すべてのねこが飢えや寒さに苦しむことなく、温かい家庭で、家族と一緒に暮らせるように。殺処分されるいのちや望まれないいのちがなくなるように。
岩手県盛岡市で、ねことひととが一緒にしあわせに暮らしていける世の中にしたいと、保護ねこが新たな家族と出会う保護ねこカフェや飼い主のいないねこたちの避妊去勢手術を専門で担う診療所、病気や高齢で譲渡が難しいねこたちのための老病ねこ専門のケアホームを運営するNPO法人「もりねこ」が今週のチャリティー先。
「とにかくねこが好き。どんな子でも、たとえどんな状況でも、自分は不幸だとはきっと思っていなくて、媚びずに素直に生きる姿を尊敬します」と話す代表の工藤幸枝(くどう・さちえ)さん(38)。
活動について、お話を聞きました。
お話をお伺いした工藤さん
NPO法人もりねこ
「ねこもひともしあわせになれる社会」を目指して、岩手県盛岡市にて保護ねこカフェ、老病ねこケアホーム、診療所(スペイクリニック)を運営しています。
INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2023/12/25
保護ねこカフェ「もりねこ」。「ねこたちは広いお部屋の中で自由にのびのびと過ごしています。お客さまのおひざの上が大好きな子もいれば、キャットウォークの上で人間観察をして1日を過ごす子もいます」
──今日はよろしくお願いします。最初に、もりねこさんのご活動について教えてください。
工藤:
「ねこもひとも、しあわせに」というコンセプトのもと、ねこの保護と新しい家族探しをしています。事業としては、さまざまな事情から保護されたねこたちを新しい家族につなぐことを目的とした保護ねこカフェ「もりねこ」、高齢や病気などでご家庭に迎えられづらい子たちの終生飼養のための特別ケアホーム「しっぽのおうち」、さらに昨年には、飼い主のいないねこたちの繁殖制限を目的として、避妊去勢手術専門の動物病院かつレスキューシェルターとして「もりねこ診療所」もスタートしました。
さまざまな現場からねこをレスキューした後、適切な医療と避妊去勢手術を受けられること。新しいご家族とのマッチングの場があって譲渡ができること。譲渡が難しい子であっても、ちゃんと最期までお世話ができる場所があること。これらすべてを団体内で一元化できているのは、ねことひととのしあわせを目指して活動している私たちにとって、大きな強みです。
特別ケアホーム「しっぽのおうち」。「しっぽのおうちでは、専任の館長とねこたちが毎日をゆっくりと過ごしています。ひなたぼっこができるサンルームはねこたちに大人気。高齢になっても、病気を抱えていても、その子らしく最期までしあわせに生きられる場所を目的としています」
工藤:
2014年にオープンした保護ねこカフェ「もりねこ」は、盛岡駅から徒歩10分ほどの場所にあり、保健所や一般のご家庭からのご相談で引き取ったねこたちがいます。以前は2フロアを借りて、FIV(猫エイズ)キャリアの子と、感染のないノンキャリアの子とそれぞれに部屋を用意していたのですが(※)、経済的な事情もあって、2023年には、現在はFIVキャリアねこ専門の保護ねこカフェとしてリニューアルしました。
(※)…ねこ同士のケンカなどでウイルスを他のねこにうつす可能性があるため
ノンキャリアの子たちについては、行政とも協働事業をやっていて、保健所の方でもボランティアさんの一時預かりや譲渡に力を入れてくださっているので、もりねこではFIVキャリアの子たちに特化しようと思いました。
「カフェでお客さまと触れ合っていただくことで、ねこたちの人馴れも進んでいきます。スタッフだけでなく、お客さまたちも一緒に、ねこたちのしあわせを見守っていただけるお店なんですよ」
譲渡会の様子。「月に1回程度、市内を中心にねこたちの譲渡会を開催しています。直接ねこたちに会っていただくことのできる機会です。パネル展示やグッズ販売、講演会なども行い、もりねこの活動を知っていただくきっかけにもなっています。保健所と共催することもあります」
──盛岡市と協働事業をされているんですね。
工藤:
はい。盛岡市には動物愛護センターがなく、保護された動物たちを適切に保管できる場所がありません。私たちの方で受け入れるにしても、数には限りがあります。「もりおかニャンとも幸せプロジェクト」は、保護されたねこたちの一時預かりボランティアさんを市民から募り、おうちでケアしてもらおうというプロジェクトです。ほかにも、譲渡会も一緒にやっています。
──そうなんですね。
工藤:
盛岡市では、ねこの殺処分ゼロを6年継続しています。というのは、新しい家族が見つからず保健所の方で譲渡が難しいとなった高齢や病気のねこたちを、私たちもりねこが最終、引き取っているからです。
「もりねこスタッフとして、獣医師、動物看護師も常勤しています。毎月体重を測ったり、爪切りをしたり、細やかな体調チェックも行っています。たくさんねこがいるからこそ、1匹1匹の小さなサインを見逃さないよう、可愛いだけでなく、しっかりと知識とスキルを培っています」
工藤:
そうすると、もりねこには高齢や病気のねこがどんどん増えてしまいます。保護ねこカフェは店の営業もあってバタバタしていることが多く、なかなか、このような子たち一匹一匹にしっかりとたくさん愛情を注いで、一緒にゆっくり過ごしたり、看取ったりすることができませんでした。そこで、最期の時を穏やかにゆっくり過ごしてほしいと、終生飼養を目的とした老病ねこホーム「しっぽのおうち」を立ち上げました。
現在カフェで25匹、診療所に併設しているシェルターで30匹、老病ねこホームで15匹ほど、あとは預かりボランティアさんのおうちで過ごすねこたちも含めて、100匹ほどがいます。
関わったからには、たとえば高齢だから、病気があったからといって「ここでは見られません」とはいえません。その子が最期までしあわせに生きられるようにするためにはどうしたらいいのか、何が必要なのかを考えながら、必要に迫られて「これがいるよね」「こういうふうなのがいいよね」とやってきた結果として、今のかたちができています。
「もりおかニャンとも幸せプロジェクト」を通じて、最終的にもりねこへとやってきたマーシーくん。「大きな事故に遭い、前両足を粉砕骨折、大手術の末に余儀なく片前肢切断、残されたもう片方の前脚は細い骨を金属プレートでつないでいる状態でした。ニャンとも事業の預かりボランティアさんの大きな愛情に支えられながら9か月間のリハビリを頑張り、しっぽのおうちへやってきました。片前肢に負担がかからない環境を、そんな心配をよそに鍛え抜かれた後肢で段差を上がり、お気に入りの場所を見つけてのびのび。背中やお尻を撫でられることがとっても好き。「だっこして」とおねだりする甘えん坊さん。ハンディのこともあり譲渡は難しいと思われましたが、何としっぽのおうちのブログでマーシーくんのことを知ってくださった方がぜひ家族に迎え入れたいと申し出てくださり、いまではずっとのおうちで楽しくしあわせに過ごしています」
「精神疾患を抱える飼い主の方が置き去り状態で入院してしまったおうちから保護された、せとかちゃん、はるみちゃん姉妹。お隣の方が命をつないでくださいました。もりねこで素敵な家族と出会うことができ、今ではずっとのおうちで幸せに暮らしています」
──保護ねこ活動の中で、課題に感じていらっしゃるのはどのようなことでしょうか。
工藤:
活動を始めた頃は「家で飼えなくなった」とか「外に野良ねこがいる」といったご相談が多かったのですが、最近、多頭飼育に関するご相談がすごく増えています。
避妊去勢をすることや室内で飼うという意識がなく、多頭飼育崩壊まではいかなくても、何十匹も数が増えている地域があります。面倒を見ている方が元気でごはんをあげてくださるうちはまだ良いかもしれませんが、病気になったり亡くなったりして、ねこだけが取り残されるという状況でご相談いただくことが非常に多いです。
ねこの問題は、人間の問題です。ねこの問題だけを切り取って解決することは難しく、社会全体の問題の一部として捉えていく必要があります。
たとえば、地域の中で人とのつながりが薄れ、多頭飼育を起こしてしまうということがあります。貧困や障がい、認知症などさまざまな背景がありますが、その人個人の問題、多頭飼育の問題としてだけとらえていては、根本的な解決にはつながりません。福祉的な支援をはじめ、地域の包括的な支援の中で解決を目指していく必要があります。
保護の現場。「元々は、隣の家の方が飼っていた数匹のねこを置き去りにして引っ越してしまったことがきっかけ。かわいそうだからとごはんをあげていたらどんどん増えてしまったそうです。えさやりさんも年金暮らしで、フード代を捻出するだけで精一杯。避妊去勢手術の費用はとても払えないし、将来のことを考えると困り果てているという状況でした」
──具体的な事例を教えてください。
工藤:
今ちょうど対応しているご家庭は、高齢のご夫婦が経済的にかなり厳しい状況で生活されています。ねこにごはんをあげていたらどんどん数が増えてしまい、社会福祉協議会の方からご相談がありました。全頭避妊去勢手術をして、これから引き取っていくところです。ご夫婦は高齢で持病もあり、いつ何が起きるかわからないという状況でもあるので、何かあった時にはすぐに知らせてね、ねこにあげるごはんが足りなかったら言ってねというところでつながり続けるようにしています。
相談はたくさんいただくのですが、すでに私たちの方で保護できる数がいっぱいで、断らざるを得ないケースもあります。助けられるのは本当に一部でしかなく、無力さを感じます。
「ちょっぴり怖がりな男の子、七緒くんとコーラくん。多頭飼育崩壊現場から保護されました。人間には警戒することもありますが、2匹はとっても仲良し。つらい過去のあるねこたちも、こうして安心して過ごしてくれる姿を見るとほっとします」
もりねこをスタート頃の一枚。「この場所が、今のもりねこへと進化していきました。初めは自分たちでペンキを塗ったり、カーペットを敷いたりしながらDIYでお店を作りました」
──とはいえ、これだけの活動をされていてすごいです。工藤さんが活動を始められたきっかけを教えてください。
工藤:
私は大人になって初めてねこを飼いました。自分のねこはもちろん、すごくかわいがってきました。北海道に住んでいたのですが、ある冬のすごく寒い時、「自分のねこは暖かいところでぬくぬく暮らしているけど、外のねこたちはどうしているんだろう?」と疑問に感じたことがきっかけです。
もしかして野良ねこって、当たり前にあっていいことではないのではないか。ねこたちが寒くなくて、お腹が空いて、飢えてつらくならないように、自分にできることはないかなと考えて、当時近くにあったNPO法人「猫と人を繋ぐ ツキネコ北海道」さんの保護ねこカフェ「ツキネコカフェ」でアルバイトをさせてもらいました。夫の地元である岩手に来ることになったタイミングで、岩手には当時、保護ねこカフェがなかったので、自分でやってみようと。
──そうだったんですね。
カフェでの一枚。「ねこたちもお客さまとのふれあいを楽しみに過ごしています。ねこたちがそばに寄ってきたら優しくおしりをぽんぽんしてあげてくださいね」
工藤:
「ツキネコカフェ」に関わらせてもらい、決して簡単なことではないとはわかっていましたが、自分で何かやりたい、そして大好きなねこに関わることがしたいと思っていたので、保護ねこカフェをスタートしました。
もう一つ、保護ねこカフェは、保護ねこのことを知ってもらうためにすごくいいかたちだなと思っていたのもあります。
私も最初にねこを飼う時、よくわからないままペットショップへ行きました。その時に違和感は覚えましたが、かといって当時、保健所は殺処分のイメージが強く、ねこを迎えるために行けるような場所でもありませんでした。もっと気軽に保護ねこと出会い、触れ合える場所、保護ねこのためになる場所があったらいいなと思いましたし、保護ねこという存在について知ってもらえたらという思いがあったので、カフェはぴったりだったんです。
炎天下のもと多頭飼育現場でのレスキュー活動を行う動物看護師スタッフ。「不幸な命をなくしたいという思いで、ハードな業務にも取り組んでいます」
「ころんとおなかを見せてくれる姿、リラックスして伸びたり丸まったりしている姿は、『おうちねこ』だからこそ。どんな子も、危険のない、安心して過ごせる場所で生きていけるようにしたいです」
──工藤さんがこの活動をされているのはなぜですか。
工藤:
この活動をしているいちばん大きな理由は「ねこが好きだから」です。
ねこに教えてもらうことがすごく多くて、この活動を「やっている」ではなくて「やらせてもらっている」とよく感じます。
──ねこのどんなところを魅力に感じられますか。
工藤:
どれだけ高齢でヨボヨボでも、病気で体が悪くても、手や足がなくても、目が見えなくても、ねこたちは自分たちのことをきっとそんなに不幸とは思っていなくて、1日1日をすごく一生懸命生きているのが伝わってくるんですよね。
事故による怪我で、右足が欠損している菜々美ちゃん。「写真のようにリラックスしていることもありますが、人間に対してはまだ少し警戒心があるようで、スタッフが近づくと元気にシャー!と怒ってくれます」
工藤:
どんな子でも、たとえどんな状況でも「自分は不幸だ」と思わずに、自分はかわいいときっと本能で十分にわかっていて(笑)、媚びずに素直に生きる姿を尊敬しますし、こちらも飾らず付き合えるというか。
──確かに、本当にそうですね。
工藤:
人間とねこは別の生き物だからこそ、リスペクトが必要だと思っています。「ねこってすごいな」といつも思うし、「関わらせてくれてありがとう」という気持ちです。
「ちゅーるが好きすぎて必死な顔になっているブンちゃん(もりねこ名:ムファサ)です。ペットショップの多頭崩壊現場からレスキューされた子で、保護当初は皮膚炎もひどく毛玉だらけの状態でした。人に対しても恐怖心がありましたが、今ではすっかりおうちねことして大切にかわいがっていただいています」
「盛岡市のニャンともプロジェクトを通じてもりねこへとやってきたよも太郎くん。お父さんとよも太郎だけが男性、というご家族の中で、お父さんと男の語らいをするよも太郎くんです」
──これまでのご活動の中で、印象に残っている出来事はありますか。
工藤:
ねこたちからは本当にいろんなことを教えてもらっていますが、FIVキャリアの子を保護するきっかけになった子がいます。
ある時、保健所から「多頭飼育の現場からねこが10匹来る」と電話をもらいました。「うちが引き取ります」と言って電話を切ったのですが、その後、またすぐかかってきて「今の話は聞かなかったことにして」と言われたんですね。なぜだろう?と思って理由を尋ねると、「皆FIVキャリアだから」と。「殺処分します」と言われたんですね。
──保健所の方も、猫エイズの子はダメなのではともりねこさんに気を遣われたんですね。
工藤:
無理を言って全頭引き取らせてもらったのですが、その中に推定10歳ほどの高齢の子がいて、保健所も「年齢も年齢なので、この子だけは引き取らなくていい」と頑なに言われたのが「菊蔵くん」でした。それでも引き取らせてもらいました
FIVキャリアのねこを保護するきっかけとなった菊蔵くん。「当時10歳のFIVキャリアねこさんでした。絶対に殺処分しなければならないと言われた子でしたが、優しいご家族のもとで長生きすることができました」
工藤:
当時はノンキャリアねこだけのねこカフェでしたが、この時保護したFIVキャリアの子たちもお客さまに触れ合っていただけるよう、ノンキャリアの子への感染対策を工夫しながらフロアで過ごす時間を作っていました。ある時、10歳ぐらいの女の子が、菊蔵くんを見て「この子を飼いたい」と言ってくれたんです。
高齢だとか病気だとかは関係なく、ただ「この子だから一緒に暮らしたい」と言ってくれたんですね。ご家族の皆さまも理解してくださり、すごく大事なことに改めて気づかせてもらいました。病気や高齢でも、きっと理解して受け入れてくれる人がいて、その子らしく生きていくことを諦めなくていいんだ、と思わせてもらった出来事でした。
盛岡市保健所との協働事業ニャンとも幸せプロジェクトボランティアさんたちとの勉強会。「日々の悩みを相談し合ったり、成功事例を共有したりしながら、それぞれの知識やスキルを向上させています」
工藤:
そこからFIVキャリアの子も積極的に受け入れるようになり、保健所も今ではFIVキャリアの子も保護して、ノンキャリアの子と同じように、分け隔てなく譲渡対象にしてくださっています。世の中はそうやって、小さなことから変わっていくんだということを実感した出来事でもありました。
女の子の家族の一員になった菊蔵くんは、一昨年亡くなったそうです。7年間家族と一緒にすごすことができて、長生きしたんですよね。きっとしあわせだったと思います。
「ラインちゃんはとっても警戒心の強い子で、シャーシャーねこさん。ねこパンチも強烈で、スタッフも誰も触ることのできない子でした。しっぽのおうちでさえ人馴れすることができない、とにかく怒りんぼな子でした。一度おうちが決まったものの、そのおうちでもケージから出ることもできないまま、家族の事情もあり戻ってきてしまった経緯もあったのですが、そんなラインちゃんをずっと気にかけていただいていて家族にお迎えしたいと申し出ていただいたおうちがあったのです。『このまま一生懐くことはないと思います』とお伝えしましたが、家庭内ノラネコを覚悟で、ということでお迎えしていただけることになりました。ずっとの家族のもとで暮らし始めると、何とすぐに心を開き甘えんぼさんに大変身!今ではご家族と一緒に寝るほど安心して過ごしています。
「ねこたちのしあわせが、わたしたちみんなの一番の願いです。1匹1匹、それぞれの性格や個性を尊重してお世話をしています」
工藤:
最初にねこカフェをやると決めた時、「でもねこカフェって、人がやりたくてやっている、人のためのものなんだよな。これは果たして、ねこにとって本当にいいことなんだろうか」という葛藤もありました。
でも一方で、行き場がなくて、寒くてお腹を減らして、もしかしたら殺処分されてしまうかもしれないねこがたくさんいる状況があって。それを何とかするために、ねこにも少しがんばってもらってもいいのかもしれないと考えて。「一緒にがんばって、しあわせになろうね」っていう気持ちで活動しています。
理想をいえば、皆うちの子と同じぐらい、同じように愛情を注ぎたい。でも私一人では限りがあるから、ねこと関わる人たちが、ねこにたくさん愛情を注いであげて、大事にしてあげてほしいというのが理想です。
新しい家族のもとでたくさん愛情を受けている子は、表情が全く変わるんですよね。私たちのところでももちろん、大事に大事にお世話をしていますが、家族として愛情を受けられることは、やっぱりすごく特別だと感じます。本当にすごく幸せそうなんです。
同時に飼い主さんたちも、「ねこがいることで、自分が幸せにしてもらっている」と言ってくださるんですよね。私たちの「ねこもひともしあわせに」というミッションに、まさに合致しているんですよね。
ボランティアさんにかわいがってもらってうっとり。「お客さまやボランティアさん、スタッフなど、みんなからの愛情を受けて、ずっとの家族のもとへと卒業していきます。家族のみなさまにとってかけがえのない存在となる子を大切に大切にお世話させていただいています」
もりねこ診療所の出張手術での一枚。「動物医療の不足する地域でも、どこでも避妊去勢手術を行うことができます。多くの方に避妊去勢手術で不幸なねこたちを減らすことができることを伝えていきたいと思っています」
──モチベーションを教えてください。
工藤:
そうですね…。あまり意識したことがないですね。それぐらい、ねこが好きで自然とやっていることかもしれません。ただただ「やさしい家族のもとに行かせてあげたい」という思いです。新しい素敵な家族が見つかったら、今度また、外で困っているねこを迎え入れてあげられます。とにかく日々をがんばろうと思って過ごしています。
──目標はありますか。
工藤:
最終的な目標は、私たちのような団体すら無い世の中になること。ねこの問題がなくなって、保護する子がいなくなればいいなと思います。まだまだそこには届きませんが、今後の展望として、ねこの避妊去勢の必要性を広げていきたいと思っています。ねこは繁殖力の高い動物で、放っておくとどんどん数が増えてしまいます。そうすると、困ってしまうねこも人も増えてしまいます。
現実的なところとして、県内各地で一匹でも多く避妊去勢をしてあげられるように、診療車両を持てたらいいなと思っています。
──今回のチャリティーの使途を教えてください。
工藤:
チャリティーは、寒さの中でいのちを落とす不幸なねこをこれ以上増やさないために、飼い主のいないねこたちの避妊去勢手術のための資金として活用させていただきたいと思っています。ぜひ、応援いただけたら嬉しいです。
──貴重なお話をありがとうございました!
2023年11月に開催された、盛岡市内での譲渡会にて。「この日はたくさんの子に家族が見つかりました!」
インタビューを終えて〜山本の編集後記〜
ねこをはじめ、近くに動物がいてくれること、一緒に生活することのよろこびやしあわせは、きっと飼っている皆さん、飼っていた皆さんが感じられていることだと思います。私たちも看板ねこのミヤちゃんとタミちゃんに日々癒されているし、笑いや元気をもらっています。感謝してもしきれないし、愛情を返しても返しきれません。
出会ったねこちゃん1匹1匹に寄り添い、しあわせのために前進すること。決して楽ではないと思いますが、「ねこが好きだから」とおっしゃる工藤さんの笑顔がとても印象的でした!工藤さん、ありがとうございました。
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ねこたちが円陣を組む姿を描きました。
皆が一丸となって、ひともねこもしあわせな社会を作っていこうというもりねこさんのコンセプトを、かわいらしいねこたちの姿で表現したデザインです。
“you deserve to be happy“、「あなたは、しあわせになる価値があるよ」という言葉を添えています。
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伸びをしているねこ、顔をゴシゴシしているねこ、箱に入って遊ぶねこ…リラックスしたねこたちの姿を描き、寒さや飢えにくるしむことなく、それぞれのねこちゃんがありのまま、健やかにしあわせに生きられることへの願いを込めました。
メッセージは、ねこちゃん円陣のデザインと同じく“you deserve to be happy“、「あなたは、しあわせになる価値があるよ」という言葉を添えています。
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