CHARITY FOR

食料、衣類、鑑賞用…その「動物」、どこから来たの?〜NPO法人アニマルライツセンター

(放牧され活き活きとしたブタの親子。写真:Compassion in World farming)

ふわふわ卵のオムレツ、脂の乗ったステーキ。ゴージャスな毛皮のコートや、軽くて暖かいダウンジャケット…普段意識することはあまりないかもしれませんが、私たちの生活の周りには、「動物」由来のモノで溢れています。

しかし、皆さんはこれらの動物がどこからやってきたか、どんなふうに扱われているか、知っていますか?

今週のテーマは「アニマルウェルフェア(動物福祉)」。

動物が嫌い、という人は少ないと思います。
そして、ベジタリアンなど何か理由がない限り、豚肉や鶏肉や牛肉が嫌い、という人も少ないと思います。
でも、動物が直面している現実を知って欲しい──。

NPO法人アニマルライツセンターの代表理事・岡田千尋さんにお話をお伺いしました。

(アニマルライツセンターの岡田さん。)

今週のチャリティー

NPO法人アニマルライツセンター

東京を拠点に、毛皮や動物実験、動物虐待、工業畜産、犬猫の殺処分、動物園等での非論理的行為をなくし、動物の権利(アニマルライツ)を守り、尊重する社会を目指して活動するNPO法人。

INTERVIEW & TEXT BY MEGUMI YAMAMOTO

人気の「○○カフェ」で犠牲になる動物たち

──今日はよろしくお願いします。
「動物の権利」や「動物福祉」と聞くと、食肉反対のイメージが浮かび、お肉を食べる私からすると、後ろめたさもあってか、一見過激なご活動のようにも思ってしまうのですが…、ご活動について教えてください。

岡田:
はい。私たちは、主に街頭でのチラシ配りや各地で開催するパネル展など草の根運動を通じて、「アニマルウェルフェア(動物福祉)」を訴えています。

(家畜の飼育環境改善や、残虐な扱いを防止するために1960年代に英国で生まれた概念。現在は家畜だけでなく、人間の飼育下にあるすべての動物の福祉の指標となっている。「5つクリアできて初めて、動物は自分の意思のまま正常な行動ができる。人間が動物を支配する場合は『5つの自由』にプラスして『動物が楽しめる環境を用意する』ことが大切」と岡田さん。)

岡田:
また、実地調査やロビー活動、署名運動も活発です。
現在は「ふくろうカフェをやめて欲しい」という署名活動と、「鶏のケージ飼育をやめてほしい」という署名活動が動いています。

(アースデイ東京でのパネル展、牛や鶏のキグルミが活躍します。)

──ふくろうカフェ、流行っているようですが、ふくろうにとってはストレスなのでしょうか?

岡田:
ふくろうは家畜化された歴史が浅く、人間と暮らすことに慣れていません。
たくさんの人に触られたり、近くに来られることもそうですが、騒音の中に長時間置かれること自体、ふくろうにとっては大きなストレスなんです。

──本来暮している自然の環境とは、全く違いますよね。

岡田:
短い綱でつながれ、ほぼ身動きできない。人間でいえば、どこかにくくりつけられてずっと立たされているような状態です。

ストレスを溜めながらも、敵=私たち人間に弱みをみせまいと気を張って身構えていると、あるとき突然、何の前触れもなくバタッと倒れて死んでしまう。心休まる場所もなく、ずっと我慢し続けた結果です。

ふくろうにとってはとても過酷で残酷な状況なのに、人間は、ただ触って満足している。果たしてこんなことで良いんだろうかと思いますね。

(フクロウカフェで拘束されるフクロウたち。)

──猫カフェも流行ってますが、猫カフェはどうですか?

岡田:
猫カフェは、フクロウカフェなどの野生動物のカフェと比べると、平均的には比較的ストレスを感じにくい環境です。
というのは、猫は動物愛護法で守られていて、ある程度の自由が尊重されるからです。

猫カフェの猫は鎖につながれているわけではなく、休みたい時はどこかへ行って休むことができます。

動物によってそれぞれ歴史や背景、置かれている状況があるので、動物のカフェについて、一概にどうとは言えません。

──草の根運動に力を入れているとのことですが、なぜでしょうか?

岡田:
動物の問題はなかなか重視されず、公の場で議論されることが少ないです。
関心がない人が多いのも事実です。ここを含めて、社会の課題だと私たちは認識していて、まず知ってもらうために、街頭での活動に力を入れています。

(渋谷駅前スクランブル交差点での街頭アクション。)

──たしかに、メディアではあまり目にしないテーマかもしれません。

世界三大珍味のひとつ「フォアグラ」の裏に「強制給餌」

岡田:
「知らない」ということは、ひとつ大きいと思います。

たとえば、「フォアグラ」をご存知ですよね。
「フォアグラ」は、肥大させた鴨やガチョウの肝臓ですが、肝臓を大きくするためにどうするかというと、強制給餌を行うんです。

──強制給餌、ですか?

岡田:
太らせ、肝臓を肥大させるために、2〜3週間、1日2〜3回、鴨の意志はおかまいなしに、太いパイプを喉に突っ込んで、餌を流し込みます。

フランスやオーストリアなどの一部の地域を除くEU諸国や、アルゼンチンなど国によっては法律で禁止しているところもあります。日本でもこの事実を知ると、フォアグラに拒否感を持つ方も多いです。

(苦しいだけでなく太いパイプが喉やクチバシを傷つける。写真:フランスの動物の権利団体 「L214」 参考:「フォアグラの生産方法」

──テレビで「このフォアグラ、おいしい!」という食レポは見かけても、強制給餌のシーンは見たことがないですね…。

岡田:
実はどんなことが起きているのか、消費者が知らないことをいいことにフォアグラを売り続ける。これは企業の社会的責任に関わると思います。

動物なしでもテストできる。化粧品の動物実験

──フォアグラ以外のケースはどうですか?

岡田:
人間の消費と関連した動物福祉に対する考え方は、2パターンあります。
ひとつは、「やり方を変えることで、改善できる」場合。
もう一つは、「そもそも廃止したほうがいい」場合。

一つ目の「やり方を変えることで改善できる」ケースですが、たとえば卵を産む鶏の飼い方です。ケージに押し込めるのではなく、ケージフリーにして、ある程度自由な環境を与えることで、アニマルウェルフェアは向上します。

二つ目の「そもそもそ廃止したほうがいい」ケースは、さきほど話したフォアグラや、毛皮、化粧品の動物実験などが挙げられます。

(皮膚刺激性試験の様子。)

──化粧品の動物実験反対は「BODY SHOP」などは有名ですが、ほかにも多くの化粧品企業が動物実験ゼロを表明していますね。

岡田:
動物を犠牲にしなくても、別のやり方で安全性を確認することができます。
「そもそも、この暴力不要じゃない?」というものは、やめていくべきです。それによって、動物実験の状況自体が改善されていくと思っています。

深刻な問題を抱える「毛皮」

──毛皮になる動物の実態はどうですか?

岡田:
総毛皮のコートなどは批判が集まりやすいですが、そうではなく小さなファーのキーホルダーや、ジャケットのフード部分についているファーも、立派な毛皮です。

毛皮になる動物たちの飼育環境はひどく、5月に生まれた子どもが金網の中に塞がれ12月には殺されて毛皮になるというサイクルが一般的です。

毛皮産業のマニュアルでは電気ショックで殺すのが一般的ですが、中国では、電気ショックも与えずに地面に叩きつけたり、首根っこを踏みつけたりといった実態も報告されています。

また、毛皮は環境問題も深刻です。

(2016年には137万頭分の毛皮が国内に出回った。写真:Nettverk for dyrs frihet)

──環境問題ですか?

岡田:
毛皮は動物の死骸の一部なので、硬直してカチコチの状態です。これを柔らかく保つために、脂肪をこそぎ落とし洗った後に「なめし」の工程があります。

昔は植物性のタンニンを使ってなめしていましたが、効率が重視されるようになり、発がん性物質である六価クロムや防腐剤のホルムアルデヒドが使用されています。

当然ですが、排水は地域の地下水や農業水を汚染し、結果としてその地域で「がん」などを発症する人が増えます。

──深刻ですね。

(周辺になめし工場が広がるエリアの川の水は真っ黒。2015年、中国河北省にて。)

岡田:
現在はフェイクファー産業が活発で、品質の良いフェイクファーもたくさん出ています。
「ふわふわしたものが好き」という方も多いと思いますが、毛皮の生まれる背景を知っておいてほしいと思います。

──背景を知れば、また違った選択をするかもしれません。

翼の折れたニワトリ。食卓に並ぶ「卵」を産むニワトリの実態

岡田:
先ほど卵を産むニワトリの飼育環境について触れましたが、国内の卵の生産現場は、とても残酷です。

孵化場で生まれたヒナたちは、ベルトコンベアーで流されて、オスとメスに選別されます。メスは卵を産みますが、オスは産みません。なので、その場でオスはシュレッダーでひき殺されてしまいます。

(2016年、日本の養鶏場にて。養鶏場の朝一番の仕事は死体を回収すること。)

岡田:
生き残ったメスのニワトリたちは、育雛(いくすう)場に移動し、狭い金網のケージで120日ほど過ごします。そして採卵場へ。ケージに押し込められたまま、毎日ひたすら卵を産み続けるのです。

以前、養鶏場から保護したニワトリを保護したことがあります。
ニワトリの足の裏は人の手のひらのように柔らかいのですが、細い金網を踏み続けた足はただれていました。また骨折をすれば人と同じように内出血をし腫れ上がりますが、彼女たちの羽には何箇所も骨折の跡が残っていました。

──なぜ何箇所も骨折していたのですか?

岡田:
ニワトリには羽ばたこうとする本能がありますが、狭い金網の中、羽ばたいたときに骨を折ったまま、ずっと生活していたんです。

──そんな…。

(保護された当時の鶏。羽ははげ、足を1本脱臼していた。)

岡田:
ニワトリの寿命は10年ほどですが、2年ほど経って産卵率の落ちたニワトリたちは、ボロボロの状態でまるでゴミのように扱われ、屠殺場で殺されていきます。

現場を初めて見た時、ホラー映画よりもホラーだと感じました。

──「卵」だと、ニワトリ自体は直接見えませんもんね…だからと言って、そんな状態だとは…。

岡田:
卵を食べるのなら、「放牧の卵」とか、ニワトリの環境に配慮した卵を選んでくださると嬉しいです。

(狭いケージから救出され、里親の元でのびのび過ごす「小春」と「しょうこ」。)

動物の命を思い、アニマルウェルフェアに配慮した生活を

岡田:
牛乳や食肉に関しても同じです。
「食べる」という選択をするのであれば、できるだけアニマルウェルフェアに配慮した選択をしてくださると嬉しいです。

──そうすると、やはり値段も高くなってきますよね。
平飼い卵一個50円とか、100円とか…。お肉や牛乳にも同じことが言えます。

岡田:
ヨーロッパでは、アニマルウェルフェアに配慮した製品が、そうではないものとほぼ同じ価格で売られるようになってきました。
多くの人たちがアニマルウェルフェアを配慮した結果、製品のニーズが増える分、コストを抑えて生産できるからです。日本の卵の価格は戦後60年ほぼ変わっていないというそもそも価格が不当であるという問題を抱えており、同じようにはいきませんが、正当な対価を支払い、そのお金が動物たちの福祉を左右するのだという感覚を持ったほうが良いでしょう。

私たち消費者が「良いものに変えていく」という選択が、やがて動物たちの飼育環境を改善していくし、アニマルウェルフェアに配慮していると、おのずと私たち人間が必要だと思う量も減っていきます。

チャリティーで「アニマルウェルフェア」を一人でも多くの人に知ってもらうためのチラシ製作費用を集めます!

──確かにそうですね。
最後に、今回のチャリティーの使途を教えてください。

岡田:
最初にお話したように、私たちは街頭での活動に力を入れています。
今回のチャリティーで、街頭で配布するチラシ製作のための費用を集めたいと思います。

(動物たちの現状を知らせるチラシをそれぞれの問題ごとに作成しています。フォアグラや毛皮の生産方法や問題、問題がわかりにくい畜産動物は漫画家の先生がチャリティーでイラストを描いてくれています。これらのチラシを日本中で配布しています。)

──チラシの内容はどういったものですか?

岡田:
今お話ししたようなこと、動物たちの現状について、皆さんに知ってほしいことを書いています。
不幸な動物が減るように、ぜひチャリティーにご協力ください!

──ありがとうございました!

(2017年6月に行われたアニマルライツセンター創立30周年記念パーティーにて。)

“JAMMIN”

インタビューを終えて〜山本の編集後記〜

例えば食べ物に関していえば、最近はベジタリアンやビーガンの方も増えてきました。
アニマルウェルフェアを考える時、「食肉はいけない」、「食べるために、動物を殺すなんて」という極論だけでは、そうではない意見を持つ人(お肉が好きな人)たちにはまったく理解されません。

ただ、食卓にのぼるお肉や卵、自分の身の回りにある動物性の素材(羽毛ぶとんの中身なども)どこから、どうやって来たか知ること。そして、命に感謝すること。それだけでも、選択肢は変わっていくように思います。

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野生の地で自由に生きているはずの動物たちが、人間の世界に閉じ込められています。

“Where is my place?”「僕の居場所はどこ?」というメッセージと共に、
動物たちの命を好き勝手に操る人間、
そんな中でリアルを失っていく動物たちの姿を
アイロニカルに表現しました。

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【THANKS】NPO法人アニマルライツセンターより、御礼とメッセージをいただきました!- 2017/12/7

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