「譲渡をFULL(いっぱい)に」。熊本県で、動物保護団体や動物愛護センターなどと協力し、「楽しい譲渡会」を主催するボランティアプロジェクト「ジョートフル熊本」が今週のチャリティー先。
「保護犬猫や保護団体の厳しい現状だからこそ、それをそのまま伝えるのではなく、楽しく伝えることで多くの人に知ってもらい、身近に感じてもらいたい。それが私たちの役割」と話すのは、代表の旭爪利砂(ひのつめ・りさ)さん(50)。
旭爪さんは過去に、保護犬猫のためにと少々過激な活動をしていた時期があったといいます。
「保護動物絶対主義みたいな排他的な方向で活動をしていると、いつの間にか友人は減り、SNSのタイムラインには、目を背けたくなるようなつらい動物たちの姿が溢れていました。心は疲弊していました。
その時、『重くて難しい問題だからこそ、目を向けてもらえるように楽しく伝えよう。軽やかで誰でも参加できる活動をしたい』と思ったんです」と振り返る旭爪さん。
「楽しく」、「誰でも歓迎」な譲渡会。すぐに保護犬猫を迎え入れたい人も、そうではない人も、どんな人も気軽に足を運べるようにと、さまざまな工夫を凝らしているといいます。
「楽しい譲渡会」に込めた、旭爪さんの思いを聞きました。
(お話をお伺いした旭爪さん)
ジョートフル熊本
保護動物の譲渡をFULL(いっぱい!)に。
熊本の保護犬猫たちに新しい家族を見つけるためのプロジェクト。熊本県内の動物保護団体や動物愛護センター、保健所などと協力して、さまざまなかたちで譲渡会を開催しています。
INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO
RELEASE DATE:2023/02/13
(ジョートフル熊本が開催する譲渡会場の様子。「犬の譲渡会場は特設ドッグフェンス。犬たちはゆったり過ごしたり、お客さまと触れ合ったり。動物も人間も安心安全な環境と、気軽で楽しい雰囲気づくりを心がけています」)
──今日はよろしくお願いします。最初に、団体のご活動を教えてください。
旭爪:
「ジョートフル」は、「譲渡をFULL(いっぱい)に」と「JOYFUL(楽しい)」をかけあわせた造語です。楽しい譲渡会を通じて、保護犬猫の存在や保護団体さんのことを広くたくさんの方に知ってほしいと思っていて、譲渡会に特化した活動をしています。
熊本県で活動する、保護団体さんや時には行政の保護施設が一堂に会する譲渡会を毎月行っています。ゆくゆくは全国に広がってほしいなと思っています。
──どのような譲渡会なのですか。
旭爪:
こだわっているのは、「楽しい」ということと、「どなたでも歓迎」ということ。今すぐに犬猫を迎え入れる予定がなくても、あるいは譲渡会や保護犬猫にまだそんなに興味がなくても、「楽しそうだな」と気楽に足を運んでもらえる場所をつくりたい。アーティストのライブやキッチンカーや作家さんの出店、ワークショップの開催など、さまざまな楽しいコンテンツを入れる工夫をしています。
(保護団体ブース。団体それぞれの個性が出ていて、チャリティー物販も多種多様。飼えなくても楽しいお買い物で保護動物を支援できる。こちらの看板犬も、もちろん保護犬!)
旭爪:
今は飼えない、あまり興味がない、でも私たちの譲渡会を通じて、「おもしろかったな」とか「保護動物、めっちゃかわいかったな」「保護団体の人、優しかったな」などと興味を持ってもらったら大成功!いつの日か犬猫を迎え入れようという時に、楽しい思い出と共に譲渡会のことを思い出してもらって、保護動物が選択肢のひとつになってくれたら、と思っています。
保護団体は、とにかく毎日の動物たちのお世話と管理が大変です。保護できる動物のキャパシティは常にギリギリかオーバーしている状態がほとんど。それでも保護依頼はひっきりなしです。そうすると譲渡会も、「すぐに飼えない方や、譲渡条件を満たしていない方は、ご遠慮を」というルールにせざるを得ない場合もあるでしょう。それはそれで仕方がないことで、いろいろなやり方があるべきだと考えています。
私たちは保護団体ではないからこそ、今はまだ飼う予定のない方、まだ譲渡会や保護犬猫の存在を知らないという方に、もう少しゆるいつながりやきっかけで譲渡会を知ってもらい、足を運ぶハードルを下げることが役割だと考えています。
(譲渡会場にはキッチンカー、ハンドメイド雑貨やアクセサリー、青果、お花、各種ワークショップ…、さまざまな店舗が並ぶ。「ステージがある会場では、ダンスや音楽などのライブ、著名人による保護犬猫トークショーなども開催しています」)
(会場が屋外の場合は、全長11メートルの特設トレーラーハウスが猫の譲渡会場となる。エアコンも換気扇も完備しているため、天候や気温に左右されず譲渡会が開催できる)
旭爪:
保護動物に対して、「捨てられた理由がある」「かわいそう」「懐かない」「汚い」という誤解を持っている人が正直まだまだ多いと感じています。また保護団体に対しては、「特殊な活動をしている、特殊な人たち」「動物にしか興味がない怖くて変わった人たち」といった印象を抱いている人もいるのではないでしょうか。
保護動物の問題は、難しくて重いものです。保護団体さんは、過酷な現実と向き合う日々です。ただ、それをそのまま伝えても、見たいとは思ってくれない。たとえばSNSを開いて、意図せずかわいそうな犬猫の姿が流れてきた時、目を背けてしまうことがあると思うんです。だって…、つらい姿は見たくないじゃないですか。
だからこそ、私たちは気軽に、軽やかに、楽しく保護動物を知ってもらうきっかけを作りたい、目を背けるのではなく、目を向けてもらいたい。だから「楽しい」にこだわって活動しています。
──そうなんですね。
(「小さなお客さまたちに優しく接する犬と保護団体さん。初めて犬を触るというお子さんも少なくありません。参加する犬にとっても、子どもたちにとっても、譲渡会は良い社会化訓練の場所にもなっています」)
──なぜ、「楽しい」譲渡会にこだわっていらっしゃるのですか。
旭爪:
私たちが熊本で譲渡会を始めたのは6年前です。規模が小さいながらもコツコツ継続してきたので、そろそろ譲渡会や保護動物に関しては認知されてきているのではないかと思っていたのですが、まだまだ全然そんなことはなくて。今でも譲渡会を開催するたびに「知らなかった」「保護動物や保護団体のイメージが変わった」「初めて足を運んだ」という方が少なくありません。
「なんか楽しそう」と、譲渡以外のことでも興味を持ってくださったら嬉しいですし、「誰でもウェルカム」という雰囲気があれば、もっと気軽に足を運んでもらえて、保護動物のことを知ってもらえる。保護団体さんとも話ができて、この問題をより身近に感じ、保護動物に関心を向けてくれるのではないかと思っています。
(熊本県庁での譲渡会にて。「SNS映えするフォトブースには、適正飼養の啓発となるフォトプロップスを設置。難しい問題を、かわいく楽しく拡散してもらうために工夫を凝らしました」)
(譲渡会場の設営は、前日および当日の早朝から。「ボランティアの年齢は、最年少は9歳、高校生や大学生も、最年長は元気なシニアの皆さんも。性別もさまざまで、障がいや疾病がある方もない方もいろいろ。初めての方でも大歓迎。それぞれができることを、楽しみながらやっています」)
旭爪:
譲渡会は、婚活イベントと似ているところがあると思っています。「今は犬猫を飼えない自分は行ってはいけないか」「犬猫にあまり興味がない自分は敵なのか」という雰囲気だと、おっかないし、少し興味があるぐらいでは足を運びづらい。でも、ステージでアーティストが歌うよとか、おいしいキッチンカーが来るよとか、そういったことがあると「行ってみようかな」って思えますよね。
──確かに。いろんな企画が盛り込まれていると、興味があることにひっかかりますね。
旭爪:
そうなんです。まずは会場に足を運んでもらうこと。そして実際にジョートフルの譲渡会に来ると、複数の保護団体が参加していることも、お客さんにとっては大きなメリットだと思っています。というのは、それぞれの団体の、犬猫をたくさんお世話してきた保護動物のプロ中のプロの方たちから直接話が聞けて、それぞれの団体さんの良さや違いを感じていただけるからです。
(熊本県のゆるキャラ「くまモン」と上手に挨拶。大型商業施設サクラマチクマモトで開催した九州最大級の譲渡会にて。「同施設に設置された巨大くまモン像には、迷子札の装着を啓発するタグをつけたことも話題になりました」)
旭爪:
すぐには譲渡につながらなくても、「この団体さん、自分と合ってるな」「何かあったら、この団体さんに聞いてみよう」という出会いがあれば、大成功なんです。
楽しい譲渡会のために、運営にあたっては、会場の安心安全面での配慮はもちろん、あまり気づかれてはいませんが(笑)、BGMや装飾なども楽しい雰囲気づくりに心がけています。
(「譲渡会にボランティアとして参加し、この2匹と出会ったメンバー。保護動物の過去ははっきりわからないケースが多いですが、2匹は保護当時、過酷な日々を送ってきたと簡単に予想できてしまう身体の状態でした。でも今は、犬たちも人間も幸せいっぱいです」)
(2016年、熊本地震から数ヶ月後の熊本県動物管理センター(現在は「熊本県動物愛護センター」に改称)にて)
──なぜ、熊本でこの活動を始められたのですか。
旭爪:
きっかけは2016年4月に起きた熊本地震でした。私は現在も関東在住ですが、熊本地震の後、東京都渋谷区主催の「防災フェス」という大きなイベントがあって、そこで関東のボランティア仲間たちとペット防災の企画をするにあたり、同じ年の8月、初めて熊本を視察に訪れたんです。
飛行機が熊本の空港に近づいた時、上空からは青い陸地が見えて、「さすが、水の都熊本」と思ったのですが、青いのは水ではなく、すべてブルーシートでした。仮設住宅の建設が間に合わず、避難所にはまだたくさんの人が暮らしていました。
地震から4ヶ月、関東では時折思い出したように報道されるだけだったので、まさかこんな状況になっているとは思いもよりませんでした。
動物管理センターをはじめ多くの保護施設は当時、文字通り犬猫が溢れていました。そこで、自分も被災している方も多いのに、それでも一生懸命、日々保護動物のお世話をしている熊本の方たちの姿を目の当たりにしたんです。
──そうだったんですね。
旭爪:
その姿を見てしまったら、何もしないという選択肢はありませんでした。
保護団体でもないしそもそも関東に住んでいる自分たちに一体何ができるのか。犬猫の引き取りやお世話はできなくても、譲渡会だったらできるかもしれないと、メンバーと夜な夜な語り合い、現在の活動を始めました。
(熊本地震から1年後の2017年4月に初めて開催されたジョートフル譲渡会。「複数の団体どころか、たった1人のフォスター(一時預かりボランティア)さんだけが、数頭の犬を連れて参加してくれた、小さな小さな譲渡会でした。譲渡会を始めた当初は、毎回東京から熊本まで、車に什器や機材を詰め込んで通っていました」)
(譲渡会終了後、恒例の記念撮影!保護団体さん、出店者さん、ジョートフルの皆さんで)
──旭爪さんは、ジョートフルのご活動の前から、保護活動に携わっておられたんですね。
旭爪:
動物が好きで、個人で保護をしたりはしていましたが、本腰を入れて活動するようになったきっかけは、2011年3月に起きた東日本大震災です。毎日流れるニュースを見て、「自分もいつ死ぬかわからない」と思った時、本当に好きな動物のことに携わりたいと思いました。
自分には何ができるのか。あちこちの保護施設を訪れて、厳しい現実を知りました。動物の保護から日々の世話、譲渡会、譲渡後のフォロー、猫の場合はTNRまで、一つの団体が全て自分たちでやっている場合が多い。しかも、どこかから多額の助成金をもらえているわけではなく、私と同じように普通に働いていたり家事をしたりしながら、自分の時間もお金も使ってやっている。これは本当に大変です。
ドイツ、オランダ、アメリカ、オーストラリアなど海外の多数の保護施設にも見学に行きました。そこで、保護施設と譲渡施設が分かれているところをいくつか見たんです。保護施設は人の少ない田舎にあるけれども、人通りの多い都会の路面店に「アドプションセンター」と呼ばれる譲渡の場を作り、保護動物や自分たちの団体のことを知ってもらうようにしている。
多くのアドプションセンターは、オシャレで素敵な雰囲気で、もちろん匂いもないし、ペットグッズショップがあったり、何度も訪れたくなるさまざまなしかけがありました。スタッフの方もフレンドリーで、ウェルカム感いっぱいの場所が多かったです。
保護施設のイベントも、譲渡会はもちろん、豪華に正装したチャリティーパーティやチャリティーマラソン、バイクのチャリティーイベントなど、楽しそうでユニークなものがいろいろありました。
(動物保護団体「英国王立動物虐待防止協会(The Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals、RSPCA)オーストラリア」のブリスベンにあるアドプションセンター内にあるカフェテリア。「天井の金網部分はキャットウォークになっていて、猫部屋(広い個室)とつながっています。気が向いた猫が歩いて来たら、その様子を見ながら食事ができる。猫も人間も楽しめるしかけがしてあります」)
──今のご活動の原型というか、旭爪さんの原体験なのですね。
旭爪:
そうですね。楽しく明るく見せられるのは、すごく良いなと思いました。「悲惨なことを悲惨なふうに伝えない。重いことは軽やかに表現する」ということは、活動の中でずっと心がけていることです。
というのは、実はそう思う前は、少し重めで過激な方向に走っていたんです。動物愛護法改正のパブリックコメントを集めるために、家族、親族、友人、会社の同僚…周りに声をかけまくって無理矢理協力してもらい、殺処分反対のデモ行進に参加し、動物実験や肉食に反対してビーガン(動物性の食品を口にしない、完全菜食主義者)になった時期もありました。
──そうだったんですね。
旭爪:
気がつけば、いつの間にか友人は減っていました。私のタイムラインには、同じように過激に活動する人たちが発信する、目を背けたくなるようなつらい動物たちの姿があふれていました。心は疲弊していました。やりたくてやっていたことなのに、全然楽しくなかったんです。
私には、これ以上そのかたちを続けることは難しかった。その時、「重くて難しいことだからこそ、軽やかに伝えよう。自分も周りも楽しく続けられるよう、楽しく表現しよう」と思ったんです。
「楽しい譲渡会」といっても、運営の上で苦労は多々あります。でも、それを人には見せたくないし、感じてほしくない。保護動物のために、いろんな立場でいろんな想いで活動する人がいて、どれもすごく大切だし、いろいろあっていいんだと思うんです。その一つとして、私たちは、楽しく譲渡促進ができたらいいなと思っています。
(コロナ禍ではオンライン譲渡会に挑戦。「初期は効果がありましたが、徐々に譲渡申込数はリアル開催時の3分の1程度に減りました。そこで、大規模な譲渡会を決意。何度も延期せざるを得ない状況になったりして、いろいろな声がありましたが『譲渡促進は不要不急ではない、むしろコロナ禍だからこそ譲渡の手を止めてはいけない』という想いを、ニュース番組でも取り上げていただきました」)
(犬猫の生体展示無しで、ポスターやパネルで紹介する譲渡会場)
──リアルな譲渡会だけでなく、ポスターや絵画などによる譲渡会も開催されたそうですね。
旭爪:
リアルな譲渡会の場合、生体OKの会場は限られてしまいます。譲渡会用に大型の特設トレーラーハウスをクラウドファンディングで購入しましたが、全長11メートルのトレーラーハウスを入れられる広い会場は、そんなにたくさんありません。
また百貨店やオシャレな商業施設は、黙っていてもたくさんの人が訪れる場所ですが、そういった場所では、犬や猫を室内に入れての譲渡会の開催はなかなか難しい。
そこで、たとえば雑貨販売イベントなどで、1コーナーとしてジョートフルで雑貨などを販売しつつ、譲渡対象の動物たちのポスターや等身大パネルを展示するといった工夫をしています。ふらっと買い物に立ちよった方が、「かわいいな。家族を探してるんだ」と保護動物の存在を知ったり、「2匹目は保護動物から迎えようかな」と思ってもらえるきっかけになればと思っています。
(譲渡対象の動物たちの等身大パネル。名前と保護団体名しか書かれていないが、QRコードを読み込むと、詳細や連絡先がわかるしくみ)
旭爪:
等身大パネルは、猫だとB3サイズくらいと小さいので、けっこう安く作れるんですよ。調子に乗って大型犬の等身大パネルも作ったら、こちらは大きくなるので、まあまあお金がかかってしまいました(笑)。
今は、イベント時やジョートフルのお店「ジョートフルーム」などでの展示のみですが、いろんなお店で、一枚でも二枚でも展示していただけたら、見てくださる方が増え、きっかけはどんどん広がっていきます。そうやって周囲の方たちをもっともっと巻き込んでいけるようなしくみも、今後広げていけたらと思っています。
(新しい家族を探している保護動物のポスターを簡単に、誰でも印刷できるウェブサイト『ADOPTION PARK』(一般社団法人Do One Goodが運営)。「気になる動物を選んでポスターデザインを選ぶと、誰でも無料で譲渡ポスターのデータをダウンロードできます。ポスターでの譲渡会が誰でもできるし、お店や会社の掲示板に「今月のイチオシ保護犬猫」みたいなコーナーも簡単にできます。生体展示をしないポスターのみでの譲渡会を全国で開催中で、ポスターを張り出してくれる場所も募集しています」→Do One Goodのサイトはこちらから)
──絵画の譲渡会はいかがですか。
旭爪:
『譲渡対象の子たちを絵で表現するなんて、いちばん遠いのでは?』と思われるかもしれませんが、あえてそこを逆手にとった企画です。絵画にすることで、見る方が想像力を膨らませてくださるところがあると思っています。
──というと?
旭爪:
絵画を見た方が、「この子は絵ではこんな質感や表情で描かれているけど、本当はどうなんだろう?」と興味を持って、保護団体さんに足を運んで会いに行ってくださったりして。「イメージ通り」「全然違った」、どちらもあると思うのですが、これをきっかけに保護団体さんと交流が生まれて、活動を応援してくださったりファンになってくださったり、もちろん譲渡のきっかけになるといいなと思っています。
(絵画による譲渡会。「動画や写真ですらなく、あえて絵で。『会ってみたい』と思わせるための実験的な試みです。同じ動物がモデルでも、写実的だったりデフォルメした表現だったり。こちらの作品は、東京在住の作家『アトリエシャボン玉』によるもの」)
旭爪:
2022年11月には、熊本市の中心地にある大型商業施設「サクラマチクマモト」の4階に「ジョートフルーム」というお店をオープンしました。
「保護犬猫について学べて、買い物で支援できて、いつもの仲間や新しい仲間に会える、楽しい学びと出会いの場」がコンセプトの、国内でも類をみないユニークなスタイルの楽しいチャリティーグッズショップ&コミュニティスペースです。
譲渡対象の動物のポスターや絵画展示、スイーツやアクセサリーなど保護犬猫を応援できる各種チャリティーグッズの販売、コーヒーが飲めるスペースもあります。ふらっと立ち寄れて、保護動物や譲渡のことを気軽に知ったり相談できたりする場になればと思っています。
(大型商業施設「サクラマチクマモト」4階にある「ジョートフルーム」。「いわば、生体はいないが常時オープンしている楽しい譲渡会です。もちろん、どなたでも大歓迎です!」)
(譲渡会終了後の終礼の様子。各保護団体から、譲渡申込数などを共有。「保護団体はもちろん、出店者など関係者みんなが参加します。保護犬猫の譲渡申込が入ったことを、全員が我がことのように手を叩いて喜び合う姿は、ジョートフルの譲渡会を最も表している姿だと感じています」)
──最後に、今回のチャリティーの使途を教えてください。
旭爪:
日々の保護活動で大変な保護団体さんの譲渡会参加の負担をなるべくゼロにするため、とにかく犬や猫と来てさえいただけたら、すぐ譲渡会が開催できるかたちにしていますが、ご寄付やグッズの売り上げなどでなんとかやりくりしつつ、実はかなり万年赤字の状態で…、譲渡会運営費の多くは、自分たちの持ち出しになってしまっています。
(都度レンタルしている長机や椅子類。これらを運ぶための車両費も必要)
旭爪:
譲渡会の開催にあたり、毎回必ず必要になのが、主に猫の譲渡会場として使っているトレーラーハウスの維持費や輸送費です。天候や気温に左右されることなく動物たちも快適な環境で譲渡会を開催するためには、雨風がしのげて、エアコンがあり温度管理できるトレーラーハウスは必須です。
犬用特設ドッグフェンス、猫のケージ、タープテントなど譲渡会に必要な備品は常備していますが、メンテナンス費もかかりますし、譲渡会で使う大量の長机や椅子は、その都度レンタル費がかかります。譲渡会の案内チラシや譲渡対象の動物たちのポスターなど、印刷費用や郵送費も必要です。
今回のチャリティーは、全額を譲渡会開催経費として活用させていただきます。ぜひアイテムで応援いただけたら嬉しいです。
──貴重なお話をありがとうございました!
(「マスクをしていても、していなくても、全員が笑顔とわかるこの写真は、大規模譲渡会がコロナで延期することになり、急きょ実施した大型企画『日本一楽しい!?オンライン譲渡会』YouTubeライブ配信後の一枚。この数ヶ月後には、九州最大級の譲渡会を無事開催しました」)
インタビューを終えて〜山本の編集後記〜
保護動物に興味があったり、迎え入れたいと思っていれば、自分で調べて、譲渡会に足を運ぶという行動ができます。だけど保護動物を知らないという場合、そもそもその選択肢がありません。
「かわいそうだから」ではなく「楽しい」という切り口で、保護動物や譲渡会と出会うきっかけをつくるジョートフル熊本さんの取り組みは、この問題をより広くたくさんの人に伝えるにあたり、とても大切なことだと感じました!
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帽子やかぶりものをかぶったり、メガネをかけたり、スカーフを巻いたり。クスッと笑える犬猫の姿を描きました。
人の楽しい笑顔の中心に、保護犬猫たちもまた幸せに、安心して存在している様子を表現しています。
“Joyful adoption“、「幸せな譲渡」という言葉を添えました。
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今週コラボ中のアイテムはこちらから、過去のコラボ団体一覧はこちらからご覧いただけます!