CHARITY FOR

NPO法人TEDIC(テディック)

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あなたは、ゴールデンウィークをどのように過ごしましたか?

地元へ帰ったり、国内外へ旅行をしたり、家でのんびり過ごしたり。

4月から新しい生活を始めたあなたにとって、

いいリフレッシュの時間になったのではないでしょうか。

ただ、新しいスタートは、ワクワクもある一方、不安がつきもの。

そんな、あなたと同じように、

5年前に不安な中、故郷で新しいスタートを切った、大学院生がいました。

今も東北・石巻で、子どもたちのために活動するNPOが、今週のチャリティー。

この活動が、あなたの気持ちの後押しになれば、嬉しいです!

今年は、東日本大震災から5年が経過します。そこで、JAMMINでは、毎月11日を含む週を「日本の災害が私たちに遺したもの」として特集。
様々な災害を経験した私たちに、今何が出来るのかを考えていきます。5月は「東日本大震災」が遺したものついて、ご紹介していきます。

今週のチャリティーは、宮城・石巻で活動するNPO法人TEDIC(テディック)。

代表の門馬優(もんま ゆう)さんに、詳しい話を伺ってきました。

「当時の記憶がほとんどない」─、大学生が見た故郷

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(TEDIC代表の門馬さん)

「私は宮城県石巻市の湊(みなと)という漁業が盛んな地域で生まれました。

2011年に私は東京で大学に通っており、大学院へ進学予定でした。

そして、3月11日─、地元である石巻が、津波に飲み込まれる様子をニュースで見にします。

居ても立っても居られなくなり、ボランティアとして地元へ戻りました。

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(被災当時の石巻の様子)

実は、震災後に地元に戻った時の記憶が、今もほとんどありません。

正月やお盆に必ず帰省していた祖父母の家は全壊─、

小さい頃から通った床屋にはワゴン車が突っ込んでいる─、

こうした映像としての断片的な記憶はあるのですが、故郷がないという事実を受け入れることが出来なくて、そこから考えることを止めてしまっていたんだと思います。

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(震災直後の門馬さんの自宅)

そして、参加したボランティアでは、各避難所にいる支援が届きにくいスペシャルニーズ、いわゆる災害弱者とも呼ばれる方々のための支援を行っていました。

当時の避難所は混乱の真っ只中。たくさんの支援団体が避難所の入っている一方で、情報が集約されにくく、対象の方々を誰が把握しているのか、そもそも見つけ出すことが困難でした。

元々の活動計画では、全国各地から集まったボランティアがローラー作戦で避難所を訪問し、ニーズを拾い、専門機関にマッチングしていくというスキームでしたが、計画を変更することになりました。

私は避難所に常駐して、本部運営に携わり、避難所で生活されている方々のデータベースを作るなどの業務をしながら、ゆっくりと時間をかけてニーズを拾うことにしました。

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(避難所巡りをしていた当時の様子)

ボランティアでは、こんなことがありました。ある夜に本部で避難所内の広報誌の作成をしていると、『うちの部屋に突然叫びだす人がいて、怖くて眠れない』という声を聞きます。

部屋に駆けつけてみると、何かしらの発達特性がある方だということがありました。段ボールを使って個別の空間をつくると少し落ち着いたようでした。

このように、震災直後の避難所にはたくさんの方々がいます。特別に支援を要する方々への支援や配慮が行き届かず、結果として避難所内に軋轢が生まれてしまったり、居づらくなって他の避難所や車中泊に戻ってしまう方々がいることが課題でした。

いま、まさに熊本地震で車中泊をされている方々がいらっしゃいますが、メディアで報じられている“余震への恐怖”だけではなく、このような事情で車中泊を選ばざるを得ない方々もいらっしゃるのではないかと思います」

他の避難所でもきっと必要になる─、自分がすべきことの”きざし”

大学院進学を控え、現場でボランティアとして奮闘していた門馬さん。

目を背けたくなるような故郷の姿を見て、自分の将来についてどう考えていたのでしょうか。

「もともと、将来は教員になりたいと考え、大学時代から教育系NPOに関わっていました。

だから当時、避難所を回っていても、子どものことがずっと気になっていました。

現地入り直後は、私自身も被災の事実から逃げていたので、避難所にいる子どもたちと鬼ごっこをしたり、肩車をしたりしてじゃれあう時間が唯一のリフレッシュになっていました。

むしろ、子どもたちに沢山支えてもらったなと、今では思います。

そんなある日、小さい頃から私のことを可愛がってくれていた地元のおばちゃんが、『図書館を子どもたちに解放したい』というアイデアを話してくれたんです。

あの時、小学校全体が避難所として使われている中で、図書室だけがスペースの関係上、避難場所として使われていませんでした。そこを使おうという話でした。

早速、居場所として活用が始まり、私も時間を見つけて、お手伝いに参加しました。

一緒に絵本を読んだり、ダンスを踊ったり。中学生や高校生とは一緒に勉強したり。

子どもたちの楽しそうな様子を見て、他の避難所でもきっとこんな活動が必要とされてるはず─、

そんな想いを持つようになっていきました」

信頼できる仲間とともに、再び石巻へ─

訪れた石巻で見えてきた、子どものための活動への”きざし”。

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(活動をスタートした当時の写真)

大学院へ向かうために、東京へ戻った門馬さんは、ある行動を起こします。

普通の大学院生を送るはずだった門馬さんのキャリアは、ここから大きく変化をしていきます。

「一旦、東北のボランティアチームから離れ、東京へ戻り、ゴールデンウィーク明けからスタートする大学院の講義に参加し始めました。

後から聞いたのですが、石巻出身の学生がいるってことが、大学院の教授や同級生の中でも噂になっていたみたいなんですね。心配してくれる人も多かったです。

一方で、私自身、大学院が始まってすぐに東京にいることを辛く感じていました。

避難所の大変な生活を、自分の目にしていますし、自分だけが普通に生活出来て本当にいいのだろうか─、

という後ろめたさもありました。

そして、それ以上に何か石巻のために動いていないと、自分自身がおかしくなりそう─、

とも感じていました。

今振り返ってみると、『子どもたちのために』という想いとともに、原動力になったのはこの『モヤモヤとした気持ち』。大学院が始まってすぐに、同級生にこう声をかけ始めました。

自分は石巻出身で、子どもたちの支援をしていきたい─、

石巻のために力になってほしい─、

そう声をかけたところ、同級生が17人も集まってくれました。今ではほとんどのメンバーが学校の教員になっていますが、防災講話や総合的な学習の時間など、講演のゲストとして僕を呼んでくれます。本当にありがたいです」

求められるニーズに合わせて、活動を拡大

17人の仲間と2年の間、毎週末に東北を行き来しながら活動を続け、大学院を卒業した門馬さん。

卒業後は教員のキャリアではなく、TEDICを「NPO法人」として登記し、現地で活動を本格的に開始。2013年4月、石巻で新しいスタートを切りました。

「本格的な活動開始にあたって、まずは居場所としての学習支援を公民館などの公共空間で開始することにしました

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(中央公民館での活動の様子)

2013年当時、ボランティアといえば応急仮設住宅への支援が中心でした。

同じ仮設住宅でも、みなし仮設住宅(※民間借上住宅)への支援はなかなか届かず、同じ住家被災なのに支援格差が生まれていたのです。

また、内陸部に住まわれている保護者の方から『震災直後は被災してないと支援は受けちゃいけないって思ってたんですが、私たちももう頼っていいですか』、とお電話を頂くことがありました。

そのお電話をくださったご家庭は、震災以前から経済的にも苦しく、またお子さんも学校に行きたくても行けない不登校の状態にありました。

こうしたニーズに応えるために、これまでの応急仮設住宅での学習支援に加えて、公民館という公共空間での学習支援を開始、住んでいる場所に関わらず、子どもたちが参加できるようにしました。

そうした活動を続けるうちに、2014年10月には、大阪のNPO法人み・らいずから「ほっとスペース石巻」という不登校の子どもたちの居場所づくりを事業譲渡され、これまでも学習支援で支えてきた不登校の子どもたちへの支援を本格化させました。

ここまでの活動で見えてきた、新しい課題

ここまで活動を順調に拡大している様に思えるかもしれませんが、これらの活動が一定程度、地域の人々へに知られていく中で、また新しい課題が見えてきました。

1つは深刻化する「子どもの貧困」。被災就学援助(*被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金の通称。被災3県で一般の就学援助とは別基準で給付される、国庫負担での就学援助のこと)も含めると、

約4割の小・中学生が経済的な援助を受けながら、学校に通っているというデータもあります。

塾や家庭教師を利用できないという声はもちろん、制服や教材費、給食費を払えないといった声や、1日1食しか作ることができないという声も聞こえて来ています。

余裕のない生活の中で、子ども自身がどんな気持ちでいるのか、想像するだけで、問題の深刻さを感じます。

もう1つは、学校に通うことができないだけではなく、自宅や自室からも出ることができない子どもたちの存在です。

ほっとスペース石巻や学習支援、また最近スタートした子ども食堂のいずれのプログラムも、子どもたちが「来る」ことが前提の来所型プログラムになっています。

しかし、来所自体が大きいハードルとなっている子どもたちには、そもそもプログラムを届けることができない。

それは、本人自身が抱えているものだけではなく、家庭自体にそれだけの「パワー」がない場合に起こります。

そこで、2015年11月からアウトリーチ活動(不登校の児童・生徒のもとへ訪問する活動)をスタートさせました。

従来、不登校の子どもたちのもとへの訪問は、担任の先生が行ったり、養護教諭や場合によってはスクールカウンセラーなどが行います。

しかし、訪問するものの「話の糸口がつかめない」、「顔すら見ることが出来ない」となかなか結果が出ないと聞いていました。

そこで、私たちは、私たちはより、子どもたちに近い目線で関われるよう、子どもたちと年代の近い大学生のボランティアと一緒に、アウトリーチをするようにしています。

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(TEDICメンバーの写真)

例えば、子どもたちと好きなアニメの話をしたり、Youtubeで見た面白い動画の話をしたり。少しづつ子どもたちとの距離感を近づけるように、工夫しています。

この点、年代が近いことは大きな武器で、職員が分からない最近の流行の話題が、突破口になることもしばしばあります。

子どもたちの元へ訪問するのは週1回〜、長くても2時間程度。子どもたちによって、過ごし方は変わりますが、1時間半は一緒にゲームをしたりしながら過ごすなど、子どもたちのペースで一緒にいるようにしています。

不登校のお子さんを抱える親御さんの多くは、既に学校に相談したり、児童相談所に相談したり、病院に相談したり、色々な手を尽くされています。

それでもどうしようもなくなって、藁をもすがる思いで、私たちの元へ相談に来てくださる親御さんもいらっしゃいます。

私たちは医療機関でもないですし、心理の専門家でもありませんが、専門的な支援につながる一歩を、子どもたちが勇気をもって踏み出す一歩を応援することは出来ると思っています」

最後に

TEDICの活動や、門馬さんの想い、いかがでしたでしょうか?

東日本大震災という大きな変化を受け、大変な環境にあった子どもたち。石巻という地域では、それ以前からも課題があったんですね。

地元出身の門馬さんだからこそ出来る支援や、やり方があるんだと思いますし、これからも応援していきたいです!

最後に、門馬さんからメッセージをお預かりしています。

「私が一番嬉しい瞬間は、子どもたちが『あ、今一歩踏み出したな!』と思える時です。

例えば、家から出られなかった子どもが、大学生と一緒にゲームセンターに行けるようになったとき─、

お母さんに何も言えなかった子どもが、『本当はやりたくない!』と思いをぶつけたとき─、

そんな”小さなチャレンジ”を見つける度に、活動をしていてよかったと本当に思いますし、

子どもたちに『いまのお前、めっちゃ、かっこいいよ!』と声をかけたくなります。

チャリティー・アイテムのデザインでは、スタートラインに立とうとする勇気をモチーフに、デザインをして頂きました。

子どもだけでなく、大人だって一歩踏み出す時は、誰だって不安だし、勇気が必要なものです。

もし、あなたの大切な人や身近な人が、踏み出そうとする時に、

デザインにあるように『いつでも帰っておいで!』と声をかけられるような存在になってあげてください。

今週のチャリティーは、石巻の子どもたちのために使われます。是非、チャリティーアイテムを通じて、私たちの活動の応援、よろしくお願いします!」

TEXT BY KEIGO TAKAHASHI

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NGO/NPO担当者からのメッセージ(チャリティーの入金報告)

【 THANKS MESSAGE 】NPO法人TEDIC から御礼とメッセージ | JAMMIN(ジャミン)

基本情報

法人名:NPO法人TEDIC
活 動:宮城・石巻に事務所を構え、放課後・夜の居場所つくり、学習支援等、地域の子どもたちが参加できる居場所つくりを進める非営利法人。
住 所:宮城県石巻市鋳銭場3-7 牧場ビル3階
H P:http://www.tedic.jp

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