あなたは、学生時代の教科書はどうしていますか?
ほとんどの人が捨ててしまったり、売ってしまったのではないでしょうか。
大学生である著者も、授業が終わってしまうと「もう使わないよね」と言って、古紙として捨てていました(しかも理系なので、価格が高い!)。
今、時期はまさに4月。進学や進級によって、新しい教科書を買おうとしている方が沢山いらっしゃると思います。
大きくて場所をとりがちな教科書。その不要になった教科書が、学校へ通えない子どもたちのためになる─、そんな新しい仕組みを作り上げた学生発のNGOが今週のチャリティー、一般社団法人STUDY FOR TWO(以下、STF)です。
あなたの知らなかった世界について、私たちJAMMINと一緒に学んでいきましょう。
日本では無償で、そして多くの人が不自由なく学校へ通うことが出来ます。一方、そうではない地域も多数存在するのをご存知の方も多いと思います。
例えば、アジアで急成長を続ける国、バングラデシュ─、学校1クラスの人数は60〜70人と大所帯で、学校の設備も十分に整っていないため、教室は薄暗く、生徒たちは肩を寄せ合っています。
こういった環境から満足に教育が受けられず、退学してしまう子どもたちも少なくありません。
そこで、SFTは学校へ通えない子どもたちのための活動をスタートします。
活動に必要なのは、まず資金。彼らは普通に募金を募るのではなく、大学生から使い終えた教科書を回収、その教科書を学生に安価で再販売し資金を集める、というアイデアを思いつきます。
SFTはみんなが得する仕組みになっています。その特徴は3つあります。
まず1つ目は不要な教科書を持つ人が、気軽に国際協力に参加できること。途上国へ行かなくても、気軽に応援することができます。
2つ目は教科書が欲しい学生にとって、安価で購入出来ること。高価な専門書が多い、理系男子の僕にとっては有難い。。。!
そして、3つ目は「環境」という観点、使われなくなった教科書がゴミにならず利用されること。エコな取り組みでもあります。
そもそもSFTはなぜ途上国の教育、という問題に取り組むことになったのでしょうか。
そのきっかけは、代表の石橋孝太郎さんのラオスへのボランティア体験。春休みの1ヶ月にラオスへ訪れ、途上国の子どもたちが置かれている現状を初めて知ることになります。
この頃、石橋さんは奨学金を受け取り大学に通っていました。
“お金がなくても勉強できる自分”が“お金がなくて勉強できない途上国の子ども”を支えたい、と思うようになったと言います。
同じ大学生とは思えない目線と志の高さ。。。!
4月や10月の授業開始シーズンには、多い時には2,000冊もの教科書がSFTの元へ届き、SFTは今までに1,000人以上の子どもたちに奨学金支援を行っています。
しかし、教科書を安く売ることに対して懐疑的な方もいたそう。大学近くの古本屋さんとか、確かに何か言いそうですね…。
そんな時、石橋さんは「一緒に途上国のために活動しましょう!」と声をかけ、販売協力をしたり地道に説得を続け、今は大学の近くで継続的に販売出来るようになったと言います。
「まるで、途上国の子どもたちと一緒に勉強しているよう」─、著者がSTUDY FOR TWOの活動を知った時の感想です。
STUDY FOR TWOの仕組みは、大学で日々迫って来る試験や課題は大変だけど、買った教科書が「学校へ通えない子どもたち」と繋がってると思うと、もうちょっと頑張ってみようかな─、そんな気持ちになれるのではないでしょうか。
最後にSTUDY FOR TWO代表の石橋さんからのメッセージを紹介します。
「今回のチャリティー・キャンペーンを通じて、STUDY FOR TWOや途上国の現状について知って頂くだけでなく、『小さな仕組みでも社会に変化を与えられること』に興味を持って頂く機会にしたいと考えていました。
一人でも多くの人が、自分の身近なところから、途上国支援を始めとして、自分ではない他者のことを考えてもらうきっかけになれば嬉しいです。
そして、STUDY FOR TWOは学生がメインで活動しています。メンバーにとって、学生時代のひと時ではなく、卒業していっても、絶えることなく、皆が集まったり、想いを共有する場にしていきたいと考えています。
今週お預かりするチャリティーは、バングラデシュでの学校建設のために使わせて頂きます。普段大学に通うときや、遊びに行くときにこのデザインを着てもらい、周りの人に紹介頂ければ嬉しいです!」
TEXT BY YUHEI KAI
【 THANKS MESSAGE 】一般社団法人STUDY FOR TWO から御礼とメッセージ | JAMMIN(ジャミン)
法人名:一般社団法人STUDY FOR TWO
活 動:東京に事務所を構え、勉強したいと願うすべての子どもたちが勉強できる世界を実現することを目指す非営利法人。
H P:http://studyfortwo.org