CHARITY FOR

NPO法人ユース・ガーディアン

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突然ですが、もしあなたの子どもが、「いじめられている」と知ったら、どうしますか?

「うちの子どもがいじめられてる可能性がある」と学校の先生にまず相談するのではないでしょうか。

ただ、学校の先生も忙しく、子どもたち全員の面倒を細やかに見れる訳ではありません。

そして、熱血先生が解決するマンガのような現実は、残念ながら多くありませんし、警察は事件にならない限りは動きません。

自分で調べてみる─、と言いたいところですが、仕事で忙しいし、現実的に難しい。

しかし、指を咥えて見ているだけは、絶対したくない─、そんな想いをする人を支援するのが、今週のチャリティー、NPO法人ユース・ガーディアンです。

学校や親や警察─、誰も出来ないなら、探偵の自分がやる

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(ユース・ガーディアン代表の阿部さん)

ユース・ガーディアンの代表である阿部泰尚(あべひろたか)さんは、現役の探偵。現在もNPOの代表とともに探偵事務所も経営されています。

「証拠は、いかなる場合でも重要で、裁判でも判決を覆すことができるのは証拠だけ。証拠を自由に集めていけるのは、探偵しかいない」と考え、探偵としてのキャリアを歩み始めます。

ユースガーディアンは、いじめの実態調査を無料で引き受けるNPO法人。現在も月100件を超える相談が寄せられ、悪質な場合や現場への介入が必要と判断した場合には、月15案件ほどの実態調査を行っています。

今は多くのいじめ案件を請け負っている阿部さんですが、いじめ案件は断り続けていました。

もともと、阿部さんは「いじめは家族や学校が解決するもの」であり、別の世界の話だと考えていたそう。しかし、ある依頼者の熱意に負け、実際にいじめ案件を担当することになります。

実際に取り組んでみると「家族や学校側だけでは証拠を取る難しさがある。他の人が出来ないのであれば、探偵である自分がやるべきだ」と徐々に考え方が変わります。

その後、阿部さんの地道な活動がメディアに取り上げられるようになると「同業他社である他の探偵事務所が、チャンスと見て参入してきた」とも教えてくれました。

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(阿部さんが出版した書籍)

ただ、他の探偵事務所では、問題を複雑化させてしまうケースもあったそう。「世間に探偵がいじめに関わる、ということを見せた責任を強く感じている」ことも、活動を続けるモチベーションになっています。

いじめも“スマホ”で、という今の時代

阿部さんがいじめ案件に取り組んで10年近く。今、多くの子どもがスマホを持っています。

結果、誰でも簡単に動画や写真を撮ることができるようになりました。その画像を簡単にシェアすることも出来ます。

さらにはその画像を、不特定多数に公開することも出来るようになっています。

阿部さんが知る中で悪質だったいじめに「集団で自慰を強要し、その様子を動画で撮影・公開した」というものがあったそう。

こんな事件性の強いものを、子どもたちが簡単に出来るのが今の時代です。

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現在、著者はIT業界にインターンとして関わっています。

確かに、技術の発展のおかげで、子どもでも知識や手段を手に入れることが出来、ものすごいスピードで便利になっています。

ただ、スマホ(IT)を使いこなすだけの知能の成長や経験値が必要─、そう考えています。

IT業界では、子どもとITの関わりには様々な議論がされていますし、子どもたちにスマホの「正しい使い方」を教える取り組みも始まっています。

阿部さんはこの点について「業界、子ども本人、子どもの親、それぞれが、子どもの誤った使い方を防いでいって欲しい」と教えてくれました。

結論はもちろんありませんが、個人的にずっと考えていきたいテーマです。

いじめ案件の調査は「アナログな作業の積み重ね」

筆者は探偵サービスを利用したことはなく、そもそもどう調べているのか、知りませんでした。阿部さんに調査について聞くと「調査はアナログな作業の積み重ね」と教えてくれました。

レコーダーで証言証拠を集めたり─、

LINEいじめの様子のスクリーンショットを集めたり─、

追跡調査を行って証拠写真を撮ったり─、

など、多くの手間がかけられています。

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(実際の調査に使う機器)

さらに、いじめ案件の調査では聞き取りを子どもにする必要があり、「子どもから不信感を抱かれないための聞き出し方」や「子ども特有の嘘を見破る方法」など専門的なノウハウを、阿部さんは身につけていきました。

「最初は、いじめの話を聞いていると怒りがこみ上げてきて、いじめている子どもの人権なんて無視して、徹底的に叩いてしまおうか思ったこともある」とも阿部さんは教えてくれました。

しかし、いじめている子ども親からの愛情が受けられない等、課題を抱えていることが多かったそう。

阿部さんは「いじめっ子を叩くようなことは絶対にしない。いじめている子どもとその親御さん、いじめられてる子どもとその親御さん、そして学校。全てが良い関係になるよう、調整をするのが一番の仕事」とも教えてくれました。

地方の「いじめ」を変えていくためのチャリティーに

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(いじめ問題の解決に向けて講演する阿部さん)

ユース・ガーディアンの活動は、学校と一緒に取り組むことで本当の解決へ向かいます。

あくまで、阿部さん達が担当するのは、極端な話「最後の緊急手段」としての取り組み。いじめによる悲しい事件を、食い止めるためにあります。

しかしながら、現場の反応は違うそう。「いじめの調査を探偵がやっていると聞くと、学校関係者からは面倒臭がられます。実際、敵対視されていましたね」と阿部さんは教えてくれました。

特に、地方については、教育関係者のいじめに対する危機意識が低く、そもそも起きたとしてもどうしていいかわからず、何も出来ないケースも多いそう。

そうした現状を変えたいと阿部さんは今も奮闘しています。

「地方の講演会で、学校の先生はもっと頑張って欲しい、と言うと親御さんからの評判は良いのですが、学校の先生は厳しい顔をしています。ただ、必要なことは必要。もっと地方でいじめの実態について知って欲しい。そのために必要なノウハウは惜しまず提供する」と語ってくれました。

皆さんへメッセージ

ユースガーディアンの活動や、阿部さんの想い、いかがでしたでしょうか?

阿部さんの活動を知り、話を聞きながら考えていたのは、熱血学園ドラマ「GTO」。

漫画やドラマを見て、生徒のために全力でぶつかって、生徒を必ず守る姿に感動していました。

阿部さんの活動を通じて、日本中に鬼塚先生のような「子どものことに、全力で取り組む大人」が一人でも増えることを願って止みません。

最後に、ユース・ガーディアンの阿部さんからメッセージをお預かりしています。

「理想は、いじめが完全に無くなって欲しいけれど、現実的には難しいと考えています。

でも、いじめを早期の段階で発見、解決、そして子どもたちが回復する社会は作れる─、という信念の基、活動しています。

そのためにも、デザインにあるようにHANG IN THERE「(相手が負けそうな時に言う)頑張れ」を、あなたが、厳しい環境にある子どもたちに、届けて欲しいと願っています。

今週のチャリティーは、課題が多い地方のいじめ問題の解決のために、講演会の交通費として大切に使わせて頂きます。

是非、チャリティー・アイテムを通じて、私たちの活動の応援のほど、よろしくお願いします」

登校拒否の小学生

TEXT BY YUHEI KAI

NGO/NPO担当者からのメッセージ(チャリティーの入金報告)

【 THANKS MESSAGE 】NPO法人ユースガーディアン から御礼とメッセージ | JAMMIN(ジャミン)

基本情報

法人名:NPO法人ユース・ガーディアン
活 動:東京に事務所を構え、目に見えにくい心的ないじめや、傷害などの犯罪性の高いいじめなどの、解決を支援する非営利法人。
住 所:東京都目黒区東山3-16-3
H P:http://ijime-sos.com

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