CHARITY FOR

「女性の目線」で地域おこし。
女性が自分らしく活躍できれば、地域は誰もがもっと住み良い場所に〜NPO法人Women’s Eye

男女共同参画社会基本法などにより、女性が働くことに対する社会全体の意識が大きく変わり、女性の社会進出が進んでいます。「起業女子」なる言葉もあるように、自分で会社を立ち上げ、社会進出する女性も増えてきました。

しかしその一方で、地方の集落などでは未だ女性が公共の場で意見を述べたり、積極的に活動したりすることがなかなか難しい地域があるのも事実です。

今週のテーマは「女性が活躍できる場所」。
…といっても、バリバリキャリアを積んで働く女性を応援する!ということだけを指しているのではありません。

地域にもよるのかもしれませんが、これまでなんらかの縛りがあって自分の意見をうまく出せなかった女性たちが、地域や社会とつながりを持って、自分らしさや特技を生かしながら、生きがいや存在価値を見出して欲しい──。

そんな思いから、東日本大震災の後、復興過程にある宮城県南三陸町を拠点に活動するNPO法人Women’s Eyeが今週のチャリティー先。

女性が活き活きと活躍できる場を提供したいと活動を続けるWomen’s Eyeの事務局長、栗林美知子さんにお話をお伺いしました。

(お話をお伺いしたWomen’s Eye事務局長の栗林さん。)

今週のチャリティー

NPO法人Women’s Eye(ウィメンズアイ)

「女性たちが地域・社会につながるプラットフォームを作り、女性たちが必要な力をつける機会をつくる」ことを目的に、東日本大震災後の三陸沿岸部に災害ボランティアとして集まった有志が立ち上げた女性支援のための団体。

INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO

女性の活躍を通じて「地域の魅力」を再発見し、発信する

──「女性支援」をされているということですが、具体的な活動内容について教えてください。

栗林:
私たちは、女性が地域や社会とつながるきっかけを作り、それを通じて彼女たちが「自分らしく」、元気に活躍できる場を増やしていくために、南三陸町を拠点に活動しています。

具体的には、スキルをつけるワークショップや、子育てや地域課題について考える講座を開催したり、いろんなイベントを実施したりしています。昨年には、クラウドファンディングで寄付を募り、南三陸町に「本気」のパン菓子工房「パン・菓子工房oui」をオープンし、パン作りを仕事にしたい地域の女性たちと、地元の旬の食材を使った天然酵母パンの製造販売をしています。

(2015年5月、パンのスキルアップ教室初回の様子。)

──すごいですね。

栗林:
特に力を入れているのが「うみさと暮らしのラボ」という、ここ南三陸町の里山、里海暮らしの知恵を学び合い、発信し、人をつなぎ、地域に小さな経済をつくるプロジェクトです。

地方にずっと暮らしていると、地元の良さに気づくきっかけが少なく、進学や就職を理由に地元を離れていく人たちも少なくありません。

よそ者である私たちが入り、暮らしの目線で様々なイベントを開催することで、地域の魅力を発信し、地元の人たちがその良さを再発見したり、新たな出会いを生むきっかけを生んでいきたいと思っています。

(パンのスキルアップ教室参加者からパン作りのグループが生まれ「パン・菓子工房oui」設立というプロジェクトへ発展。国産小麦・天然酵母・土地の旬の食材を使ったパンを焼き、地域で販売している。)

東日本大震災後、訪れた三陸沿岸地域で見えた課題

──そもそも、活動のきっかけは?

栗林:
Women’s Eyeは、東日本大震災の後、ボランティアで現地を訪れていた有志で立ち上げました。
復興の過程で、避難所や自治会、公の場で女性が意見を求められることが圧倒的に少なく、女性の声が届いていないという印象を受けたんです。

(Women’s Eye立ち上げ当初は、仮設住宅の集会場など周り、コミュニティづくりのために様々なお楽しみ講座を開催しました。写真はフライパンで作るパン教室。)

ここで活動してきましたが、やはり女性は活動的に見える人はいてもそれはほんの一部で、どちらかといえば目立たないように過ごしている。

それでも、一人ひとり接してみると、皆さん「こんなことがやりたい」という夢があったり、暮らしをとりまく「こういうことが気になる」というすごい視点をもっていたり、手先が器用だったり料理が上手だったり、得意なことがたくさんあるんです。

そんな女性の能力やスキルを、このままにしていくのはもったいない。女性がもっと活躍できて、その声を内外に届けられるようになれば、地域に新しい賑わいが生まれるするはず。
女性が地域や社会とつながり、新たな挑戦ができる場が必要だと立ち上げたのが、Women’s Eyeです。

(2013年から継続している刺し子のサークル。テーマ型コミュニティ育成事業として、趣味や課題など、共通のテーマで参加者が集い、小さなコミュニティづくりをすすめています。)

──私の世代(30代前半)の場合、女性が男性と対等に意見したり議論したりということが当たり前という環境でずっと働いてきました。男女関係なく実力があればステップアップするし、私の上司も女性でした。
私が育ったのは小さな村ですが、休暇に東京からたまに地元に帰ると「男性対女性」の価値観に、何かギャップのようなものを感じた記憶があります。「女性が目立つとよくない」というような、目に見えない風潮といいますか…。

栗林:
そうなんです。
このあたりでも、お嫁さんは、名前の次に「屋号」を聞かれるんですね。つまり、その人自身としてというよりも、家の肩書きというか、置かれた立場で役割を果たすべきものだと考えられている。
それは伝統的なことなのだけれど、そこに息苦しさを感じる若い人たちは都会へ出てしまったり、地域での付き合いを避けようとする。そうすると、地域は衰退していってしまいます。

──社会と関わることによって得られる「存在意義」みたいなものってきっと必要で、そこに自分らしさが出せると「自己肯定感」が得られる。
例えば、私であれば「○○に住んでいる山本さん家の長男の三女」なのですが(笑)、そうではなく、やっぱり個人として認められたい、認識してもらいたいですし、「○○に住んでいる山本さん家の…」と呼ばれ続けるとしたら、やはり息苦しさを感じてしまいます。

「女性はもっと活躍しても良い」。よそ者だからこそ伝えられる価値観

栗林:
そうですよね。
私たちは、活動に参加してくださる方たちを、あえて「めぐみさん」などと下の名前で呼ぶようにしています。女性たちが、それぞれの個性や特技、「自分らしさ」を生かして活躍することは、結果としてその地域を発展させることにもつながります。

東日本大震災の後、私たちのような「よそ者」が現場に多く出入りすることで、三陸沿岸の地元の人たちとって、それまでにはなかった「新しい価値観」がどんどん入ってきたと思うんです。
「女性はもっと活躍しても良いし、主体となっていろんなことをやっても良いんだ」ということが、浸透していけば良いなと思っています。

(2017年夏には「小さなナリワイ講座」を開講。地域の女性たちを中心に、好きなことと、身の回りのちょっとした困りごとを掛け合わせて小さく起業すること目指して、活動中。)

栗林:
よそ者であるからこそ、私たちは良い意味で「しがらみ」を気にせずに地域の方たちを巻き込んでいけるし、言い訳として使ってもらうこともできます。

──「言い訳」ですか?

栗林:
たとえば、プロジェクトやイベントに参加してくださる女性が「また外出するの」とか「何をやっているの」と周囲の人に言われたとしても、「Women’s Eyeにどうしても、って頼まれたから」と言ってもらえれば、理解も得やすいし、やりやすくなると思うんです(笑)。

少しずつですが、地域で活き活きと暮らす女性が増えていけばと思っています。ひいては、女性だけでなく誰もが生きやすい地域へとつながっていってほしいと考えています。

(次世代を担う女性リーダーを育てるプロジェクト「グラスルーツ・アカデミー」。この夏に開催された研修には宮城、岩手、福島から参加者19名が参加。最終日は参加者が輪になって3日間の研修を振り返った。)

年2回のマルシェを核に、地域の新たな価値を発信

栗林:
私たちのプロジェクトのひとつ「うみさと暮らしのラボ」では、年に2回、春と秋に南三陸町で「ひころマルシェ」というマルシェを開催しています。

(2017年初夏に開催した「ひころマルシェ」の様子。南三陸町入谷にある「ひころの里」の芝生広場を会場に、約40の出店者があった。)

「この土地で続く暮らし」をコンセプトに、地元のめぐみを活かし、有機農法や減農薬の野菜や果物、天然素材や循環型の商品を販売しています。また、体験ワークショップや展示なども設け、地域の魅力を再発見してもらおうという試みです。
初夏に開催したひころマルシェには、近郊だけでなく仙台などからもお客様を迎え1,000人を超える方たちが遊びにきてくださいました。

(5回目の開催となる2017年夏の「ひころマルシェ」からは、音楽ライブが楽しめる”HicoROCK”が始まった。竹のステージの音楽ライブがマルシェを盛り上げた。)

──マルシェを始めたきっかけは?

栗林:
南三陸町に長くいるうちに、地域に根付いた暮らしの知恵や自然の豊かさなど、外部の私たちには良い素材がたくさん見えてきました。しかし、内部の方たちはなかなかその価値を感じにくい。それでは残念だと思い、2015年より開催し、この秋で5回目になります。

震災から6年、ハードの面では、町は目に見えてどんどん復興していきますが、ソフトの面で、この地域に残ることを選んだ若者たちにとって、これからもここが暮らしやすい場所であってほしい。
気づいた価値を発信し、マルシェを通じて自分たち住む地域の魅力を再発見してもらい、仲間を集めていくことで、それを実現していきたいと思っています。

(「ひころマルシェ」2017年秋の開催は、10月8日(日)。お近くの方は、ぜひ!)

今回のチャリティーで、マルシェテント製作のための費用を集めます!

──最後に、今回のチャリティーの使途を教えてください。

栗林:
「ひころマルシェ」で使用するテント製作のための費用を集めたいと思っています。

骨組みに南三陸の竹を使った特別なテントで、1張あたり3万円の製作費用がかかります。今回のチャリティーで、このマルシェテントを2張製作するための費用・6万円を集めたいと思います!

──地元の素材にこだわられているのですね。
テントが増えるということは、訪れた方たちに地域の魅力を感じてもらえる場が増えると同時に、出店者さんやスタッフとして動いてくれる方たちの活躍の場が増えることでもありますね!

(2015年「竹テント作りマスター養成講座」を開催。地域の参加者とともに2台の竹テントを完成させた。)

栗林:
そうですね。
「生きづらさ」は、どこの地域にも少なからずあると思うんです。でも、肩の力を抜いて自分らしくいることができる場所があれば、そして能力やスキルを生かすことができれば、女性はもっと活き活きできる。
そのためのお手伝いを、今後もしていきたいと思います!

──ありがとうございました!

(Women’s Eyeの2016年活動報告会 in南三陸にて、勢揃いしたスタッフたち!)

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜山本の編集後記〜

「女性支援の活動をしている」とお伺いしていたので、女性の権利や活躍を主張し、闘われているのかな…?!という少し過激な(?!)イメージがありました。
しかし実際に話を聞いてみると、まだまだ家にこもりがちな女性、そうならざるを得ないような環境を、少しずつやわらかくしながら、地域社会を変えていきたい、という思いが強く伝わってきました。

女性を元気にし、地域を盛り上げていくために。今回のチャリティーにご協力ください!

NPO法人Women’s Eye ホームページはこちら

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“Good things happen when you meet nice people” 「ステキな人に出会ったら、良いことが起きるよ」。

お鍋やめん棒、様々な食材は、一人ひとりの得意分野を表しています。
それぞれが自分の得意なことを持ち寄って、
ワクワク楽しく、みんなでひとつのことをつくり上げる。

おしゃべりしたり、味見したり…、そんな楽しい光景が浮かぶデザインです。

Design by DLOP

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