
重い病気の治療や手術のために、地元から遠く離れた病院に入院・通院する子どもたちと、その家族がいます。
付き添いは、親御さんにとって心身、また経済的にも大きな負担があるだけでなく、入院・通院によって生活が大きく変化する中で、家族にもさまざまな不安や悩みが出てきます。
「付き添う家族が、病気と闘う子どもを十分に支えられるように」。
温かい雰囲気の滞在施設「リラのいえ」、きょうだい児のための保育施設を運営するNPO法人「スマイルオブキッズ」が今週のチャリティー先。
「我が子の治療、入院や通院は、親御さんにとって想像以上に気を張ることの連続です。ささやかですが、少しでもご家族のためになれたら」。そう話すのは、リラのいえハウスマネージャーの脇島千晶(わきしま・ちあき)さん、きょうだい児保育施設長の玉﨑麻利江(たまさき・まりえ)さん。
活動について、お話を聞きました。

お話をお伺いした脇島さん(写真右)、玉﨑さん(写真左)。お二人が着てくださっているのは、前回コラボデザインのTシャツ!コラボ1週間、こちらのデザインのアイテムもあわせて販売しています!
NPO法人スマイルオブキッズ
病気や障がいのある子どもと家族を応援するために、患者家族のための滞在施設「リラのいえ」の運営、きょうだい児保育、家族の交流の場の提供などを行っています。
INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2025/12/15

「リラのいえ」のダイニング。「温かな雰囲気が溢れ、ほどよい距離感で利用者さん同士が交流できる空間です。ダイニングテーブルは、開設当初に神奈川建材の木で作っていただいたものを大切に使っています」
──今日はよろしくお願いします。最初に、団体のご活動について教えてください。
脇島:
「愛する子どもたちのために」という理念のもと、病気や障害のあるお子さんとそのご家族を応援しているNPO団体です。
主な活動は3つあります。
ひとつめが、神奈川県立こども医療センターに入院もしくは通院されている患児と、付き添いのご家族のための宿泊施設「リラのいえ」の運営です。
「リラのいえ」から徒歩5分の場所にある神奈川県立こども医療センターは小児の専門病院で、全国に15箇所ある小児がん拠点病院のひとつでもあります。地元の病院では治療が困難な患児さんとそのご家族が、神奈川県内だけではなく、他県からも、治療のためにやってこられます。自宅や地元を離れ、家族とも離れ離れの生活は、精神的にも大きな負担です。

木の温もりが感じられる廊下。「毎日のお掃除でボランティアさんがピカピカにしてくださいます。各個室は、すみれ、たんぽぽ、すずらんなど、お花の名前がついています。部屋名のステンシルボードは支援者さんの手作り品です。施設内にはこの他にも、手縫いのキルトなどが飾られ心を和ませてくれます」
脇島:
付き添いのご家族が、治療中の患児さんに十分向き合い、そばで支えられるよう、「第二の我が家」のような温かい環境を用意し、身体的・精神的、また経済的な負担を少しでも軽くできればと、ボランティアが協力して24時間体制で運営しています。
宿泊は一泊1,000円。施設内には専用の個室が11室、共有の台所や食堂、洗濯室などがあります。食事は提供していませんが、台所用品、食器等は全て揃っていて、企業や個人からのご寄付の食材もあり自由に調理ができます。月に数回、地域の飲食店さんによる「ミールサポート」も実施しており、とても喜んでいただいています。

ダイニングの食材のコーナー。「たくさんの方がご寄付くださるレトルト食品やお菓子などを、利用者さんに自由に召し上がっていただきます。定期的にご支援くださる企業さんも多く、フードバンクさんには、リラのいえのボランティアさんが毎週品物を受け取りに伺っています」
玉﨑:
ふたつめが「リラのいえきょうだい児保育」の運営です。
お子さんの急な入院や通院治療に伴い、ご家族の生活は大きく変化しますが、入院や通院の間、きょうだいさんは殆どの場合、一緒に病棟の中に入ることができません。また長い診察時間も待たねばなりません。
治療の付き添いをしなければならない時に、安心してきょうだいさんを預けられる先がなく、困っている親御さんが少なからずおられます。病院から、「ご両親一緒に来てください」と言われることもあり、きょうだいさんの預け先がないことは、ご家族にとって大きな不安にもつながります。

きょうだい児保育の様子。「さまざまな年齢のきょうだいさんが思い思いに楽しく過ごします。保育室はこの夏、日本テレビさんの『24時間テレビ』の企画でリフォームしていただき、より明るく楽しい空間になりました」
玉﨑:
「リラのいえきょうだい児保育」は、緊急時なども含めて、保育時間や曜日等、可能な限りご家族のご要望に沿うかたちで、保育士が一対一に近いかたちでお子さんと向き合い、手厚く接することを大切にしてきました。
脇島:
三つ目が、病気や障害のあるお子さんとその家族の交流の場の提供です。
特に音楽での支援活動には力を入れており、毎年1回、夏休みやゴールデンウィークに「ふれあいコンサート」を開催しています。

重症心身障がい児とそのご家族を招待する「地域がささえるふれあいコンサート」。「呼吸器の装着や、車いすやバギーでの移動が必要なご家族に、気兼ねなく音楽を楽しんでいただきます。毎年の開催で、ご家族や出演者の皆さんとの絆が深まっています」

「リラのいえきょうだい児保育では、好きなおもちゃを選んでおもいっきり遊んだり、ごろんと天井の空を仰ぎ楽しい空想の世界へ、身体も心も休めます」
──きょうだい児保育にも力を入れておられるんですね。
玉﨑:
大切な家族が病気になったことによる生活環境の変化は、きょうだいさんたちも小さいながら感じていると思います。さまざまな不安や、モヤモヤした気持ちを抱えているかもしれない、その背景を想像し「この時間がきょうだいさんにとって楽しい遊びの時間となるように。自分たちができることで家族を支えられたら。」という思いで、きょうだいさんたちと遊びます。
ここでは、保育士が一対一に近いかたちできょうだいさんと遊び、その子を丸ごと、受け止めるようにしています。
中には、自分の気持ちを押し込めてしまう子もいれば、攻撃的になる子もいます。
もちろん他のお子さんを巻き込んだり傷つけたりすることがないように十分配慮した上で、受け止めて、遊びに転化したりするようにしています。
「きょうだいさんのさまざまな感情を、ここで発散できてよかった」と、肯定的に捉えるようにしています。

紙コップを積み上げて、エイヤー!と崩して遊ぶ。「どのお子さんも自分の好きな遊びを、思いっきり楽しみます。私たちも、きょうだいさんと一緒に思いっきり遊ぶことを大切にしています」
玉﨑:
きょうだいさんが成長して大きくなっていく時に、ここで過ごした楽しい思いや「受け止めてもらえた」という感覚が、たとえ記憶としては残らなくても、細胞レベルで何か、肯定的なものとして作用し、成長していくうえでの自己肯定感につながっていってくれたらと願っています。
リラのいえきょうだい児保育は、0才の赤ちゃんから、小学生になったお子さんもお預かりします。毎日様々な状況の一時預かりの保育です。
複数お子さんがいると、年齢が高い子が周囲に気を配って小さい子の面倒を見ようとがんばってくれたりします。小さい子たちに対するそのお子さんの優しい気持ちは大切にするけれど、少なくともここで過ごす時間は、他の誰でもない、その子の時間です。
だから周りを気にせずに、その子自身がやりたいことを大切にしてほしい。そんな思いで保育士たちは向き合っています。
──そうなんですね。

手書きの保育報告書。「複写式になっていて、親御さんと保育室の両方に記録が残ります。保育中のエピソードを、細かく親御さんと共有します」
玉﨑:
また、ここでお預かりしている間のきょうだいさんの様子をご家族に伝えることも、とても大切にしています。
親御さんたちは、後ろ髪を引かれる思いできょうだいさんをここに預けられて、病院にいる間も、きょうだいさんのことを思っておられるんですよね。
「今日はこんなことをして遊びました」「きょうだいさんはこんな様子でした」という保育報告を、今時アナログではあるのですが、手書きでお渡ししています。
親御さんそれぞれで捉え方は異なるかと思いますが、「今でも大切に残している」「アルバムに貼っている」「きょうだいと向き合う時間の大切さに気づいた」という感想を寄せていただくことも少なくありません。
手書きの保育報告を介して、一対一で向き合うコミュニケーションは、親御さんにとっても何か、心に響くものがあるのかもしれません。

「2023年にリラのいえ開設15周年に合わせ、利用者へのアンケートを実施したところ、きょうだい児保育の総合満足度はなんと100%でした!『毎回、リラに行くよと言うと子どもがヤッター!と喜ぶ』など、嬉しい声がたくさん届きました」

リラのいえのダイニングでの一コマ。「利用するご家族の状況はそれぞれ異なりますが、自宅を離れてお子さんの病気と向き合っている立場は皆さん同じ。同志のような感覚で生活を送るうちに、ダイニングではおしゃべりに花が咲くことがあります。ボランティアさんとの何気ない会話で、緊張がほぐれることもあるようです」
──温かいですね。「温もり」は、スマイルオブキッズさんのご活動の随所に感じます。
脇島:
リラのいえの前施設長で今年82歳になる佐伯トシコさんは、神奈川県立こども医療センターで事務職員として長く働かれ、その間に患児とその家族の状況を目の当たりにして「自分に何かできないか」と、ご自宅を改装して「よこはまファミリーハウス」という滞在施設を始められました。
それがきっかけでリラのいえの立ち上げに携わり、2008年の開設後、長く施設長を務められました。
リラのいえは、佐伯さんの思いに共感し、「自分も何かできることをやりたい」という人たちが集まっており、今でも「佐伯イズム」を脈々と受け継いでいます。

「もみほぐしマッサージやハンドトリートメントなど、癒しをお届けくださるボランティアさんもおられます。この日は整膚マッサージの先生が来てくださいました。ママさんとパパさんにホッと安らぐひと時を過ごしていただくことができました」
──あえて言語化すると、それはどのようなものになるのでしょうか。
脇島:
「いかに想像を働かせて、相手を慮(おもんぱか)れるか」ということだと思います。
おせっかいかもしれないけれど、「もし自分が、同じ立場だったら」というふうに置き換えて考え、動くことしか、私たちにできることはありません。

花に囲まれるリラのいえ。「きれいなお花には、季節を感じたり、沈みがちな気持ちを少し軽くしたりする力があります。花苗や球根をご寄付いただく支援者さんに感謝しています」
──相手の立場に立ち、行動できるかということなんですね。
脇島:
リラのいえの運営には、たくさんのボランティアさんに関わっていただいています。スタッフやボランティアさん一人ひとりが「相手のため、子どもたちのため」と思えることであれば、みんなで話し合い、やってみようという風土があります。迎い入れる私たち自身の不安や具体的にどうするかなどを話し合い、決して独りよがりにならないように気をつけています。
そっと見守ることも含め、気を遣うこと、その先に「ありがとう」と言ってもらえることが、私もそうですし、ボランティアの皆さんのやりがいにもつながっていると思います。

「ボランティアさんの活躍は多岐に渡ります。室内のお掃除や利用者さんのご案内、電話応対など日常的な活動のほか、お裁縫チームやミールサポートチームなど、さまざまなお力を発揮してリラのいえを守ってくださっています。写真は、暑い夏も寒い冬も、花壇をきれいに整えてくださるボランティアさんたちです」
──そのようなところから、温かさが滲み出ていたんですね。
脇島:
「ファミリー・センタード・ケア(家族中心のケア)」という言葉があるのですが、小児看護は特に「家族があっての患児のケア」が重要です。
私は長年、神奈川県立こども医療センターに看護師として勤め、NICU領域から新生児、幼児、学童期、思春期の子どもたちの病棟…と、子どもの年齢や成長発達に合わせた関わりを経験し、学ばせてもらってきました。
医療現場だけでなく、おじいちゃんおばあちゃんも含めた「家族のケア」がいかに重要であるかということを経験上、強く感じてきました。
「愛する子どもたちのために」が私たちの活動理念ですが、リラのいえのサポートはまさに家族のためのものであり、病気と闘う患児のためのものでもあるのです。

自分の食事は後回しになりがちな親御さんたちに温かいご飯を届けられたら、という思いのもとスタートした「ミールサポート」。「2021年に行った寄付キャンペーンで、たくさんのご支援をいただきました。現在は月3回、心も体も温まるごはんを、近隣の飲食店の方とボランティアさんが協力して提供しています」

「企業や団体の皆様にもボランティア活動にご協力いただくこともあります。ホンダカーズ神奈川中株式会社様は、50名程の社員さんたちが大規模な草刈りやテラスの高圧洗浄などの清掃活動を定期的にしてくださっています。皆さんが手早く作業してくださる様子を、近隣にお住まいの町内会長さんがご覧になり、『関心する!』とお言葉をいただきました」
──これまでにリラのいえで出会われたご家族で、印象に残っているエピソードを教えてください。
脇島:
我が子が重い病気の診断を受けた時、ご夫婦二人では、なかなかお互いの感情の表現や意思疎通が難しいことがあります。看護師をしていた時に、我が子のつらい闘病生活を一緒に乗り越えたのに、その後別れるという選択をされた方たちに、何度も出会ってきました。
お子さんの病状が思わしくなく、リラのいえに滞在されたご夫婦なのですが、それぞれが私たちに状況を伝えてくださる様子や、表現の違いが気になったことがありました。
お母さまは涙を流してしんどさを話してくださるのですが、お父さまは黙っておられました。いろんな役割を背負って、きっと泣きたくても泣けないのだろうということが、表情から伝わってきました。

「長期滞在された利用者さんが、お子さんをお空に見送られました。退室後にリラのいえに来訪くださった際には、ボランティアさんが大勢駆け付けて、お子さんの写真を囲んでご家族のがんばりを労いました。『子どもがいないさみしさがあるはずなのに、皆さんのおかげで笑顔になれました』とおっしゃっていただきました」
脇島:
経験上、父親にとっても感情を出せる場があることの大切さを理解しているので、同じようにお子さんの闘病経験のある男性のボランティアさんにさりげなく入っていただいて、父親同士、腹を割って話ができる機会を作ってもらいました。
寄り添うことしかできませんが、難しい時期を乗り越えた後にお子さんの様子を手紙や写真で送ってくださる方、クリスマス会などイベントのたびに、家族揃って足を運んでくださる方もいて、お子さんの成長を見せてくだくことは私たちにとってとても嬉しい場面です。
──リラのいえで、ご夫婦の絆も強くなられたんですね。
脇島:
私たちの関わりは、ご家族にとって「点」でしかないかもしれません。
だけど、ここで出会ったお一人お一人の、その後の「線」で続いていく人生において、何かプラスにつながるような関わりが持てたらと思いますし、実家や仲のいい親戚の家のようにリラのいえに立ち寄ってもらえるような関係性が築けた時は、やはりとても嬉しく感じます。

リラのいえ開設15周年を記念して実施したクラウドファンディングで新設したウッドデッキにて開催したお花見会にて。「夏はバーベキュー、秋は芋煮会、冬はクリスマス会。利用者さんと支援者さん、スタッフの交流会として、季節ごとに食事会を開いています」

「ここに来てくれたきょうだいさんから、かわいいお手紙が届きます。ぽかぽかとあたたかな気持ちでいっぱいになります」
──玉﨑さんはいかがですか。
玉﨑:
「お子さんの大きな手術がある」ということで、そんな時は早朝からきょうだいさんたちをお預かりします。手術は予定より長引き、夜、手術を見守るお母さまを病院に置いて、お父さまだけがきょうだいさんを迎えに来られたことがありました。
お父さまは見たこともないほどに憔悴し切っておられたのですが、きょうだいさんたちは元気いっぱいで、「もう迎えにきたの?!今日はここに泊まっていく!」と言わんばかり。そんなお子さんたちの姿を見てみるみる表情が変わって、笑顔を見せてくださったんです。
我が子の治療、入院や通院は、親御さんにとって想像以上に気を張ることの連続です。
そんな時に、きょうだいさんの笑顔や無邪気な姿が、家族を元気にすることもあります。ささやかですが、少しでもご家族の応援になれたのかなと嬉しい気持ちになりました。
──確かに…。病院でもしんどくて、一方できょうだいさんも泣いていたり悲しんでいたりしたら、もっとつらくなってしまうかもしれません。

「きょうだい児保育を利用してくださっているお子さまとお母さま。『子どもにも、親にも寄り添ってくれる場です』と笑顔で語ってくださいました」
玉﨑:
最初に来た時は不安いっぱいで、泣きながら入ってきたようなきょうだいさんが、ここで過ごした後、病院から戻ってきたお母さんに笑顔で「楽しかった」と言っていて、それを聞いたお母さんもほっとした顔をされている姿を見たりすると、本当に嬉しいです。
──きょうだいさんで、印象に残っている方はおられますか。
玉﨑:
お預かりする中には、大人への「ためし行動」をするきょうだいさんもいます。私たち保育士はどんなジャブも受け止めるつもりですが、ある時、小学校低学年だったかな、「ババァ!」と言ってなかなか気持ちを許さなかった子がいたんですね。
「次は、上に二文字くっついたら『クソババァ!』になるだろうな」と思いながら、その子と無我夢中で遊んだ記憶があるんです。
そしたら何かの拍子に、彼が私を名前で呼び始めたんです。
心が開き受け止めてもらえたような、何とも言えない嬉しさがこみ上げました。遊びの中で何か、感じてくれたことがあったんだなと思いました。帰り際、見送る彼の背中から、楽しく過ごしてくれたんだなというのが伝わって、心に残っています。

「病院とリラのいえの往復の毎日でも、季節を感じられるように。クリスマスの時期は、クリスマスツリーのほかにも、リラのいえのあちこちにオーナメントが飾られます。この日、退院してリラのいえに戻って来られたお子さんが、高いところの飾りつけをお手伝いしてくれました」

地域との交流も。「リラのいえの地元、六ツ川四丁目町内会の各種イベントに参加させていただいています。写真は、夏祭りでポップコーン屋さんを出店した時の一枚。ポップコーンは、お子さんにも大人気でした!幅広い世代の方に活動を知っていただく貴重な機会で、夏祭りをきっかけに、ボランティア活動に参加してくださる方もおられます」
──読者の方に、メッセージをお願いします。
脇島:
自分の家族や大切な方のお子さんが、同じように治療や入院が必要になることは誰にも起こり得ることで、他人ごとではありません。闘病しているお子さんたちのために、その家族をサポートしたいという私たちの活動を理解していただき、ご支援いただけたら嬉しいです。
玉﨑:
きょうだい児保育については、預かりを必要とするご家族が、必要な時に受け入れができるよう、今以上に体制を整えていきたいと思っています。
また、きょうだいさんは、日常的には地域で生活しています。なので、きょうだいについての周知が広がり、理解を示してくださる方が増えるといいなと思っています。

「月に1度、ボランティア、保育士、事務局等が集まって運営会議を行います。決定事項は日常的にスタッフLINEで共有し、団体全体の活動状況を知っていただくように心がけています。それぞれ異なった立場で団体に関わっていても、お互いを理解し協力し合えるスタッフが大勢いることが、スマイルオブキッズのすごいところです」
──最後に、チャリティーの使途を教えてください。
脇島:
チャリティーは、リラのいえきょうだい児保育の運営に活用させていただく予定です。
現在、リラのいえの保育士は皆非常勤で、平日9時から15時をメインに、日によって、お預かりするお子さんの数の保育士さんを呼んでいます。患児さんの体調変化などにより、突然預かりの依頼があったり、逆にキャンセルになることもあって、ここで働く保育士たちにとっては、どうしても安定して働くのが難しいという状況があります。
一方で親御さんからは、土日も病院に面会に行きたいのできょうだいさんを預かってもらえないか、これまでよりももう少し長くきょうだいさんを預かってもらえないかといった声も多々いただいています。
こういった家族の要望に今以上にお応えするためにも、保育の体制基盤をしっかり整え、継続できるしくみを作っていこうと動いているところです。
患児さん、きょうだいさん、ご家族のために、ぜひ応援いただけたら嬉しいです。
──貴重なお話をありがとうございました!

2025年5月、ゴールデンウィークに開催された「ふれあいコンサート」のスタッフと出演者の皆さん。「『愛する子どもたちのために』というスローガンは、活動の中で自然発生的に生まれたものです。病気や障害のあるお子さんとそのご家族を支える活動が広がり、地域に根付いていくことで、子どもたちを温かくサポートできる社会を目指しています。ぜひ応援よろしくお願いします!」
インタビューを終えて〜山本の編集後記〜
身も心もクタクタになって、それでも「自分が頑張らないと」と踏ん張っている時に、「おかえり」と言ってくれる温かい場所があって人がいて、そっと寄り添ってくれたり、受け止めてくれたら、どれだけほっとするでしょうか。
運営していく上で、大変さやご苦労もたくさんあられると思うのですが、常に利用するご家族やきょうだいさんの視点に立ち、温かくやさしい場を保ち続けられているのが、本当にすごいと改めて感じました。

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スマイルオブキッズさんのご活動と「リラのいえ」をイメージした、4つの窓を描いたデザインです。
左上から時計回りに、それぞれ「きょうだいさんに寄り添う保育」「リラックスできて、一人になりたい時は一人に、交流したい時は交流できる個室」「手入れの行き届いた環境で、家族の誰か一人ではなく、全員を温かく迎え、受け入れてくれる場」「ボランティアさんなども含め、どんな人も温かく集える場」を表現しています。
窓の向こうに見える灯り。その向こうには、スマイルオブキッズさんの理念である「愛する子どもたちのために」相手を慮る心があって、その心のつながりが、ここでまた新たに出会う人たちの心を、温かく照らすことを表しました。
“Let your smile change the world(あなたの笑顔で、世界を照らして)”という言葉を添えています。
JAMMINは毎週週替わりで様々な団体とコラボしたオリジナルデザインアイテムを販売、1点売り上げるごとに700円をその団体へとチャリティーしています。
今週コラボ中のアイテムはこちらから、過去のコラボ団体一覧はこちらからご覧いただけます!