会い文字に魅力を感じ、大阪芸術大学グラフィックデザイン学科に入学。人と人を結ぶデザインの力に魅了されアートではなくデザインを仕事にしたいと思い始める。2014年からJAMMINのデザインを手伝い始める。2015年に専属デザイナーとしてJAMMINに入社。
JAMMINは毎週、チャリティー先のコンセプトに合わせたデザインTシャツを1週間限定でリリースしています。
僕のメインの役割としては、毎週変わる団体さんの話をしっかりヒアリングし、そこからその団体の魅力や主張を引き出し、なおかつお客さんに「かっこいい」、「かわいい」と思って手にとってもらうようなデザインを生み出すことです。デザイナーである自分が橋渡しとなって「NGO/NPO」と「お客さん」を結ぶ架け橋になり、チャリティーに貢献できるデザインを心がけています。
(デザインはすべて手描き。最初は鉛筆でラフを引きペンで清書して、その後データに取り込みます。)
JAMMINと出会ったのは学生時代。アーティストが登録して自分の作品を載せられるウェブサイトで、代表の西田さんに声をかけてもらったのが始まりでした。最初はフリーランスで一緒に仕事していましたが、2015年3月にJAMMINに入社してすべてのデザインに関わらせてもらうようになりました。
絵が好きでずっと小さいころから描いていましたが、漠然と思っていたのは、ただデザイナーになるんじゃなくて、街中で自分のデザインしたものがいつか見れるような関わり方、人の生活に深く関わっていけるようなデザインの仕事がしたいということ。だから、JAMMINの「Tシャツ」というアイテムには可能性を感じました。
(イベントにて、ライブペイント中の一コマ。絵を描いていると、時が経つのを忘れます。)
これまでいろんなテーマでデザインを描いてきましたが、一番印象に残っているのは僕が初めてJAMMINのデザインを担当させてもらった「レット症候群」についてです。NPO法人レット症候群支援機構代表の谷岡さんに、大阪の事務所で話を伺いました。
そのときまでレット症候群について何もしらなかったので事前にいろいろと調べて行ったんですが、実際お会いして話を聞いてみると自分で調べているよりも全然温度感が違うということに気づいたんです。
レット症候群である谷岡さんの娘さんの話を聞きながら、自分で調べたつもり、知ったつもりになってはいたけれど、そこには限界があるんだと。家族が難病と闘っている人の話を聞くことで、問題をより身近に感じましたね。
あとは、話を聞いてみると思っていたよりもネガティブじゃなかったということもあります。病気だからどうこうということではなく、子どもの個性を受け入れて共に歩んでいく、子を思う親の気持ちは変わらないんだと思いました。
初めてのお仕事だったので、僕自身表現方法をたくさん持っていたわけではないのですが、限られたタッチのなかで谷岡さんにお伺いしたこと、そこで僕が感じた温度感にできるだけ近づけようとデザインしました。すごく印象に残っていますね。
(1デザインを完成させるのに10パターン、20パターン描き込むことも。消しゴムのカスがすごく溜まります。)
2015年のFUJI ROCK FESTIVALにJAMMINとして出店させてもらったのですが、NGOやNPOのブースで同じように出店されていた、実際に自分がデザインした団体の方たちと話す機会があって、会ったことがない中で、自分のデザインしたTシャツから、自分の知らないところで人が動き、新しいストーリーが紡がれていく、想いが繋がれていくというデザインの力の凄さを改めて感じました。
僕のデザインはパソコンのみを使ったデザインではなく、手描きというアナログな作品がほとんどです。自分が机に向かって試行錯誤して引いたデザインの線1本1本がどこかでチャリティと人、人と人、想いと想いを繋げていく糸になっていく。だから、しっかりと想いをくみとり、伝えていく・訴えていくようなデザインにしたいと思っています。
今はまだJAMMINの取り組みの面白さだったり、チャリティー先行で話題にしてもらうことが多いです。とてもありがたいことですが、ゆくゆくはチャリティー先行ではなく、「かっこいい!」て手にとってもらって、後から「実はチャリティだったんだ」って知ってもらうような、そんな「ファッションから社会問題を知ってもらう」ようなブランドにしていきたいと思っています。
かっこいいものって、無条件にかっこいい。僕たちがかっこいいものを発信し続けていれば、チャリティに興味がない若い人たちやチャリティ発信だけでは届かない人たちにも、もっと身近に問題を感じてもらえる。そうやって少しずつ、JAMMINのカラーを出していきたいと思っています。
(最近は、別注アイテムで声をかけていただくことも増えてきました。ものづくりも頑張っています!)