CHARITY FOR

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

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「『子ども支援の分野ではよく“未来を担う子ども”とか“子どもの未来のために”ということが言われるけれど、子どもは未来だけでなく“今”も生きている。今の視点を持って、今を変えていくことが大切』その言葉を胸に、セーブ・ザ・チルドレンで働いています」

「モンゴルの子どもたちの未来を変えるのは、今しかありません。チャリティー・アイテムを通じて、ゾドの被害の深刻化を防ぐ支援にご協力をよろしくお願いします」

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あなたは、モンゴルと聞くと、どんなイメージを持ちますか?

見渡す限りに広がる壮大な緑の大地、放牧して穏やかに暮らす遊牧民(そして、モンゴル相撲)。「生きる強さ」を持った人々が穏やかに暮らす国、という認識の方が多いのではないでしょうか。

この認識、半分は正解で、半分は間違っています。

今、モンゴルでは都市化が急速なペースで進み、子どもたちに様々な問題が起きていること。そしてゾドと呼ばれる「遅発的災害」の影響により緊急的な支援が必要であること。

私たちJAMMINに、そんな「モンゴルの今」を教えてくれたのは、今週のチャリティー、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下セーブ・ザ・チルドレン)、法人連携部の加藤遼也(かとう りょうや)さんです。

“子どもの未来のために”から、”子どもは今を生きている”というシンプルな思考へ

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(セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン法人連携部:加藤)

私、加藤はもともと、サッカーが大好きな学生でした。スペインに留学し、世界のサッカー界で活躍する日本人のことを日本に伝えたく、名古屋の南山大学を卒業後、出版社に就職しました。

その後、一度コンサル会社へ転職するものの、「サッカーを通じて世界各地の社会問題を解決する」という仕事に出会い、2011年から国際支援の分野で働いています。

コンサル会社の退職後は、すぐに「サッカーを通じて社会課題を解決する」仕事の経験を積むため、南アフリカ共和国に行きました。

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(南アフリカでサッカー教育プログラムを実施した子どもたちと一緒に)

南アフリカ共和国では、薬物依存やHIV/AIDSの蔓延などの課題を抱える地域で活動する地元の団体に所属し、子どもたちがそうした問題に影響を受けない、または乗り越えられるようサッカーをベースとした教育的なプログラムを開発し、子どもたちに実施していました。

しかし、団体の意向によりプログラムを途中で継続できなくなりました。

現地で私は子どもたちに「夢や目標が大切だよ」と伝えておきながら、大人の事情という身勝手な理由で期待を裏切る結果となり、子どもたちの気持ちを考えたら恐ろしくてゾっとしたことを覚えています。

本当に申し訳ない気持ちになりました。

私自身のことでも反省すべき点があり、今思えば、子どもたちのためにという視点より「サッカーの発展のために」という発想が強く、子どもたちの将来について、しっかりと考えられていませんでした。

また、プロジェクトの挫折経験から「持続性」という点も学び、単発のプロジェクトではなく「続けられること」を考えるようになりました。

その後、再び海外へ。アメリカのNGO「DC SCORES」でサッカーを活用した教育プログラムを学び、ドイツのNGO「streetfootballworld」で企業からのスポンサーを集める職種で経験を積み、今の仕事の基礎を学ぶことが出来ました。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンで働き始めて、スタッフとの会話で言われた印象的な言葉があります。

「子ども支援の分野ではよく“未来を担う子ども”とか“子どもの未来のために”ということが言われるけれど、子どもは未来だけでなく“今”も生きている。今の視点を持って、今を変えていくことが大切」

その言葉を胸に、セーブ・ザ・チルドレンで働いています。

モンゴルで今起きていること。子どもたちを襲う「遅発的災害」

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(一面が雪に覆われた大地)

セーブ・ザ・チルドレンで、今まさに取り組むプロジェクトに、モンゴルの寒雪害「ゾド」の被害にあっている子どもたちへの支援があります。

ゾドとは、夏季の干ばつ、冬季の異常な降雪、そして低温(場所によってはマイナス40℃以下)などが続くことで発生する気候事象です。

モンゴルでは人口300万人のうち、約30%の世帯が牧畜によって生活をしています。

生活の中で、家畜は遊牧世帯にとって貴重な資源であり、自身の食料はもちろん、肉や乳製品、山羊毛・羊毛(羊に限らずヤクの毛なども)を売って収入を得ています。

もし、十分な対策をコミュニティや各世帯レベルで講じていないと、ゾドが原因で、大量の家畜が死亡し、多くの遊牧民世帯は、食料や収入を失ってしまいます。

そのため、多くの人が、寒さに備え、先に肉にして売ろうと考えます。しかし、市場に多くの肉が出まわることで、価格が下がり収入が安定しません。結果的に家計に回す財政的な余裕が無くなる、という悪循環が生まれてしまいます。

2016年2月22日現在、モンゴルの約3分の1にあたる地域(330のソムとよばれる自治体のうち98の自治体)がゾドの状態であるとされており、今後の被害拡大が心配されているところです。

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NEMAによるゾド状況(2015年12月30日時点、青=ゾド状態、水色=ゾド状態手前、参照元:モンゴル国家危機管理庁の記事 http://nema.gov.mn/?p=10236 (NEMA、2016))

また、ゾドの影響を受けるのは、大人だけではありません。

親元を離れて学校に通っている子どもたちには、天候が悪いために親や家畜のことが心配で、不安で眠れない、学業に集中できないといった心理的影響を及ぼします。

また、休みなどで学校から帰省している子どもたちも、寒雪害の影響で学校に遅れて戻ることになってしまったり、春の時期になると遊牧の手伝いのために数日間学校に通うことができず学業に遅れが出る、等の問題が生じます。

厳しい寒さが続くことで、学校や寮の暖房施設が故障してしまったり、予算外の余分な燃料を必要とし、時には燃料不足に陥ってしまうようなこともあり、子どもたちの教育環境にも何らかの影響を及ぼします。

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(移動式住宅「ゲル」に暮らす遊牧民の家族)

そして、ゾドで最も重要なのは、被害が突発的に起きないことにあります。こうした災害は「遅発的災害」と呼ばれます。

台風や洪水のように、「突発的に」全てが変わってしまうのでなく、徐々に家畜が死んでしまうなど、段階的に生活に影響が出始めます。そのため、対応や支援が遅れ、子どもたちを取り巻く環境が日々悪化する事態を招いてしまいます。

90年代の急速な市場経済化により、子どもを取り巻く環境は激変

セーブ・ザ・チルドレンのモンゴルでの活動は、1994年にスタートしました。

最初の活動の一つは、ストリートチルドレンや児童労働に従事する子どもたちへの支援でした。

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(学校に通う子どもたち)

モンゴルでは、1990年代に、急激な市場経済化を目指した国営企業の大規模閉鎖・民営化が進みました。その影響により、国民の多くが職を失い、1990年代半ばから2000年初めにかけては、何万という子どもたちが極度の貧困状態に陥りました。

多くの子どもたちが生計を立てるために、学業を諦めざるを得ず、児童労働に従事するようになっていきました。モンゴルには、数千という子どもたちがストリートチルドレンとして街にあふれ、日々の空腹を凌いだりマンホールで暖を取る生活をしていました。

セーブ・ザ・チルドレンは、そうした子どもたちに、寝泊まり出来るシェルターを提供するなど衣食住の生活支援や、生活指導、心のケアなどの支援を提供しました。

2000年代から現在までは、主に就学前教育と小学校教育、そして子どもたちを虐待、ネグレクト、そして搾取から守る子ども保護分野での支援をモンゴルで続けてきています。

今年ゾド被害は、対策が十分にとれない発生

実は、モンゴルのゾド被害は、2009年から2010年にかけても課題となりました。

前回のゾドの特徴は、モンゴル一帯の牧地で、例年よりも早めの降雪があり、その後、寒暖の繰り返しで地面が凍結したこと。冬季の更なる積雪と寒気の影響で、全国各地の家畜が牧草を食べることができない状態に陥りました。

そして、政府やコミュニティも、そういった事態に備えて、夏の時期から飼料や干し草を備蓄するといった十分な対策をとっていなかったため、結果、比較的早い時期に、大量の家畜が死亡しまうという国家的緊急事態となってしまいました。

今回のゾドは、前回のゾドと少し特徴が異なります。

今回のゾドは、エルニーニョ現象などの影響で、モンゴル特定の地域で、夏の間降水量が少なく干ばつに近い状態が続き、そもそも十分な牧草が育たないまま冬を迎えています。

全国的に見ると、家畜の死亡率は今のところ平年並みなのですが、ソムと呼ばれる地方自治体によっては、今後厳しい天候が続くと、前回並みの被害を受けると予測されています。そういったリスクを抱えているソムが現在330中98存在します。

また、既に貧困ラインをさまよっている遊牧世帯などは、十分な干し草や飼料を備蓄できておらず、底を突くのは時間の問題と言われています。

もしこのままの状態が続くと、春から夏にかけて、さらに多くの家畜が死亡し、多くの遊牧民が財産・所得を失うことになり、緊急事態になることが懸念されています。

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(一面雪の中をゾド被害調査のため移動する車)

2016年の2月末現在、セーブ・ザ・チルドレンは、地方の事業地を中心に自主的に、また政府および国連といった国際機関と連携をとりながら、ゾド被害の状況把握を続けており、緊急支援方針と支援活動のメニューを組織内で議論し、まとめている段階です。

まだ具体的な内容は決定していませんが、例えば2万円のチャリティーで、

  • ゾドの被害を受けている遊牧民1世帯につき「羊・山羊といった家畜100頭分の1カ月分の飼料代の提供」
  • 遊牧民1世帯5人に「2カ月分の衣食・衛生用品など物資の提供」
  • 8~12人の親元を離れて暮らす子どもたちへの「心理的ケア」や「補習授業のサポート」

が実施出来るようになります。

このような支援を提供することで、遊牧民およびその子どもたちが受けるゾドの深刻な被害を未然に防止し、被害を受けたとしてもその影響を最小限にとどめることができます。

モンゴルの子どもたちの未来を守るために、今、あなたの手助けが必要

セーブ・ザ・チルドレンは1919年に英国にて設立されました。

子ども支援の世界的リーダーとして、すべての子どもにとって「生きる・育つ・守られる・参加する」子どもの権利が実現されている世界を目指して活動する、国連に認定された国際NGOです。

日本では1986年にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが発足しました。

現在、世界30ヶ国のメンバーが連携するセーブ・ザ・チルドレンの活動は、世界約120ヶ国において年間20億ドル規模で実施され、シリア、エチオピアなど、世界の最も過酷な地域での活動も含めて25,000人を越えるスタッフが5,500万人の子どもたちに支援を届けています。

活動地の一つモンゴルでは、都市部で生活する人の割合が年々増えています。

現在人口の約45%がウランバートルに集中しています。前回のゾドの影響で家畜を失い、ウランバートルに出てきた人たちも少なくありません。

20年前、モンゴルではじめて活動を開始した時と今では、子どもたちが直面している課題も大きく変化しています。私たちとしても、そうした現状をより多くの人たちに知っていただくために、世界各国での活動の中から特に、今回のチャリティーとして、モンゴルの「ゾド」の支援活動を取り上げて頂きました。

チャリティー・アイテムのデザインでは、子どもたちの笑顔をモチーフに、「今と未来を変えていく」というメッセージを込めて頂きました。

モンゴルの子どもたちの未来を変えるのは、今しかありません。チャリティー・アイテムを通じて、ゾドの被害の深刻化を防ぐ支援にご協力をよろしくお願いします。

TEXT BY KEIGO TAKAHASHI

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(モンゴルの子どもたち)

NGO/NPO担当者からのメッセージ(チャリティーの入金報告)

【 THANKS MESSAGE 】公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン から御礼とメッセージ | JAMMIN(ジャミン)

基本情報

法人名:公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
活 動:東京に事務所を構え、すべての子どもにとって「生きる・育つ・守られる・参加する」子どもの権利が実現されている世界を目指して活動する非営利法人。
住 所:東京都千代田区内神田2-8-4 山田ビル4F
H P:http://www.savechildren.or.jp

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