(TEXT BY KEIGO TAKAHASHI)
起業をしたい! そう考える学生の方も多いと思います。僕も学生時代、漠然と就職活動をしていながら起業をしたいと、当時の彼女(現在、妻)に話をしていた記憶があります。
しかし、実際に起業しようとすると、なかなか大変なもの。ビジネスモデルは?財務計画は?などなど考えることも多いです。
いいメンター(師匠)に出会えれば成功にグッと近づきますが、そんな劇的な出会いも無い訳でして。
最近では起業したいという学生の相談にも乗っている僕の場合は、優秀な相方を始めとする素晴らしいメンバーが周りにいるから何とかなっているだけで、正直再現性もへったくれもあったもんじゃありません。
「やりたいことが無いヤツは社会起業家になれ」みたいな話もある訳ですが、新しいことに挑戦したいと思う若者が多い方が増えれば、日本て面白くなるんじゃねーの?的発想はずっと持っています。
そんな中、面白いNPOさんを関西に見つけたので、今週ご紹介します!
今週のチャリティーはNPO法人ブレーンヒューマニティー。阪神・淡路大震災が発生した時の子ども支援(無料家庭教師派遣など)活動をきっかけに設立した非営利法人です。
(1994年、当時の大学生がBrainHumanityの前身となる「関学学習指導会」を設立)
ブレーンヒューマニティーの特徴は、①子ども支援に関わる様々な事業を展開していること、②事業運営は学生ボランティアが中心となって行なっていること、③学生が担当した事業がそのまま外部へスピンアウトする事例が出てきていること。
まず事業の内容について。活動は本当に幅広く、レクリエーション事業や家庭教師事業だけでなく、不登校支援事業など、社会的に厳しい状況にある子どもも支援しています。
代表の能島さん曰く「収支が見込めるものも、見込めないものも混在」「トータルで収支のバランスが取れればいい」という考えのもと拡大を続けています。
(年間10本のキャンプ事業と週末の日帰りデイイベント事業を実施)
なぜこのような事業運営をするのかと言うと、特徴の2番目、学生が新規事業の中心となって行なっていることに繋がっています。
基本的に新規事業で手を挙げるのは学生、その内容をブレーンヒューマニティーの職員がフォローし、無用な口出しはせず、学生が中心となって運営されていきます。
(不登校の子どもたちなど、様々な環境の子どもたちに、学びの機会を提供している)
そして最後の特徴、スピンアウトした事例というのが、今年2月にJAMMINでもキャンペーンを実施した、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン。
共同代表の今井さんと奥野さんはもともとブレーンヒューマニティーでボランティアとして不登校支援事業、国際ワークキャンプ事業に参加していました。
代表の能島さん曰く「飛び切り優秀な学生だった」2人は、現在も日本でも先進的な教育バウチャー制度を普及させようと、今も奮闘を続けています。
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン | JAMMIN(ジャミン)
直接的には大学生の成長を促し、間接的に大学生が行う事業を通じて子どもの支援するという、ちょっと不思議な形態をとっているブレーンヒューマニティー。
なぜこのような事業運営の方式をとっているのか、代表の能島裕介(のじま ゆうすけ)さんにお伺いしてきました!
(NPO法人ブレーンヒューマニティー代表、銀行勤務を経て友人とブレーンヒューマニティーを創業。現在、公益財団法人チャンス・フォー・チルドレン 理事、尼崎市役所 参与など)
最近、ソーシャル界隈では子ども食堂ブームです。直近ではこんなブログが話題になりました。
子ども食堂を失敗させる方法 なぜ東新町子ども食堂は上手くいかなかったのか?
子ども食堂とは、子どもが家で一人でご飯を食べるのではなく、いろいろな人が集まり食卓を囲むことで、地域で連携し子どもを見守ろうという趣旨でスタート。西宮市内に2箇所あるうちの1つをブレーンヒューマニティーさんが運営しています。
(にしのみやこども食堂の様子。毎週月曜日17時から営業をしている)
(にしのみやこども食堂 店長 田中遼太郎)
(他地域展開に向けて、こども食堂MTG)
ブレーンヒューマニティーさんの活動、どう感じましたか?
僕が思うのは、属人的な話がなく「起業を考える機会」って世の中に多くないので、社会起業家を目指す学生は、このNPOさんに関わって欲しい。
誰もが自分らしいやり方を作るタイミングは必要なのかもしれないけど、まずは先輩たちの上手くいっていることを真似ることだと思います。
ブレーンヒューマニティーさん卒業メンバーがどんなワクワクする未来を作るのか、今後も注目したいですね!