CHARITY FOR

「未来は僕らの行動次第」。気候変動から冬を守るために、滑り手が中心となって社会を変える〜一般社団法人Protect Our Winters Japan

2007年、プロスノーボーダーのJEREMY JONESさんが、気候変動による影響から冬を守るために、仲間と共にアメリカでスタートした「Protect Our Winters」。日本では、2019年にプロスノーボーダーの小松吾郎(こまつ・ごろう)さん(47)が「POW JAPAN」として団体を設立、活動をスタートしました。

「僕らは今、決断の時にきている。変わらずに滑り続けられる冬を選ぶのも、雪のない長く暗い冬を選ぶのも、全ては僕らの行動次第」と小松さん。スキーヤー・スノーボーダーをはじめとするスノーコミュニティから、この問題に興味を持ち、アクションを起こしてくれる仲間を増やしたいと活動しています。

2023年12月からは、脱炭素化で持続可能なスキー場の運営を目指す新しいプロジェクトをスタート。
活動について、代表理事の小松さん、事務局長の髙田翔太郎(たかだ・しょうたろう)さん(38)にお話を聞きました。

お話をお伺いしたPOW JAPANの小松さん(写真左)、髙田さん(写真右)

今週のチャリティー

一般社団法人Protect Our Winters Japan(POW JAPAN)

スキーヤーやスノーボーダーなどのスノーコミュニティを中心に、気候変動からフィールドを守り、未来へとつなぐために、循環型の地域づくり、持続可能なスノーリゾートへの転換、アスリートから気候変動を学ぶ教育、政策提言などを行っています。

INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2024/02/05

気候変動から、
日本の冬を守るために活動

2022年12月、POW JAPANアンバサダーでプロスキーヤーの佐々木大輔さんが発起人となり、北海道をベースに活動するアンバサダーが一同に会して開催されたライディング&トークセッション「POW POW SESSION」。写真はラインディングセッションの様子。Photo: Yusuke Kunimi

──今日はよろしくお願いします。最初に、団体のご活動について教えてください。

小松:
日本の雪、日本の冬を守るために、「アウトドアアクティビティに情熱を注ぎ、そのフィールドやライフスタイルを気候変動から守るために行動する仲間たちの力となる」というミッションを掲げ、スノーボーダーやスキーヤーをはじめとするアウトドアが好きな仲間が中心となって活動している団体です。

髙田:
活動は具体的にいくつかあります。ひとつは、スノーボーダー、スキーヤーをはじめとするスノーコミュニティから気候変動の問題に取り組む仲間を増やしていくこと。イベントを主催したり、地域のコミュニティやアウトドア企業に対して、この問題の深刻さや解決方法をお伝えしたりしています。

2022年9月、各地で活躍するプロスキーヤー・プロスノーボーダーを中心としたアンバサダーやパートナー企業と共に開催した「アンバサダーサミット」にて、参加者の皆さんの集合写真。「フィールドを愛する彼らは、気候変動の影響を肌で感じ、行動を始めています」

髙田:
もうひとつが、僕らのフィールドであるスキー場の脱炭素を目指し、環境にやさしい、持続可能な運営のサポートをすること。さらにもうひとつが、日本の地球温暖化対策がより高い水準を目指していくために、市民として声を挙げていくこと。主にこの3つの取り組みを軸に、さまざまな活動を行っています。

2023年12月からは、新たなプロジェクトとしてスノーリゾートの持続可能な運営を目指す「サステナブル・リゾート・アライアンス」をスタートしました。
脱炭素化・サステナブル化を目指す全国のスキー場を集め、国内外の先進事例や取り組みのガイドラインを提供したり、スキー場同士が情報交換する機会を作りながら、スキー場の持続的な運営を支援していくプラットフォームです。

さらにプレーヤーである僕らが、持続可能な運営に取り組むスキー場を積極的に利用することで、その応援にもつながります。運営側であるスキー場と利用者である滑り手が一緒になって、スキー場の脱炭素化・サステナブル化を目指していこうというのが、このプロジェクトの重要なポイントです。現在、全国22のスキー場が加盟してくださっています。

2023年11月、ニセコ(北海道)を拠点とするパートナー企業3社と共に、気候変動講習や各社の取り組みシェアを実施。「POW JAPANでは、パートナー企業に対して、代表の小松が足を運び、1年に一度『企業講習』というかたちで、気候変動の今や取り組むべきアクションについてお伝えしています」。写真提供: gentemstic

使用する電力を
再生可能エネルギーに切り替えるスキー場も

サステナブル・リゾート・アライアンスに加盟するリゾート「ニセコ東急グラン・ヒラフ」(北海道倶知安町ニセコ)。スキー場で使用する電気は、再生可能エネルギー由来の電力を使用している

──脱炭素化・サステナブル化のための取り組みの事例を教えてください。

髙田:
サステナブル・リゾート・アライアンスをスタートする前から、いくつかのパートナー企業さんと先駆的な取り組みをしてきました。
僕らの拠点である長野県白馬村にあるスキー場では、リフトをはじめとするスキー場の電力を再生可能エネルギーに切り替えたところが複数あり、100%を再エネで運営するスキー場も出てきました。スキー場を訪れる人が宿泊する近隣のゲストハウスでも、アメニティのプラスチックフリーや施設の断熱改修や自然エネルギーの導入が進んでいます。

白馬村は、近隣の大町市と小谷村の3市町村で「白馬バレー(Hakuba Valley)」というひとつのリゾートエリアとなっていて、この中に10のスキー場があるのですが、現在、白馬バレー全体として、この10ある全てのスキー場が、2025年までに電力を再生可能エネルギーに切り替えるという目標を掲げて動いています。

サステナブル・リゾート・アライアンスの合言葉は「グリーンなスキー場で滑りつづけよう」

──すごいですね。

小松:
POWは2020年、HAKUBA VALLEYのスキー場が再生可能エネルギー100%で運営されることを応援する1万4000票の署名を集め、提出しました。
リゾートエリア内には、スキー場だけでなく宿泊施設や飲食店、小売店などなどさまざまな業態の店舗が集まっており、地域として課題に包括的に取り組んでいく必要がありますが、スキー場に関しては、間違いなく僕らのこの署名が大きな後押しとなって、Hakuba Valley Tourismとして明確な目標を掲げてもらえたことは、とても大きな一歩だったと思います。滑り手の声を集め、アクションとしてつなげていくことも、僕らの大事な役目です。

2020年、POW JAPANアンバサダーで白馬や小谷を拠点として活躍するプロスキーヤーの大池拓磨さん、プロスノーボーダーの山崎恵太さんが、全国から集まった滑り手の「声」をHakuba Valley Tourismへ提出

肌で感じる雪山の変化。
「僕らは今、決断の時にきている」

各地の雪不足を伝える報道。「2023-24シーズンは暖冬と予測されていましたが、全国で雪不足が続きました。スキー場の営業にも大きく影響が出ていることがニュースからもわかります」

──雪山で、実際にどのような温暖化の影響を感じますか。

髙田:
雪が降り始めるのが遅いシーズンが増えています。降雪が少なく、山から雪が無くなるのが早まってしまう年も増えていると感じます。ひと昔前、「雪が足りなくてスキー場が開けない」ということは何十年かに一度耳にするような出来事でしたが、最近は、数年おきに起きている、と言っても言い過ぎではないでしょう。

雪の質にも変化が出ています。
雪が積もっても、気温が高いと、雪はどんどん溶けて重くなります。僕らのいる白馬エリアでも、例年であれば軽く細やかな、いわゆる「パウダースノー」と呼ばれる雪が積もるはずですが、ここ最近、標高の低い日本海近くの場所に降っていたような、少し重たい雪が降っているよねという話も、滑り手同士で出ています。

「仲間と共に雪の上や森の中を歩き、滑る。子どものように無邪気な足取りになり、その一瞬一瞬を噛みしめ、木々や雪からメッセージを受け取る。そして仲間たちとそれを共有する、最高の時間」

髙田:
それでもまだありがたいことに雪は降っている。というのも、もう少し南下すると、もはや雪ではなく、降るのは雨だけという地域も出てきています。

僕らスキーヤー、スノーボーダーは、温暖化の進行による微細な雪の質の変化を、肌で感じ取っています。「湿雪」というのですが、水っぽくて重たい雪は板に張り付いて、滑っていてもあまり気持ち良くない。微妙な差が、滑り心地に大きく影響するんです。

小松:
湿雪は、場所によっては雪崩(なだれ)の発生にもつながることがあります。
雪の質にもさまざまな段階があって、一定期間、ずっと同じ気温であれば、同じような雪質が集まるので、雪の結合は良いですが、気温によって雪が溶けたり凍ったりすると、弱い氷の層ができてしまうんです。そのような場所では、雪崩が発生する確率が高くなります。

──そうなんですね。

小松:
滑り手にとって、雪崩は生死にかかわること。滑って良いのかどうか、シビアな判断を求められるようになります。「ここを滑るのは危ないな」という状況は実際に出てきていて、山を滑るリスクが高まっていると感じます。

とはいえ、まだまだ日本の冬、日本の雪山は、滑る環境としてはすばらしいです。世界的に見ると、温暖化の影響によって滑れなくなっているスキー場も出てきていて、逆に日本のスキー場の価値が高まってきているのも事実です。
どの方向に舵を切っていくべきなのか。僕らは今、大きな動きの中で、決断の時にきているのではないでしょうか。

2023年9月、東京の代々木公園などで、再エネ100%と公正な社会を目指して開催されるイベント「ワタシのミライ(さようなら原発1000万人アクション実行委員会主催)」に、アウトドアコミュニティと参加。Photo: takaki nakagami

「一人ひとりの行動がなければ、社会は変わらない」

2022年12月の「POW POW SESSION」にて。「最高の雪上セッションの後、気候変動が冬に与える影響について学び、考える時間を共に過ごしました」。Photo: Yusuke Kunimi

──気候変動への人々の反応には、変化はありますか。

髙田:
2019年にPOW JAPANをスタートした当時は、滑り手の間でも「温暖化って本当にあるの?」という声がまだありました。しかしここ数年で、気候変動や温暖化に対する認知や理解は、すごく広がったと思います。

個人でアクションを起こす方も増えました。ただ、気候変動という大きな問題を解決しようとなった時に、個人ではどうすることもできない、経済や社会のしくみが変わる必要があるのも、また事実です。
たとえば、「ペットボトルを持たない」というマインドが広がり、それを実践する人たちが増えたのはすごく良いことですが、一方でペットボトルを大量に作る、利用する会社の責任や行動についてはどうでしょうか。ペットボトルに代わるものがない限り、根本的な問題解決にはなりません。

2023年4月、統一地方選挙に合わせて、スノータウンである白馬村や野沢温泉村で活躍する若手の地方議員(写真左から2人目が野沢温泉村村議会議員の上野雄大さん、その右が白馬村村議会議員の加藤ソフィーさん、その右がPOWのアンバサダーであり、野沢温泉村の観光協会長でもある河野健児さん)と共に、地方行政について考えるトークセッションを野沢温泉村にて実施。「トークセッション前はもちろん、皆でライディングセッションをしました」。Photo: Moe Kurita

髙田:
僕らとして社会のしくみを変えるところにはまだまだ至っていないのが現状だし、そこへのアプローチが決して簡単ではないと感じてもいますが、そのことを意識しながら、さまざまなことを実践しています。

ただ、やはり一人ひとりの行動がなければ、社会は変わっていきません。
一人ひとりの声やアクションが、社会の空気に変化を生み出し、解決につながっていきます。今の日本は、こういったアクションが足りていないという印象です。一人ひとりがこの問題に関心を持ち、個人のアクションを越えたところにある、例えば国や行政に政策を求めたり、企業の取り組みを支持するといった部分でのエネルギーが必要だと感じています。

同じ目標へ向かって協力し合うボランティアチーム、通称”POW CREW(パウクルー)”のON SNOW SESSION(オン・スノー・セッション)。「まずは一緒に滑って、雪の上での時間を共有。不思議ですが、それだけでぐっと距離が縮まります。この日滑ったエイブル白馬五竜は、POW JAPANの発足当初からパートナーとして共に行動していて、2023-24シーズンには、スキー場で使用する電力の再エネ100%への切り替えが完了しました」

その土地やコミュニティごとに、
合ったかたちでのアクションを

2023年10月、滋賀のPOW CREWがライブやトークショー、ワークショップ、マルシェなどを合わせて開催した「Biwaco Peaceful Carnival(琵琶湖ピースフルカーニバル)」にて、他のゲストと共に登壇する髙田さん。「まだまだPOWの存在が知られていない関西において、少しでも認知度を拡げ、気候危機や持続可能な地域社会について、誰でも気さくに話せる環境をつくりたいという思いから、イベントを立ち上げてくれました」

──そのような中で、POWさんとしてはどのような立ち位置でアクションを起こしていかれるのでしょうか。

髙田:
僕らがリードしていく側面もありつつ、自分たちだけでできることには限りがあるので、同じように「日本の冬を守りたい。雪を次世代に残したい」という思いを抱く各地のコミュニティとつながって、アクションをサポートしてくのが僕らのミッションだと思っています。
ありがたいことに、全国各地に行かせていただく度、その土地ごとに、ローカルの滑り手の皆さんの強い思いとエネルギーを受け止めています。

小松:
僕らが白馬エリアに特化してさまざまな取り組みをしていたのには、「他の地域でも追随できるよう、まずはしっかりモデルケースを作りたい」という思いがありました。

前例があることで、それを参考にしながら他の地域やコミュティが、自分たちに合ったかたち、自分たちが納得できるかたちで前進できるというのが良いかたちなのかなと思うし、その機運も、すごく高まってきています。

2023年9月、ニセコ東急グラン・ヒラフで開催されたフィルムイベント「CINEMA CARAVAN(シネマキャラバン)」とコラボして開催された「POWミーティング」。「トークセッションでは、スキー場とローカルの滑り手、地域に深く根差す方々を巻き込み、ニセコの未来について考える機会となりました」

「雪の変化は、そのまま水の変化。
すべては循環している」

大自然に抱かれて滑る小松さん。Photo:Hi-see

髙田:
ずっと雪の話をしてきましたが、POWがこれまで継続して活動できているのは、「雪がなくなってしまう」という雪だけに特化した危機感でなく、気候変動によって、それ以外にも取り返しのつかないさまざまな影響が出てくるのということがわかってきたからだと思っています。

小松:
雪遊びはしないとか、雪が降る地域に住んでいないとか、「自分と雪は関係ない」って思う人はたくさんいるかもしれないけど、水と関係がない人はいません。
冬に積もった雪は、やがて温かくなると溶け、地下や川を通って大地を潤して、海に流れていく。海や陸の水が蒸発して、また雪になる。そうやって水は循環します。つまり雪の話は、地球全体に関わること。雪の変化は、そのまま水の変化につながります。

僕らは雪遊びが好きで、そこを起点にこの活動をしているけれど、やればやるほど、「全部につながっている」ということがわかってきました。僕らのアングルからだと、スノーアクティビティが好きな人に届きやすいけど、それだけじゃなくて、どんな人にも届けられる情報があると思うようになりました。

環境省が主催する国連の会議「第3回パリ協定とSDGs のシナジー強化に関する国際会議」において、POW JAPANの取り組みを発表する小松さん。「この日は、リフトで使用する電力を再エネにいち早く切り替えた白馬八方尾根スキー場(白馬村)の担当者も登壇し、スノーコミュニティの取り組みを国際会議の場で発表しました」。Photo: Yoichi Watanabe / Stuben Magazine

髙田:
僕はスノーボード以外に、サーフィンや釣りも大好きで、海や川も気になります。
自然の中に身を置いた時、街中では当たり前に景色と化した人工物の不自然さに、すごく敏感になるんです。「これって、不自然だよな」って。

人工物がそこにある理由はもちろんあると思うし、過去の時代には、それが必要だったのかもしれない。だけどもしかしたら、少し行き過ぎたんじゃないかなあって。自然に身を置くからこそ感じられること、それを、ちゃんと声にして発信していくことがすごく大事だと思っています。

小松:
僕らは「温室効果ガスの大きな排出源である石炭火力発電への依存から、再生可能エネルギーへの転換」という命題も持ちながら活動していますが、一方で、再生可能エネルギーの広げ方については、たとえばメガソーラー建設のために自然を切り拓き、その土地の生態系を破壊してまでやみくもにやるべきことなのか、もっと違うやり方があるんじゃないかというのは常に考えます。矛盾するようで、説明するのが難しいんですが…。

畑や田んぼで汗を流す髙田さん親子。「得られるものは、食べものだけではありません」

髙田:
再エネの重要なポイントは「地域で作ったものを、その地域で使う」ということ。それによって、どこの地域でも電力が可視化されるというか、身近になります。火力発電所や原子力発電所からだと、自分たちが使う電力のイメージって全然湧かないですよね。火力発電は化石燃料を燃やすことで温暖化を促進するし、原子力発電は、放射能のリスクもある。福島第一原発の廃棄物の問題も、未だ解決していません。

「見えなかったことが見えるようになる」ことが、すごく重要。食べ物も同じですが、自分たちが生きる上で欠かせないものが、どこからどんなふうに来て、何にどんな影響を与えているのか。直視することは時に痛みを伴うけれど、そういうことから目をそらさず、責任を持って目を向けていくということが、地球環境を考える上ですごく大事だと思う。今、必要なのは、そういうことじゃないかと思うんです。

小松:
何に重きを置くか、何が正しいかというのは、人によって異なるかもしれません。
でもまずは、この地球に生きる僕ら一人ひとりが、今起こっていることに対して、思考停止や無関心、あるいはただ批判するんじゃなくて、「これってどうかな」とか「自分はこう思う」って、フラットに意見が言えて、話し合える社会を作っていきたいです。

「二酸化炭素を減らそうよ」っていうことだけやっていても物事は進まなくて、皆で合意形成をとりながら、一緒に社会をつくっていく土台づくりも同時に進めていかないと、本当の意味での解決にはつながらない。「何をするか」だけじゃなくて、「なぜそれをするのか?」をみんなが理解出来ることが重要だと思います。そうじゃないと、一つの問題が解決しても、また次の問題が出てきて、その度に、また一から「どうすんの?!」ってなっちゃうと思うんです。

2023年1月、兵庫県神鍋高原で開催された「神鍋高原ゆきみらい100年宣言セレモニー」と「気候変動×観光を考える勉強会」に参加。「日本の中でも関西エリアは深刻な雪不足という気候変動の影響をいち早く受けているが、観光協会が主体となって気候変動対策に対して行動し始めています」

「自然は、なくてはならない存在」

「日本には、世界が羨む素晴らしい自然があります。未来に向けて、いろいろな視点や考えがそれぞれありますが、この美しい風土を残していくことに異論がある人はいないと信じています」

──お二人にとって、雪や冬はどんな存在ですか。

髙田:
僕は生まれも育ちも北海道で、幼い頃から雪は生活の一部で、なくてはならない存在です。今でも冬はスノーボード、他の季節はサーフィンをやらない期間が5日も続くと、自分が自分じゃなくなってしまう感じがします。なので、仕事の予定や天気予報を見ながら、山や海で過ごす時間を作ることは生活に組み込まれています。

今は生活の中に情報があふれていて、人は常に、いろんなことを考えないといけないような時代です。だけど雪の上や海の中にいる時は、ただその瞬間の自分であれるというか。
五感に身を委ね、感じ取り、その瞬間に全身全霊を注ぐことができる。感覚が研ぎ澄まされてクリアになる、ある種「禅の時間」で、この時間があるからこそ、自分の体が良いバランスで回っています。

サーフィンをする髙田さん。「頭の中はいつも、波か雪のことでいっぱいです」

小松:
僕の世界はすごくシンプルで、雪が降るのを見ると「地球っていいなぁ」と感じます。
雪が降ると「わーい!」って感じで降らないなんて考えられない、降って当然というか、それが地球だと思っているかなあ。自然そのものを感じさせてくれるのが雪で、雪に触れている時は、地球に触れている感じがする。…言葉にするのすごく難しい(笑)。

僕にとっては、雪遊びが最も楽しい地球との触れ方、つながり方だったけど、きっと皆さんそれぞれに、いろんな地球との触れ方があるんだろうなって思うんです。
だからぜひ、雪に限らず自然の中に身を置いて、触れてほしい。自分が心から楽しめる好きなものを見つけて、それを追っかけた先に、そこで必ず得られるもの、感じられることがある。それが何か、地球にとって良いものにつながっていくと思います。

「アイデンティティを活かしながら、行動を起こす仲間たちがいること。僕らにとって大きな励みになっています」。Photo: BackSide

「僕らは、この危機を乗りこえるだけの
力を持っているはず」

2023年5月23日、GX(グリーン・トランスフォーメーション)法案に声を上げる院内集会「こんなにおかしいGX法!ワタシのミライはどこへ?」に参加。東京都千代田区永田町にある国会議事堂前ではスタンディグアクションが行われ、スノーコミュニティの「声」を仲間たちと共に届けた。Photo: ao

──お二人が雪が大好きなのが伝わるのですが、活動の原動力は?

小松:
人間が自然を、しかも「このまま行ったら滅亡するよ」っていうぐらい破壊しています。でも「そうじゃないでしょ。それは選ばないでしょ」って信じてる。地球や人間に対して、何て言うのかな…、適切な言葉がわからないんだけど、期待というか、「僕らは、乗りこえられるだけのものを持っている」っていう希望を持っていて、どれだけ悪い方に進んでも、最終的には良い方に向かうことを、僕は信じているというか。

期待通りにいかないことはたくさん起こるし、今もギリギリのところだとも思う。だけど僕らは良い世界を選択して、乗り越えられるということを、証明したいと思っています。

髙田:
僕は吾郎さんのように希望や光に向かって歩いてきたというよりは、とにかくひたすら目の前の進むべき道を歩いてきた感じですが、この活動を通じて全国の仲間と出会い、たくさんの素晴らしい経験をさせてもらいました。
一人ひとりが立ち上がる姿から、ものすごいパワーをもらえていることが大きくて、「自分も頑張らないと」って奮い立たせてもらっています。

──最後に、チャリティーの使途を教えてください。

髙田:
チャリティーは、始まって間もないサステナブル・リゾート・アライアンスの認知・共感を得るための活動費として、使わせていただく予定です。ぜひ、アイテムで応援いただけたら嬉しいです。

──貴重なお話をありがとうございました!

2023年9月、渋谷のど真ん中をマーチ。「よく日焼けした肌に半パン、ビーサン。みんながイメージする”デモ”とは少し異なり、自然をこよなく愛する仲間たちは、終始穏やかで楽しそうな笑顔で、『大切なものを守りたい』『未来につなぎたい』という想いをこめて歩いていました」

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜山本の編集後記〜

「感じた違和感を自分の中だけに留めずに、発信することがとても大事」。インタビューの途中で、お二人がそうおっしゃったことが印象に残っています。自然と分断された生活の中では、私たちは「感じる」こと自体、忘れ去ってしまうのではないでしょうか。
五感で感じ取る、私たちにはその能力が備わっていること。自然と同様、我々のいのちや体もまた、神秘であること。雪を守ることは、私たちを守ること。お二人へのインタビューを通して、改めてそのようなことを感じさせてもらいました。小松さん、髙田さん、ありがとうございました!

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09design

【2024/2/5~11の1週間限定販売】
真っ白な雪の上を滑る人と、それを見守る太陽、溶けた雪がやがて流れる川、豊かな大地を描きました。
大きな循環の中で生かされるいのち。私たちもまたその一部であり、だからこそ手を取り合い、つながり合って、明るい未来を選択していこうよという思いを込めました。

“We all need winter”、「私たちは皆、冬が必要だ」というメッセージを添えています。

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【2022年11月コラボ時のデザインも復刻販売中!】
雄大な雪山の景色、頂上の雪山に刺されたスノーボードとスキー板を描き、気候変動から環境を守り、雪のある豊かな冬と自然を後世へ残していきたいという思いを表現しました。

“Protect our winters”というメッセージを添えています。

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JAMMINは毎週週替わりで様々な団体とコラボしたオリジナルデザインアイテムを販売、1点売り上げるごとに700円をその団体へとチャリティーしています。
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