CHARITY FOR

献身的に人を支えた補助犬が、引退後、亡くなるまで穏やかに過ごせるように支援〜NPO法人日本サービスドッグ協会

盲導犬や介助犬、聴導犬やその繁殖犬などの引退後をサポートするNPO法人「日本サービスドッグ協会」が今週のチャリティー先。

育成には国からの支援があるものの、引退後については、一部の団体を除き、何の支援もない補助犬。
日本サービスドッグ協会は、高齢や病気による引退犬ボランティアの介護の負担を少しでも減らすことで、引退後の犬たちが穏やかに、健やかに過ごしてほしいと活動しています。

40代で視力を失った、理事長の谷口二朗(たにぐち・じろう)さん。
目が見えなくなり、できないことが増えていく失意の中で、迎えた盲導犬が人生を変えてくれたといいます。

「盲導犬は、歩くための便利な道具じゃないんです。『この子がいてくれる』ということが、私の場合、生きる力になりました。感謝しかありません」。そう話す谷口さん。

谷口さんと、谷口さんの妻でスタッフの谷口恵子(たにぐち・けいこ)さん、スタッフの五箇純子(ごか・じゅんこ)さん、杉田智子(すぎた・ともこ)さんにお話を聞きました。

奈良県葛城市にある日本サービスドッグ協会さんの事務所にお伺いしてお話をお伺いしました!看板の右に立っているのが谷口二朗さん、奥様の恵子さん、盲導犬のレフ君。左はスタッフの杉田智子さん

今週のチャリティー

NPO法人日本サービスドッグ協会

奈良県葛城市を拠点に、盲導犬・介助犬・聴導犬などの補助犬とその繁殖犬・PR犬など働きを終えた引退犬を対象に、支援金の支給や介護用品の支給・貸出しの支援を行うNPO法人。

INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2025/05/19

補助犬の引退後を支援

事務所での一枚。写真は谷口さんが2代目に迎えた盲導犬のレフくんと、2025年2月に亡くなったレフくんのお母さんのモアちゃん。「レフくんのパピーウォーカーが協会の理事だったこともあり、レフくんの盲導犬訓練期間の10ヶ月を除き、レフくんとお母さんのモアちゃんはずっと一緒でした。盲導犬になってから、啓発活動には親子で参加し、週3日の事務所の開館日にはいつも親子で皆さんをお迎えしていました。親子がこれだけ一緒にいられることはとても珍しく、とても嬉しい思い出です」

──今日はよろしくお願いします。日本サービスドッグさんとのコラボは3年ぶり3度目ですが、ご活動について、簡単に教えてください。

二朗さん:
補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)として働いた実績のある犬、また繁殖犬やPR犬など、補助犬と同様の働きをした引退犬を対象に、出身施設は問わず、引退後の生活をサポートする活動をしています。

引退犬ボランティアさんの負担を少しでも軽くすることで、犬たちとより豊かな、しあわせな時間を持ってほしいと活動しています。

地元の小学校を中心に、講演活動も行っている。「補助犬とはどのような犬で、どのように接したらいいのかなどをお話ししています」

二朗さん:
サポートの具体的な内容としては、ペットシート・紙おむつや介助ベルト、床ずれ防止マット、カート、車椅子などの介護用品の無料支給や無料貸出、支援金での一部補助や高額医療費への支援金の給付、また相談事業や、大型犬のシャンプーは大変なので、月に1度のシャンプーサービスも行っています。

──谷口さんは盲導犬ユーザーであられますが、活動への思いを聞かせてください。

二朗さん:
一般の方やボランティアさんと当事者である私とで、若干温度差があると思っています。
私は盲導犬ユーザーとして、盲導犬に本当にお世話になりました。しかし目が見えない私の代わりとなって献身的に働いてくれた犬たちが、引退後、生活に何の保証もないという状況はおかしいと感じています。

谷口さんの2代目の盲導犬・レフくん。力強く、軽快な足取りです

二朗さん:
「自分たちを助けてくれた犬たちのために、何かできないか」と、盲導犬ユーザーとボランティアさんが中心となって2002年に設立したのが、この団体です。

活動を始めて20年以上が経ちますが、現役時代、献身的に尽くしてくれた犬たちのために、その老後を引き受けてくれた方たちに対して、協会としてできる限りのサポートをしようという思いは、設立当時から変わっていません。

──今一緒におられる盲導犬のレフくんは、もうすぐ引退されるそうですね。

二朗さん:
2代目のレフは8月で満12歳になります。1歳10ヶ月で盲導犬として私のところに来てくれてから9年8ヶ月、10年近く一緒に歩きました。

──大体そのぐらいの年齢で引退するのですか。

二朗さん:
個体差がありますが、大体10歳、11歳ぐらいが引退を見極めるタイミングで、その子の状態やユーザーの希望も考慮しながら、訓練士が判断します。

私が最初に迎えた盲導犬のサファイアは、13歳半まで現役として一緒に歩きました。今はどんなに遅くても12歳ぐらいで引退しているようです。

──10年一緒に歩いたレフくんの引退は、寂しくないですか。

二朗さん:
レフが盲導犬でなくなるということに対して、一抹の寂しさがないわけではないですが、盲導犬を引退しても、これまで通り家族として一緒にいるから、そこまで寂しいというのはないですね。
どちからというと、次に迎える子に対する不安の方が大きいです。来月には盲導犬訓練所で丸2週間、次に迎える子と一緒に訓練に入ります。

この春、谷口さん夫妻が新しく迎えた3代目のダンディくん(写真右)。「ダンディは、サファイアを思い出させてくれるような大きな子です。とても優しい子で、レフとも仲良く一緒にテラスでお昼寝しています。我が家の一員となってくれたことに感謝です。いつまでも元気に楽しくレフ兄ちゃんと一緒に過ごしてほしいですね」

「献身的に支えてくれた補助犬。
引退後については、一部の団体を除き一切の支援がない」

スタッフの杉田さんの元で幸せに暮らす引退犬たち。「写真は2年前、繁殖引退犬だったイエール父ちゃん(15歳2ヶ月)、息子のネットくんと、北海道旅行へ行った時の一枚です。今はネットも15歳5ヶ月になりましたが、まだまだ遊ぶよ!」

二朗さん:
当事者からすると、引退後の犬たちを引き受けてくださる引退犬ボランティアは本当にありがたい存在です。というのは、引退犬ボランティアは「命のボランティア」で、最期まで看取らなければならないからです。

盲導犬の場合は、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーという犬種が主ですが、体が大きいために病気や寝たきりになった時、介護もそれだけ大変です。

しかし、初めてでよくわからずに引き取る方もおられますし、引き取ったばかりの頃は、犬も元気でまだ体も動くので、いずれ寝たきりになって介護するといったイメージも、なかなかわかないですよね。

日々の介護の中で、お世話が大変だったり、受け入れることが難しかったりすることもあります。でも私たちのような団体があって、同じように引退犬のお世話をしている人と出会うことで「うちの子だけじゃないんや」「一人じゃないんや」って思ってもらえるようで、「この場があってよかった」と言っていただくことも多いです。

月に1度開催されている「シャンプーデー」。「ボランティアさんが引退犬のシャンプーをしてくださいます。多い時で8頭のシャンプーを行います」

──現役の時に尽くしてくれた犬たちだから、老後は穏やかに、健やかに過ごしてほしいという思いなんですね。

二朗さん:
本当にそうなんです。
盲導犬がいてくれることで、私はどれだけ助けられたか。盲導犬は確かに、歩く時にガイドとなってくれるけど、それだけじゃないんです。盲導犬は、歩くための便利な道具じゃないんです。「この子がいてくれる」ということが、私の場合、生きる力になりました。「本当にありがとう」という感謝しかありません。

盲導犬を迎える前は、一人で出かけられませんから、出かけたい時は家族や知人に頼んでたんです。でもそうすると、なかなか都合も合わないし断られるし、いろんなストレスから、出かけること自体を諦めて、部屋に閉じこもるようになっていました。

でも最初にサファイアが来てくれて、僕とサファイアと、二人で出かけることができるようになって、諦めていたことから解放されました。最初は近くのコンビニで、でもどんどん気持ちが前向きになって、「次の休みはどこへ行こう」って、どんどん外に出ていくようになったんです。

──そうだったんですね。

谷口さんが最初に迎えた盲導犬・サファイアくんとの思い出を集めたフォトブック。「頼もしい長男のフォトブックもいっぱい!旅行もそうですが、一緒にいられることがうれしくて、毎日写真を撮っていたような気がします」

二朗さん:
生活をサポートしてくれる以上に、人の気持ちに入り、前向きにしてくれる力が、この子たちにはあります。それまでは「もうどうでもいいや」って思っていたけど、「この子が来てくれたから、がんばらないと」って思えるようになりました。

迎える人の生きる方向性を決めてしまうぐらい強くポジティブな力を、この子たちは持っているんです。ゼロはいつまで経ってもゼロやけど、1から2、その次は3と、盲導犬が来てくれたことで、どんどん可能性が広がっていきました。

この子と一緒にいろんなところに出かけていくことで、家族の会話も増えたし、いろんな出会いもありました。この子たちが引っ張ってくる力は、計り知れないものがあるんです。

「サファイアのパピーウォーカーさんからSNSを教えてもらい、ブログも始めました。遊ぶ友人も少なかった私たち夫婦に、たくさんの人とつなげてくれたサファイアには、ただただありがとうの気持ちでいっぱいです」

二朗さん:
そうやって献身的に支え、活躍してくれた補助犬が、育成については国からも支援がありますが、引退後については、一部の団体を除き一切の支援がありません。
だから私たちができるサポートをしようということで活動しています。

恵子さん:
私たち夫婦には子どもがいなかったので、盲導犬は神様からいただいた宝物だというぐらい、一緒に過ごさせてもらう喜びがありました。

長男のサファイア、次男のレフ、そして新たに三男のダンディを迎えますが、二人だけで過ごしていた時よりも笑顔が増え、友達もたくさんできました。もし盲導犬と出会っていなかったら…、今頃どうなっていたかな。想像もできません。

1代目のサファイアくんからバトンを受け継いで谷口さんと歩いたレフくんも、先日引退を迎えた。「事務所では、スタッフとレフのパピーウォーカーさん手作りによるサプライズ引退式を行ってくれました。私たち夫婦の入院生活をいつも支えてくれた優しいレフは、ほんとかわいくてたまりません。これからは私たちがレフの老後を支えていくからね。日本サービスドッグ協会は、引退犬にとって大切な存在です」

恵子さん:
盲導犬を迎える前、夫は障害者手帳を持つことも、白杖を持つことも嫌がっていました。だんだん視力が失われる中、孤独やしんどさを一人で抱え、弱音を吐くことはしませんでしたが、隣にいて、その葛藤やいらだちも伝わってきました。

目がほぼ見えないのに無理して一人で出かけて、溝にはまって「もういよいよ無理や」という時に、盲導犬ユーザーさんの講演を聞きに行って、「ええ話を聞いてきたわ。俺も、盲導犬を持ってみようかな」って、にこにこしながら帰って来た時の笑顔を、今でも覚えています。

この春、盲導犬を引退したレフくんからバトンを受け取ったダンディくんと。「初心者マークのコンビですが、焦らずゆっくり絆を深めていこうと思います。これから始まる2頭と二人の生活、さてさてどこにお出かけしようかな?楽しいこといっぱい笑顔あふれる日々でありますように…応援よろしくお願いいたします」

高齢の引退犬の病気や介護に関する
さまざまなサポートを行う

──五箇さんは、引退犬ボランティアの方たちの相談に乗り、介護用品の支給・貸出、医療費の支援など、全般のサポートをされておられるそうですね。

五箇さん:
はい。事務所の営業時間に限らず、相談については引退犬専用の公式ラインでいつでも受け付けています。

スタッフの五箇さん。今回のコラボデザインアイテムを着て撮影してくださいました!現在一緒に暮らしている盲導犬の候補生と繁殖犬と

──どのようなご相談があるのでしょうか。

五箇さん:
高齢の引退犬の尿漏れに対して、マナーベルトに尿取りパットや紙おむつ・ペットシートの支援のことや、急な病気での介護に関するご相談、歩行困難になった犬の介護服やカート・スロープ・車椅子の貸出しに関するご相談が多いです。

──高齢犬ならではのご相談が多いんですね。

五箇さん:
そうですね。介護されていたペット犬が亡くなった後に、使っていたカートなどの用品や残ったペットシート・おむつなどを寄贈していただくこともあり、引退犬ボランティアには状況をお伺いして、必要な方に少しでも多く必要な物をお届けできるようにしています。

高齢や病気の引退犬の尿漏れの対応で、マナーベルト、パットは人用の尿取りパットを使用。「おむつは犬用と人用をリメイクして使用します」

五箇さん:
病気になると介護だけでなく、検査や通院、手術など医療費の負担も大きいです。

特にラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーは、ガンになりやすい犬種でもあります。現役を引退した後、新たな飼い主さんのもとで第2の人生を送るわけで、医療保険に入るとなると、高齢のために掛け金が高くなったり、保険でまかなえる治療が限られていたりもするため、保険に関するご相談も多いです。

私たちの団体では、引退犬のお世話をしている方が受け取っていただける「一般支援金」、また上限50万円の「高額医療費支援金」も支給しています。

日本サービスドッグ協会が所有しているさまざまな介護支援品。「カートも大型な物から折りたためるコンパクトサイズまであり、車いすは写真の四輪タイプの他、後ろ足補助の二輪タイプもあります。スロープは写真のロングサイズの他、半分の長さのハーフサイズもあります」

──それぞれ、どのようなものですか。

五箇さん:
一般支援金は、引退犬の健康状態に関わらず、また使途を限定せず、その子に対して使ってくださいねというもので、1回につき5万円を、引退犬の生涯に渡って2回(通院治療の場合は3回※見直しあり)まで受け取っていただけるものです。ドッグフード・サプリメント代や光熱費・治療費など使い方はさまざま、引退犬のために活用いただいています。

高額医療費については、1年間に一定の金額以上の医療費がかかった場合、50%の支援金を支給しています(受取りは50万円まで)。

徳島で盲導犬として活躍していた、引退犬のメリーちゃんと引退犬ボランティアの山崎さん。「メリーちゃんは9歳半まで盲導犬として活躍しました。一緒に暮らして、もうすぐ6年になります。初めての引退犬ボランティアで、どうして良いのかわからない時や膀胱炎や前庭疾患になった時に、日本サービスドッグ協会さんには本当にいろいろと助けてもらいました。犬を連れて行ける場所は限られていますが、ここなら安心してメリーちゃんも遊べるし、来るたびにいろんなお話をさせていただいて、私も心が軽くなります」。(5/19追記:コラボ開始直前の5/16、メリーちゃんがお空に旅立ったとご連絡をいただきました。ご冥福を心よりお祈りいたします)

「犬に寄り添える豊かな時間を、
少しでも多くつくってもらえたら」

犬用の介護服。「持ち手が2箇所付いており、後ろ足もサポートできるように作られております。こちらはボランティアさんの手作り品で、後ろ足を上げずに装着できます。男女兼用、一年中着れるよう作られています」

──引退犬を迎えた後の負担を軽減するために、さまざまなサポートをされているんですね。

五箇さん:
引退犬がペットと大きく異なる点として、幼少期からずっと飼っているわけではなく、引退犬ボランティアさんの多くが、10歳前後の高齢の大型犬を引き受けるとアクティブに動けるのはほんの一部の期間で、犬は老いていくばかりです。場合によっては、迎え入れてすぐに病気になることもあり、また病気での早期引退の場合もあります。

介護となると、心身的な負担も、経済的な負担も大きくなります。
「心身疲れながらおしっこやうんちを拭き取っている」という声を聞くことも多くあり、孤独を感じながら引退犬のお世話をしている方もたくさんおられると思っています。

私たちとつながっていただくことで、相談したり新しい情報を得たりして、少しでも気持ちが楽になってもらえたらと思いますし、医療費の支援があることで、一歩踏み込んだ治療や介護をしようと思ってもらえたらとも思っています。

──五箇さんは先日、ずっと一緒だった元繁殖犬のモアちゃんを看取られたそうですね。

亡くなる数日前のモアちゃん。「いつも遊びに行っていた場所へお散歩に行った時の一枚です」

五箇さん:
モアちゃんとは、パピーウォーカー(盲導犬の候補の子犬を預かり育てるボランティア)として、生後50日ちょっとの時に出会いました。
その後モアちゃんは繁殖犬となり、引取先がないということもあって私が繁殖犬ボランティアとなって再び迎え、7歳で引退した後は引退犬ボランティアとして、13歳半で亡くなるまで、ほぼ生涯を一緒に過ごしました。

昨年11月にガンが見つかり、通院で緩和治療をしていました。
病気が見つかった頃は、まだ本人は元気で、何も変わらない生活を送っていましたが、最後1週間ほどは何も食べれずに痩せ細り、起き上がりたくても足の踏ん張りがきかず、自力で起き上がるのが困難になっていきました。

4度の出産を経験したモアちゃん。最後に産んだ子どもたちとの1枚

五箇さん:
協会で扱っている、犬を持ち上げられる介護服や担架を使ったり、カートを借りてお散歩に行ったり…。
引退犬ボランティアとしての介護と看取りは初めてだったので、モアちゃんを通じて私自身さまざまなことを経験させてもらいましたし、日本サービスドッグ協会のサポートがいかに大切であるかを改めて感じました。

──そうだったんですね。モアちゃんが託していかれた思いでもあるのかもしれないですね。

五箇さん:
そうですね。モアちゃんとは、繁殖犬の現役時代から、いつも事務所に一緒に来ていたので…。

モアちゃんは本当によくできた子でした。現役で繁殖犬をしていた時は母として、引退後はおばあちゃんとして、後輩のお母さん犬のサポートはもちろん、パピー犬に対する指導もピカイチで、子どもたちの多くが盲導犬になりました。面倒見の良さは、モアちゃんの天性だったと思います。

「モアちゃんの病気がわかってすぐ、お友達が計画を立ててくれて、旅行に行った時の一枚です。モアちゃんは車でのお出かけが大好きでした。一緒に行ったお友達とは何度も旅行に行っていて、車の中ではいつも自分からお友達の膝に乗り、抱っこされながら膝の上で寝ているという感じでした。現地のお友達とも合流し、楽しい時間を過ごしました」

五箇さん:
最期は家族が見守る中、静かに息を引き取りました。
その夜、モアちゃんの手を握っている間に、いつの間にかウトウトしていました。主人が見ていて「息をしていないかも」というのでハッと目が覚めて「モアちゃん!」と呼びかけたら、息を吹き返し、パッと目を開きました。

しばらくこちらを見ながら息をした後、「もういってもいいかな?」と問いかける感じで、家族が見守る中、すーっと静かに旅立っていきました。
…モアちゃん、我が家を家族に選んでくれてありがとう。そして、たくさんの幸せと経験、人とのつながりをくれて本当にありがとう。

私はモアちゃんと13年間、モアちゃんの生涯を通してほぼ一緒に暮らしていましたが、多くの引退犬ボランティアさんの場合、犬の老後だけを看ておられます。

出会ってから看取りまでの期間はもっと短いし、闘病生活になると精神的につらく、悲しい別れを経験すると思うと…、もっともっとサポートしたい、引退犬ボランティアさんの負担を軽減して、軽減できた分で、犬に寄り添える豊かな時間を、少しでも多くつくってもらいたいという思いを、より強くしました。

2018年3月、協会設立15周年記念事業として宝塚動物霊園大阪別院に『引退補助犬慰霊碑』を建立。毎年4月に引退補助犬・活動協力犬慰霊祭を行っている。写真は2025年4月の引退補助犬・活動協力犬慰霊祭にて

チャリティーは、引退犬と引退犬ボランティアさんのサポートのために活用されます!

事務所のすぐ隣のドッグランで遊ぶ犬たち。あれ?毛布をくわえて出て行った子がいますね…(笑)

──最後に、チャリティーの使途を教えてください。

五箇さん:
チャリティーは、引退犬と引退犬ボランティアさんのサポートのため、ペットカートや介護服の購入、支援金として活用させていただく予定です。ぜひ応援いただけたら嬉しいです。

──貴重なお話をありがとうございました!

取材後、日本サービスドッグ協会の皆さんと!

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜山本の編集後記〜

3年ぶりに日本サービスドッグ協会さんの事務所にお伺いしてお話を聞きました。
毎回お伺いするたび、協会の皆さんはもちろんですが、犬たちがいてくれることによる、空間の温かさを感じます。犬たちがしゃべるわけではないんですが、周りをうろうろしてくれるだけで、なんというか心がフワーッと軽くなって、楽しく生き生きした気分になってくるのです。

谷口さんがおっしゃっていた「盲導犬は確かに、歩く時にガイドとなってくれるけど、それだけじゃない」ということに、こうやって人の心を開いてくれる力もあるんじゃないかなあと感じました。

・日本サービスドッグ協会 ホームページはこちらから

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スーツケースから顔を出す3頭の犬を描きました。これまでの思い出、またこれからの思い出の象徴としてスーツケースを描き、引退犬と人とが、暮らしの中で信頼関係を築きながら、どんな時も共に、豊かに過ごす様子を表現しました。
“You are the best part of my life(君の存在は、私の人生の中でかけがえのない一部)”というメッセージを添えました。

チャリティーアイテム一覧はこちら!

JAMMINは毎週週替わりで様々な団体とコラボしたオリジナルデザインアイテムを販売、1点売り上げるごとに700円をその団体へとチャリティーしています。
今週コラボ中のアイテムはこちらから、過去のコラボ団体一覧はこちらからご覧いただけます!

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