【エシカル対談①】エシカルファッションってそもそも何?まずは知っておくべき3つのポイント

2014.11.21 | CATEGORY : MAGAZINE

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先週は予告のみでしたが、今週からは対談本編がスタート! エシカルというコンセプトに共感してくれる人は多いです。ただ認知が高くない。だからJAMMINでは少しでも多くの人に、このエシカルファッションのことを知って欲しいと考えています。

今回のトークテーマは「エシカルファッションってそもそも何?」です。

1,課題に対してアプローチをするのがエシカル

高橋「対談、よろしくお願いいたします。まずはエシカルファッションの定義を教えてもらえますか?」

竹村「エシカルとだけ聞くとなじみの薄い言葉ですが、オーガニック・フェアトレード・リサイクル、という言葉なら聞いたことがあると思います。
エシカルとは、このような環境や人に良さそうな取り組みの総称。これらの取り組みには解決したい課題があります。森林破壊を止めたいとか、貧困ををなくしたいなど。
そうした課題に対してアプローチするファッションがエシカルファッションです。」

高橋「結構幅広いといえば幅広いし何でも当てはまりそうな気もします。企業のCSR活動と呼ばれるものも概念としては近くないですか? 例えばアパレルブランドが展開するリサイクル推進の取り組み等とは何が違うのでしょうか?」

竹村「近いと言えば近いですが、強いて言えばその課題を解決することが本業か、つまり主たる活動かどうかがポイントです。エシカルファッションは、課題解決のためにあるファッション。単発のキャンペーンは当てはまらないと思いますよ。」

2、消費者はとっくに気がついている

高橋「コンセプトとしてはすっごくわかりやすくていいですよね! 長くファッション業界にいらっしゃる竹村さんから見て、こうしたコンセプトが生まれた背景には何があるのでしょうか?」

竹村「この背景にはビジネスの形態として利益だけを追求する限界が来ているというのがあります。人権や働き方そういったものに配慮しないと持続的な活動になりませんしね。」

高橋「利益を出すのは企業の成長に必要だけど、やり過ぎは良くない。パワーバランスとしても大手アパレルがどうしても強いので、生産者の人にシワ寄せが行ってしまうというところでしょうか。」

竹村「コスト削減も企業の創意工夫で生まれていればいいのですが、立場が弱い生産者にしわ寄せがいく、そんなやり方がダメだというのは消費者はとっくに気がついているんじゃないでしょうか。一方で企業は見て見ぬふりしてるという面はあると思いますよ。」

3、ファッションは結局、見た目が勝負!

高橋「関連するところで言うと、このエシカルファッションという言葉の反対語に近いのがファストファッション。最近目立つところでは生産者などへの配慮が欠けていて痛ましい事故も起きています。ただ厄介だな、と思うのはファストファッションはどこでも買えるし、安い。最強ですよねある意味。」

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竹村「価値観にも関係しますよね。私たちの団体でも多くのエシカルブランド紹介をしていますが、一般に流通するファッションに比べ品質・価格ともまだまだだな、と正直思います。」

高橋「それはなぜでしょう?」

竹村「エシカルブランドを始めるのが業界外の方が多いという特徴があります。JAMMINもある意味そうですよね。
途上国のこういう人を助けたい等、熱い想いで新しく始める。そうするとやっぱり、ファッションを専門にやっている人たちとデザイン・クオリティの面で勝負が出来ていない、そんな印象ですね。」

高橋「想いだけでは買ってくれないというところでしょうか。」

竹村「ファッション業界はいくらコンセプトがいいって言っても結局は見た目が勝負。そのルールの中で競争して勝っていかないと厳しいですよ。」

これから求められるのは、業界の常識に囚われない発想

高橋「それが現実なんでしょうね。日本人はファッションに世界一厳しいと言われる国ですし。」

竹村「もっと言うと、業界外だからこそ新しいことにチャレンジして欲しい。デザイン・プロダクトはもちろん一定程度クリアしながら、仕組みを面白くするというやり方もあります。」

高橋「うちも従来のファッションブランドのように展示会に出展して、バイヤーさんに認められてやっと軌道に乗ってくる、みたいなところで勝負する気はなかったです。
そもそも毎週新作をリリースしているので、現実的に出来ないというのもありますが笑」

竹村「JAMMINの面白いところは、チャリティーや週替りの仕組みはもちろん受注生産でかつオンラインでしか販売しかしないところ。
売れ残りがないという意味でもエシカルだし、店舗を持たないということでコストだけでなく環境にも優しい。新しいエシカルなやり方を具現化していると思いますよ。」

高橋「。。。そんな褒めても何も出ないですよ!」

竹村「え、そうなの?笑」

最後に

いかがでしたでしょうか? 対談で特に印象に残っているのが、エシカルは個人の趣味嗜好というより、社会的な背景からも求められているということ。

もっと多くの面白いブランドが増えることで、社会を良くするために作られたアイテムが一つづつ増えていって欲しいですね!

次回のテーマは「失敗しない買い物をするには?」です。せっかく買ったのに着ないのは勿体無い。そしてまだまだ割高な感もあるエシカルファッション。プロのスタイリストでもある竹村さんにファッション選びのポイントをお聞きしました。お楽しみに!