(TEXT BY KEIGO TAKAHASHI)
あなたは「ダイバーシティ(多様性)」という言葉を聞いたことがありますか?
今後、さらなる少子高齢化やグローバル化が見込まれる中、企業を始めとする組織では、今、ダイバーシティ推進が重要な経営課題と認識され、多様な人材が能力を発揮しやすくなるような環境づくりが求められています。
ダイバーシティのテーマとなるのは、年齢・性別・国籍・人権・障がいなど。特に、最も注目を集めているトピックが、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー等)と言われる性的マイノリティに関することです。
今週のチャリティーは、NPO法人虹色ダイバーシティ。大阪に事務所を構え、性的マイノリティが、いきいきと働ける職場づくりを目指す非営利法人です。
(虹色ダイバーシティのオフィス)
虹色ダイバーシティの活動内容は、職場へのコンサルティング、メディアや講演を通じて性的マイノリティに対する適切な情報を伝え、理解者を増やすための支援を展開。
今までの講演回数はおよそ300件、総勢約30,000名の人に、自身の想いだけではなく、具体的な知識やスキルを伝えています。
過去のJAMMINキャンペーンでも紹介してきましたが、虹色ダイバーシティ代表の村木真紀さん自身はレズビアン。
村木さんが過去に職場において様々な体験したことが、今の活動の原動力になっていると話をしてくれていますので、そちらに興味がある方は以下のリンクから是非チェックしてみてくださいね。
NPO法人 虹色ダイバーシティ 2015 JAMMIN | Social Wear Brand
NPO法人 虹色ダイバーシティ 2014 JAMMIN | Social Wear Brand
LGBT当事者の中には、職場だけでなく、ランチやアフターファイブでも差別的な言動を耳にしたり、(カミングアウトが難しい場合)自分のことがバレてしまわないかと、日々緊張や不安、孤立と戦っている方がいらっしゃいます。
こうした問題を解決するためには、まずはLGBTのことを理解し応援する人を増やすことが必要となり、「課題を伝える人」が増えることが求められます。
しかし、当事者の方が「個人の想い」をそのまま伝えるだけでは十分ではないと、虹色ダイバーシティ代表の村木真紀さんは話します。
(講演する村木さんの様子)
LGBTの皆さんは、ご自身の経験を語ることが出来ます。しかし、『辛かった』『しんどかった』と伝えるだけでは、多くの共感を得ることは難しいでしょう。
そして、非当事者の方は自身で色々な体験をしている訳でない為、個人の知識だけでは説明が難しい面が出てきます。だからこそ、今、多くの人にLGBTに対する体系的な理解を促す必要性を感じています
虹色ダイバーシティは、東京と大阪で先行的に「スピーカー=LGBTに関する情報を伝え理解を促す人」の為のスキルアップ講座を開催したところ、全国各地の当事者や関係者から「私たちの地元でも開催を」という声が多く寄せられたと言います。
スピーカーが全国に増えていけば、スピーカー同士の「横のつながり」が生まれます。仲間同士でつながり、より良い進め方を見つけていく、そんな繋がりを生み出していきたいと考えています
さらに、スキルアップ講座では、個人の想いだけでなく、相手に自分の想いがどう伝わるかまで考える方法、例えばロジカルな話し方はどういうものか、という具体的なスキルまで踏み込んで行っていく予定だとも教えてくれました。
(東京で開催したスキルアップ講座の様子)
虹色ダイバーシティが目指すのは、LGBTがいきいきと働ける職場を、全国に増やすこと。今後、地域の支援団体などの協力を得ながら、各地で講座を開き、年間100名のスピーカーを増やしていくことを目指しています。
ただ、地方にはニーズがあっても費用面で行けないことも事実。今週、皆様からお預かりするチャリティーは、スピーカー育成のためのスキルアップ講座開催準備費用(旅費など)として、大切に使わせて頂く予定です
実は、私たちJAMMINも虹色ダイバーシティにコンサルティングを頂いたうちの一人。オープン当初は「MAN」「WOMAN」というカテゴリーを商品表示に利用していましたが、アドバイスを頂いて以降、一切その表現を止めました。
もちろん、差別的な意図はありませんでしたが、意図しない受け止め方をされることもある、という指摘は新鮮でした。こうした事例は私たちだけでなく、世の中に溢れてしまっているのが現状です。
今週のチャリティーである、あなたの応援を通して、より多くの人に性的マイノリティを知る機会を作ることが出来ます。ぜひ、一緒にそのきっかけを増やしていきませんか?
最後に虹色ダイバーシティの村木さんからのメッセージを紹介します。
今、性的マイノリティのための施策を導入する事例が全国で増えてきています。しかし、こうした動きは 『社会の理解』が広がらないと実現することが難しいのも事実。土壌を作るために、私たちが取り組もうとするスピーカースキルアップ講座の取り組みは、重要な活動だと考えています
チャリティー・アイテムのデザインでは、LGBTの象徴である虹のモチーフと、私たちの今の想いをデザインして頂きました。是非、チャリティー・アイテムを通じて私たちの活動の応援をよろしくお願いします
(虹色ダイバーシティのスタッフの皆様)