心に深い傷を負っていたり、障害の特性から特別な感性を持ちながら、周囲に心を理解してもらえず、否定されたり怒られたりして、心を閉ざしがちになってしまう子どもたちがいます。
発達障害を抱えた子どもや虐待を受けた子どもに専門的な心理療法を届けながら、心理療法を提供できる専門家の育成を行うNPO法人「子どもの心理療法支援会(サポチル)」が今週のチャリティー先。
「自分が見ている世界について考えてくれる人がいるということは、人間の発達にとって重要。それはまさに、泣いている赤ちゃんに対して『おむつかな?ミルクかな?』と考えて対応するお母さんと同じ。『なぜだろう?』を探りながら本人の心の理解し、安心感を得てもらうことで、人生を豊かにしてもらいたい」
そう話すのは、団体理事で臨床心理士・医学博士の藤森旭人(ふじもり・あきひと)さん(40)。
現在、イギリスで心理療法を学ぶ藤森さんと、サポチル広報で臨床心理士、小児科・児童精神科のクリニックで働く武田和士(たけだ・かずし)さん(34)、また自閉スペクトラム症の6歳の息子を持ち、「息子の心を理解してもらったことで、子育てが楽になった」と話す木村さん(仮名)にお話を聞きました。
(お話をお伺いした藤森さん(写真左)、武田さん(写真右))
NPO法人子どもの心理療法支援会(サポチル)
発達障害を抱えた子どもたちや虐待を受けた子どもたちが適切な心理療法(心のケア)を受けられるようサポートしながら、最もケアを必要としている子どもやその養育者に対し、安定的な心理療法が提供できる社会環境づくりを目指しています。
INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2023/4/10
(「子どもの心理療法では、セラピストは子どものふるまいや表現に注意深く関心を向け、それを子どもがどのように経験しているのかを考えます。そして、子どもとセラピストの双方が、それぞれが見たことや考えたことを遊びや対話を通して共有していきます。その作業を通じて、その子ども自身が”自分が何を感じ、考えているのか”を知っていくことを手助けしていきます」)
──団体のご活動について教えてください。
武田:
サポチルは、虐待を受けた子どもたちなど児童福祉領域の対象となる子どもたち、あるいは発達障害を抱える子どもとその保護者に対し、精神分析的心理療法の費用を提供しながら、子どもたちの心をケアできる人材の育成にも力を入れています。
虐待を受けた子どもや発達障害を抱える子どもたちは、その傷つきや心を適切に理解してくれる専門家を必要としていますが、日本では専門家の心理療法を受けるにはかなりの費用がかかり、心のケアが行き届いていない現実があります。
発達障害を抱える子どもの場合は、週に1度・50分の心理療法にかかる費用5000円のうち3000円をサポチルが負担し、児童養護施設などで暮らす虐待を受けた子どもなどの場合は、全額をサポチルが負担、本人は無償というかたちで心のケアを届けています。皆さまからのご寄付と、人材育成事業で得た資金を充当するかたちで支援を続けています。
(「日本で子どもの心理療法と聞くと、大きな部屋でたくさんの遊具やおもちゃのある部屋を思い浮かべる方が多い印象です。しかしサポチルが提供する精神分析的な心理療法では、大きなおもちゃの棚も、トランポリンなどの遊具もありません。多くは、ドールハウスなどの幾らかの共有の玩具と、子どもたちそれぞれに、幾らかのミニチュアとお絵かきなどの道具の入った専用の玩具箱を用意します」)
──これまで、どのくらいの数の心理療法の費用を提供されたのですか。
藤森:
昨年度の実績で、児童福祉領域の対象となる子ども(児童養護施設・母子生活支援施設入所児童、ひとり親家庭児童等)および養育者へ概ね1100回、発達障害児および養育者へ800回、合わせて1900回分の費用を提供しました。ただ心理療法は、一人の子どもが一回受けて終わりというものではありません。一人にかける回数も多く、継続的な支援が大切です。資金的にも、なかなかたくさんの人には届けられない現実があります。
(第17回日本心理臨床学会のシンポジウムで「発達障害の子どものプレイセラピーと子育て支援」について講演するサポチルの理事長の平井さん。多くの臨床心理士が、精神分析的な心理療法を通して子どもたち一人ひとりに対してどのように関わり、知り、支えていくのかについて耳を傾けた)
(心理療法において、ドールハウスはよく使われるアイテム。「人形遊びを通して、子どもたちは多くのことをセラピストに伝えてくれます。使われる人形は手作りすることも。現場によっては、ミニチュアの箱庭を用いることもあります」)
──今回、発達障害を抱える子どもたちへの心理療法についてお伺いしたいと思います。
武田:
子どもの発達障害がわかった場合、日本でメインの支援は「療育」やトレーニングというかたちになると思います。
もちろん必要な支援ですし、その現場で心について考える視点に理解のあるスタッフがいることもありますが、どんどん増えている療育サービスの中で、一人ひとりをどう観察し、心に思いを馳せ、どう関わるかという専門的な視点は、まだまだ浸透していません。発達障害を抱える子どもの心の視点を持つことの重要性が、なかなか理解されない現実があります。
──どのようにアプローチされるのでしょうか。
藤森:
サポチルが基盤としている精神分析的な理論や技法を背景に、発達障害を抱えるお子さんの場合、「どういうふうに世界が見えているのか」といったこと、感覚過敏のお子さんが「どういうふうに刺激を取り入れているのか」、そしてそれらが「心の中にどういう影響を与えているのか」をまずは「見立て」ます。
たとえば、私がスクールカウンセラーとして小学校を訪れた時、一人の子が教室の換気扇の音が気になって授業に集中できないという相談がありました。そのことを周りの誰にも理解してもらえないことも、本人にとってはストレスにつながっていたようです。
(佐賀県の5つの大学と短期大学で組織された「大学コンソーシアム佐賀」が認定する資格「子ども発達支援士」の取得を目指す、西九州大学短期大学部の幼児保育学科の学生が企画する、発達障害を抱える子どもたちの余暇活動支援「ぽっぽ」。夏のレクリエーションキャンプに保育士でもある武田さんが参加、子どもたちと直接関わりながら、学生たちとも心について考えるという視点で話し合った)
藤森:
どのように刺激をとらえ、そして周りはそれをどう捉えているか、本人はどういう気持ちであるのかをアセスメントしてすり合わせていきました。このケースは、換気扇から遠い席に替えることで解決しました。
「換気扇の音がそこまで気にならなくなった」ことも大切ですが、「これまで周りにわかってもらえなかったことを、わかってもらえた」という経験は、子どもにとってすごく大切です。発達障害を抱える子どもたちは、「自分のことを周りにわかってもらえない、理解してもらえない」という体験を積み上げていることが少なくありません。
本人がどれだけ伝わらないと感じているのか、どこまでわかってほしいと思っているのか。その子の心の状態も含めつつ、もし周りにわかってもらえたら、その子はどう変わるのかというところも含め、見立てをします。
──なるほど。
(ロンドンの「タヴィストック・クリニック」で、子どもの精神分析的心理療法の研修を受けている藤森さん。現在は赤ちゃんの観察や幼児の観察、理論学習を経て、心理療法士の資格を取る研修の一環で、ティーチングアシスタント(TA)として、特別支援学校等で発達障害を抱えるどもたちと関わる日々を送っている。今回インタビューさせていただいた木村さん親子は、藤森さんが2年間、TAとして幼稚園で週3回の支援を行っていた時に出会った)
藤森:
少し専門的な話になりますが、精神分析的心理療法の用語で「非自閉的部分」というのですが、本人の中で、セラピーを通して他者との共有体験が作られていくと、それが安心感につながり、非自閉的部分が少しずつ広がっていきます。そうすると、周りの人と関われる部分が増えていきます。同時に外の世界に対する怖さも増えたりするのですが。
発達障害を抱えた子どもは、時刻表や石、魚の鱗など特殊なことに興味がある子が少なくありません。本人が楽しいと思うことや好きなことを具体的に説明できる子が多いので、それを深く聞いていくことで、その子の世界が見えてくることもあります。
(2023年3月、サポチルが毎年実施している、京都精神分析・臨床セミナーの第3回めの様子。コロナ禍の影響もあり、現地とオンラインのハイブリッドで開催。「オンラインが普及したことで、これまで参加できなかった遠方からも参加することができるようになり、多くの心理士が精神分析的な考え方についての理解を深め、サポチルの活動についても広く知っていただく機会となっています」)
(木村さん親子。「大好きな森でリラックスしたり、アスレチック遊具を楽しんでいます。一緒にスコットランドを観光したり、乗馬体験をしたりしました」)
──木村さんは、ASD(自閉スペクトラム症)のある息子さんの子育てにおいて、藤森さんの助言が安心感につながったそうですね。
木村:
息子が通っていたイギリスの幼稚園で2年間、特別支援のティーチングアシスタントとして来られていた藤森先生にお世話になりました。息子は、突然大きな声で泣き始めたりして、手がかかって悩んでいました。親としては、周りに迷惑がかかることはやめてほしい、少しでも静かにしてほしいと思ってしまいます。でも息子の気持ちを優先し、息子が見ている世界に共感して、私たちにもそれを共有してもらえたことで、子育てが本当に楽になりました。
──たとえば、どのようなことでしょうか。
木村:
幼稚園の年中の時のエピソードです。
それまでは普通に通えていたのに、ある日突然、教室に入ることを拒むようになりました。どうしてなのか、何もわからないと打つ手立てがないのですが、藤森先生の見立てによると、「同年代の子たちのことが人に見えはじめたのではないか」ということでした。
それまで、先生のことは人として見えていても、同じクラスの子どもたちのことは人ではなく、ただの物体として見えていたのではないかと。それがやっと人であると認識し始めたことで、不安を感じているのではないかということでした。
──なるほど。
木村:
家に帰ってからもよく泣いていたし、街中を歩いていても、同世代の子が走ってくる音にビクッと反応したりしていました。藤森先生にサポートしてもらいながら少しずつ教室に入って慣れていきましたが、息子の視点からは世界がどう見えていて、何に困っているかがわかることで、こちらもメンタルを保って子育てができました。
「そう感じているんだったら仕方がないな」とか、「これも成長の過程なんだな」と捉えられるようになって、気が楽になれたんです。これは本当に先生のおかげです。
(タヴィストック・クリニックでは、子どもの精神分析的心理療法士の資格を取るために、子どもたちの観察や理論学習を中心に行う「前臨床コース」と、実際にセラピーを行いながら技法等を学ぶ「臨床コース」を経る必要がある。写真は、2年間の「前臨床コース」を終えた同期の方たちとの一枚。「パンデミックの影響で、2年間オンラインで研修を受け続けなければなりませんでした。2年目の最後にようやく同期と対面できた、最初で最後のパーティの様子です。オンラインとはいえ、世界中から同じ志を持つ者が集まり、議論を交わせたことは本当に貴重な体験でした」)
藤森:
彼の場合、当時、教室に行くのを渋っていた時に、私に割と「おんぶ」を求めていたんです。
──おんぶですか?
藤森:
はい。これも一つ彼の心を表すもので、おんぶであれば私の背中が一枚のバリアになって、同世代の子どもたちを観察できます。つまり、こわいけれど興味もあって、背中越しに探索したいという、彼の心の表れでもあったんです。
武田:
藤森さんの背中という緩衝材を挟むことで、ちょっとこわい、でも面白そうな世界を、安心して覗きたい。そんな思いの表れだったんですね。
藤森:
彼はもともと私とてのひらをタッチをするのが好きで、毎朝、会うと玄関の下駄箱の前でタッチをしていたのですが、私の背中におんぶされているときは、クラスメイトともタッチができるようになりました。彼なりに世界のいろんなものを取り入れているんだなあということ、人のコミュニケーションはこうやって発達し、広がっていくんだという原型を見せてもらった体験でもありました。
木村:
年長になった今では、仲の良いお友達と、短時間手をつなぐこともできるようになりました。ゆっくり、でも確実に世界が広がっていると感じています。
(タヴィストック・クリニックにある図書館。「ここで文献を読んだり、エッセイや論文を書いたり、談話室で同期やチューターと子どもの支援について話したりしています」)
(子どもたちの描いた絵。「子どもたちは遊びを通して、私たちにいろんなことを教えてくれます。”絵を描くこと”もその一つ。子どもたちがどんな絵をどんな風に描くのかを観察し、何を表現しようとしているのかを私たちは考え、理解しようとします。絵そのものだけに意味があるのではなく、描こうとすることそのものが、私たちとコミュニケーション取ろうとする気持ちの表れでもあります」)
藤森:
彼の見立てについては、これまで学んできた理論に加えて、それまで出会ってきた自閉スペクトラム症の方たちとの経験が役立ちました。「人と物の情報が、すべて同等なものとして入ってくる」というクライアントさんを過去に担当したことがあり、「もしかしたら彼も、同じような体験をしているのではないか」という予測から、彼の見えている世界や心について考えていきました。
自分の見ている世界について考えてくれる人がいることは、人間の発達にとって重要です。
私たちの役割はまさに、泣いている赤ちゃんに対して「なぜ泣いているんだろう?おむつかな?ミルクかな?」と考えて対応するお母さんと同じ。「なぜだろう?」を探りながら、これまでの体験を踏まえて引き出した予想の一つでした。
(サポチルの委託機関の一つ、「御池心理療法センター」(京都市)でのアセスメントミーティング。「サポチルの認定子どもの精神分析的心理療法士やスーパーバイザーが参加し、ともにケースについて考える大切な時間です」)
藤森:
もちろん、すべてが正解というわけではないかもしれません。ただ、彼の場合はとても人懐こい性格で、「人とつながりたい」という気持ちがすごくあるんだろうなということも感じていたので、そこが理解されなかったり否定されたりしないように、なんとかできないかと思っていました。
誰かに自分の気持ちをわかってもらえたり、誰かと何かを共有する体験、それは楽しく嬉しいことなんだという経験があれば、本人のコミュニケーションや、外の世界への興味はより広がっていきます。すると、今度は、相手の人がどのようなことを考えているのか、どのように見えているのかといった視点の転換が起きるかもしれない。そうすれば、人生はもっともっと豊かなものになっていきます。
(サポチルが開催する専門会員の集い。「前半では、サポチルが提供する子どもの精神分析的心理療法の根幹的なトレーニングであるタビストック方式乳児観察について、事例を通して学び、後半では、各地で活動する専門会員が情報を共有、志を共にする仲間と語り合い、自分たちのミッションを確かめ合う時間となっています」)
武田:
「いつも同じ席に座りたい」という自閉スペクトラム症の子どもに対して、「こだわりだから、訓練して大丈夫な場所を増やしていこう」という意見もあれば、「こだわりだから、いつも同じ場所に座れるように配慮しよう」という意見もあります。でも本人には、その席に座りたい意味が必ずあるんですよね。支援をするにあたっては、その部分、「なぜ彼がその席にこだわるか」、彼の心に関心を持ち、考える必要があると思っています。
しかし残念ながら、そこまで考えることが難しい現場もたくさんあります。本人が「わかってもらえた」という気持ちになれず、無理に従わされる感が積み重なっていくと、いずれ反発感を抱いたり、周囲の人を信頼しづらくなるということにもつながりかねないし、こだわりだからというだけで許容していると、周囲も納得できずに何となく不満を抱えてしまうこともあります。
「なぜだろう?」を考えてくれて、共感してくれる人がいること。
その体験は、外の世界に対する信頼感や期待感を高めます。「発達障害の特性を理解する」ということだけでなく、一人ひとり異なるわけなので、「その子自身を理解する」ということが大切。目の前の一人ひとりの心に関心を持ち続けることが大切だと考えています。
(サポチルの委託機関の一つ、「大阪心理臨床研究所」でのミーティングの様子。サポチルが認定する子どもの精神分析的心理療法士の資格取得を目指すセラピストは、委託機関に所属し、専門的な精神分析的心理療法の訓練を行う)
木村:
自閉スペクトラム症と一言で言っても特性はさまざまで、本を買って読んだりもしますが、息子に当てはまらないことも少なくありません。息子は発達が読みにくいので、今後も長期的に、ちょっとした時に相談できたらいいなと思っています。
藤森:
自閉スペクトラム症の子に限らず、我々の仕事では「普通はこうである」というこちらの常識をいったんすべて外す作業が必要です。ある子は、シャワーを浴びるのが大嫌いでした。親御さんが困り果ててカウンセリングに来られたのですが、感覚過敏で、どうやらシャワーから出ている水の本数を数えられてしまうんだということがわかったんです。
…それを想像すると、シャワーを浴びるたびにその本数がわかったら、誰だって気持ち悪いですよね。そこが理解できれば、シャワーはやめて別の方法にするとか、方法を考えることができます。視点を変えて、その子の世界を知っていくことが大切で、そこを理解し、周りの人たちに翻訳していくのが、私たち専門家の仕事だと思っています。
「自分のことがわかってもらえた」と満たされて初めて、本人も周りの人のことを理解しようと思える。外の世界に目が向いていきます。
(「サポチルの事務所がある京都では、世界自閉症啓発デーに京都タワーが青く色づきます。なぜ4月2日に青く変わるのか、知らない人もたくさんいると思います。しかし、多くの人が足を止めて、そのきれいな青色に目を奪われます。慌ただしくすぎる日々の中、少し立ち止まり、彼らの心に関心をむける。そんな社会につながる活動を続けていきます」)
(保育園の先生を対象に実施した子育てセミナー。サポチル専門会員で広報の西野将史さんが、講師として「3つのW(Watch,Wait,Wonder/よく見て、待って、想いめぐらす)」視点について語った。「保育士の先生たちからは、講義やグループワークを通し、日々の保育について改めて考える機会になったと好評を得ました」
──団体としての今後のビジョンを教えてください。
武田:
サポチルとしては今後、心理療法を提供できるセラピストを増やしていくと同時に、精神分析まではいかなくても、人の心を見たり考えたりすることへの理解や関心を高めていくための土台づくりにも力を入れていきたいと思っています。
発達障害を抱える人に対して、ついこちらのルールやこちらのことを理解してもらおうとなりがちですが、そうではなく「何が好きなん?」「どんなふうに面白いの?」とこちらからも関心を持って関わり合える社会が、もっともっと広がっていくといいなと思っています。
(2022年4月から毎月更新している「さぽちるだより」。「子育て中の養育者の方や、日々子どもに関わる支援者の方々に向けて作成しています。子育ての中のさまざまな出来事や子どもの心を考えることについて、サポチルの理事たちが輪番でショートエッセイを執筆。香川県の医療従事者で、子育てや医療に関わる絵本や漫画を描いている導みち先生にイラストを担当していただいています。専門的でありながらわかりやすい言葉で綴られた内容と、色鉛筆の優しい色合いのイラストが好評です」)
藤森::
発達障害を抱えるお子さんを持つ保護者の方から「気が楽になりました」と言っていただくことが多いです。カウンセリングと聞くと最初は敷居が高く感じられると思うのですが、そこを下げられたらいいなと思っています。
私は今、イギリスにいますが、日本はまだまだダイバーシティ(多様性)への寛容性が低いと感じています。ニューロダイバーシティ(神経の多様性)も同じ。均一性を求めるのではなく、個々の気持ちや見え方にフォーカスが当たる社会になっていくといいなと思います。
──最後に、チャリティーの使途を教えてください。
武田:
チャリティーは、発達障害を抱える子どもたちとその養育者に心理療法を提供するために活用させていただきたいと思っています。ぜひチャリティーアイテムで応援いただけたらと思います。
──貴重なお話をありがとうございました!
(西日本、東日本、海外でも活動するサポチルのメンバーの皆さんが、オンラインで集った一枚。「子どもたちにセラピーが届けられるよう、専門家には訓練や研修の機会を届け、取り組みを支えてくれる皆さまとも手を取り合いながら、これからも子どもたちのために頑張っていきたいと思います」)
インタビューを終えて〜山本の編集後記〜
毎回とても興味深いお話を聞かせていただく、サポチルさんとの3度目のコラボ。発達障害を持つ相手に対して、一つの言動だけを切り取れば、確かにコミュニケーションや理解の難しさを感じることがあります。でも「そういう理由があったんだ」ということがわかれば、少なくとも誤解やトラブルは回避できるし、じゃあどうしようかということも考えられる。本人にも周囲の人たちにも、良い影響をもたらすことができると改めて感じました。日本でももっと広がっていくといいなと思います。
・子どもの心理療法支援会(サポチル)ホームページはこちらから
【2023/4/10~16の1週間限定販売】
深い森の中、水面に映る自分自身を見つめる鹿の姿。
繊細な鹿は子どもたちを、鹿を包み込むやさしい自然や光、水面に映る姿は、サポチルさんの活動そのものを表現しています。
“You are more beautiful than you think(あなたは、あなたが思う以上に美しい)”というメッセージを添えました。本人の可能性が、心理療法を通してキラキラと光り輝く様子を表現したデザインです。
JAMMINは毎週週替わりで様々な団体とコラボしたオリジナルデザインアイテムを販売、1点売り上げるごとに700円をその団体へとチャリティーしています。
今週コラボ中のアイテムはこちらから、過去のコラボ団体一覧はこちらからご覧いただけます!