あなたは、「自閉症」という言葉を聞いたことがありますか? 聞いたことがある─、という方も、自閉症が具体的にはどんなものか、あまりイメージ出来ないのではないでしょうか。
かく言う著者も、その一人。今週のチャリティーNPO法人ADDSの活動を知るまでは、正直よく分かっていませんでした。
今週のチャリティーをきっかけに、ほんの少しでも「自閉症」について理解が深まれば嬉しいです!
(TEXT BY KEIGO TAKAHASHI)
そもそも、自閉症とはそもそも何なのでしょうか。NPO法人ADDSの定義によると、
自閉症は、通常生後30ヶ月までに発症する先天的な脳の機能障がいです。
視線が合わなかったり、1人遊びが多く、関わろうとするとパニックになったり、 特定の物に強いこだわりが見られたり、コミュニケーションを目的とした言葉が出ないなどといった行動特徴から明らかになります(NPO法人ADDSホームページより)
重要な点は、自閉症は発達障害の一種であり「心の病気」ではないという点。先天的な脳の中枢神経の機能障がいで、定型発達者(いわゆる健常者)とは機能そのものに違いがあります。
ADDS共同代表の熊仁美さんは、こう教えてくれました。
(ADDS共同代表の熊仁美さん)
皆さんも少し思い出して欲しいのですが、同級生の中に「ちょっと変わった子」はいませんでしたか? コミュニケーションがうまく出来なかったり、一人遊びをずっとしていたり、音に過敏に反応したり。
米国の調査によると「約68人に1人ぐらいが自閉症」と言われているので、あなたの身近にもいたはずなんです。
発達障害(自閉症を含む)が抱える課題に「療育に関する専門知識」の不足があります。もし、病院などの診察によって子どもに自閉症の疑いがある、とわかったとしても、そこから「じゃあどうしたらいいの?」となるはずです。
昔、自閉症の症状が起きるのは「親の愛情」が足りないから、という説もありました。だからひたすら「抱っこ」をするのがいいんだ、と言われた時代もあったのです。
今は、生まれつきの障害であることが明らかにされ、診断基準やチェックリストが整備され状況は少しづつ、確実に変化してきています
ADDSの活動のきっかけになったのは、ある日大学に貼り出された一枚の「バイト募集」だったそう。
私(熊)と、共同代表の竹内は同じ大学のゼミで「発達心理学」を学んでいました。
そんなある日、竹内が学内に貼り出された「コミュニケーションに課題がある子ども」の療育に関するバイトに応募。自閉症について直接知る始めての機会でした。
(熊さん、竹内さんが学生時代に行ったボランティア募集の様子)
そのバイトで出会ったご家庭はかつてアメリカに住み専門的な療育を受けていたそう。日本でも同じように専門的な知識に裏打ちされた「療育」を探していたといいます。
バイトの一件を契機に、実際に自閉症の子どもと現場で関わる中で、他の人からも「うちにも来て欲しい」という声が沢山頂くようになりました。
他のキャリアも当然あったのですが、私自身、現場で子ども達と一緒にいることが好きだったということもあり、NPO法人を立ち上げ活動しています。
ADDSは現在「保護者トレーニングサービス」と「セラピスト派遣サービス」を展開しています。
(保護者トレーニングサービス:保護者が家庭で主体的に療育に取り組めるようになるための様々な保護者研修プログラムと、お子様への緻密な課題構成により療育をサポートする各種プログラムを展開)
(セラピスト派遣サービス:学生や社会人を初級セラピストとして養成し、ご家庭にご紹介し実際にセラピーを行うもの。)
ADDSは直接子どもを支援するだけでなく、親御さん向けのサービスが充実しています。なぜ、このような方法をとっているのでしょうか。
集中的かつ良質な早期家庭療育サービスの料金相場は、年間200〜500万円に及ぶこともあり、経済的な理由でつまづく方が多いのも事実です。
なので、私たちは親御さんに専門的な知識をつけてもらうことで、「親御さん主導で、子育てとして取り組める療育」を一人でも多くの人に届けたいと考えています
保護者トレーニングサービスでは、親と子どもが一緒になって、生活スキルや要求をしてもらう等の基本的な事柄を習得していくことからスタートしているそう。
子どもが変化していくことはもちろん、親御さんの表情の変化を見れるのも嬉しいです。
子どもの言葉が増えたり、出来なかったことが出来るようになった時の「やった、出来たね!」という言葉が出る瞬間は、活動をしていて良かったと思える瞬間ですね。
ADDSの活動、あなたの目にはどう映ったでしょうか?
今週のチャリティーについてまとめると、以下のような3点が重要なポイント。ぜひここだけでも覚えて頂けると嬉しいです!
──
私たちは日々忙しい毎日を過ごしています。そんな中で見過ごしている“小さな幸せ”にもっと目を向けるべきではないか─、ADDSさんの活動を深く知るうちにこのことを意識するようになりました。
普通の子どもにとって、当たり前のように出来ることがあるとします。
一方、発達障がいを抱える子どもや親御さんにとっては、その当たり前がまず難しい。ただ、そこから親子で地道に取り組んでいけば、最初は出来ないかもしれませんが、徐々に出来ることが増えて行く。
こうした積み重ねそのものが「幸せ」な瞬間。私たちもこうした一つ一つの幸せに目を向けて、大切に毎日を過ごしていかなくてはいけませんね!
最後に、ADDS共同代表の熊さんからのメッセージを紹介します。
今週、皆さんからお預かりする700円のチャリティーを通じて、自閉症やADDSの活動を紹介するためのパンフレットを作成し、14人の人に情報を届けることが出来るようになります。
もし、この文章を見たあなたが誰かと一緒に電車に乗ったり、どこかへ出かけた時に、パニックになって騒いでいる子どもを見かけたら「もしかしたら発達障がいなのかも」と思い出して頂き、周りの人に「目に見えない障がい」の存在を伝えていただければ嬉しいです。
ぜひ、チャリティーアイテムを通じて応援のほど、よろしくお願いします!
(ADDSスタッフの皆様)
【 THANKS MESSAGE 】NPO法人ADDS から御礼とメッセージ | JAMMIN(ジャミン)
法人名:NPO法人ADDS
活 動:東京に事務所を構え、「自閉症」を持つ子どもと親御さんの成長を支援する非営利法人。
H P:http://www.adds.or.jp/